◎第1回 かまち 潤さんとの対話(01/12/03)

 もうかれこれ十数年前になるだろうか、まだアバのファンになったばかりの私は、アバの情報を求めてレコード、CD、古い音楽雑誌などを買いあさっていた。そんな時、ふと目にした新聞にアバのレコード・ライナーを書いていた音楽評論家のかまち 潤さんの連載記事に目が止まった。確かレコード収集に関してのものだったが、なんでもかまちさんは、日本で最もレコードを所有しているレコード・マニアだそうだ。くわしい内容は覚えていないが、アバ関連のことも書かれており、自分の頭の中では、かまちさんにアバのことを教えていただけないかという大胆な考えがよぎっていた。”このチャンスを逃すな”こんな考えのもとに私は、一枚の葉書をその新聞社宛に送ることになった。”ぜひ、かまち 潤さんに質問したいことがあるのですが”という問いになんとその新聞社は住所を添えた手紙を送ってくれたのだ。無謀と分かっていながら私はさっそくかまち 潤さんのもとにアバに関する質問の葉書を送った。まさかと思いながら一週間後のポストを見てびっくり、かまちさんからの返信が届いていたのだった。恥ずかしいことだが、今もってどのような内容のことを質問したか分からないが、とてもくわしくアバのことが書かれており、なんと親切なお方なのかと感動してしまった。しかし、その手紙を紛失してしまったのは本当に情けなく申し訳なく思っている。私は急いで、近くのコンピニでお礼の品物を買い、次の日にそれを送り届けた。

 それからどのくらいの日がたったか分からないが、確か夜の7時くらいだったろうか、電話が鳴り響いた、受話器を取ると男の人の声が聞こえる。聞き慣れない声だったので、私は間違い電話だろうと思い、受話器を降ろしそうになっていた。「かまちです」という小さめの声に「はいどなたですか?」とやや不機嫌な返答をしてしまった。しかし、その次ははっきり聞き取れた。「かまちです」私はつぎの瞬間背筋がぴんとなっていることに気が付いた。「お礼の送りものだそうですが、こんことをしていただかなくてよかったのに」というかまちさんの言葉に私は、やや堅くなった口調で「いえ、私こそ突然のお手紙失礼しました」とありきたりの返答をしていた。かまちさんの方もこちらの緊張感に気が付いたのか、フレンドリーな口調でアバや音楽全般について親切に語り初めてくれた。私はこの頃からアバに触発され作曲の勉強をしてたのだが、そのことを告げると「とにかく色々なタイプの音楽を聴いたほうがいいですよ。アバの音楽は確かに素晴らしいですが、そればっかり聴いていてはなにも得るものがありませんよ」というやや厳しい言葉にただただ聞き入るばかりだった。それから、次の言葉にはさすがにびびってしまった。「彼らから色々話を聞いたことがありますが、その音楽的な背景はとてつもなく広いものでしたよ」そうだ、この人は直接アバにインタビューをしたことがある人なんだ!それから、何分がたったろうか、頭が真っ白の中で私は、まともな質問もできぬまま、かまち 潤さんとの対話を終えることになった。一番印象的な言葉は、「世の中には無意味な音楽が氾濫していて、その中でアバの音楽に出会えたことは本当に素晴らしいことですよ」と言ってくれたことだった。今から考えれば、あれもこれも聞いてみたかったことはたくさんあったが、人生の中で忘れられない思い出のひとつになったことには間違いないだろう。


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