熊本マリ

静かな音楽(ひそやかな音楽)

スペインの詩人サン・ホアン・デ・ラ・クルースの詩句「音なき音楽」からインスパイアされたフェデリコ・モンポウが作曲した作品。

KICC-645
2006.10.04.発売
税込み \2,800.


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2SA627/2SD188のA級パワーアンプは、暖かく滑らかな音色で非常に気に入っています。A級のため発熱量も非常に多いのですが、夏場でも安定して動作する信頼性も兼ね備えています。しかし、B&W Signature 805のような低インピーダンスで強力な磁気回路を持つ小型スピーカーを気持ち良く鳴らすにはチカラ不足感は否めません。アンプの駆動力がスピーカーの逆起電力に負けてしまっているのです。

そこで今回は、強力なスピーカー駆動能力を期待してUHC MOS-FETをパワー段に使用した金田式DCパワーアンプを製作しました。金田先生のUHC MOS-FETパワーアンプには、何種類かのバリエーションがあります。今回は、出来る限りシンプルでUHC MOS-FETの良さが引き出せる回路構成という観点で「無線と実験」 2004年12月号 DCアンプシリーズ No.180を参考にしました。初段の差動増幅にFET、2段目の差動増幅とドライバー段にメタルキャン・トランジスターのハイブリッド構成です。


参考にした回路 ( 「無線と実験」 2004年12月号より引用 )

設計構想(設計仕様)

1.L/R完全独立構成 → 電源トランス TK−320(テクニカルサンヨー)採用
2.初段 ±50V 安定化電源
3.ドライバー段、パワー段 ±30V 非安定、MOS−FETによる電源遮断保護回路付き
4.ドライバー段 2SC960採用(手持ちストックの活用)
5.モーションフィードバックは採用しない。(通常のフィードバックのみ)
6.スピーカ保護用リレー採用(接点抵抗を下げるため2個パラ)
7.保護回路用に独立5V電源搭載

完全対称アンプの危険性

完全対称アンプ構成は、優れた特性を持っている反面、パワーアンプとして使いこなすには注意するポイントがいくつかあります。それは、2段目の差動増幅回路(Tr6、Tr7)とその負荷、即ちドライバー段のバイアス回路です。上の回路図では、820Ω+200Ωサーミスタ//330Ωで構成された負荷抵抗です。

1.Tr6のコレクタ電圧: Tr7に対して2倍近い電圧が印加され、コレクタ損失がアンバランス。
2.保護回路動作時、±30V電源が遮断されるとTr6がカットオフされバイアス電流が全てTr7に流れてしまう。

特に2.は深刻な事態をもたらします。
+側のドライバー段以降がアクティブな一瞬に大電流がMOS-FETに流れます。またパワー段の電源がカットオフされても、出力にDC電圧がリークします。さらにこのような状態は、今回の設計構想のように初段とパワー段の電源を分離した場合には、電源ON/OFF時の電源電圧トランジェントでも生じるため非常に厄介です。


危険回避の対策

このような危険な状態を回避するには、パワー段の電源の立ち上がりや遮断と同時に初段の電流源も追従して動作・遮断することが必要です。

1.初段の電流源に独立した−50Vを使用せず、−30V電源(非安定化)を共用する。
この電流源に関しては、2段階で安定化されていますから−30Vと共通化しても問題ありません。このようにすれば、保護回路が動作してパワー段の電源が遮断すると同時にバイアス電流の電流源も遮断されるのでバイアス電流のTr7集中が防止できます。電源ON/OFF時も同様です。

結果的に、初段に+50V(安定化電源)だけが残ります。この部分は、電源電圧の変動に対するマージンや動作領域のマージン確保に有効ですが、ラインバッファー・アンプの経験から+30Vでも充分動作します。即ち、ラインバッファー・アンプに20数dBのゲインとパワー段(電流増幅段)を持たせたものがパワーアンプと言うことになります。

2.±30V単一電源パワーアンプ
完全対称アンプ構成は電源電圧の変動に対して強いので初段の電源を安定化しなくても安定して動作します。逆に電源を単一化することでアース周りの配線を単純化できるメリットが生まれます。アース回路や電源回路が、信号経路を構成する一部分になるので大電流信号を扱うパワーアンプの場合大きなメリットになります。


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