バイオプロジェクト

改造になりますので、メーカーの保証は受けられないとお考え下さい。
内部をバラしますので、あくまでも自己責任においてお試し下さい。

 

 ここのところ鹿島ではシケ続きで海況が悪く、釣果情報も入らない状態です。オフシーズンの様相なので、最近ではリールを調べて暇つぶしをしています。

 SHIMANOのホームページでは最新機種のパーツリストがダウンロード出来るので、自分のアルテグラと上位機種を色々比較参照してみました。するとバイオマスターとアルテグラのパーツ価格がほぼ一緒、内部構造もほぼ一緒ということに気が付きました。アルテに対してバイオは価格にして約1.5倍、私にはセールを利用してもおいそれと買える金額ではありません。それでも、ハンドルを動かすと明らかに違うスムーズな巻き心地は魅力です。

 アルテとバイオの差は一体何なのか、これは内々で囁かれている通り、ベアリング一個の違いです。他はスプールと外装の塗装品質が違うのだと思われます。3000番以上はピニオンギア用ベアリングの後ろがブッシュになっています。2500番以下はマスターギア片側がブッシュになっています。
これをベアリングに換えるだけで、バイオの巻き心地があなたのモノとなります。
私と同じく懐の寂しい方々には一考の価値がありますよ。

 ベアリングのサイズを調べる方法は、リールをバラしてブッシュを取出し、ノギス等で測るのも一つの方法ですが、折角上位機種のパーツリストがあるのだから、参照してみましょう。

98アルテグラ6000の場合
ピニオンギヤ用ベアリング(後) 内径7×外径11×3
ついでにツインパワーと参照すると
マスターギヤ用ベアリング(右) 内径8×外径14×4
更にステラと参照してみると
クロスギヤ用ベアリング 内径3×外径6×2

同様にして、98アルテグラ3000を調べました。(4000も同じ)
ピニオンギヤ用ベアリング(後) 内径6×外径10×3
マスターギア用ベアリング(右) 内径7×外径11×3
クロスギヤ用ベアリング     内径3×外径6×2

2500番以下では下記の様になります。
マスターギア用ベアリング(右) 内径7×外径11×3
クロスギヤ用ベアリング     内径3×外径6×2

 ベアリングの入手方法は、釣具店でメーカーから取り寄せてもらうのが確実ですが、1個600円します。出来るだけ安上がりに済ませたいので、汎用品から調べてみました。小型のベアリングを使う物といえば、電動RCが思い浮かびます。模型店を覗いてみると、内径8×外径14×4、内径6×外径10×3、内径3×外径6×2.5のベアリングがありました。クロスギア用ベアリングの幅が0.5違いますが、後でリールのブッシュを取出してみると同じ幅だったので、問題ないと思われます。残念ながら一番使われる内径7×外径11×3のベアリングは、規格外品らしく見つかりませんでした。結局これだけ釣具店に頼んで、メーカーから取り寄せてもらいました。

 さていよいよベアリングを組み込みます。アルテグラの分解・組み付けには特殊工具など必要ありません。ドライバーセットと、12ミリスパナがあれば十分です。ただ粗悪品でやるとネジをなめてしまうことがあるので、JIS規格品だと安心です。それとパーツ1つ1つが小さいので紛失したら大変です。出来ればバラした部品・ネジごとに整理して配置しておきましょう。

 ちなみにこの6000はジギングに使っているので、ハンドル剛性を上げる為にジョイント部に瞬間接着剤を流し、エポキシ系接着剤で埋め、ホースバンド用口金で固定しています。これでようやくハンドル回りのトラブルが無くなりました。

 分解はすべてをバラす必要はありません。上側はスプールを外し、回転枠ナットを外せばインフィニット部まで出てきます。そしてローラークラッチを外せばピニオンギアが引き出せます。本体部はフタを外し摺動子ガイドまで外せば、スプール軸を引き出せます。

 ピニオンギア用ブッシュは、本体ケースにはまっていて固定されていないので、細長い物でつつくだけで簡単に取出せます。後は代わりのベアリングを入れるだけですが、袋から出した状態では注油されていないので、低粘度グリースを良く染み込ませ、次に通常のグリースを添付して組み込みます。

 次に本体ケースのマスターギア用ブッシュを取り外します。6000では圧入されていたのか強引に取りましたが、3000では簡単に取れました。クロスギア用ブッシュも同様に入れ替えて下さい。ただし上側のクロスギア用ブッシュは一体式なので、ベアリングの厚さ分だけカットする必要があります。

 後は分解した順序と逆に組み付ければ終了です。その際ギア・ベアリング周りでグリス切れしていないか確認しておくといいでしょう。耐久性を重視するなら高粘度グリスを、リーリングの軽さを重視するなら低粘度グリスを添付します。インフィニット部はむやみに注油しない方が無難ですね。

 これで完成です。リーリングしてみてどうですか?感触が変わったでしょうか?負荷の掛かった状態だと、違いがハッキリとあらわれるハズです。費用はベアリング3個で約1000円。これでバイオ以上のスペックが得られます。なにせベアリング6個入ってますからね。

同じ様に95バイオマスター5000XTもベアリングを組み込みました。
マスターギア用ベアリング(右) 内径7×外径11×3
クロスギヤ用ベアリング     内径3×外径6×2.5

 95バイオのハイドル操作感は元々非常に軽いので、大して違いは感じられません。ただしこれも負荷が掛かった時の巻き取り剛性は違うと思います。耐久性も上がると考えられます。

 余談になりますが、ツインパワーも同じ6個のベアリングが入っていますが、性能的には当然ツインパワーの方が上です。外装・ギア周りの品質・ケース剛性が違うのは当然として、構造上の大きな違いはスプール受け部分です。ツインパワーからは受けにベアリングを併用しています。従ってドラグの滑り出しがよりなめらかに違いありません。

 下位機種のナビ・エアレックスももちろんベアリングチューンは可能ですが、そこまでする必要があるかどうかは疑問です。これらはスプールを上下させる構造が違い、摺動子ギアを使い自動車のピストンのごとく円運動を上下運動に変えています。従ってその構造上、上下幅が限定されるに加え、上死点、下死点付近では速度が緩み、結果ラインの巻き取りにムラが生じます。一方アルテからはクロスギア方式という、シャフトに溝を付け、溝に沿って摺動子ピンが上下する方法なので、速度が一定であり、巻き取りムラが出来にくくなっています。新素材ラインを使用する場合や、頻繁にキャスト・リトリーブを繰り返すルアーフィッシングでは、キャスティングトラブルを減らす意味でも、アルテグラ以上の機種を使うことをお勧めします。

 最後にメンテナンスですが、ベアリングは精密機械部品ですから、グリス切れを起こしたり、砂・ホコリが混入するととたんに消耗します。外気・潮にふれやすいハンドル部・ラインローラー回りは特に注意が必要です。ガタを感じないといって油断していると、軸が固着して取り外し出来なくなってしまった例も見受けられます。過酷な使用条件にさらされた後は、こまめにチェックされることをお勧めします。