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化石のでこぼこ道 10

伊良湖岬に化石貝類の打ち上げ

2004年8月9日
田中利雄

写真1 今日は母と出かけました。昨日は曇っていたのですが、この日はまた真夏日です。太平洋に面した堀切海岸の北の浜で、母は日傘を差して、砂の中から小さな巻き貝のイシダタミなどを拾いはじめました。というのは、打ち上げられて転がっている貝殻が、あまり多くなかったからです。
 でも、黒ずんだ色の、ぱっとしない二枚貝が目につきました。よく探すと他にも黒っぽい貝が落ちています。ここでは以前から、時々、このような貝がありました。これは、化石でしょう。長い年月のうちに変色したのでしょう。それが、今日は、ちょっと纏まって落ちていました。

写真2   写真1には、アカガイ(放射肋42)、サトウガイ(放射肋38)、タマキガイ、イガイを示します。イガイのこんなに大きな12cm以上のものは、最近では見たことがありません。この標本は、あちこちに欠けがあります。また、水洗いしているときに二つに割れてしまいました。化石は割れやすいのです。うっかりしていました。すぐに瞬間接着剤アロンアルファで接着しました。
写真2は、イタヤガイ3個とイワガキです。
 そして写真3は、ワスレガイとチョウセンハマグリ2個です。チョウセンハマグリの長さは103mmと、100mmでした。近頃では見かけないキングサイズです。
 強い南風によって、波が高くなると、海底の石や化石も移動します。そしてついには浜に打ち上げられてしまうのでしょう。

写真3 この近くの地層には、中部更新統の渥美層群が知られており、そのうち田原累層から多種多様な貝類が産出することが知られています。最近の川瀬基弘氏の田原層群豊島砂層(田原市高松海岸)の貝類化石のリストには、183種があげられています。今回拾った貝類のほとんどは、このリストに載っていますが、イガイとイワガキがありませんでした。堀切海岸の北から高松海岸までの距離は12kmあります。そのため、産出種が違っているのでしょうか。
 昼食は、民宿・田原屋さんで夏ガキフライ定食を食べました。これはイワガキ料理で、普通のカキが食べられない夏場だけのものです。実は、今日は母の希望で、これを食べにやってきたという次第。そして、満足してもらいました。
参考文献
川瀬基弘.2002, 渥美層群田原累層豊島砂層の貝類化石〜これまで未報告の86種 の記録.名古屋地学.64:6-14.

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