中国で列車に乗るには

中国で列車に乗るには

北京站構内
(北京站の構内)


 中国での鉄道旅行の流れについて紹介します。


1.時間を調べる

 基本的に、中国で切符を買うには、列車番号や種別、発着駅、指定席の種類を調べておかねばなりません(旅行会社で買う場合は融通が効くでしょうが)。そこで必要なのが『全国鉄路旅客列車時刻表』(中国鉄道出版社発行、8元)です。年1〜2回刊行されており、最新版を使ったほうがいいでしょう。もっとも、現地では時刻表は品薄らしく、すぐ売り切れてしまうので、常時売っているところで見つけたらすぐ買うべきです。北京站・北京西站構内や北京の地下鉄站構内の売店ではよく見かけます。売り切れると、臨時に簡略版(例えば「北京発のみ収録」「広東省のみのもの」など)が出版されていることもあります。日本でも、神田神保町の中国専門書店で扱っているそうです(約700-1,000円とそれなりに高い)。

2.切符を買う為の準備

 窓口で中国語を話せそうもなかったら、以下のようなメモを作っておきましょう。メモを出せば服務員さんも分かってくれます。
 必要事項は、日時・列車番号・列車種別・発着駅・指定種別・枚数です。硬臥など人気のある切符の場合は「没有」(読みは「めいよぅ〜Meiyou」、「無い」の意味)と言われることもあるので、列車種別・指定種別をずらしたメモを複数枚用意して、矢継ぎ早に出せるとなおいいでしょう。また、コンピューターを調べもしないで「没有」を言う人もいるので、何とかして打ち込ませてみましょう。

↓こんなメモがあれば大丈夫
二月二十二日 七次特快

北京西站(23:30)→成都站

硬臥二張

3.切符をどこで買うか

 切符を買う場所は次の6種が考えられますが、これは切符の購入時期にも左右されます。

 もともと以前は始発駅発の指定券しか発売せず、自分の乗車する駅がそうでない場合は指定券が取れませんでした。最近は「SMART」という日本のJRのMARSシステムと同じオンライン発券システムが2000年10月に構築され、自駅以外の切符の発売がシステム的には可能となりました。ただ、ほとんどの駅では別の駅発の切符を売ることはしていません(出来ないわけではない…購入経験あり、実証済)。
 途中駅から乗る場合は、予め始発駅からの切符を用意しておくか、「無座」という硬座用の自由席券を利用するしかありません。また、切符の発売時期も、日本のように一月前と決まっている訳ではなく、駅窓口ではだいたい5〜3日前からになります。

 まずは、日本の旅行会社で出発前に頼むという方法です。出発前から列車に乗る予定が確定していてどうしても確保した時はおすすめです。
 形式としては、日本の旅行会社が予め現地の中国旅行社に依頼しておくというものです。中国旅行社や中国国際旅行社などの一級の旅行社は、自前で座席券の枠を確保している為に、出発の一月前頃から日本で頼めば確保し易いようです。切符の受取りは現地の旅行社に出向くこともありますし、送ってもらえる場合もあります。ただし、日本で扱う旅行社が少ないのと、手数料を数千円取られるのが難点です。

 次は中国の旅行社に頼む方法です。上にも書きましたが、大きい旅行社は自前の枠があるのでこれを利用することになります。列車出発日の2週間前〜1週間前迄に頼めば大丈夫なようです。これを過ぎると旅行社も枠を駅に返上してしまい、確保が難しくなります。経験的には、数日前でも1枚位は取れるようですが…。また、小さい旅行社に頼むと、枠がないので駅に列びに行ってくれるだけで確保出来るか分からないこともあります。手数料が数十元取られますが、確実な方法でしょう。

 列車出発日の5〜3日前に切符を確保したい場合は、市内の前売窓口が利用出来ます(都市によってはなかったり、前売日が違うので要確認)。「鉄路[隹]票処」などとあるのがそうです。ここで売られる切符は、旅行社で売れ残った寝台券などで、大都市行の優等列車の硬臥券はまず売り切れていて買えません。北京や上海といった大都市では[隹]票処が複数あり、方面別や券種別になっていたりするので要注意です。手数料などは基本的にありませんが、稀に2〜5元程度徴収していることがあります。

成都行の切符 駅の窓口では、だいたい3日前位からしか売りません。勿論、売れ残りのものなので、最初から硬座(あるいは無座)しかない列車もかなりあります。時として無座すらないことがあります。ここでは手数料などはとられませんが、膨大な数の人民に揉まれて買うことになります。切符の購入に列ぶのに一日がかり、窓口まで辿り着いたら没有の一言というのも珍しくありません。(最近は、そうでもない(2〜30分で買える)という声もよく聞きます。私もそういう実感があります。)

 以上の方法の他に、我々外国人は外国人窓口というのが利用できます。大抵駅構内の、一般窓口とは別の所にあり、英語の案内版があったりします。構内の奥にある場合もあるので、駅の入口でパスポートを見せて「我是外国人,我想去外国人窓口。」とでも書いた紙を見せれば入口で止められずにすむでしょう。
 前売期間が一般窓口より早かったり、軟臥切符が割り当てられていることもあったりして買い易いことが多いようです。それよりも、あの膨大な人数の列に列ばなくてもいいだけでも助かります。もっとも、かつてこの窓口は外国人料金があった時代のものなので、将来的には廃止されるかもしれません。値段は一般窓口と同じです。

 そして、最後の手段として、結構いるダフ屋があります。日本にダフ屋ほど危ない雰囲気はありませんが、どうしても切符を入手したい時は必要でしょう。時には、鉄道職員が駅前をブラブラ(ブラ勤?)していて、券を売っていることもあります。先日天津で見かけましたが、その人は定額通りで売っていたのですが、あの人は一体何だったのでしょう(笑)。
 ただし、ダフ屋で偽チケットや期限切れチケットを掴まされたり、金額でトラブルになったり、公安に捕まっても、私は責任取りませんよ(^^)。

4.乗車まで

 中国の駅では、駅の入口と、乗客が降りて出てくる出口が違います。人の流れを見ればわかりますが注意して下さい。
 入口では空港のようにX線検査をしているので荷物をそこに通します。が、駅によってチェックが厳しかったりそうでもなかったりします。ところで"Film Safe"などと機械には書いてありますが、いつもどうも信用出来ないので私はポケットに忍ばせたりしています(身体検査はない)。
 構内には掲示板(このページの一番上の写真のように、電光掲示板の所もある)に、列車番号や行き先、出発時間と共に「候車室」の番号が記されています。これは待合室のことで、該当の候車室で改札の案内があるまで待ちます。候車室は広く、荷物をいっぱい持った人達がいます。売店もあり、そこで果物やカップ麺などを調達出来ます。時刻表が売っていることもあるので、持っていない人は確保するといいでしょう。
 軟臥や軟座を利用する人は「軟臥候車室」が駅によっては設置されていて利用することも出来ます。入口で軟臥切符のチェックがありますが、中はカーペット敷・フカフカのソファー・空調完備でリッチな気分に浸れます。

 発車の大体25分前位になると、改札が始まります。硬座の人は、座席指定があってないようなもので、荷物の置き場所を争って皆が我れ先と走るので注意。寝台席や軟座は座席がしっかり指定されているので焦らなくても大丈夫です。改札は発車10分前には締め切られてしまうので、お早めに。
 ホームにも物売りの台車が出ています。買い忘れがあればここでどうぞ。
 列車の乗車口には各号車に列車員(何故かほとんど女性である)がいて、自分の該当する号車からしか乗れないようになっています。寝台車の場合は、入口で寝台票と切符を交換してもらいます。一瞬戸惑いますが、列車員は交換した切符を見て、当該下車駅に近付くとそれを確認して再交換しに来るのです。言わば乗り過ごしを防止するシステムにもなっているわけで、実に合理的。

5.車内の過ごし方

 中国(に限らず大陸)の鉄道は物資輸送(軍事)目的が第一ですから、走り心地は非常にいいです。居眠りをするもよし(荷物には注意!)、読書もよし、お菓子(或いは豆やら種やら)をつまむのもよし、相席の中国人と筆談をするのもよし。
 寝台車利用者は、下段の人は昼間は座席として使うので寝られません。中上段はいつでも寝っころがることが出来ます。
 車内の設備としては、お湯が使いたい放題です。これは中国中どこもそうですが、これを利用して皆お茶を飲んだりしています。私達もお茶っ葉とマイカップを持参するといいでしょう。カップは候車室の売店でも15〜20元(225〜300円)程度で売っています(ただし錆びやすい)。

 一日がかり以上の長距離での関心事といえば食事。
めし  まず思い浮かぶのが食堂車。品数も少なく、街の食堂に比べると味は劣り、値段も張ります(軽く食べても一人30元(450円)以上はする)。しかし、レトルトパックの食品しか出せない日本の末期の寝台列車の食堂車を知る者にとっては、イチから作るその調理が何より嬉しいのです。最近は「套餐」taocanといってセットメニューそれ一つしか用意していないケースが多くなりましたが(画像は20元の「套餐」)、それはそれで便利です。
 左党にはビールもあります。列車員が昼からラッパ飲みしているのが見られます(^_^;)。頼むと各地のビールが出てきたりして楽しいのですが、まず冷えてません('_')。
 食堂車に行けない場合は飯盒(弁当)のカートが編成を循環しているので、それも利用出来ます。早い話がぶっかけ飯で、一つ10元(150円)程度。これはなかなかいけますが、たまに辛いんだよなぁ、これ。
 途中停車駅でホームに降りて、物売り台車から買うことも出来ます。大きい駅では給水の為に十分程停車することがあるので(その確認の為にも時刻表が不可欠)、それを利用します。売っているのは飯盒や肉饅頭、カップ麺、果物、ビール、鶏の丸焼き(旨い)など。以前三門峡西で買った肉まんは5個で3元(45円)でお得でした。ただし、何回も「ジャリッ!」と砂を咬みましたが…。
 小さい駅でも、どこからともなくおばちゃんが列車に寄ってきて、窓越しに果物を売ったりしています。軟臥や軟座では窓が開かないので、これは硬臥や硬座の楽しみです。
 一番安くあげようとするならば、予め候車室等でパンやカップ麺を買っておいて、お湯を使って食べることです。かなり多くの人達がそうしています。カップ麺の「康師傅」というブランドは、カップにフォークがついていて便利です(駅にあります)。

 食のあとに来るのは必然的に出す方…の話。結構重要です。
 厠所(トイレ)は各車輛に一つはついています。中に入ると下の線路が見える垂れ流し式です。その為、駅構内では出来ないように、列車員が鍵をかけてしまいます。これが駅到着の10分前〜発車10分後位まで閉鎖されてしまいます。停車時間が長いと4〜50分は使えない訳です。中国を旅行しているとお腹の具合が今一つの人も多いので(笑)、かなり切実な問題です。なお、軟臥の車輛には、洋式便器もあります。
 もう一つ。旧型硬座車輛では、暑いので夏は窓が全開です。よって、厠所に近い座席は、もしかしたら「飛んでくる」かもしれません。要注意です。

6.到着、下車

 中国の鉄道は、万事適当に見える?お国柄から考えれば時間に精確な方です(ただし快速など優等列車の話、級が下がるにつれ、遅れのあおりを喰って待たされます)。
 車内では細かい車内放送は日本ほどはありません(ましてや英語放送は望むべくもない)。終着駅まで向かう場合はいいのですが、途中駅で降りる場合は注意深く時刻表や駅名板を観察しなければいけません。夜は駅構内(というか街全体)が暗いので、他の乗客にも頼むといいかもしれません。寝台車の場合は先述の通り列車員が切符を再交換しに来ます。
 列車が到着し、降りたら出口に向かいます。出口では服務員が切符を検査しているので渡します。切符が記念に欲しい時は持ったまま見せるだけにしましょう。見るだけで回収をしていない場合が多いので、下手に頼まなければ貰えます(頼むと逆にこじれる)。駅の外には、出迎えの人、タクシーや旅館の客引き、取り敢えずそこまで来て路頭に迷う人、切符のダフ屋などで溢れ返っています。決して治安はよくないので、すぐ離れた方がいいでしょう。


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last updated 8th Feb. 2003
written by OHBA Makoto (dachang@xd5.so-net.ne.jp)