どーもくんと効果音

 現実での生活で、音がするのが当たり前な状況で音がしないと、おや?と思うに違いありません。考えてみてください。雨が降っているのに音がしなかったら変ですし、机の上にコップを置くとき音がしなかったらやはり変に感じるはずです。我々は普段意識していませんが、それだけ日々”音”に囲まれて生きているのです。
 映像作品の場合、とかく映像に目がいきがちですが、こういった雨が降る音とか、ものを置くときに出る音、すなわち効果音も重要な役割を果たしています。うさじいがお茶を出す場面(「雨のうた篇」)でも、湯呑みの音が少しするだけで現実感が出てきますし、のっぱらでどーもくんが寝ている場面(「いろいろ?篇」)で草むらで虫が鳴く音を入れるだけでその場の雰囲気が出てきます。
 このことがよく分かるのは、「どーもの時間」の「サウンド☆トラック」で、音楽だけを流す部分です。台詞などもないのですが、作品中効果音がどれだけはいっているのか、というのが意識できると思います。
 この効果音を大別すると、現実の音と、現実にはあり得ないものの音の二つがあります。前者は雨の音とかものを置く音などの現実の世界である音で、後者はどーもくんの足音やどーもくんが宙に浮く音(「料理大パニック篇」)など現実には存在しない音です。
 後者の効果音はSF映画でレーザー銃を打つ音などが代表例でしょうが、誰も本当の音を知らないですから作るのが簡単であり、逆にその作品世界を決定づけるものにもなりますから非常に難しいものでもあります。
 いい例が「機動戦士ガンダム」です。昔大ヒットしたロボットアニメーションですが、一昨年DVDで劇場版三作がリリースされました。ところがこれがファンに不評だったというのです。不評の一要因に、最新の音響システムを使っていい音で楽しめるように音声部分を全て作り替えたことがあります。この時、効果音も全て新しくしたため、音が変わってしまったのです。ファンにとってはガンダムやザクといったロボットなどの音が最初の作品で既に決定づけられており、違う音で動くことに違和感が生じてしまったのです。どーもくんにしても、誰も本当の足音を聞いたことはないはずですが「サザエさん」のタラちゃんの発する足音で走ると非常に奇妙に感じると思います。
 前者の方の話に移りましょう。現実にある音は簡単そうで実は大変面倒な代物です。金槌で釘を打つ効果音を入れるにしても、実際に金槌で釘を打つ音を録音し、効果音として入れるより、全然違う音、例えば手で机を叩く音を入れた方がそれらしく聞こえたりするのです(この例はよくないですが・・・)。古くからよく言われる、お椀を木の板の上でぱっかぱっか叩くと馬の蹄の音に聞こえるとか、小豆を容器に入れて揺らすと波の音のように聞こえるあれですね。
 いろいろ書いてきましたが、効果音は目立たない陰の立て役者といっても過言ではありません。どーもくんの作品でも大活躍しています。是非一度、効果音に注目してどーもくんを観賞してみてください。この音は本当はなんの音なんだろうかと考えてみるのも楽しいですし、新しい発見があるかもしれませんよ。
 ではまた次回。

 余談ですが、「どーもの時間」の「サウンド☆トラック」で、音楽を聴きながら台詞が言えますか?作品中のテレビの音声まで言えてしまう人は結構なマニア(^^;です。