釜山行の船の乗船手続きが16時30分まで。まだ時間がある。そこでまず思いついたのは、下関市立大学の学食に行くことだった(笑)。しかし、観光地図によると同大は幡生が最寄り駅らしいので断念。因みに東亜大学は新下関近くらしい。
学食への意欲を断たれたので、仕方なく(?)駅のTis旅行センターに行ってフェリーのクーポン券と海外旅行傷害保険契約を済ませてしまう。ここでは船の学割を学生証提示のみで効かせてもらったり、保険をロシアから再帰国するまで通しで掛けてもらえるよう手配してもらったり、と色々お世話になった。
下関港国際旅客ターミナルは駅からは歩いて数分の距離で、青森や函館の港〜駅間の遠さとは大違いで便利である。既にターミナルビルの奥にはフェリーが見えている。旅情をかき立てられる一瞬である。
駅の旅セで作ってもらったのはクーポン券で、これを乗船券に替えておかなければいけないので早速ターミナルに入ってしまう。2階窓口でターミナル使用料600円を追加され、「出国手続きは後ろのあちらです」と指示されて見たらこれがすごい!ンです(川平慈英風に)。韓国人のおばちゃんが、マイカートでダンボールで一杯の荷物を既に準備しているではありませんか。噂には聞いていたが凄い量である。箱の表面にはハングルが溢れている。いわゆるかつぎ屋のおばちゃんの姿なのであった。
もっとも、おばちゃん達の荷物の手続きは後。荷物の多くない一般旅行者が先に通され、出国審査を受ける。一日に二回しか利用されないという出入国審査ブースで、いともあっさり出国。出国スタンプの文字は「KANMON」となっている。発音に忠実にローマ字で綴るとKAMMONではないのかと思うのだが。このスタンプを貰えばそこはもう日本に非ず。免税店もあるが、行き掛けに洋酒を買い込んでも仕方ないのでさっさと通り過ぎてボーディングブリッジへ歩みを進めた。
さて、今日のお船は日本籍の「はまゆう」。昨年、「フェリー関釜」と置き換えられた最新鋭のフェリーである。以前乗った敦賀〜小樽の「すずらん」に続き、“当たり”が多いのは嬉しい。指定された205号船室のうちのひと区画に荷物を置いて、早速船内の探検。まず自販機は、ジュースの150円はともかく、さすがは免税域、ビール(350ml缶)が170円である。また、売店も港の免税店とほぼ同様の役割を担っているようで、既に韓国人観光客が列をなしていた。食堂は和食・韓食共に揃えているものの、高め(うどん500円〜)。なお、船内の利用通貨は日本円のみである。
風呂は展望風呂で、まだ人が入っていない。しかも、無料で利用できるランドリーまである(洗剤は要持参)。早速、洗濯物の処理を兼ねてひと風呂浴びさせてもらった。船の風呂は、外洋に出た時の、湯舟から湯が大きくこぼれる様子が何とも言えず面白いのだが、たまには下関港を望みながらでもいいだろう。
ロビーで件の170円缶ビールを味わい、部屋に戻ると何故か船員が私の荷物と毛布を片付けている。聞くと、「この区画は団体専用である」とのこと。じゃあなんでそんな区画に個人をぶち込むんだ!と切符を見せ抗議すると、じゃあそのままでいいと言い出した。結局ここの区画は8人位の男子学生の団体だったから、どいておけばよかったのだが、結局はこちらがそのまま居座ってしまった。
出航は18時半。しかしその後3時間ほどは日本の程近い場所を走っていくので、沖に街の灯、変わって漁船の灯が見え、テレビも日本のテレビ局の電波が入っていて、大きく揺れたりもなく、国際航路という感じがなさそうである(これが韓国籍の「フェリー釜関」だったら多少は違うかも知れない)。ただ、やはり違うのは、客室全体に漂うキムチの匂いである。これは気のせいでも何でもなく、実際に韓国からの旅客が客室で食事をとっているからである。勿論、客室で自前の食事をとった方が、食堂で食べるよりも余程安上がりである。食堂には確かに日本人しかいないようである。
船内は22時半で消灯となった。釜山港外の投錨待機ポイントまではあと4時間強である。
時間通りの8時半の接岸。いよいよ韓国の第一歩は、雨で濡れたステップに気を取られながらであった。入国審査。「おはようございます」「観光旅行ですか」と日本語で一通り聞かれる。スタンプは前の方に押して欲しかったのに、また後ろに飛んで新しいページに押されてしまった。荷物をX線検査に通して(これが税関?)、そして出口前で両替である。10,000円が104,494W(4Wは切り捨てられた)にもなった。別に利殖したわけでもないが、単位が増えると戸惑う。取り敢えず、この10,000円分で韓国滞在二日間を乗り切らねばならない。