仙台という土地は、「奥座敷」と呼ぶべき温泉場が近くに多くていいところだ。秋保や作並が奥座敷なら、鳴子は奥の院といった位置なのだろうか。いや、懐かしい風情のある鳴子の温泉街は、「院」という言葉は当てはまらないかもしれない。
そんな鳴子にいくつかある共同浴場の一つが、早稲田湯。終戦直後に、早稲田大学の学生がボーリング実習で掘り当てたことが名前の由来。開業以降、質素な建物で共同浴場として町民・観光客から親しまれてきたが、近年、早稲田大のある研究室の手で新たに設計されたデザインで改築された。ちょっと、残念ではある。
奇をてらったような外観なるも、中は機能的にまとめられていてまずまず。樋から少しずつ流れる源湯、そこに溜まる湯の華が、またいい味を出している。
鳴子には、この他にも2箇所の共同浴場があり、一千年の歴史を持つと言う滝の湯が有名。