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 「初代マンAタイプ考察」から

 イメージされたショート作品を

 福岡ハカイダーさんより頂戴

 しました。初代マンも段々

 マンセブンと紙一重となって

 きましたかな? 


 
 

 

 「ゾフィの独り言」

 超光速モード解除、通常飛行に切り替えた。

 M78星雲を出て約80時間。ようやく「太陽系」とやらに着いた。

 なんで、1年中多忙な私が、こんな宇宙のはずれまで来なきゃいかんのだ。

 そうだ、ヤツのせいだ。

 私の出来の悪い部下、ウルトラマンのせいだ。

 ヤツが突然行方不明になったのは、いつ頃だったか。

 早期退職制度を勧めてもガンとして受け入れず、

 窓際に追いやられ、若いやつらに無能呼ばわりされていたヤツに、

 見かねて仕事を任せたのが間違いだった・・・。

 囚人運送費の削減にもなるからと、ベムラーの護送をやらせてみたものの、

 いとも簡単に逃げ出され、

 しかも、拿捕も出来ずに、こんな宇宙の果てまで逃げ切られる始末。

 ベムラーなんぞ、新入社員でも赤子の手をひねるように扱える怪獣なのに。

 

 おかげで、私は上司のウルトラの父に、こってりと油を絞られた。

 営業車の「赤い球」もろとも失踪したマン。ウルトラの父が全宇宙に捜索の手を伸ばし、ようやく、この太陽系

 で油を売っていることが判明したわけだ。

 ウルトラの父は、「サボタージュ許すまじ」と、ゼットン星人にウルトラマン殺戮命令を出したらしい。

 さすがに殺すのはどうかと思い陳情した。実はウルトラマンとは同期の桜。要領の悪いあいつは平社員止まり。

 俺は宇宙警備隊長にまで栄達を遂げた。だから私は、今でもあいつに目をかけてきた。

 父の返事は冷たかった。「じゃおまえが連れ帰れ」・・・。

 しかも、私の陳情が遅かったため、ゼットン星人は地球に向かってしまった。

 私は、給料2年分を前借りし、命を二つ買い、「赤い球」も1台借りた。

 おっ、「地球」とやらが見えてきたぞ。

 ずいぶんと青ざめた寒い星だなぁ。

 突入する。

 あちっ、あつい〜。この摩擦は何だ?

 う〜耐えられない。とりあえず「赤い球」に入ろう。

 もういやだ。早く帰ろう。

 どこだ、ウルトラマンは。

 何でも、地球人の代わりに怪獣を倒して、感謝の言葉を味わっているらしいな。

 会社でも家でも邪魔者扱いされている身だ。それが快感になっても仕方がないか。

 

 おっ、あそこだ。

 仰向けになって昼寝か。いいご身分だな。

 「おい、ウルトラマン。起きろっての。ゾフィだよ」

 起きないなぁ。あれっ、もしかして死んでいるのか?

 さては、ゼットン星人の刺客にやられたか。でもゼットンはどうした。

 横で、オレンジ色した地球人達が飛び上がって喜んでいるな。

 あ〜、あの黒い残骸がそうかな。なんだウルトラマン、地球人が怪獣倒しちゃってるじゃねぇか。

 

 ウルトラマンも2万歳だからなぁ。ゼットン相手じゃ厳しいか。

 死んじゃったんじゃ仕方がない。命使うのもなんだ。もう帰るか。

 

 「ゾ、ゾ、ゾフィ。待ってくれ」

 あれ、まだ生きているのか。そいや、目に光はないが、開いてはいるな。

 さては、狸寝入りか。

 「起きろ、ウルトラマン。もう怒ってないから」

 「ご、ご、ごめんゾフィ」

 「おまえ、こんなところで油売ってやがって。ウルトラの父はカンカンだ」

 「だって・・・、せっかく任された外回りの仕事、しょっぱなから大失敗しただろ。

 おまけに、赤い球も壊しちゃったんだよ」

 「なに!。あれいくらするか知っているのか?俺の給料だって1年分だぞ」

 「だから帰れなかったんだよ」

 「そうだからって、失踪することはないだろ。おまけに苦労しているかと思えば、ずいぶんと恰幅もよくなった

 みたいじゃないか」

 「うふふ、地球の食べ物って結構いけるんだよね。とくにカレーライスってのがバツグンで。

 故郷みたいなストレスもないし」

 「俺の顔を見て言うな。奥さんも心配してるぞ」

 「あいつとは別れたいんだけど・・・」

 「おまえが素直に死んでれば、保険金で暮らせたものを。生きてるってわかちゃったから保険金下りないんだ。

 奥さん怒り心頭だ」

 「か・か・帰りたくない・・・」

 「ダーメ。連れて帰る」

 「そうだ、ゾフィ。帰るのはいいんだけど、俺が殺しちゃったハヤタくんに、命あげたいんだ」

 「なんだおまえ、地球人助けるんじゃなくって、殺しちゃったのか?」

 「そうなんだ。彼以外にも、怪獣と戦っている間にずいぶんとふんずけちゃったり、建物の下敷きにしちゃっ

 たり、フフフ」

 「笑っている場合か。もう2万歳も生きただろうが。ハヤタにやって死ね」

 「そ、そ、そんなぁ。ゾフィ。助けてくれよう」

 「おまえ、ここではヒーローなんだろ。いさぎよく死ね」

 「いやだよぅ、ゾフィ。助けてよ」

 「仕方ねぇなぁ。こんなこともあろうかと俺は命を二つ持ってきた。その一つをハヤタとやらにくれてやろう。

 あと何人殺したか知らないが、残り一つは抽選だ。俺が地球人のマスコミに手配しておいてやる」

 「ありがとう。あとやっぱり、今後のマスコミ対策も考えた方がいいよ。一応ぼくらはヒーローってことになっ

 ているから。たまには地球にきて、怪獣退治したほうがいいと思うんだけど」

 「それも大丈夫だ。セブンやジャック、エースにタロウ。血の気の多いヤツがたくさんいるから。こいつらを代

 わる代わる送り込むよ。おまえみたいな失態はないだろう」

 「さすがゾフィ」

 「じゃ、帰るぞ。命二つ分と、赤い球の代金。おまえの給料から差し引くからな。俺の計算だと、三万五千歳く

 らいまで働けば返せる」

 「ぎょえっ、そんなに働くの?宇宙警備隊で」

 「バカ。帰ったら、おまえたぶんクビだぞ。俺がなんとか仕事見つけてやる。ビル掃除とか、駐車場の管理人

 とか」

 「みじめだなぁ・・・」

 「もとはといえば、自分でまいた種だ。頑張って働け。いいな、今からハヤタの体と分離するぞ」

 「は〜い。俺の赤い球、これ新車だねぇ」

 「バカヤロウ、これはレンタカーだ。早く乗れ。どうもこの星の大気は性に合わない」

 「結構肌にもいいみたいだけ・・・」

 

 ここまでほざかせたところで、私はウルトラマンとハヤタを分離した。

 地球人が手を振っている。例のオレンジの奴らだ。

 ウルトラマンが殺したハヤタもいる。

 はぁ、疲れた。

 もう、こんな星来たくない。

 早く帰って、熱いシャワーを浴びよう。

 

  
 

 ※この作品における人物、その他の設定は、すべてフィクションであります。

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