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連載患者様のための胃の粘膜下腫瘍(ねんまくかしゅよう)講座 第8回 2011年11月8日
 

胃粘膜下腫瘍(特に胃GIST)と診断された患者様へ

 この連載ではQAの形で胃粘膜下腫瘍について患者様にもわかりやすい表現で説明 しています。今回も粘膜下腫瘍の手術方法についてですが、胃内手術の限界についての解説です。今回も上級編です。じっくり読んでください。

 

 

 

 

 

【胃粘膜下腫瘍の治療:胃内手術の限界】   

Q13:噴門部にできた粘膜下腫瘍なら何でも胃内手術で取れますか?

A: 何でも取れるというわけではありません。胃内手術はすばらしい術式です。普通なら胃を全部切り取らなければならないような状況でも、胃を残して、腫瘍だけをくりぬけます。噴門部に粘膜下腫瘍が見つかった患者様には朗報だと思います。しかし、胃内手術にも限界があります。どういう腫瘍が胃内手術では取れないかというと、直径が4センチを超えるもの、あるいは腫瘍が胃の外側に発育している場合や、食道側に大きく発育している場合です。

腫瘍が外側に発育している場合は、食道側に発育していなければ、胃を残して切り取れる確率が高いです。腹腔鏡手術では深いところにあるためやや技術的に難しいところですが、可能です。もっと詳しく言うと、胃の前壁側にあるものは取りやすく、後壁側にあるものは難しいです。ここは自動縫合器と言われる機械で切り取ると、狭窄が起きやすい場所なので、できるだけマニュアルに切り取り、そして手縫いで縫合閉鎖するのがよいと思います。

腫瘍が食道側に発育している場合は、その量が多ければ局所切除を断念せざるを得ないです。食道側に伸びている腫瘍を無理して局所切除すると、手術の後、縫合不全や腹膜炎、狭窄などの合併症が起きてしまう場合があります。私の経験では、食道側への発育がおよそ1センチ程度まででしたら、胃内手術で取れますが、それ以上は技術的に困難です。このような場合は、現時点ではやはり腹腔鏡下に噴門側切除または胃全摘を行うしかないと思います。

 
 図1 胃と食道のつなぎ目の後壁から外に育つ粘膜下腫瘍
 
 図2 胃をひっくりかえして行うため難しい 超音波で切除する

 

図4 無事縫合が終わった 後壁では高い手縫いの技術が要求される 図3 腫瘍を切除したあとは、縫合して穴を閉じる
 

 

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 私は胃内手術を1993(金沢大学病院勤務時代)から開始しました。2012年からメディカルトピア草加病院でこの手術を行います 。全国から 胃の温存希望が強い患者様が手術を受けに来てくださいます。

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