実は先週22日に釣行し、全くのノーヒットで終わった。季節はずれの台風が過ぎた直後だった。台風明けは爆釣か、大外れになることが多いが、今回は後者だった。水温が低下し、気温も3月を思わせる寒さとなった。ただし手直ししたオリジナルロッド4号の感触が良かったので、悔しくは無い。ロッドの手駒も揃い、来月のカップには、4号・5号ロッドの赤青コンビで臨むことにする。
タックルのテストは終了したと思ったが、実はその釣行の際に、求めていたフックが手に入った。さて、この「紫電フック」3/0と5/0でアシストフックを作ればいいだけなのだが、3/0がマコジグTJ140に嵌るという情報も入り、いつも通り作っていいものかどうか迷った。というのも、その前に使っていたカルティバのSJ41の5/0がTJ140にピッタリ嵌っていたからだ(結局ダメ出し)。紫電フックの5/0もSJ41とほぼ同じ大きさである。アシスト長を変える(短くする)等で、対応するしかなさそうだ。最終的には実釣で嵌りトラブルが出るかどうかテストしてみるしかない。結局セッティングを変えて数種類作ったアシストフックを持ち、今週も出撃することになった。金曜日にはヒラマサが複数ゲットされ、好調気配が漂う。これはもしかしたら、未だヒラマサを掛けていない赤青コンビに魂を入れることが出来るかもしれない。家には1日通しでやるかもしれない、とあらかじめ断りを入れておく。結果的にこの判断は良かったことになる。
前日が好調だったので、予約が多いと思い、いつもより早めに自宅を出発する。港に着くと左右の大トモは塞がっていた。ミヨシの踊り場も先約があったので、右ミヨシ2番目に釣り座を確保する。潮の流れと風向きからトモが有利に見えるが、凪模様だし、キャスティング主体にやれば問題あるまい。狙いは常連さん達も同じのようで、ミヨシ側は御馴染みのメンバーが揃った。これはもしかしたらティーザー効果でミヨシ側から爆発するかもしれないぞ、と(おこぼれを)期待しつつ、船は順調に勝浦沖を目指す。
爆釣2日無しとはよく言ったものだ。水温・濁り共に金曜日と同じ条件みたいなのだが、肝心の潮が全くといっていい程流れない。皆キャストして広範囲に探っていくのだが、海からの答えが返ってこない。8時半となり真潮根に入っても状況に変わりなく。あまりにも無反応なので睡魔が襲ってきた。小一時間程キャビンのソファーで熟睡したが、その間も気だるい時間が流れただけだった。
ちなみに新調したアシストフックは一度もジグに嵌らなかった。テストの結果は良好である。一応の目的は達したし、船中ノーヒットなのだから私の及ぶところではない。今日は終わりにするか、とも考える。しかし何かが引っかかる。潮さえ流れれば、あるいは何かのキッカケさえあれば、ヒラマサは口を使う気配がする。その証拠に、他船では合わせて2本出ている。しかも午後になれば、あのはしもとさんが乗るのである。例え自分がノーヒットで終わっても、得る物があるに違いない、と思い直す。
午後も真潮根から始まった。やや南風が強まり、風波が立って、午前より釣れそうな雰囲気が漂っている。しかしヒットの声が出ない。やはり潮が流れていないのだ。船長は無線で情報を聞き、大原沖の方がまだ真潮が効いているというので、未だ今年ヒラマサが上がっていない大原沖を探る大英断を下した。移動の間ソファーで熟睡して、体力回復に努める。ジャケットもパンツも、汗を大量に吸い込んで重かった。
まずはオオダカのポイントから始める。ジグを投入すると、確かにジグが流されていく。潮色も水温も大丈夫。後はシャクリ続けて海からの返答を待つしかない。ともすれば休みがちになるが、反対のミヨシで黙々とシャクリ続けているはしもとさんを見て、心を奮い立たせる。そして、底から10メートル程シャクリ上げた時に、「ゴゴン」とティップが入った。「ハッ」と思い、次いでアワセる。が、重い手応えは返ってこなかった。バイトしたが、フックが入っていなかった。暫くステイする。やはりチャンスは去ってしまった。「ああ〜」と思わず落胆の声が口から漏れた。でも時合いは訪れつつあるようだ。気を取り直し、同じシャクリを繰り返した。
先ほどは、下からキッチリ上までシャクリ上げて反応が返ってきた。そこで底タチをキッチり取ってからシャクリ続ける。すると、当然根掛かる確率も高くなった。何度かは回収出来たのだが、最後にガッチリ入って取れなくなった。ブレイク覚悟で引っ張る。するとブチッとした感触と共に、ブレイクした。アシストフックのすこし上が根に擦れていたのか、リーダーは付いていた。この時にリーダーを丸ごと換えれば良かったのだが、あまりにも断面周りが綺麗だったし、時間がもう終盤に差し掛かっていたので、少し上にアシストフックを新たに付けるに留めた。日も西に傾き始め、終わりが近づいていた。
1日通してシャクリ続けたのは、大して多くない。夕日を眺めていると、最初に外房でヒラマサを得た時を思い出す。あの日は1日シャクリ続けて、最後まで諦めずにシャクリ続けて夕マズメにヒットしたのだった。そう、正にこんな日よりだった。その時のカラーは…。とジグを赤金に付け替える。そしてその時のシャクリを繰り返す。あの時は底から3度おおきくシャクリ上げ、その後ショートピッチでシャクリ上げた直後に来た。以来私の基本のシャクリである。そしてスピードを上げていき、変調してスピードを落とす。と「ゴゴン」と来た。が未だ乗らない。ステイさせる。一拍置いて、ジグを引っ掴む感触が伝わる。ロッドをあおると重みが乗った!「よし、ヒット」ラインを巻き上げていく。結構手応えがある。バットエンドを下腹にあて、ギンバルファイトに切り替える。下に突っ込み始めた。ドラグがジジジと流れていく。不意に悪夢が襲った。ブチ、という感触と共に、リーダーが切れたのだった。「さっきからの根掛かりで、リーダーが痛んでいたか」頭が真っ白になった。
私がブレイクした直後に、反対側の吉野さんにヒット。無事ヒラマサが上がった。とりあえず、今日の船中0は無くなった。未だ夕マズメのチャンスはあるハズだ。リーダーを付け直したかったが、その時間は無い。一応傷が無いことを確認して、再度アシストフックを付ける。そしてシャクり続けるが、後が続かない。リーダーブレイクで終わるなんて、このままでは終わるわけにはいかない。中途半端に開いたアドレナリンが体中をたぎらせ、消耗したはずの体力を再びかき集める。
そして最後の流しとなった。リーダーが痛んでいる可能性のある5号ロッドから、4号ロッドに持ち変える。そして底から渾身のジャーク。周りで回遊しているヒラマサをイメージし、激しい動きで注意を引く、そしてハイスピードで捕食スイッチを入れ、スピードを転調してここで・・・「ヒット!」。イメージと実際が重なり合う瞬間だった。大きく合わせを入れ、すぐさま巻き上げに入る。そしてギンバルファイトの体勢を整える。突っ込み始めると、ロッドが大きく弓なりにしなった。普通であれば不安になる程のしなりだが、なにせ自分で作ったロッドだからブランクは良く知っている。負荷テストでグリップもべンディングゾーンになっていると分かっているので、気にならない。ドラグも流れているが、既に中層以上にあるので根に巻かれる心配も無い。何度かの突っ込みをいなし、無事船長のタモに入った。歓喜が全身を駆け巡る。会心の1本だった。
この充実感の為にジギングがある。それまでの焦燥も、疲労も、獲物の無いクーラーBOXを持ち帰る空しさも、納得のいく1本が取れれば霧散してしまう。 港で検量したら3.76Kだった。今日一日の全てが詰まった3.76Kだった。