pocoApocoのマジョリカ焼き。タイルや食器や・・

2004年5-6月号 Kayo  解説を加え、がんばりました。(Rika)

今回は、Kayo,yさんの2004年年明け以降の焼成作品をWebギャラリーに

これらの作品は、デザインシートは一切使用せず、工房内の資料や、自分で図書館などに通われ、図案からおこした、自作デザインによる作品です。

「課題」イタリアン陶芸に挑戦!クエルダセカのぷっくり感を損なわずに、さらに、スパゲティーも食べられるちゃんとした食器に仕上げるため、いろんなワザをかんがえてみました。釉薬は全て食器に使用できる日本製をベースにつくりました。最後に使用した釉薬はデルフト(オランダ)釉で食器に使えるように、日本の釉かけ技法「ふきがけ」を施しました。(ふきがけ:Maki先生案 ふふふ・・工房内にプロの食器作り師がいるといろんなウラワザが増えますね〜)

ファエンツア磁器土(日本製)を使用。真っ白で、中温で閉まる特殊な磁器土です。
通常の日本の高温磁器土とは違い、難易度の高い土のため、ひねりよりも、型やイコミに向いています。日本の一般の陶芸家が使用しない原因のひとつに、この成形のしにくさもあげられます。

ファエンツア土ってなんだ〜?日本の陶芸で言えば、粘土とガラスの粉を混ぜ合わせたもの。また、日本の陶芸の温度で焼くと、ガラスに変わってしまいます。要するに、土と言う名の釉薬なわけです。ヨーロッパで「瀬戸物」のことを「ファイアンス」とよび、白ければ白い土ほど、高価で尊重されておりました(中国のボーンチャイナを目標に)。

注:ファイアンスとは、今回Rikaが修行に参った、イタリアのファエンツアという地名からきています。日本では「瀬戸物」の瀬戸市といった地名が総称になっている例です。さて、我が国では、昭和初期の、富国強兵時代、瀬戸地方で、逆に「ヨーロッパのファイアンスの研究」が国家レベルで研究されており、現在の日本では、イタリアやスペインから、技術者や作家達が研修に来ています。
ただ、我が国の場合、技術が進みすぎた面もあります。PcoApocoでは、ヨーロッパの中世技法にこだわり、日本の最新技術と、日本の陶芸家ならではの発想を組み合わせ、
日本だからこそできる中世ヨーロッパの陶芸をやりましょう。

「課題」バッホクビエルタ技法のお猪口日本の陶芸のように、下絵付け、ただし、布海苔や、CMCを使うと発色に不安があるため定着に気を使いました。最後にデルフト釉薬を「どぶづけ」することにより、定着にも見事成功しました。顔料はスペインの顔料と、イタリアのリキッドで絵付け。通常、pocoApocoのクラスでは、受講生ご自身で、新しい色や技法にチャレンジされる場合、必ず、事前に実験指導が行われます。実験する時間が無い場合リキッド顔料は重宝します。これは、20世紀の顔料なので、裏技として使用しています。このリキッドは、「陶芸」の知識がなくても、発色できるように、とても便利になっています。初心者も、トールペイントの感覚で使用できます。pocoApocoの場合、釉薬を自家製にかえ、食器に可能です。(注:これはricaが商品として、バルセロナで販売していた時代よりアメリカのシカゴ大学で学ばれたRITAさん(イタリア出身)と制作していました。日本でも、ricaの作品として販売されている食器には、この材料を使っている作品もあります。また、日本の「陶芸作家」として販売されている作家さんでは、未だこの色を使っているかたはいらっしゃらない様子です。

 ちなみに、リタさんもバルセロナでこの色の作家としては、初めてぐらいの方なの・・  ちなみに、アメリカではわりと一般的です〜〜〜 なんだか不思議ですね!また、話はずれますが、私とこの色の出会いは、20年前のイギリス、コベントガーデン での陶芸家の作品。そして、10年ほど前のニュージランドでの作家さんとの出会い・・から、バルセロナでRITAさんとの衝撃の出会いでした。一般には、HOBBYというグループ(趣味の陶芸)として、アメリカ、イタリア、スペインでは普通に使用されているリキッド顔料ですが、リタさんは、バルセロナ工芸協会会員として、プロの食器作家として制作されています。イタリア人で有りながら、アメリカの陶芸をバルセロナで発信している・・。とても興味深い方です。リタさんの話しにずれてしまいましたが、、、→リンク・・こんな作品です・・・また、ご覧になってね!

釉上顔彩で仕上げ、アンティーク感を演出できました。今回、Kayoさんはお父様へのプレゼントを制作しました。課題以外に使用した技法は、イズニク。イタリア・ファエンツア国立陶芸美術館でも、イズニクがあったので、イタリア調イズニク。さらに、スペインや、モロッコの重金属顔料。裏技として、コースターに施したコバルトはメキシコ技法。または、スペインでいうなら、タラベラ焼きにあたります。タラベラ焼きの技法とはマジョリカで顔料を使うのではなく、釉薬でマジョリカする・・ああ、ややこしいですが、私たちの中温陶芸=マジョリカの世界とは、土も釉薬だし、釉薬も顔料だし、、ようするに、全て、ガラスの粉のお陰でもあります。注:ガラスではなく、陶磁器なところがガラスの世界よりも、陶芸に入っている・・そんな世界のため、何をどう使おうと全てOKなのですが、あえて、中世を学習するにあたり、どの時代にどんな技法があって、現在はどうなっているか、、そんな事を勉強しながらやっていくと、別の世界を理解、ようするに、海外旅行に行ったとき今までよりも、もっと、心にしみいる風景になっていくのであります。なにも海外だけでなく、日本の日常においても、目の付け所がシャープ(笑)になっていくのです!!

課題は、「釉薬の混色基本1」と、発展「クエルダセカ上に、関係のないラインによるマジョリカ絵タイル」 釉薬の混ぜかたにも、いろいろあります。釉薬とは、物理や化学の世界なので、単純に混ぜれば良いと言うわけでもありません。

「混色課題1」では、安定したマット釉薬3色とオパコ(白)でパステル調を作りました。これら同士を組み合わせるだけで、10色はできます。その上から、マジョリカ顔料を載せたのですが、下にある釉薬によって、のせた顔料の動きが変化しています。とても興味深い反応が起こっています。これらの技法が、中世グラナダのタイルに良く見られる技法です

課題は、「セビリア式」。今回は、アンティーク感を出すために、黒いラインを古典に忠実な技法でのせてみました。もちろん、デザインシートなど、一切使用せず、全て、図案からご自分でおこして制作しています。

セビリア式って何??ここで、pocoApocoのクエルダセカのカリキュラムセビリアーナスとは、の説明を加えます。クエルダセカの制作において、基本が全て入っている技法です。基本は、1,1円玉程度の大きさのクエルダ 2,小花などのクエルダここで注意。主体になる図案の外のカタチ(これは、デッサンをするときに、モノのカタチをとらえるために、空気のカタチをみなさい!と、いわれていたアレです。(デッサンは全ての美術の基本だねぇ) 3,線の帯、直線  4,線の帯、曲線 5,オレ アリーバ 6,オレバッホ クエルダセカの技術はアンダルシアの職人が14歳ぐらいから毎日毎日長時間労働で50歳ぐらいでマエストロという世界です。pocoApocoではそういった職人の一部分を頂戴し、芸術作品への基礎としているわけです。いかがですか?私がいつも、「う〜〜ん、セビリア式やろうよぉ〜」とか、言っているのは、そういった基本のことなんですわ・・・ひとつのクエルダ(区切り)のカタチに注意して、各自のレベルにあったセビリアーナスを制作しましょう。

Koyoさん、お見事な作品集でした!このお皿はみるひとたちを、セビリアーナス カルメンの世界へ誘うことでしょう・・・セビリアーナスでありながら、モッロッコ風。そして、なんとなく和風Koyoのカルメン皿にサルーテ!!


今月のお見事ネームプレート


難易度 nivel 3以上グラナダ masakoさんの作品

やりますなぁ〜〜さて、この技法、masakoさんは大皿でも制作された後の作品です。いきなりはできません。〜〜難しいんよ。オイルにおいているのは、ネグロではなくって、masakoさんには、初めから重金属でやってもらっているの。よけい大変だけれど、早くなじんだら、顔料でのオイルがとっても簡単に感じる裏技。ガラス釉薬とマット釉を組み合わせた古典でしかも斬新。ナビオクラス受講


講習歴半年、月4時間の毎日新聞社文化教室受講 Nakamuraさんは、ご自身の縁のあるセビリアーナスで制作を希望されました。半年目の初心クラスでしたので、この作品にかかる前に、2度ほど、小さなタイルで、実験。実験・・・そして、GO!3ヶ月かけて、こんなに立派な作品に仕上がりました。


千里丘の工房に通って、まだ4回目。Miyukiさんの作品はイタリア・トスカーナ。初心クラスですが、親友のご結婚お祝いに、気合いをいれました。工房に先に来られていた、イタリア・シチリア島図案(受講生のかたからのデザイン)をアレンジし、トスカーナ風に可愛く、貴賓のある作品にしあげました。周りのアイアンのデザインは、PocoApocoオリジナルで、イタリア、フィレンツエのメディチ家をイメージしたモノです。

Yukieさん作品。お友達へのプレゼントです。グレイツシュもご自分で混ぜてつくられました、微妙な濃淡がアンティーク感を演出。中のローズは、ガラス粉のリキッド状を混ぜ、釉薬単色で濃淡の表現が豊かに出せました。 ネーム部分はセビリア式にて細長クエルダ棒状
初心者コースなんですって・・・わわわ・・


yukariさんは集中で2日目の作品です。現在九州にいらっしゃいますがご実家が関西とのことで、工房の、集中講座にて3日間制作されました。ご自分でデザインされ、時計は土からこねて制作。やはり土はずいぶんそってしまったのですが、かえってそれがちょうど良い曲面になりました。土が乾燥してしまわないウチに、彫刻刀で彫り込み、クエンカ方式の裏技!! 鏡は、オリジナルでこれまたかわいい図案・・ とってもあま〜〜い新居になりそうです。

Shokoさん、工房クラス月8時間履修コース、8ヶ月目の履修です。左の黄色いお皿がsyokoさんの作品、(右のコバルトは履修2ヶ月のKaoriさんの作品です)いずれも、プリメラクラス(初心)の課題でしたが、、黄色の作品の始めに出した課題は「スイスマジョリカによるお皿」と、マジョリカ技法の予定でした。アイディアは、工房内の画集より選んで、一昨年信楽陶芸の森で行われた、日本初のスイス陶芸展。そこに出ていた素敵なアンティーク。それを、自分なりにデザイン化していくわけです。Shokoさんは、独身時代デザイナーをされていただけあり、また、この春お嬢様も「京都芸大の日本画科」入学されるなど、美術一家とあって、どんどんとイメージが進んでいきました。結果、鮮やかな黄色いお皿を作りたいとの方向で、マジョリカの図案からクエルダセカに移行。木炭で下書きをタンポする、本格的なクエルダセカの製作開始になりました。(通常、PocoAoocoの初心者コースでは、チャコペーパーを使用しています。)マジョリカ方式の木炭タンポは、中級になってからのはずでしたが、、ま、いずれはやることですので、、と、やってみました。結果、この作品の中には、セビリアーナスの課題に相当する、直線帯状クエルダ、曲線帯状クエルダ、小さな小花クエルダなど、全行程が含まれることになりました。まだ、制作時には、顔料と釉薬の違いもおぼつかない時期でしたが、私(RIka)ひとりがワクワクしながら、syokoさんの作品できあがりを待っている・・そんな制作でした。ブラボー!  

左:Shokoさんの作品 受講歴半年(60時間履修) クエルダセカとマジョリカ混合 千里丘工房

Shokoさんは半年でカリキュラムに沿って、順番に技術をアップしてきました。今回は、思い切って上級技法に挑戦。この作品は10時間ほどかかりました。初めはスパニッシュマジョリカの予定でしたが、鮮やかなガラス釉薬を使いたくなり、混合技法に。スイスアンティークマジョリカから、コルドバ式技法を入れて。釉の部分には、フレンチアンティークマジョリカ。

右:kaoriさんの作品 受講歴4ヶ月(20時間履修) クエルダセカ

Kaoriさんは、初めにクエルダセカの基本(自由絵画タイル)を4回受講し、ちょっと、大作に挑戦したくなりました。曲面への下書き写し込みが思った以上に大変で、ずれ混んだお陰で、良い図案が浮かびました。部分的に混色技法も入っています。セビリアの技法ですが、トルコ系でやってみました。ちなみに、コバルトは、冬場、山に籠もって「スキーヤー」なお仕事をされているKaoriさんの作品です。お皿のうらまでおってもキュートなんです。また、作者が山から降りてこられたら、お写真を載せますね!

下のアートボックスは、課題「ドイツのカードタイルで」オランダマジョリカを制作。ドイツのカードタイルとは、とっても薄く、郵便はがきのようなタイルですので、普通のマジョリカはできません。そこで、バッホクビエルタによって、最後に、ふいごでデルフト釉薬をふきかけました。

Shokoさんのマジョリカです。宝石箱の蓋部分に埋め込むこともできます。

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