Topicality レクチャー


廣江厚夫
1996年 7月 28日


目次

1 Topicality ではどのようなことが議論できるのか
1.1 言語学的に見ると……言語の ambiguity
1.2 法解釈から見ると
2 Topical / nontopical はどうやって判定すればよいか
2.1 よくない例……いちごティー・いちごミート
2.2 Topicality は phrase ごとに考える
2.3 各段階で心掛けること
2.3.1 Phrase の取り出し方にもいろいろ
2.3.2 Phrase から interpretation を作る際のコツ
2.3.3 プランが解釈に meet するかどうかにも議論の余地が
2.4 用語の説明
2.4.1 Definition
2.4.2 Standard
2.4.3 Violation
3 辞書を極めた者が topicality を制す
3.1 意味は系統でとらえる
3.2 どんなコンテクストで使えるのかを確かめる
3.2.1 文法上のコンテクスト
3.2.2 Collocation に注目
3.3 定義文から ambiguity がなくなるまで調べる
4 実戦編
4.1 Neg
4.2 Aff
5 間違えやすい語句一覧(おまけ)
6 歴代のプロポ (1988--95)
7 参考になる文献
付録

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補足の注(ここに掲載するにあたって追加)

当時のプロポジション(以下「プロポ」と略)は以下の通りです。
1996年前半:
Resolved: That the Japanese government should legalize practices of medical euthanasia or organ transplants from brain dead donors.
1996年後半:
Resolved: That Japan and/or the United States should terminate the Japan-US Security Treaty.
このセミナーは、上の2つのプロポの間(後半のプロポが発表された直後くらい)に行なわれました。


1 Topicality ではどのようなことが議論できるのか

1.1 言語学的に見ると……言語の ambiguity

Ambiguity(多義性・曖昧性):
ひとつの文や語句が複数の意味を持つこと。

Ambiguity の例

プロポの文に ambiguity があり、どの解釈を採るかで topical/nontopical が 変わる
→ どの解釈を採るべきかを議論できる
Ambiguity については、詳しくは こちら[1]こちら[2]こちら[3]などを参照。

1.2 法解釈から見ると

法令(憲法・法律・政令・省令・条例など)は抽象的に書いてある。

→ 具体的な事例(事件)に法令が当てはまるかどうかを調べるた めには「法令の解釈」が必要。(例.憲法9条と自衛隊との関係)

……語句の意味を厳密に解釈しなければならない世界がここにある。

法令 ―― 解釈 ―― 事例
c.f. ディベートの場合:
Resolution ―― Interpretation ―― Case

文理解釈と論理解釈

文理解釈:
法文の文言を尊重した解釈
論理解釈:
法令全体の趣旨を尊重した解釈
法令の解釈については、詳しくは文献[4]を参照。

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2 Topical / nontopical はどうやって判定すればよいか

2.1 よくない例……いちごティー・いちごミート

いちごティー(一語T):
Topicality を一語ごとに判定すること
いちごミート(一語meet):
Topicality に対して一語ごとに meet させること

(例.心臓移植のケース)

1NC 2AC
T1 legalize ネットワークを legalize している
T2 organ 心臓は organ
T3 transplant(s) 心臓を transplant している
―― “legalize organ transplants”に相当するものはプランの中にはた してあるのか?

なぜよくないか?

  1. 一貫性のない meet を見逃しやすい。
  2. Collocation を考慮しにくい。
  3. 時間のムダがある。

(ぼそっ)いちごティー・いちごミートの実例 ―― '93 JNDT final round や '96 KESSAモデル 行政指導CP など

2.2 Topicality は phrase ごとに考える

Phrase:
いくつかの単語が集まって1つのまとまりとなったもの。い くつかの phrase が集まってさらに大きなまとまりとなったものも phrase と いう。

(例)“legalize organ transplants”という phrase について、これに相当 するものがプランの中にあるかどうかを調べる。

――なければ nontopical、あればとりあえずは topical。

――「ある/ない」を判定するためには、 “legalize organ transplants”の意味をはっきりさせる必要がある。これを、 “interpretation of `legalize organ transplants'”または “definition of ...”という。

――「“legalize organ transplants”に相当するもの」を示す のは af fの役目。Neg は、「Aff が示したものは“legalize organ transplants”で はない」ということを示せばよい。

Phrase ごとに topicality を判定することの利点

  1. Aff の一貫性のない meet を見つけやすい。
  2. Collocation を考慮に入れやすい。
  3. 時間の無駄が少ない。
  4. 英文読解にも役に立つ。

Topicalityの判定法
  1. プロポの文の中から phrase を1つ取り出す。
  2. その phrase に対応するものがプランの中にあるかどうかを調べる。 (なければ nontopical、あればとりあえずは topical)
    (a) その phrase の interpretation を作る。
    (b) その interpretation に対応するものがプランの中にあるかどうかを 調べる。

Aff の返しは上の逆順となる。

2b. Interpretation に対応するものがプランの中にある。
2a. 新たな interpretation を作り、それに対応するもの がプランの中にあることも示す。
1. Prase から作りなおし、interpretation+対応するものも示す。

(演習1) “The Japanese government should legalize organ transplants from braindead donors”から、phrase をできるだけ多く取り出してみよう。

(演習2) “... terminate the Japan--US security treaty”について、

  1. “security”の topicality を出す代わりに――
  2. “terminate”の topicality を出す代わりに――

おまけ

  1. プロポ中の全ての phrase は、対応するものがプラン中にある…… topical.
  2. プロポに、余り phrase がある…… nontopical.
  3. プランの方に余計なものがある…… extra-topical.
    (例)「JUST を廃止するついでに原発も廃止」
       「JUST と地位協定を廃止」……これはどうか?

2.3 各段階で心掛けること

2.3.1 Phrase の取り出し方にもいろいろ

(例)“... protect the Japanese people from foreign countries”
  1. “from 〜”は“the Japanese people”に係ると解釈すると、 “the Japanese people from foreign countries”という phrase が可能。 (「日本に帰化した人々?」)
  2. “from 〜”は“protect”に係ると解釈すると、 “protect ... from 〜”というphraseが可能。 (「外国から ... を保護する」)
上記の例について詳しくは『現代ディベート通論』を参照。

2.3.2 Phrase から interpretation を作る際のコツ

  1. Headword から
    Headword(中心語):
    Phrase の中で中心の意味をなす語。

    (演習)前回のプロポから headword を取り出してみよう。

    (例)“Japan--US security treaty”とは――

    (a) まずは、treaty でなければならない(treaty でないものが JUST になるわけがない)。
    (b) Treaty は treaty でも、security のための treaty で、しかも 日米間のものでなければならない。

    (おまけ)形容詞の意味を決定するのは、主に headword である。 (= 形容詞と headword との間の collocation)

    (例) legal murder: 合法的殺人、 legal problem: 法的な問題、 legal age: 法定年齢

  2. 動詞は、動詞+<目的語の headword>

    (例)“legalize organ transplants from braindead donors”

    (a) “legalize”だけ……いちごティー
    (b) “legalize organ transplants from 〜”……長い!
    (c) “legalize (organ) tranplants”……ちょうどいい長さ

  3. 名詞句は、動詞を含む文や句に

    (例)

    (おまけ)“by 〜”は「〜が」、“of 〜”は「〜を」と訳すと意味がとり やすい。“government of the people, by the people, for the people” なら、「人民が、人民を、人民のために統治すること」。

  4. 似たいいまわしのちょっとした違いに注目

    (例1)


    (例2)
    (例3)

2.3.3 プランが解釈に meet するかどうかにも議論の余地が


「合法/違法」を意味する語句がプロポに入っている場合。たとえば legal と いう語がプロポに入っていて、その定義が
legalize:
make something legal which is illegal
とする。これを“legalize organ transplants”に当てはめると、 “make organ transplants legal which are illegal”となる。ここから、 「“legalize organ transplants”になるためには、legal になる 前の organ transplants(つまり現在の organ tarnsplants)は illegal で なければならない」と解釈できる。 つまり、現在の organ transplants がillegalならばプランはtopical、 legal なら nontopical となる。このとき、 といったことが、議論になる。

くわしくは『一歩進んだ topicality』の“2.3 Meeting”を参照。

2.4 用語の説明

2.4.1 Definition

2通りの“definition”
  1. Dictionary definition ……辞書などに載っている定義(定義文)
  2. Definition of the resolution ……プロポ(またはその一部)の意味を はっきりさせたもの。Interpretationとほぼ同じ。
“better definition standard”というときの“definition”や次の文の “definition”はどちらか? (『不適切』な英語ディベート用語を参照)

By demonstrating that the affermative's definitions ignore the appropriate context, the nagative could prove that the affirmative's definition is unreasonable.

(Dale A. Herbeck & John P. Katsulas, JAFA Winter, p.139, 1985) (孫引きなので注意)

なぜ辞書から定義を持ってくるのか?
    ―― Interpretation のためのエビデンスとなる。
(「1.の definition は 2.の definition のためのエビデンス」と考えればよい。)

2.4.2 Standard

なぜ standard を出すのか?

―― 各段階でいくつかの解釈(可能性)がありえる場合に、それ を絞り込むため。

1. Phrase の取り出し方が何通りもある
2a. 1つの phrase から interpretation が何通りもある
i) 辞書の定義が何通りもある
ii) 辞書の定義が1つでも、そこからできる interpretation がいくつもある
2b. 考え方によって、プランが interpretation に meet する/しないが変わる

勝つ(負けない)ためには――

Aff
プランを topical にできる解釈を1つでも残せばよい
Neg
プランを nontopical にできる解釈だけを残さなけれ ばならない

Standard のいろいろ

1. Standard for syntax
2a. Standard for interpretation
  特に、2a-i) は standard for dictionary definition
2b. Standard for meeting (合法/違法)
  くわしくは、『法令解釈の常識』の 第二-6 を参照。

廣江式 standard 分類

Standard は、その理由づけによって大きく2種類に分類できる。
  1. プロポ中の語句に理由を求めるもの:
      ―― Context系、framers' intention系、word must be defined as it is
  2. プロポ外(fairness, education value, etc.)に理由を求めるもの:
      ―― Limitation系
Context系 grammartical context, field context
『ディベートQ&A』参照)
Framers' intention系 parsimonious, unique meaning
No word ought to be redundant
Each word should have meaning
Limitation系 clear cut boundary, narrower, broader
c.f. 文理解釈と論理解釈

(注)“limitation”というのは「プロポの(トピックの)範囲」のこと。 「単語の意味の廣さ」ではない。

アドバイス

2.4.3 Violation

Aff interpretation violates neg standard.
Aff plan doesn't meet neg interpretation.
もっと誤
Aff plan doesn't meet neg dictionary definition.
『不適切な英語ディベート用語』を参照)

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3 辞書を極めた者が topicality を制す

Dictionary definition = interpretation のためのエビデンス
→ Assumption(プロポのコンテクストに合っていること)が重要。

辞書から定義を持ってくる際に心掛けること

  1. 定義の文面そのものではなく、「どの系統の意味か」に注目
  2. プロポのコンテクストに当てはまるのか
    1. 意味が矛盾しない(当然)
    2. 文法的にも当てはまる
    3. Collocation
  3. 定義文中の語句から ambiguity がなくなるまで調べる

3.1 意味は系統でとらえる

(例1)“construction”

――「construct の派生語」と「construe の派生語」とで2通り。 さらにそれぞれに「もの」と「こと」とがあるので、計4通り。 (「〜するということ」と「〜した結果 できたもの」)
  1. Construct(建設する)から派生
    1. こと [U]: action of constructing; to construct 「建設」
    2. もの [C]: a structure; a building; a thing constructed 「建物」
  2. Construe(解釈する・説明する)から派生
    1. こと [U]: ...
    2. もの [C]: ...

(例2)“legal”

――“-al”には、「〜に関係ある」と「〜に従っている」との2通り。 さらに“legal”には「法律で定められている」もあるので、計3通り。
  1. 法的な(法律に関係ある): of or relating to law
  2. 合法の(法律に従っている): according to law; allowed by law
  3. 法定の(法律で定められている): based on law
(OALDでは1と3とをまとめて“of or based on the law”としている)

3.2 どんなコンテクストで使えるのかを確かめる

3.2.1 文法上のコンテクスト

品詞、単数・複数、可算・不可算、自動詞・他動詞、attributive/predicative、 文型など

文法用語はある程度は英語で言えた方がよい。
Basic English Usage, A Practical English Grammar, 『日本人の英語』, 『英語の感覚』あたりが参考になる)

(演習)上の“contsruction”の意味(系統)の内で、 “stop construction of ... dams”に当てはまらないものはど れか?(ヒント:ここでの“construction”は[U]か[C]か?)

(宿題)“practice”は、[U]と[C]とで意味がどう違うか?

3.2.2 Collocation に注目

Collocation(連語):
ある語句が、どのような語句とつながっているか
  1. 例文に注目する

    (例) OALD によれば“legalize: make sth legal”。 では、ここでの legal の意味は次の内のどれか?

    legal adj
    1. [attrib] of or based on the law:
      my legal adviser/representative, eg a solicitor
      seek legal advice, ie sue or prosecure
      the legal age for drinking, driving, voting, etc, ie the minimum age for doing these legally.
    2. allowed or required by the law:
      Should euthanasia be made legal?
      (joc) Why shouldn't I take a holiday? It's perfectly legal.
    (OALD p.712)

    “legalize practices of medical euthanasia”によく似た例文が 載っているのは 1, 2 の内のどちらか?

    (演習) 結局、“legalize practices of medical euthanasia”の意味 (interpretation)は?(自分の言葉で説明してみよう。)

  2. 意味素性による選択制限

    (例)

    promote v
    1. (a) [esp passive: Tn, Tn・pr] 〜 sb (to sth) raise sb to a higher position or rank
    (OALD p.997)

    sb:
    “somebody”の略。「この位置に、目的語として<人>を 表す語句がくる」ということを表している。
    意味素性(semantic feature):
    意味的な特徴。<人><もの><動作>など。
    上の定義は“promote ... diplomatic relations”に当てはまるか?

    意味素性による選択制限については、くわしくは『英語の 辞書を使いこなす』を参照。

    試合のときに「collocation がいかに重要か」を示すには、 「この辞書の使い方」的なページからエビデンスを持ってくるとよい。 (「単語の意味を特定するときは、意味に矛盾がないというだけでは 不十分で、collocation まで考慮しなければならない」といった内容のもの)

    Collocationは、“THE KENKYUSHA DICTIONARY OF ENGLISH COLLOCATIONS” が詳しい。

3.3 定義文から ambiguity がなくなるまで調べる

  1. 定義文をよく読む

    transplant n instance of transplanting (TRANSPLANT 2):

    “TRANSPLANT 2”というのは――

    tarnsplant v
    1. [Tn, Tn・pr] 〜 sth (from ...)(to ...); 〜 sth (in/into sth) remove (a growing plant) with its roots and replant it elsewhere:
      Transplant the seedings into peaty soil.
    2. [Tn, Tn・pr] 〜 sth (from sb/sth)(to sb/sth) take (tissue or an organ) from one person, animal or part of the body and put it into another:
      transplant a kidney from one twin to another.
    3. [Tn, Tn・pr] 〜 sb/sth (from ...)(to ...) (fig) move (a person, an animal, etc) from one place to another:
      He hated being transplanted from his home in the country to the noise and bustle of life in the city.
    4. [I, Ipr] 〜 (from ...)(to ...) be able to be transplanted:
      an old custom that does not transplant easily to the modern world.
    (OALD p.1364)

    (演習)上記の定義を利用して、「organ = 楽器のオルガン」という topicalityをつぶしてみよう。

  2. 百科事典を利用する

    (例)“diplomacy”の場合、まずOEDを引いてみると――

    diplomacy
    1. The management of international relations by negotiation; the method by which these relations are adjusted and managed by ambassadors and emvoys; the business or art of the diplomatist; skill or address in the conduct of international intercourse and negotiations.
    (OED p.696)

    ここで世界大百科事典の「外交」を見ると、OEDの定義を利用してさらに詳 しく説明してある。

    がいこう  外交  diplomacy

    ……
    現在一般に使われている外交とは、国際関係を交渉によって 処理することである(《オックスフォード英語辞典》)。 つまりディプロマシーdiplomacyという意味での外交とは、交渉という 点に重点があり、戦争とか、宣伝とか、経済手段などと共に、 国家が対外目的を達成するために行使する手段の一つである。

    (世界大百科辞典4巻 p.542)

    つまり、戦争・宣伝・経済手段などは外交ではない――“diplomatic relations”にはならない。

    (付録)世界大百科辞典より、「条約」

    (他の百科事典)“Kodansha Encyclopedia of Japan”……日本のことが英語 で説明してある百科事典

  3. 政治思想辞書を利用する

    “international”には2つの意味がある。(c.f. nation: 国・国民)

    1. 国と国との間
    2. 国民と国民
    上記の OED の定義ではどちらの意味か?

    ここで“A DICTIONARY OF POLITICAL THOUGHT”を見ると――

    diplomacy. The art of conducting negotiations between *states. ……
    (以下、半ページ分の説明が続くけれども、ばっさり略)

    (A DICTIONARY OF POLITICAL THOUGHT p.128)

    →「国民と国」「地域と国」などは diplomacy ではない(CP に使える)。

    (付録)“A DICTIONARY OF POLITICAL THOUGHT”より、 “treaty”

  4. 類義語辞典を利用する

    “legal”の定義に出てくる“law”の意味はどれか?(law: きまり・法則・ 法令・法律・法学など)

    ヒント程度に英和辞典を引くと――

    lawful は広く法、規則にかなった正当性に重点がある; legal は「法律(上)の」「成文法に決められた」など が中心の意味; legitimate は「摘出の」「正当な(後継者)」など 一般に「正当と認められる」の意味。

    (グローバル英和辞典 p.793)

    類義語辞典にも同様のことが載っている。

    lawful, legal, legitimate, licit mean permitted, sanctioned or recognized by law or the law. ... Legal implies a reference to the law as it appears on the statute books or is administered in the courts; ...

    (Webster's New Dictionary of Synonyms p.488)

    (付録)“Webster's New Dictionary of Synonyms” より、“terminate”

辞書の使い方について詳しくは『英語の辞書を使いこなす』 , 『理科系のための英文作法』(第4章), 『理系のためのサバイバル英語』(第5部), 『英語の名教授』辺りを参照。

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4 実戦編

4.1 Neg

どうすれば neg の勝ちとなるか
  1. Nontopical
    ――Aff は何もしゃべらなかったのと同じ状態になる。
  2. Extra-topical
    ――Topical なプランクだけでは AD はない。
    (例)“establish ... laws”……「制定」だけ。「施行」は含まな い。
    “adopt a program”……「採用(採択)」だけ。「実行」は含まない。
  3. プランがtopicalな限り、DAへのリンクがつく。
    (例)“discontinue ... programs contributing the military potential of Japan”……プランがtopicalな限り、プランの後には “military potential”は下がる。

(演習)2 や 3 の例に対して aff は何をすればよいか?

どんな場合に topicality を使えばよいか

  1. どんなケースでも nontopical にできる topicality を用意し、どんなケー スに対しても topicality を使う。
  2. Nontopicalっぽいケースに対してのみ topicality を使う (例)「地位協定だけ廃止」「安保条約は廃止するが、安保体制はそのまま」 「新しい安保条約を結ぶ(今の安保条約は自動的に廃止となる)」というケー スを出されたら、どうやって対処するか?
  3. ひっかけ。Aff が引っかかってくれたらラッキー。
  4. ただの時間かせぎ。

Neg のストラテジーの基本:

個別のケース全てに対処しようとはせずに、
  1. ケースをいくつかの型に分類し、
  2. 型ごとに対策(DA, T, CP, generic case-attack)をたてる。
  3. 個別のケースに specific な issue がある場合は、そちらを優先。

Topicality を作る際に心掛けること

4.2 Aff

試合前に

ケース作りと平行して 2.2 の「Topicality の判定法」 の 1, 2a, 2b を行なっておく。 とくに、プロポ中に意味が抽象的な phrase(注)がある 場合は、それに対応するものをいくつも(本命+捨て)用意しておく。

(注)歴代のプロポで言うと、 “diplomatic relations”, “jury trial system”, “peace keeping force”, “legal liability”, “unfair commercial practices”, “biomedical research”,“military potential”など。

Topicality を出されたらどう返すか

基本は「プロポ中のある phrase に対応するものがプランの中にあるか?」。 Aff は「対応するものがある」ということを示せばよい。
  1. Neg がどのレベルを争点にしたいのかを(QA などで)まず確認。2a-i 以外のときは要注意。
  2. 2.2 の「Aff の返しは…」を行なう。(たと えば 2a-i まで 遡ったら、自前で 2a-ii, 2b を行なうことを忘れずに。)
  3. Affの解釈(主張)が neg の standard によって排除されていないかチェッ クする。排除されそうなら standard をアタックする。
これで aff と neg とがタイになる(T では負けなくなる)。

さらに余力があったら――

  1. Neg の解釈(主張)をアタックする。例えば――

    (注)Neg へのアタックは、対抗できるものが aff の方にあるときのみ有効。

いちごティーだったら

返しが「いちごミート」にならないよう注意。「Aff だけが collocation を考慮 している」ということが示せれば、aff は topicality ではまず負けない(は ず)。「Collocation を考慮している」ということを示すには、辞書から定義 を持ってくる際に例文(しかもプロポの文面とかなり似ているもの)も持って くればよい。

2NR で neg が topicality にかけてきたら

この場合、AD は残っているのだから、ケースの説明に 2〜3分もかけるのは時間 の無駄。2AR の最初の数十秒で「最低限の AD はある」ということを示し、残り の時間を topicality にまわす。

ひっかけT に要注意

主な「ひっかけT」

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5 間違えやすい語句一覧(おまけ)

temporary(一時的) temporal (時間に関係ある)
legalize (合法にする) legislate (法律を作る)
collapse (崩壊) corruption(汚職)
economic (経済に関係ある) economical(節約している)
ordinary (普通の) ordinal (順番がある)
disease (病気) decease (死ぬ)
systemic (制度上の) systematic(体系的な)
defect (欠陥) default (何もしない)

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6 歴代のプロポ (1988--95)

1988 Spring
Resolved: That the Japanese government should geographically diversify functions located in Tokyo. (JDC)
1988 Fall - 1989 Spring
Resolved: That the Japanese Government should promote environment protection by strengthening its regulation of public and/or private corporations. (JDC)
1989 Fall - 1990 Spring
Resolved: That the Japanese Government should substantially change its foreign policy toward one or more Asian nations. (JDC)
1990 Fall - 1991 Spring
Resolved: That the Japanese government should discontinue one or more of its programs contributing to the military potential of Japan. (JDC)
1991 Fall - 1992 Spring
Resolved: That the Japanese government should establish one or more new laws that govern biomedical research and/or its applications to medical practice. (JDC broad topic)
Resolved: That the Japanese government should legalize organ transplants from brain-dead donors. (JDC narrow topic)
1992 Fall - 1993 Spring
Resolved: that the Japanese government should adopt a program to eradicate unfair commercial practices inside Japan carried out by private corporations or public organs. (JDA broad topic)
1993 Fall
Resolved: That the Japanese government should extend the legal liability of Japanese citizens under twenty years of age. (JDA broad topic)
Resolved: That the Japanese government should lower the legal age defined in the Juvenile Law. (JDA narrow topic)
Resolved: That greater legal responsibilities for minors in Japan are desirable. (IEC)
1994 Spring
Resolved: That the Japanese government should dispatch military units to participate in the Peace Keeping Forces of the United Nations. (JDA)
1994 Fall
Resolved: That the Japanese government should stop construction of all or most dams in Japan. (JDA)
Resolved: That the Japanese government should legalize euthanasia for patients of terminal illness. (IEC)
1995 Spring
Resolved: That Japan should adopt a system of jury trial in its courts of law. (JDA)
1995 Fall
Resolved: That Japan should promote closer diplomatic relations with one or more of the following: Myanmar, North Korea, and Taiwan. (JDA)

全リストは jda-ftp から取ってこられる。

2004年5月2日補足: JDA-FTP は、2003年春にサービスを停止したようです。 過去の resolution に一覧については、 JDAのページにある “List of Propositions for Intercollegiate English Debate Contests/Tournaments in Japan” を参照してください。)

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7 参考になる文献

  1. コンピュータで翻訳する 長尾真・牧野武則 1995 共立出版
  2. 人工知能大辞典 丸善 1991
  3. 自然言語理解 田中穂積・辻井潤一 オーム社 1988
  4. 法令解釈の常識 林修三 日本評論社 1975
  5. “Basic English Usage”, Michael Swan, Oxford University Press, 1984
  6. “A Practical English Grammer”, A.J. Thomson & A.V. Martinet, Oxford Universoty Press, 1985
  7. 日本人の英語,続日本人の英語 マーク・ピーターセン 岩波新書  1988, 90
  8. 英語の感覚(上・下) 大津栄一郎 岩波新書 1993
  9. 英語の辞書を使いこなす 笠島準一 講談社現代新書 1986
  10. 理系のためのサバイバル英語 東大サバイバル英語実 行委員会 ブルーバックス 1996
  11. 理科系のための英文作法 杉原厚吉 中公新書 1994
  12. 英語の名教授 松本安弘・松本アイリン 丸善ライブラリー 1996
  13. 初心者のためのディベートQ&A 安井省侍郎 NAFA 1994
  14. “JURISDICTION AND THE EVALUATION OF TOPICALITY”, Arnie Madsen and Allan D.Louden, JAFA vol.24, FALL 1987, pp.73--83
  15. 不適切な英語ディベート用語 矢野善郎  Debate Forum Vol.X No.1, NAFA, 1994, pp.76--88 (抜粋)“Affirmative's topicality”のページの一番最後に載っています)
  16. 一歩進んだTopicality 廣江厚夫  Debate Forum Vol.X No.3, NAFA, 1994, pp.194--208Debate Forum のページで見ることができます。)
  17. 現代ディベート通論増訂版 全日本英語討論協会 蟹池 陽一監修 1986

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付録

(注)レクチャーでは以下の文献を参考として配布しましたが、この html 版 では省略してあります。ご了承ください。

世界大百科事典 13巻, p566

A DICTIONARY OF POLITICAL THOUGHT, p470

Webster's New Dictionary of Synonyms, p153


質問などは E-mail で
ahiroe@wa2.so-net.ne.jp
まで。

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