●ミ
ステリー文庫(1998年)●
ミステリーを中心とした独断的感想。
「面白ければ何でもOK」というのが信条。
| 書名 |
著者 |
コメント |
点 |
年月 |
| 暴
虐の奔流を止めろ |
クライブ・カッスラー |
お正月休みにうってつけの冒険小説 |
★★★ |
98.12 |
| 生存者 |
ディーン・クーンツ |
B級ホラー |
★★ |
98.12 |
| 旅涯ての地 |
坂東眞砂子 |
未完の伝奇ブンガク |
★★ |
98.11 |
| トゥエルブY.O. |
福井晴敏 |
読みにくいアクションもの |
★★ |
98.11 |
| 三
日やったらやめられない |
篠田節子 |
硬派エッセイ |
★★★ |
98.11 |
| クロスファイア |
宮部みゆき |
ファイヤースターター後日談 |
★★★★ |
98.11 |
| 寝ずの番 |
中島らも |
シュールなジョーク |
★★ |
98.10 |
| 赤い額縁 |
倉阪鬼一郎 |
お暇なマニア向け |
★ |
98.10 |
| 死鬼 |
小野不由美 |
和製ホラーの超大作 |
★★★★ |
98.10 |
| 十三番目の人格 -ISOLA
- |
貴志祐介 |
ホラーファンに |
★★★ |
98.10 |
| 漂流街 |
馳星周 |
またも炸裂 |
★★★★ |
98.10 |
| 死の
病原体プリオン |
リチャーード・ローズ |
ハンバーガーが怖くて食べられなくなる |
★★★ |
98.9 |
| 塗
仏の宴 宴の始末 |
京極夏彦 |
宴の支度から |
★★★★ |
98.9 |
| 弥勒 |
篠田節子 |
ゴサインタンに続くヒーリング小説 |
★★★★ |
98.9 |
| 秘密 |
東野圭吾 |
涙なくては読めない傑作 |
★★★★★ |
98.9 |
| 霞町物語 |
浅田次郎 |
著者自身の青春記 |
★★ |
98.9 |
| 六番目の小夜子 |
恩田陸 |
作者の才能をうかがわせる |
★★★ |
98.9 |
| 夜光虫 |
馳星周 |
ダークパワー炸裂 ファン必読 |
★★★★ |
98.8 |
| ブラックライト |
スティーヴン・ハンター |
流行物の映画よりは面白い |
★★★ |
98.8 |
| 定年ゴジラ |
重松清 |
こころゆすぶる小説 |
★★★★ |
98.8 |
| カブキの日 |
小林泰二 |
幻想的私小説 |
★★★★ |
98.8 |
| 密室・殺人 |
小林泰三 |
本格マニア向け |
★★ |
98.8 |
| 不
肖・宮嶋 南極観測隊ニ同行ス |
宮嶋茂樹 勝谷誠彦 |
抱腹絶倒のルポ |
★★★★ |
98.8 |
| ドラゴ
ン・ティアーズ |
ディーン・クーンツ |
クーンツファンにはおすすめ |
★★★ |
98.8 |
| トライアル |
真保裕一 |
レースはドラマチック |
★★★ |
98.7 |
| 邪
馬台国はどこですか? |
鯨統一郎 |
屁理屈を小説にした怪作 |
★★★ |
98.7 |
| グ
ランド・ミステリー |
奥泉光 |
ジャンル分け不能のエンターテイメント |
★★★ |
98.7 |
| 環境ホル
モン入門 |
立花隆+東大教養学部立花隆ゼミ |
恐るべし 環境ホルモン |
★★★★★ |
98.7 |
| コブラの眼 |
R.プレストン |
流行ものはとりあえず押さえておく方に |
★★★ |
98.7 |
| 天使の囀り |
貴志祐介 |
前作にはちょっと劣る |
★★★★ |
98.7 |
| 平成お徒歩日記 |
宮部みゆき |
ご隠居向き |
★★ |
98.7 |
| VOW10 |
宝島社 |
買った人はごみ箱に捨てるように |
★ |
98.7 |
| 天空の蜂 |
東野圭吾 |
冒険小説ファン必読 |
★★★★ |
98.7 |
| 探偵ガリレオ |
東野圭吾 |
理科系ミステリー |
★★★ |
98.6 |
| ミス
ター・マーダー |
D・クーンツ |
単純明快アクションホラー |
★★★★ |
98.6 |
| 心室細動 |
結城五郎 |
文庫になってから |
★★ |
98.6 |
| 名探偵の掟 |
東野圭吾 |
本格ファン必読 |
★★★★★ |
98.6 |
| ゲノム・ハザード |
司城志朗 |
お暇なミステリーファン向け |
★★★ |
98.6 |
| 北の狩人 |
大沢在昌 |
すべてのハードボイルドファンに |
★★★ |
98.6 |
| 種の復活 |
北上秋彦 |
読まないように |
★ |
98.6 |
| 見知らぬ妻へ |
浅田次郎 |
恋愛小説のスーパーテクニック |
★★★★ |
98.5 |
| ヤマダ一家の
辛抱 |
群ようこ |
ギスギスした人間関係に疲れた人に |
★★★ |
98.5 |
| 理由 |
宮部みゆき |
読むべし |
★★★★ |
98.5 |
| イエスの遺伝子 |
M・コーディ |
お暇な時にどうぞ |
★★★ |
98.5 |
| 鴉 |
麻耶雄嵩 |
本格好きに |
★★★ |
98.5 |
| クライシスF |
井谷昌喜 |
文庫になってから |
★★ |
98.5 |
| 消えた少年たち |
O・S・カード |
家族の愛と絆の話しに耐えられる人向け |
★★★ |
98.5 |
| ガラスの麒麟 |
加納朋子 |
少女達とその関係者に |
★★★★ |
98.5 |
| タイム・シップ |
S・バクスター |
SFファンはお暇な時に |
★★★ |
98.4 |
| 脱出 |
西村健 |
買って読むべし |
★★★★ |
98.4 |
| タケ
ノコの丸かじり |
東海林さだお |
落ち込んでいる時に |
★★★ |
98.4 |
| 岸
和田少年愚連隊 望郷編 |
中場利一 |
ストレスが溜まっているときに |
★★★ |
98.4 |
| 塗仏
の宴 宴の支度 |
京極夏彦 |
必読書 |
★★★★★ |
98.4 |
| 密告 |
真保裕一 |
ファンは読むこと |
★★★ |
98.4 |
| 爆貧菌 |
日本貧乏菌研究会 |
友達と話して盛り上がろう |
★★★ |
98.4 |
| デスペレーション |
S・キング |
キングのカルト的ファンにのみ |
★★ |
98.4 |
| レギュレイターズ |
R・バックマン |
バックマンのカルト的ファンにのみ |
★★ |
98.4 |
| 敵対水域 |
P・ハクゾーセン他 |
戦記物の好きな方に |
★★★ |
98.3 |
| レ
ディー・ジョーカー |
高村薫 |
文庫になってから図書館で |
★★ |
98.2 |
| ループ |
鈴木光司 |
とりあえず読むべし |
★★★★ |
98.2 |
| 妖都 |
津原泰水 |
ホラーファン必読 |
★★★★ |
98.1 |
| ハルモニア |
篠田節子 |
買って読むべし |
★★★★ |
98.1 |
| しゃ
べれどもしゃべれども |
佐藤多佳子 |
少年少女向け |
★★★★ |
98.1 |
暴虐の奔流を止めろ クライブ・カッスラー 新潮文庫 上705円 下705円
冒険小説度:★★★
アクション度:★★★
スケール度:★★
久しぶりのダーク・ピットシリーズ。年末のお楽しみである。
しかし、期待が大きすぎたか、前半はどうも往年のスケールが感じられず、
ちまちました感じ。
ストーリー展開もいまいちしっくりこない。
後半は、それなりに盛り上がって楽しめるが、ちょっとものたりないなぁ。
ダーク・ピットの奇蹟的な強さと、ジョルディーノとの強い絆は、描かれてはいるものの、感動的なほどではない。
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生存者 ディーン・クーンツ アカデミー出版 上1,100円 下1,100円
ホラー度:★★
ミステリー度:★
アクション度:★
超訳のせいなのか、内容が妙にうすっぺら。
展開はスピーディーでいいのだが、どうも迫力がないし、あっと驚くべき結末も説得力に欠ける。
仕事に疲れたお父さんが、面白いTVもないし、かといって難しい小説を読むのも面倒な時、読むのにいいかもしんない。
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旅涯ての地 坂東眞砂子 角川書店 1,900円
いやし度:★★
伝奇度:★★
エキゾチック度:★★
坂東眞砂子は今までとは違った方向に進んでいる。
「山妣」でひと皮むけたエンターテイメント作家になったと感じたが、本書を読む
と、どうもそうでもないみたい。
エンターテイメントというより、人間の内面世界を描き出すブンガクに焦点が合っているよう。
それもまだ完成されたものではなく、暗中模索の感じだが。
この作品を書くためにイタリアに滞在したとのことだが、イタリアの文化や風習,歴史など様々なことから得られた自分の感情を作品に反映しきれていない。
きっとあまりにも多くの作品イメージがありすぎて、どれから手を着ければいいのか分からない状況なのではないか。
実際本書の2部構成の意図もよくわかんないし、なんでマルコ・ポーロなのかも判然としない。
なんか出版社に無理やり書かされているような印象を受ける。
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トゥエルブY.O. 福井晴敏 講談社 1,500円
アクション度:★★★
ミステリー度:★
大型新人度:★★
ストーリーはいいし、人物にもそれなりに魅力はあるのだが、文体が変。
なんたって読みにくい。
わざとそうしているのか、何かをねらっているのかわからないが、もう少し
素直な文章で、説明書きが無くなれば、立派なエンターテイメントになったはず。
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三日やったらやめられない 篠田節子 幻冬舎 1,500円
まじめ度:★★★★
作者が分かる度:★★★
この人は真面目な硬派。
それに男勝りの気風のよさをもっている。
作風の通りの人だと感じた。
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クロスファイア 宮部みゆき カッパノベルス 上819円 下819円
ホラー度:★★★★
ミステリー度:★★★
S・キング度:★★★★★
久しぶりの宮部ワールドのヒロインは、ちょっと過激。
ストーリー自身はファイアースターターの続編という感じ。
「かつてないヒロインの痛切な哀しみを描く」というコピーは、間違っては
いないが、
それ以上にアクションシーンが目立つ。
「痛切な哀しみ」は、本作よりも「燔祭」に色濃くうかがえる。
しかしベテランのワザ。
ヒロインや脇役のおばさん刑事の視点、ちょい役の信恵の行動など、いかにも宮部みゆきらしい暖かさが物語にある。
「神」という主題をテーマにしてもいいような展開だが、あえて深入りせずヒロインの感情面に焦点をあてたところもうまい。
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行く 下巻
寝ずの番 中島らも 講談社 1,500円
笑える度:★★
ナンセンス度:★
作者の躁度:★★★
この人の小説は、本人の躁鬱状況によって大きく作風がかわる。
この短編集は、比較的躁状態の時にかかれたようで、作者の持ち味がうまく
出ている。
思わず笑ってしまうところが4箇所ぐらいあり、おやぢジョークフリークと
しては、やっぱプロフェッショナルだなぁと感心もしてしまう。
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赤い額縁 倉阪鬼一郎 幻冬舎 1,600円
ホラー度:★
ミステリー度:★
作者の自己満足度:★★★
帯には絶賛のコピーがあるものの、マニア向けの楽屋落ち小説といった感じ。
お暇なマニア以外には、作者の意図は伝わらないだろう。
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死鬼 小野不由美 新潮社 上2,200円 下2,500円
和風ホラー度:★★★★
伝奇度:★★★★
はまる度:★★★★
少々長すぎるきらいはあるものの、大河小説に比肩できる仕上がり、といった
ら褒めすぎか。
ホラー小説ではなくても表現できる主題であるにもかかわらず、あえてホラー
にしたところに、作者の意気込みを感じる。
一つの小説世界を造り上げ、そこで物語が展開していく手法は作者の持ち味。
この小説世界にはまり込み、俗世間から数日間逃避できるのは、小説好きにはたまらない魅力。
しかしこれだけ綿密に書き上げていくのは、相当のもの。
十二国記シリーズの 続編が、なかなか出ないのもうなずける。
小野不由美ファン、ホラーファンは是非ご一読を。
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十三番目の人格 -ISOLA- 貴志祐介 角川書店 660円
怖い度:★★★
少年少女向け度:★★★★
目新らしさ度:★★
ちょっとご都合主義的な展開があるものの、少年少女向けと思えば、納得でき
る程度。
ホラーで多重人格といえば、だいたい展開が読めてしまう人もいると思うが、
ホラーファンは読んでも損はないだろう。
文庫で安いし、2時間ドラマよりは楽しめる。
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漂流街 馳星周 徳間書店 1,700円
暗黒度:★★★★
ダークパワー爆裂度:★★★★
くどい度:★★★★
一相変わらずダークパワー炸裂だが、この人の小説を続けて読むのは、ちょっと
疲れる。
忘れたころに読むのがいいなぁ。
あんまり矢継早に読むと、そのアクの強さからちょっともたれる。
しかしこれだけ登場人物が類型的で、予想される展開であるにもかかわらず、
一気に読ませる力はさすが。
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死の病原体プリオン リチャード・ローズ 思草社 1,900円
怖い度:★★★
ハンバーガー恐怖度:★★★★
切迫度:★★★
一時「狂牛病」がニュースでもてはやされた事があったが、本書は狂牛病の原因でもあるプリオンという病原体に迫ったノンフィクション。
日本での発病がないためか、「ダイオキシン」ほどインパクトはないものの
マクドナルドのハンバーガーが今なら半額なのはこのせいか、と勘繰りたくなる。
しかし、種を超えて伝染するというプリオンといい、環境ホルモンといい、
これから人間は何を食べて、どこに暮せばいいのだろうか。
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塗仏の宴 宴の始末 京極夏彦 講談社 1,200円
京極度:★★★★
妖怪度:★★★
たたり度:★★★
期待が大きすぎたのか、前巻で大風呂敷を広げすぎたのか、マンネリになった
のか、前巻よりもつまんない。
それなりに「始末」はしているのだが、初期の京極作品にあったような、強烈
な個性は、作を追うごとに減少している。
もっと奇抜に、もっとカタルシスをと願う読者というのは、ジャンキーに似て
飽くことを知らない。
このままでは、いずれ過剰な要求をし続ける読者により、京極夏彦は干からび
てしまうだろう。
そんな危機感を感じさせる小説だった。
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弥勒 篠田節子 講談社 2,100円
「癒し」度:★★★★
サラリーマンがいかにして入信に至るか度:★★★
亜流純文学度:★★★★★
「癒し」という、とかく重くなりがちなテーマであるにもかかわらず、エンタ
ーテイメントとして成立させているところがすごい。
また、下手な小細工をせずに、これだけの小説世界を描き、なおかつ読者をその世界に没入させることが出来る作家は、そうはいない。
今や純文学でも味わえない、重厚な小説世界を堪能できる。
しかし、いい小説というのは、その小説世界から出るのが嫌になる。
主人公の挙動とも同調するのだろうが、明日からまた働かなければならない
と思うと、思わずうんざりするなぁ。
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秘密 東野圭吾 文芸春秋 1,905円
泣ける度:★★★★★
ファンタジー度:★★★
恋愛小説度:★★★★★
東野圭吾の小説は、その多彩ぶりと理科系ミステリーとして面白く読んできたのだが、いまいちリアリティーに欠けるというか、表現があっさりしていると
いうか、ちょっと物足りないものを感じていた。
「秘密」もそれなりの期待(こんどはどんな新手のミステリーなのか)をして
いたが、この期待は完全にはずれた。
しかも、とんでもないはずれ方で、しかし予想以上の出来と完成度。
これほどせつなく、これほど泣けて、これほどやさしい物語があったろうか。
はずかしながら、小生、涙が止まらなかった。
愛する妻と娘のいる人にとっては、号泣ものであろう。
それにしても東野圭吾、とてつもない手腕の持ち主。
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霞町物語 浅田次郎 講談社 1,500円
青春度:★★★
感動度:★★
共感度:★★
作者の青春時代回顧録。
時代や環境が違いすぎるため、あんまし共感できない。
作者と同世代で同じ環境に育った人には、感動ものかも。でもそれって作者の同級生ぐらい?。
これは小説の名を借りた後付けの日記だな。
作者の力量からすれば、もっと多くの人を感動させる物語にすることができたはずだが、それをあえてしなかったところに、余裕を感じる。
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六番目の小夜子 恩田陸 新潮社 1,400円
青春度:★★★★
SF度:★★★★
ホラー度:★★
青春小説として堪能できるのみならず、SFの魂を感じる。
登場人物が生きているし、とっても昔の自分の青春時代を甦らせる力がある。
さらに、ホラーともミステリーともSFとも一風異なった、心地よい不思議の
世界にひたれる。
坂東眞砂子や篠田節子等に続き、この人は大ブレイクするであろう。
「光の帝国」の続編が待ち遠しい。
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夜光虫 馳星周 角川書店 1,800円
ハードボイルド度:★★★★
ミステリー度:★★★
一気読み度:★★★★
前作、前前作に続きダークパワー炸裂。
この手の小説に有りがちな、じめっとした印象がないのが最大の特徴。
文体や人物描写、話しの展開も完成度が高く、文句ない出来映え。
ただ自分の感性とはちょっと合わない。
表現がドライで感情移入できないためか、第三者的に読んでしまう。
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ブラックライト スティーヴン・ハンター 扶桑社 上667円 下667円
ミステリー度:★★
アクション度:★★
ストイックな主人公度:★★★
派手さはないものの、ストイックな主人公と描写がいい。
銃器の描写も、主人公の性格描写にマッチしている。
ただ、例えば「燃える男」の主人公のようにストイックではないし、魂が
燃えているわけでもない。
作者はあえて表現を抑えることにより、サブストーリーを浮き上がらせようと
したのかもしれないが、ちょっと物足りない。
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定年ゴジラ 重松清 講談社 1,800円
心がゆさぶられる度:★★★★
泣ける度:★★★★
自分の家族のことを考える度:★★★★
定年を迎えたサラリーマンと、その家族達を描いた小説。
作者と同じ世代にとっては、自分の親や子供に対しての感情と相まって、共感できる。
心理描写もうまいし、主人公達が生きている。
逆に主人公の世代には、敢えてこんなものを読みたいとは思わないかも。
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カブキの日 小林泰二 講談社 1,600円
私小説度:★★★★
幻想度:★★★★
ひとむかし前の日本SF度:★★★★
これは非日常のなかに折り込んだ私小説と読んだ。
カブキ改革派京右衛門の葛藤と、異世界を旅する少年少女達は、そのまま作
者に当てはまるのではないか。
そう考えると、ごく私的な小説世界を大胆に展開させた純文学ともいえる。
やっぱ子供は自分のすべてを与えても惜しくない存在で、なおかつ愛と生と
輝きに満ちた存在なのだな、と感じさせる。
それにしても安部公房や筒井康隆に通じる異世界の描写は秀逸。
主人公達たちがカブキという形式美を打ち破ったように、この小説は従来の
小説形式を破っている(ちょっと褒めすぎか)。
少なくとも、その気持ちは 現われている。
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密室・殺人 小林泰三 角川書店 1,600円
本格度:★★★
ホラー度:★
意外度:★★
一応推理小説の体裁はとっているが、ただそれだけ。
結末があり、どんでん返しがあり、ホラー的落ちがあるが、「あっそう」と
思うだけで説得力なし。
探偵と探偵助手の設定や性格描写も、ホラー的落ちにうまくつながっていな
い。
本格ものはすべて読んでおきたいというマニア向け。
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不肖・宮嶋 南極観測隊ニ同行ス 宮嶋茂樹 勝谷誠彦 新潮社 1,400円
笑える度:★★★★
極限度:★★★★
知らなくてもいい知識が身に着く度:★★★
へたなお笑いより笑えて、なおかつ南極のすざましさが分かってしまうルポ。
アカデミックな面はこれっぽっちも取材せず、ひたすら下世話な内容に終始
しているところがエライ。
集録されている写真も、スッゲーくだらなくて感動的。
まだ書き切れていない所がたくさんありそうで、そのへんを読んでみたい。
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ドラゴン・ティアーズ 上下 ディーン・クーンツ 新潮文庫 上629円 下590円
ホラー度:★★★
SF度:★★
一気読み度:★★★
ストーリー展開や、題材はクーンツそものもだが、いまいち迫力なし。
あのたたみかけるような、そして読み始めたら止まらない面白さは、かつて
ほどではない。
クーンツが翻訳され出した頃と比べると、同じレベルの小説なのかもしれないがまあ、こちらがクーンツを読みすぎたというか、目が肥えたというか。
読者というのは絶えずより面白いものを貪欲に求めるものなのであるなぁ。
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トライアル 真保裕一 文芸春秋 1,238円
歴史ミステリー度:★★★
苦悩度:★★★
専門度:★★★
詳細な取材を思わせる臨場感と、レースに向かう選手の描写がいい。
様々な人間関係と選手の心情が、ドラマチックに描かれている。
「流れ星の夢」は、ちょっと泣ける。
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邪馬台国はどこですか? 鯨統一郎 創元推理文庫 520円
歴史ミステリー度:★★★
理屈遊び度:★★★
納得度:★★★
理屈遊びを小説まで昇華ささた怪作。
それぞれの時代や人物に詳しい人には、なお面白く読めるはず。
理科系の自分には、ジャンルが科学関係だったら、もっと良かった。
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グランド・ミステリー 奥泉光 角川書店 2,400円
ミステリー度:★★★
SF度:★★★
戦記物度:★★★
純文学度:★★
書評誌では高い評価を得ているようだが、理解力のない自分には、面白味さが
分からない。
ミステリーとしても、戦記小説としても,SFとしても、エンターテイメント
としても、中途半端に思える。
いくつか盛り上がるところはあるのだが、あとが続かない。
すべてのジャンルの要素を含んで、なおかつエンターテイメント性を失わずに
いるところは素晴しいが、万人向けという感じ。
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環境ホルモン入門 立花隆+東大教養学部立花隆ゼミ 新潮社 1,400円
よく分かる度:★★★★★
説得力度:★★★★
こわい度:★★★★★
にわかにクローズアップされてきた環境ホルモン。
それはいったいどのようなものなのかを、立花流にまとめたもの。
発癌性や生殖異常はもとより、少年達がキレる理由から人類という種の存続
までを環境ホルモンが支配しているかもしれない。
ちょっと怖すぎる。
「家の近所にはゴミ焼却炉がないら、かダイオキシンなんかへっちゃら」と
他人事のように思っていたが、これは大きな間違い。
ダイオキシンに代表される環境ホルモンは、われわれのすぐ目の前にあり、かつ、知らぬうちに体内に濃縮されている。
これを読むとカップラーメンは食べられなくなる。
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コブラの眼 リチャード・プレストン 飛鳥新社 上1,700円 下1,700円
ホラー度:★★★
SF度:★★★
スリルとサスペンス度:★★★★
出だしはちょっともたつきぎみだが、読み進むにつれスピーディーな展開に。
解剖シーンや後半の犯人追い込みシーンなどリアリティーあり。
訳者あとがきにもあるように、ノンフィクションライターの文体が物語にリアリティーを与えている。
ただまあ「流行もの」という感じは拭えない。
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天使の囀り 貴志祐介 角川書店 1,700円
ホラー度:★★★
SF度:★★★
リアリティー度:★★★★
残念ながら前作の「黒い家」は超えていない。
しかしそこらのお手軽ホラーやSFのように安易な理論ではなく、それ なりに納得でき、かつリアリティーのある仕上がり。
ただし、リアリティーを持たせるために余分な説得や記述が見られ、ストーリーの展開がスムーズではなくなっている。
飯を食い終わってから読んだほうがいい。
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平成お徒歩日記 宮部みゆき 新潮社 1,500円
宮部みゆきが分かる度:★★
ちょっと冒険度:★★★
歴史ものに興味のない自分にはちょっと退屈。
著者の意向は、ツイン・ピークスファンがロケ地に旅行に行ったりするのと
同様で、気持ちは良く分かる。
分かるけれどものめり込めない。
歴史ものが好きな、ご隠居向け。
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VOW10 宝島社 857円
笑える度:★
エスプリ度:★
なにが面白いのかさっぱり分からん。
誤字、脱字、誤植等のミスを笑うのはいいが、本として出版するべきものでは
ないだろう。
そこに何らかの批評や思想(ちょっとオーバー)を加えるならば、それなりの意図が生まれるが、この編集ではただ投稿されたものを並べているだけ。
コメントにある「ぎゃはははははは」「うはははははは」という笑い声がとてつもなく下品。
宝島社の品性を疑う。
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天空の蜂 東野圭吾 講談社 950円
冒険小説度:★★★★
一気読み度:★★★★
しかしこの人の守備範囲は広い。
文中の技術用語や原子炉に関する記述も読み応えがあり、かつストーリーを
破綻させていないところに、作者のテクニックがうかがえる。
読み始めたら止まらない面白さはあるが、これに友情や自己犠牲といった
冒険小説では欠かせない味付けをすれば、満点。
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探偵ガリレオ 東野圭吾 文春文庫 1,429円
理科系ミステリー度:★★★★
謎解き度:★★
SFに詳しい人や理科系の人にとっては、それほど突飛な謎ではなく、途中
でネタが分かってしまうだろう。
主人公である学者の人物設定をもっと特異なものにするか、事件の描写を
オカルティックにし、謎を科学的に解明するようなストーリーにすべき。
そうすればもっとカタルシスのある展開になったと思う。
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ミスター・マーダー 上下 ディーン・クーンツ 文春文庫 上552円 下524円
一気読み度:★★★★
ホラー度:★★★
SF度:★★★
かつてのクーンツを彷彿とさせる面白さ。
特に新しいアイデアや構成がある分けではないが、それでいて一気に読ませる
手腕は、すごい。
SFとしての設定もきちんとしている。
(ブレード・ランナーのレプリカント と通じる性格設定もうまい)
ホラーファン必読。
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心室細動 結城五郎 文芸春秋 1,333円
ミステリー度:★★
謎解き度:★★
さらっと読めるミステリー。
日記の部分はそれなりに楽しめたが、ミステリーとしてはどってことない。
謎解きのくだりは、とって着けたようで興ざめ。
一週間もすれば全部忘れてしまうだろうなぁ。
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名探偵の掟 東野圭吾 講談社 760円
本格度:★★★★
メタ本格度:★★★★★
笑える度:★★★★
本格ものに対する愛の凶器攻撃。
多分に実験的手法をとりながら、本格ものとして成功しているメタ本格推理。
本格ものが好きになれない自分にとっては、本格もの12冊分の読み応えと、
十分お釣のくる面白さが味わえた。
遅ればせながら作者の力量に驚嘆すると共に、ミステリーに対しての考えに共感。
本格ファン必読の書。
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ゲノム・ハザード 司城志朗 文芸春秋 1,333円
ミステリー度:★★★
SF度:★★★
謎解き度:★★
ちょっと中途半端。
SFとしての着想も、謎解も、ミステリーとしてのストーリーも、いいんだがどれも描き切れていない。
とってつけたようなトリックなどストーリーがギクシャクするだけで無い方が
いいし、人物の相関関係も無理やりひねくっているよう。
フリーライターの女性の方がよっぽどミステリー。
研究所や登場人物をもっと書き込めば、リアリティーのある小説になったと
思う。
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北の狩人 上下 大沢在昌 幻冬舎 上781円 下781円
サスペンス度:★★
ハードボイルド度:★★★
手練た作者の秀作。
新宿鮫ほどの男の生き様や男女の心理描写はないものの、それなりに人物が
描かれているのはさすが。
大沢在昌はハードボイルドの安心マーク。
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種の復活 北上秋彦 祥伝社 1,200円
サスペンス度:★
ミステリー度:★
つまらん。
理由をあげればきりがないが、ただ出来事を羅列し説明しているだけなのが最大の欠点。
ゆえに人物描写もストーリーも小説の体をなしていない。
帯に騙されないよう注意。
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見知らぬ妻へ 浅田次郎 光文社 1,500円
恋愛小説度:★★★★
女性の美しさ度:★★★★
なんとも美しい恋愛小説。
こんなに透明感のある、それでいて人の気持ちをゆさぶる文章が書けるのは、たぐいまれな感性と才能をもった男性のみにできることか。
やっぱ男のハートは、外見と反比例するのか。
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ヤマダ一家の辛抱 上下 群ようこ 幻冬舎 上1,400円 下1,400円
ほんわか度:★★★
笑える度:★★
感情移入度:★★★
平凡なヤマダ家の平凡な物語。それぞれ読む立場によって、自分を投影させやすい。
それぞれの登場人物が、うまく描写されている。ただちょっと誇張させすぎ。ちょっとリアリティがない。しかしそこをうまく笑いのオブラートで包んでいる。
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理由 宮部みゆき 朝日新聞社 1,800円
ミステリー度:★★★
社会派度:★★★★
家族について考える度:★★★
どんな家庭にも様々なトラブルや軋轢がある。かろうじて、首の皮一枚残して、家庭という形態を守っているが、それはとてつもなく危うい。現代社会に潜む、
そしてこれから増えるであろう家庭内の人間関係を題材にした、シリアスなミステリー、といったところか。
朝日新聞という権威的なメディアに掲載されたものでなければ、かつての宮部ワールドが堪能できたかもしれない。しかし逆に朝日新聞連載という条件が、
ルポルタージュ形式でストーリーを展開させ、リアリティーを与えているともいえる。
出だしはぞくぞくするような、まるで上質のノンフィクションを読んでいるような面白さ。
次々と展開する家庭の描写は、家庭の崩壊という主題を描きながら、犯行が必然として行われる舞台を作っている。うまい。
しかし宮部みゆきは、少年少女を描かせると、べらぼうにうまいなぁ。
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イエスの遺伝子 マイクル・コーディ 徳間書店 1,800円
ホラー度:★★★
SF度:★★
サスペンス度:★★
前半はまあまあ。題名がネタばれになっていて、いまいち緊迫感を欠く。後半はうまい。
全体に人物が描き切れていないためか、厚みがない。
ミステリーというより、ホラーとして読むのが、無宗教の日本人の正しい読み方。
「イエスの遺伝子」という前提が、無神論者には納得できない。もっとSF的な整合性を提示されたほうが、よっぽど納得できる。
しかしその前提があるからこそ、キリスト教圏では衝撃的なストーリーになるのであろう。
リアリティーのあるストーリーとして読まれるかどうかは別にして。
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鴉 麻耶雄嵩 幻冬舎 1600円
謎解き度:★★
一気読み度:★★
本格度:★★★★
やっぱ俺は新本格には向いていないなあ。新本格って、べつに小説じゃなくてもいいんじゃないかと思える。
この小説も、謎を解こうという興味はそそられるのだが、それだけ。
それにラストはどうも理解できない。論理が破綻しているのではないか。
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クライシスF 井谷昌喜 光文社 1600円
目新らしさ度:★★
サスペンス度:★★
謎解き度:★
出だしはまあま。
だが、ストーリーが先走りすぎて、奥行きがない。もうちょっと余裕の展開をして欲しい。
複雑なプロットが一つに収斂していく、というようになず、ご都合主義に見えてしまうのも、その辺の作者の焦りすぎに原因あり。
まあ一気に畳み込んで、盛り上げようという気持ちは分かるが、ちょっと空回り。
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。
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消えた少年たち オースン・スコット・カード 早川書房 2600円
驚愕度:★★★★
愛と絆度:★★★
ホラー度:★
ミステリー度:★★
これは何とも、大どんでん返し。
例えるなら、登山好きの人が、駅から何時間も平地を歩いていたら、突如山の頂上に登っていた、といったところか。
平地の部分は、それなりに読ませるし、そんなに苦じゃない。
でも「俺は山を登りに来たんだ」という気持ちは絶えずあるけどね。
平地を歩いている時に山はちらちらと見える。
でもいきなり頂上に到着とは。
ひょっとすると作者は、家族の愛と、自分の宗教感が書きたくて、ラストはおまけ。読者サービスのつもりだったのかもしれない。
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ガラスの麒麟 加納朋子 講談社 1600円
青春度:★★★★
謎解き度:★★
なみだ度:★★★
多感な少女の感性を十分に活写。ちょっと少女趣味のきらいはあるが、リアリティーあるなあ。
ミステリーというより青春小説。登場人物もうまい。
少女趣味のおやぢは、ちょっと泣いてしまった。
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タイム・シップ 上下 スティーブン・バクスター 早川文庫 上680円 下680円
一気読み度:★★
SF度:★★★★
あまり目新らしいアイデアはないが、奔放なイメージは物語にうまく溶け込んでいる。
やっぱ俺にとっては、「果てしなき流れの果てに」を超える、多元宇宙論ものはないな。
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脱出 西村健 講談社ノベルス 1400円
一気読み度:★★★★
B級活劇度:★★★★
リアリティーがなかったり、人物に厚みがなかったり、ご都合主義だったりとB級の域をでない。
がしかし、読み始めたら止まらない。
B級活劇に徹したところが、成功のもと。
物語にのめり込み、一気に読んで、「あー面白かった!」と本を閉じて、すぐ忘れるのが正しい読み方。
下手な映画を見るより断然面白い。
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タケノコの丸かじり 東海林さだお 朝日新聞社 1000円
笑い度:★★★
食欲増進度:★★★
これぞマンネリの極致。マンネリだからこそ安心して読める。
食べ物を題材にしているというのは、やっぱ強い。
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岸和田少年愚連隊 望郷編 中場利一 本の雑誌社 1800円
笑い度:★★★
やさぐれ度:★★★
青春度:★★★★
3作中では最高の出来。
暴力シーンでの過剰な表現は見られるが、前ほどではなくうなずける範囲内。
読者の青春時代と重ね合せて読ませるリアリティあり。
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塗仏の宴 宴の支度 京極夏彦 講談社 1200円
京極度:★★★★★
妖怪度:★★★★
たたり度:★★★★
「宴の支度」とはいったいどういうこと何だ! 続編は夏に刊行だと! 欲求不満で死んでしまう。
グリーンマイルを全巻揃うまで、半年間我慢したが、これは我慢できなかった。
各編が完結していながら、複雑に絡み合っていく構成はスゴイ。
蘊蓄をくどくどしゃべる奴が、京極堂以外にも登場して、ちょっとやになる。でも、前より読みやすくなった。その分あの訳の分かんなさは減ったが。
壮大な仕掛けが本編で完成して、後半の展開がどのようになるのか。京極夏彦の本領発揮を期待するだけ。残る問題は夏までどれだけ覚えているかだなぁ。
でもちゃんと人物相関図も作ったし、宴の始末対策は完璧だもんね。
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密告 真保裕一 講談社 1200円
謎解き度:★★★
愛と苦悩度:★★★★
活劇度:★★★
語り口やデティールは相変わらずうまいが、新鮮みがない。
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爆貧菌 日本貧乏菌研究会 情報センター出版局 1000円
お笑い度:★★★
感染度:★★
会社での話題度:★★★★
むかし俺の友達で、アパート住まいで風呂がなく、銭湯に行きたいんだが金もなく、約1ヶ月間風呂に入らなかった奴がいた。
学校に来ても、誰もそいつには近づこうとしなかった。
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デスペレーション スティーブン・キング 新潮社 2800円
レギュレイターズ リチャード・バックマン 新潮社 2300円
ホラー度:★★
C級度:★★
重い度:★★★★★
キングのスーパー小手先テクニックにより、読ませることは読ませるが、内容はどってことない。
怖くもないし、人物がいい訳でもない。
どうしたらこれだけながい文章にできるのか。その辺がスーパーテクニック!。
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敵対水域 ピーター・ハクソーゼン他 文芸春秋 1714円
はらはら度:★★★
ほんとかよ度:★★★
潜水艦の原子炉を止めるくだりは圧巻。ノンフィクションならではか。
自己犠牲の精神がここまであるとは。やっぱ教育のたまものだね。
今の日本で同じ様な事があっても、「え!やだよ俺。何で俺なんだよ!」というのは必至。
それが良いのか悪いのかは別だけど。
しかしソ連というのはすごい国だったんだなー。
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レディー・ジョーカー 上下 高村薫 毎日新聞社 上1700円 下1700円
一気読み度:★★★
謎解き度:★★
活劇度:★★
それなりに読ませるのだが、納得いかない。
文章が硬すぎるし、登場人物も硬くて平板。読んでいてとっても疲れる。
物語の細部や人物の言動に意味不明な点あり。
自分の感性とはまったくあわないなぁ。
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ループ 鈴木光司 角川書店 1600円
SF度:★★★★
謎解き度:★★
活劇度:★★
構想がいいが、構想がいいだけともいえる。
ホラーとして読むと後悔するから、SFとして読むこと。
ただしSFとしても、手法はありふれているし、主人公にまつわる謎も、かなり前に分かってしまう。
どうしても、それはやっぱ、掟破りだよ、とおもっちゃうなぁ。
今思うと、「リング」が一番怖くて面白かった。
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妖都 津原泰水 講談社 1700円
ホラー度:★★★★
活劇度:★★★★
めくるめくイメージの世界。今までにないホラー出現。作者の文体がなせる業。
理論派のひとには向かないかも。
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ハルモニア 篠田節子 マガジンハウス 1800円
一気読み度:★★★★
ジャンル分け不可能度:★★★★
読んで損なし。ここまで完成していると、脇役の人物描写にもっと力を入れて欲しいという欲が出る。
しかしこの人は不思議な小説を書くなぁ。出る本それぞれ面白いのだが、それぞれタイプの違う内容。
次の本がどんな内容になるのか、興味津々。
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しゃべれどもしゃべれども 佐藤多佳子 新潮社 1600円
一気読み度:★★★★
ほんわか度:★★★★
青春度:★★★★
高校生のような感性を思い起こさせる。さわやか青春小説。思わずニコニコしながら読んでしまった。
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