■ ボーカルレッスン - 歌い方の2大コンセプト

いろんな歌い方があります!

素晴らしいボーカリストの歌声を聞くのが好きで、ギタリストにも関わらず普段はギターミュージックよりボーカル物を好んで聞いているアコースフィア奥沢です。
大好きなStevie Wonder、Earth Wind & Fire、Michael JacksonPeter GabrielSting、Phil Collins、James Taylor、宇多田ヒカル、矢野顕子、ゴダイゴ、そしてTuck&Patti
各アーティストそれぞれ独自の歌い方を持っていて、いつ聞いても感動してしまいます。

一見、全く違うアーティスト達の歌い方ですが、分析してゆくと共通点も見えてきます。
大きな分類として見えてきたのは、「リズミカルに歌う人」と「リズムにとらわれずに自由に歌う人」がいるという事。
またアーティストによっては両方を楽曲に合わせて使い分けている人もいます。

今回のボーカルレッスンは「リズミカル・シンギング」「ノンリズミカル・シンギング」の説明と、そのメリット、デメリットを解説してみたいと思います。

リズミカル・シンギングとは?

これはズバリ「リズムに合わせて歌う」というコンセプトです。
「簡単にいうけどリズムに合わせるってどういう事?」と思う方たくさんいますよね。
リズムに合わせるというのは、機械のように正確に音を出すという意味ではありません。
「楽器奏者と同じタイム感、グルーヴを感じながら歌う」という事ではないでしょう
か。

ドラマーやギタリストが16beatのグルーヴの曲を演奏してる時、同じように16beatのカウントを感じながら歌う。同じグルーヴを意識していれば自然とそのタイム感が歌にあらわれて、リズミカルな歌になってくるのです。
また「歌がリズミカルに聞こえる」かどうか、というのも大事なチェックポイントです。
伴奏の楽器がなくなっても、アカペラで聞いても歌からグルーヴを感じる歌。
それがリズミカル・シンギングという事になると思います。

■尊敬するタック&パティ。たくさん音楽の事を教わってきましたが、音楽のテクニック、エンジニアリングだけでなく、人の心、メンタルな事まで深く理解して音楽をしている姿勢はすごいと思います。この音楽をもっとひろめたいと常々思っています。

ノンリズミカル・シンギングとは?

言葉の通り受け止めると「リズミカルではない歌い方」となりますが、もし伴奏を聞かないで無視して歌えばそれはただの「伴奏に合っていない、勝手気ままな歌」となってしまい、音楽として成立しません。
なのでノンリズミカルといってもある程度グルーヴを意識する必要があります。
僕が思うノンリズミカル・シンギングの定義、それは「伴奏のグルーヴを感じているが、それと違うタイム感を感じて歌う」という事。
ドラマーやギタリストが16beatでカウントをとっている場合、その倍のカウントで感じながら歌う、という事です。
違うリズムを感じる事で伴奏と歌声が分離して、より歌が浮かび上がってきます。大きくリズムを感じて演奏している方が前に聞こえてくる傾向があります。
このコンセプトは2005年にTuck&Pattiのボーカル、Patti Cathcartさんから教わりました。

実際にボーカリスト以外でもこのコンセプトを使って演奏してるミュージシャンも多く、ギタリストが伴奏からアドリブに変化するときにも使われています。Mike Sternがこの演奏の達人です!(すごいよ!)

以上の事から考えると「ノンリズミカル・シンギング」と呼ぶのはふさわしくないことがわかりましたので、新しい名前「ディファレントリズム・シンギング(Different Rhythm Singing)」としたいと思います。

再定義ノンリズミカル・シンギングとは?

本当の意味でのノンリズミカル・シンギング「リズムにのせない歌い方」とは何でしょうか?再定義が必要です。
伴奏のリズムを聞かず、感じる事なく、自分の歌もリズムを表現しないで歌う。
でもこれではあまりにも音楽的ではありませんよね。このやり方だとコード進行と歌がずれてしまう事もありますし、やはりある程度リズムを感じていないと音楽(特にポピュラーミュージック)は成立しないのかもしれません。
ですがリズムの成分が少なくても成立してる音楽もたくさんあります。大事なのはコンセプトを活かした音楽を作ることですね。

メリットとデメリットを知っておこう!

リズミカル、ディファレントリズム、ノンリズミカルの特性をまとめてみました。長所短所あるのでそれを知っておいて、上手に長所を使ってほしいと思います。感情をよりよく表現したくさんの人の心に届くようにテクニックも理解してつかいわけてくださいね。

リズミカル・シンギング ディファレントリズム・シンギング ノンリズム・シンギング
メリット
(長所)
・リズミカルでグルーヴィに歌う姿がかっこよい!
・アカペラで歌ってもグルーヴを表現できる!
・伴奏ととけこまない事で歌が浮き上がって聞こえてくるので存在感が出る!
・リズムの解釈を自由にできるので幅広い表現ができる!
・演奏に余裕感がでてきて安心して聞ける!
・ピッチがとりやすい!
・リズムにとらわれない大きな感情表現が可能になる!
・歌をより「語り」に近付けることができるので人の心に届きやすい!
デメリット
(短所)
・リズムにあわせすぎると伴奏ととけこんでしまう。
・テクニック至上になってしまうとメッセージが伝わらなくなる。
・音楽的解釈を深くもたねばならないので正しく身につけるのが難しい。
・ゆらぎが出てくるのでアカペラでは強烈にグルーヴはしない。
・リズムがはずれて聞こえる。
・やりすぎると臭く聞こえてかえってメッセージが伝わらなくなる。

次回、これらのテクニックを細かく解説!

これで歌い方におおまかに言って3つのコンセプトがある事がわかりました。
次回からこれらのコンセプトをどうやったら身につけられるかをひとつずつ説明してゆきます。
次回の更新をお待ち下さいね!そしてひとつずつ身につけて素晴らしいボーカリストになってくださいね!

Written by Acousphere Shige Okuzawa
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