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 詐欺について法律的な観点から、説明させていただきます。
 
刑法上の詐欺罪(刑法246条)
刑法246条
1.人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。 
 

刑法上詐欺罪を構成するためには、
(1)犯人が欺罔行為によって人を錯誤におとしいれて、その人が錯誤に陥ること
(2)錯誤に陥った人が財産の処分行為を行い犯人が財産上の利益を取得したこと、
という2つの要件が必要になります。
 すなわち、詐欺行為→錯誤→処分行為→財物・利益の移転がなされていることが必要であり、この要件が1つでも欠ければ、詐欺罪は不成立になります(但し、途中までの行為があれば、未遂罪が成立する可能性はあります)。

<具体例>
インターネットオークションで、「ある商品を売る」との提示をし、購入希望者に金額を振り込ませて、商品を送らず姿を消した。

欺罔行為 = 「ある商品を売る」と提示した
錯誤 = 利用者が、その金額でその商品を購入できると思った
処分行為 = 落札者が、銀行に代金を振り込んだ
財物・利益の移転 = 犯人がその金額をキャッシュカード等で銀行から引き落とした。

(例えば、最初から詐欺の目的で、インターネットオークションに「ある商品を売る」との提示をした場合は、誰も落札しなくても、詐欺罪の未遂は成立します)

民法上の詐欺(民法96条)
第96条 
1.詐欺による意思表示は取消しできる。
2.(略)
3.詐欺による意思表示の取消は善意の第三者に対抗することはできない。

 表意者(買主)が相手方(売主)の詐欺によって錯誤に陥り、それに基づきなされた意思表示は、原則として、取消しできます。従って、上記のインターネットオークションの例で言えば、購入契約を取り消す(解約する)ことが出来るわけです。
 なお、詐欺行為は不法行為であり、具体的に被害があった場合、被害者は不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)をすることができます。

<参考>民事と刑事の違い  http://www.jion.net/taisaku/saimfurico.htm
 たとえば、オークションで落札した品物が、2週間経っても、手元に送られてきません。

 このような場合、すぐに、「届かない。詐欺だ!警察に訴えてやる!」と言う方がいます。また、私達への質問に、「どれ位遅れたら、詐欺にあたりますか?」なんてのもあります。どちらも、「詐欺」と「債務不履行」の区別がついていません。何が違うのでしょうか?

<民事と刑事の違い>
債務が遅れる・・・・たとえば、代金の支払いや商品の引渡しが遅れれば、民法の<債務不履行>の問題となります。この場合、債権者は、契約の解除や損害賠償の請求ができます。ただし、遅れているだけでは、詐欺にはあたりません。
 詐欺というためには、加害者に、騙してやろう!という意思が必要になるのです。騙す意思があれば、遅れなくても、最初から詐欺です。逆に、騙してやろう!と言う意思がなければ、どんなに遅れても、詐欺には当たりません。(債務不履行にはなります。)

 それでは、詐欺にあたった場合には、どうなるのでしょうか? この場合、民事上の請求と刑事上の請求ができます。

 民事上の請求は、詐欺を理由とする<契約の取消し>と不法行為に基づく<損害賠償の請求>です。つまり、契約をなかったことにして、代金を取り返し、損害賠償を請求できる・・・ということです。

 また、刑事上の請求は、警察などに対する被害届の提出や、告訴です。詐欺で、有罪になると、10年以下の懲役となります。牢屋に入れられたり、罰金を支払わされたりするのが、刑事上の問題となります。

 民事上の請求は、私人と私人の間の請求なのに対して、刑事上の請求は、私人と国との間の請求なのです。 裁判においても、明確に区別されています。
 詐欺の場合、民事上の請求も、刑事上の請求も、同時に行うこともできますし、どちらか1つだけでも、請求できます。とりあえず、民事と刑事の違いを理解しておいてください。

<参考サイト>
詐欺と闘うサイト『What's the Justice?』 『振り込め詐欺』等の悪質な詐欺商法や犯罪に対しての対策を詳しく解説しています。


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