
|
1975年型ランチア・ストラトス。ご存知Gr.4時代のWRCラリーで、サンドロ・ムナーリらによってランチア黄金期を築き上げた車ですが、当時ベルトーネで活躍し、ランボルギーニ・カウンタックなどを手掛けていたマルチェロ・ガンディーニがデザインしたウェッジシェイプのキツいそのスタイルから、とかくスーパーカーに見られがちです。しかし、以前からラリーカーフリークであったワテは、決してこの車をスーパーカーであると思ったことは一度もありません。やはり、今でも純粋なラリーカーだと思っております。でも、よく当時のドライバーはこれでサファリなどを走ったものだとは思いますけどね。ちょっと考えられないほど場違いな感じではあります。 |
ワテがこの車を強引に購入したのは91年。まだバブル冷めやらぬ頃のことだったので、実際かなり高かったです。それでも、最も安いものを探して手に入れました。おかげで、エンジンはOH済みで調子良かったものの、内外装は小汚く、ホイールもナゾのスリーピースものが付いていました。色々と欠品部分も多く、今と違ってなかなかランチアに精通したショップもなく、情報も乏しかったですが、とりあえず手直しして、ちょっとはまともになるまでに結構お金をかけました。別段金持ちでも何でもない一介のサラリーマンでしたので、給料の大半がこれに消えましたね。
|

|

|
走らせてみるとこれがまた不思議な感じで、それまで乗っていたデルタ・インテグラーレ16Vとはまるで違い、アクセルやブレーキのレスポンスがダイレクトに伝わってきました。良く言われることですが、ちょっとオーバーペースでコーナーに入ると、すぐにクルリとリアがすべるというのはほとんどありません。デルタの感覚で攻めたとしても、まず尻はひどく流れることはありませんでしたね。ま、そこまで腕がないので心配する必要もなしですが(笑)。ハンドリングは意外とクイックではなく、感覚的にはストレートに伝わってきますが、回転角は大きいですね。ただ、高速道路で100km/hを超えると妙にハンドルが軽くなって、小指一本で回ってしまう感じで、うすら寒い雰囲気でした。かなり風圧でフロントが浮き上がり気味になるんでしょうね。エンジン自体は低速から相当力がありますんで、思いのほか走りやすい印象です。雨漏りは結構キツイものがありましたが、走っている限りあまり問題はありませんでした。
|
| この車はヨーロッパではラリーカーとして使われたのか、結構色々なところに手が加えられていました。まず、バッテリーがフロントに移され、容量の大きいものに変更され、フロントガラスも一枚のみの薄くて軽量のものが使われておりました。ただし、これはキズが多かったので、オリジナルのものに交換してしまいました。でも合わせ面に空気が入っており見た目にカッチョ悪いです。フレームも用意しておいたのですが、修理屋さんが何故かそれを使わず、ただシーリング材だけで張り合わせてあります。どうやら内装も剥がされていたらしく、国内に入ってから取り付け直されたようです。 |

|

|
点火装置も換えられていて、本来は悪名高いマレッリのセミトランジスタが付いているはずなのですが、ワコーのものが付いていました。ということは、ここは国内で取り換えたのでしょうが、これは僕のちょっとしたミスから壊れてしまったので、ロールス御用達のルーメニションのものに変更しました。でも、この変更は大正解でした。かなり回転の上がりが鋭くなり、本当に体感できるほど良くなりました。10万円もしたように、ちょっと高いけれどお勧めの逸品ですね。ちなみに日本で売られている国産車向けのものはどう言う訳か値段が極端に安く、逆に心配になってきますが。生産数の違いから価格が違うんでしょうかね??
|
ホイールはノーマルも別に付いてきましたが、ちょっと傷んでいたので、色々探しました。ナゾのパイプ状の五本スポークホイールが車体に取り付けられていましたが、これだけは我慢できませんでした。だめもとで旧カンパニョーロのテクノマグネシオの日本代理店に問い合わせたところ、何とオーダーすれば作ってくれるとのこと。その直後に色々面倒見て下さったストラトスマニアの知人のYさんのストックにあり、譲って頂けることになって、ここは当然購入。タイヤは元からピレリP7Rの205/50-15が付いていましたが、オリジナルは205/70-14なので、15インチにしたなら60が妥当なはずです。Fホイールが7.5JでRが8Jですので、リアタイヤはピレリP7の225/50-15を入れていますが、これでも直径は2cmほど小さいようです。
|

|
| 消えていたフロントエンブレムも千葉のスーパーカー専門店にダメ元で頼んでおいたら、しばらくして2万円で入荷した知らせが来て、頼んだ自分でビックリしたもんです。ストラトス用は他のランチア車のものと異なって円の外側に楯状の枠が付いていませんので、代用が利かないんです。でもこうして意外なルートで手に入ると嬉しいもんですよね。また、サス周りに何やらオリジナルでないものが使われているような気がして、近所にあったACコブラを主にやっていた今はなきショップに相談したところ、イギリスでF/Rともビルシュタイン製のショックとオリジナルのスプリングを探してくれました。この時も意外なところでストラトスのパーツが見付かったので嬉しくなりましたが、タイヤ屋をやっている友人のところで早速交換してみたところ、何と元々付いていたのがオリジナルでした(←アフォです)。スプリングが白いビニールコートされていたことと、リアショックはカートリッジ式で外側はあくまでカバーのようなものだったので、中身が分からなかったんです。コイルスプリングのビニールコートは単にサビ防止のため前のオーナーがやったもののようでした。まあ、でもスペアパーツとしてショックアブゾーバーは必須なので、損はしていません(と自分に言い聞かせました〜)。さらにはストラトスマニアのYさんのご紹介で、その道で有名らしい町田のスーパーカー専門の修理屋さんでフロントガラスの交換とともにフレーム矯正もして一応しっかりとした状態になりました。Yさんは本当に良くしてくれて、雑誌の表紙を度々飾ったホンモノのワークスストラトス(24バルブ!)にも乗せてくれまして首都高横羽線でそのすごい加速を味わわせてくれました。また、ストックパーツとしてお持ちだったやはりホンモノのワークスカーの4連ランプのケースとそのカバー、トップにちょんまげのように取り付けるエアダクトカバーを譲って下さいました。でもこれらを取り付けるには大改造が必要で、車体に穴を開けるのをためらっているうちに、あまり乗らなくなってしまいました。 |

|
ところで、ストラトスのエンジンはディノのものでフェラーリの設計だと思われていますが、実際はランチアの天才技師ヴィットリオ・ヤーノがランチア唯一のF1カーであったD50とともに、F1からの撤退を理由にランチアのレース部門ごとフェラーリへ出向してそのまま残り、そこで作ったものが原型です。最初のディノの名はこの1.6リッターのフォーミュラーカーから始まり、しばらくしてから2リッターエンジンになり、それが後にディノ206GTへと進化して行くんですね。 |
| ちなみにディノ246GTのエンジンはさすがに当初の1.6のエンジンを単純に拡大して作ったものではなく、途中アルフレッド・ランプレディによって再設計されたものですが、基本構想は当初のものと変わりません。またこの246が市販された時代にはすでにフィアットの力が働いており、生産は事実上フィアットでしたし、決してフェラーリ自身のみによるものではありませんでした。 |
| こちらは80年にランチアWRC復活劇を成し遂げたランチア037ラリー。93年頃に第一回ランチアランチというミーティングに参加した時に見た車の一台です。当時このミーティングは参加費が結構高いにもかかわらず、名前の通り軽い昼食を食べるだけのもので、ワテは主催者側から連絡を受けて呼ばれて行ったのですが、クラブメンバー外のちょっと高い参加費(1万5千円)をとられた上、結局何もせず何だか愛車を見せびらかしているだけのようになってしまい、以後一度も行っていません。しかし、色々なランチアを間近に見られて楽しかったことは事実です。ランチアファンの皆さんは一度行ってみると良いでしょう。 |

|

|
左は以前に乗っていたデルタHFインテグラーレ16Vです。これは実に良い車でした。できることなら死ぬまで乗り続けたいと思いましたね。ご覧の通りマッドフラップとアンダーガードを付けていますが、これは当時まだデルタをやっていなかった川崎のラリーショップに相談し、2ヶ月近く預けて作ったものです。この時の型を使って同じ品を販売し、以降そのショップはデルタに強い店になって行きました。デルタのフルパワーは胸がスカッとします。触媒のない欧州モデルだったので(マフラーは元に戻しました)、日本向けの「こっそりデチューン」バージョンと異なり、正真正銘200ps出ていました。ブースト圧計もしっかり1.2に至ってくれたもんです。 |
そうは言っても、デルタに乗るうちますますストラトスに興味を持つ結果になり、最終的にワテの中でストラトスの魔力には負けてしまいました。この後普段用にスズキアルトのオートマノンターボ車に乗っていましたが、これもまたなかなかきびきびと良く走ってくれましたね。
ところで、ストラトスの190ps/7000rpmのデータは、現在の車のレベルからすれば全然大したことはありませんが、やはりリッターカー並の軽さが鋭い瞬発力を生み出すのでしょう。でも、ちょっと遠くまで行って、現地で突然パーツがいかれるのではないかという心配はいつまでたってもなくならないでしょうが、まあ、何しろここしばらくはガレージに眠ったままになっているので、そんな心配は無用と言う訳です(笑)。色々気になるもんで、さすがにこの車でダートは一回しか走れませんでしたしね(^^)。やはり走ってナンボですから、コケても大した被害がないため、ダートを自分の腕前の範囲内で思いっ切り飛ばせたオフロードバイクの魅力にはかなわなかったと言うところです。 |