やまだたかあき 著 作 集 2002 8/16
ヒグラシの森
8月22日、まだ明るい夕刻。 道路を隔てたところにある県立座間谷戸山公園の大きな森へ足を運びました。
ここはかっての里山で、谷底には田んぼ跡の湿地が細長く残っています。
いつもはカタツムリの観察に入るこの森へ、今日はヒグラシの力強くて澄んだ鳴き声が聞きたくてやってきました。
昼間にはアブラゼミがジージーとやかましく鳴いて暑さが耳にまで響いてくるのに、日没が近くなるとヒグラシが一斉に合唱を始めます。
そうするとアブラゼミの鳴き声がどこかへ消えたか様に霞んでしまうのです。
キャナキャナキャナキャナキャナキャナーーーと森全体に響き渡る澄んだこの合唱に我を忘れて聞き入っておりました。
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一斉に 鳴き響くカナカナ 里の山 ヒグラシの 合唱聞き入る 森のセミ ジージーの 暑さ消し去る ヒグラシきゃな (季語の重複、気にしないで) |
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そらの涙
6月25日、私の退職を祝って会社の若い女性達3人が会を催してくれました。
お店は月島のもんじゃ屋さんです。
3人の麗しい女性に囲まれて最高にハッピーなひとときでした。もんじゃってみんなでわいわいやりながら作れて食べられて、なかなか楽しいのです。
梅雨まっさかりのこの日も外は雨でした。
娘たち 空の涙が 降る通り もんじゃ囲んで 我を送る 7月3日
あじさいの 雨がうれしや かたつむり 7月3日
尾瀬の熊さん
5月2日、午前8時20分、標高1800m付近、雪の至仏山、スキーを履いて登っている時の出来事
水芭蕉も未だ見えない白い尾瀬
その尾瀬の山へ登ったら熊さんに出会った
一瞬たじろいで3歩下がるが逃げられない
覚悟を決めて前を向いて森の熊さんを口ずさむ
ある日 森のなか 熊さんに 出会った‥♪
こんな出会い滅多にあるもんじゃない、と
ちょっと嬉しくなってきたが熊さんはびっくり
一目散で山を駆け下りて行った
熊さんさようなら元気でねーと見送った
ららららーらーらーらっらー
熊さんさようならー。ほんとの話。この春、尾瀬における熊目撃第一号となりました。
ほんと!! 5月9日 たかあき
ふじの紫
藤棚を したたり落つる紫を 心に浴びて 息(生き)返す
緑の雲
4月2日、私が住んでいるマンションは高台にあって13階です。
通路側には県道を挟んで谷戸山公園の雑木林が広がっています。 新緑の森を上の方から見るとまるで雲のように柔らかいでこぼこが膨らんで見えます。
まるで自分が緑の雲の上にでもいる様です。
湧き上がる 緑の雲海 うぐいす響く
もうめっきり日差しが強くなってきました。 まだ芽吹いたばかりの小さくて柔らかい葉が日陰を作ります。小さな公園の昼休みのひと時、これまた小さくて柔らかい手をした幼児が遊んでいました。
生まれたて 幼な緑が 風あそび
幼子誘われ 砂あそび
春の雨
3月29日、この時期に降る雨は桜の花を打つせいで無情の雨と呼ばれます。でも私はこの雨が大好きです。雨で潤って輝く緑の芽が、濡れて黒く光る枝や幹の先にすてきなコントラストをつくるからです。
黒くひかる枝先に
緑の真珠をちりばめて
春の雨は降りそそぐ
目覚めた蛙も歩きだす
小さな流れを遡り
生まれた池で結ばれる
‥‥
春の雨は新緑を勢いづけます。雨の度に緑が増えている事に気がつきます。だから命を育む春の雨が好きなのです。
緑まします日一日 雨にぬれ 陽にあたり
芽吹き
枝さきの みどりの点が膨らんで 青い空を奪いあう
こがらしが森を眠りに導く合図なら、春いちばんは森の目覚ましかも知れませんね。
春いちばん 森の眠けを 吹き飛ばす
咲きまちがい
3月8日、桜の季節がもう目の前です。今日、大崎へ行く途中、目黒川沿いに並ぶ桜の木のなかで一本だけ花をつけた木がありました。この木だけが三部咲きほどに咲いているのです。でも寒くて震えていそうです。花の色も透き通った紫。
間違えて 咲いて青ざめ 桜花
枝先に詰まる春
2月8日、冬の盛りの寒々とした日、葉のない木々達はまるで空に向かって根を張っている様です。そんな冬の枝先にも春が小さいながらも膨らんできています。
葉を落とし 天に根を張る 木々たちの
枝にはぎっしり 春つまる
↑2002年
2000年
雪国からの‥
12月14日、今朝、横須賀線に乗って来た時、鶴見の車庫に止まっている貨物列車がありました。
真っ黒な貨物列車の屋根の上に真っ白な雪が。それを見て雪国では白いものが降っているんだなって実感したんです。その事を想像していたら‥。
雪国からの速達便
貨物列車の屋根の上
初物の白いやつ
したたりながら通りすぎ
もうじきだと知らせ行く
雪国からの招待状
貨物列車の屋根の上
どっさりと白いやつ
どどどっとまきながら
遊びにおいでと誘ってる