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ひろこの部屋 24




 ラクウショウの種子 

田中浩子


 去年の秋、小学1年生の孫たちの学校のテーマは種子のコレクションと展示でした。あれこれとコレクションしていた種子を渡していると、オナモミなどの「ひっつき虫」がほしいと言われました。そこで愛知県知立市内の雑木林や川辺に探しに行ったのですが見つからず、やっと妹達が刈谷市と岡崎市で見つけてくれました。ネットで調べたら、最近、急速に減少しているという。

 種子の展示会が終わった頃のことです。町内の神明社の木立の下の枯葉の間に、スダジイの実に混じって写真1 のようなラクウショウの枝先に3cm ほどの実が付いた小枝が落ちていました。ラクウショウは落羽松の意味で、羽のようなかぼそい葉が小枝ごと落下するからこの名前だそうです。

 
写真1
 
写真2

 やがて実は割れてしまいます(写真2)。

 写真1は、拾ってからすぐに、薄めた木工ボンド液に浸し、乾燥させ、これを4回繰り返して、葉の変色を防いでおいた物。写真2は、割れてからそのままにしておいて2ヵ月後に撮影した物で、かなり酸化して黒ずんでしまいました。

 別名ヌマスギと言いますが、これは写真3のような根の一部が気根となって地上に伸びて、沼地で生活できるようにと根系が空中に伸び、呼吸できるために沼杉と呼ばれたのです。


写真3

写真4

 この木は、愛知県豊田市にある愛知緑化センターの小川に沿って植えられていて、立派な長い気根が見られました(写真4)。また説明版もありました。ネットで調べると、東京・神代植物園で、白い花を愛でる客が来るということがわかりました。

 ところが、実については、図鑑類を調べても記述はあるのですが、その図は見当たりません。しかし、これがメタセコイアと同じスギ科の植物で、北米原産であるということが分かりました。メタセコイアの葉序は互生で、ラクウショウは対生です。

 その後、町内のお年寄りなどに、なぜこの木が、知立市、安城市、刈谷市に接する辺鄙な土地の神社に植わっているのか、その事情をお訊ねしたのですが、どなたも御存知ないようです。不思議な木です。


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