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Dragon's Jazz Corner

最近の愛聴盤

くつろぎ系 初心者の人や、疲れ気味の人におすすめです。
まじめ系 ジャズをしっかりと聴きたい人におすすめです。
中間系 そのどちらでもない人とそのどちらかの人向きです。


注: ここで言う愛聴盤とは私が寝る前によく聴くアルバムです。

10枚限定です。


(10) TARDO HAMMER TRIO / SWINGING ON A STAR


tardo hammer(p), lee hudson(b), steve williams(ds)
2017/Cellar Live/


 1  Gone (G.Evans)
 2  Number Uno (C.Davis)
 3  Swinging On A Star (J.Van.Heusen)
 4  Samba Do Brilho (G.Vergueiro)
 5  How Are Things In Glocca Morra (Lane/Harburg)
 6  Little Willie Leaps (M.Davis)
 7  I Found A Million Dollar Baby (H.Warren)
 8  Ballad For Very Tired And Sad Lotus Eaters (B.Strayhorn)
 9  Monk's Dream (T.Monk)


タード・ハマー(p)のリーダー作を買ったのは初めてです。
もちろんその名前は何枚かの参加アルバムで聴いているので知っていました。
ただ正直なところハマーのピアノはあんまり印象に残っていません。
安定感はあるけれど刺激的でないのがその理由だと思います。

自己のトリオならどうかなと思って手が伸びました。
全9曲に自身のオリジナルはなくてトータル46分は短く構成は今ひとつです。
もう2、3曲は欲しいところなのでやはりオリジナルがあると良かった。
端正で落ち着いた演奏を聴かせているけど何か物足りない部分が残りました。
何だろうね?・・・大人しくて真面目・・・弾けた部分が少ないからかな。
そんな中でビリー・ストレイホーンのバラード(8)が聴きどころになりました。
静かに語りかけるようなピアノが素晴らしいです。
ここがハマーの神髄だと思います。
バリー・ハリス系と言われているようですが確かにそうかなと思わせるところはあります。

(中間系)



(9) GABRIEL LATCHIN TRIO / INTRODUCING


gabriel latchin(p), tom farmer(b), josh morrison(ds)
2017/Alys Jazz/


 1  Carlora (G.Latchin)
 2  It Had To Be You (I.Jones/G.Kahn)
 3  Lover Man (J.Davis/R.Ramirez/J.Sherman)
 4  Off The Latch (G.Latchin)
 5  Lush Life (B.Strayhorn)
 6  Trane Hopping (G.Latchin)
 7  If I Only Had A Brain (H.Arlen/E.Y.Harburg)
 8  Stompin' At The Savoy (E.Sampson)
 9  Easy To Love (C.Poter)
 10  Can't We Be Friends (P.James/K.Swift)
 11  Blues For Billy (G.Latchin)


ガブリエル・ラッチンと読めばいいのかな、初見です。
いかにもイギリス紳士風な端正な佇まいに惹かれました。
めったにイギリスのピアニストを聴くこともありません。
ブリティッシュ・ジャズといえばタビー・ヘイズ(ts)の大ブームがまだ記憶に残っています。
ヨーロッパにも独特のお国柄がありますがイギリスもその例の漏れません。
ジャズでもアメリカとヨーロッパ大陸との懸け橋になっています。
雰囲気的にはウェスト・コースト・ジャズに近いのではと思っています。

今作は全11曲、自身のオリジナル4曲とその他スタンダード7曲の構成です。
バランスはいいと思いました。
明るく爽やかでスマートなピアノが聴けました。
特にオリジナルでのポップな演奏が新味でここが一番の聴きどころになると思います。
まだ若いのでこれからの精進を期待しています。
ちなみに私は「イントロデューシング〜」という表題名に弱いです。
初アルバムなので音楽性を探るには最適だし、内容も充実していることが多いです。

(中間系)



(8) FRODE KJEKSTAD QUARTET / A PIECE OF THE APPLE


frode kjekstad(g),
eric alexander(ts), mike ledonne(org), joe farnsworth(ds)
2017/Losen Records/


 1  A Piece Of The apple (F.Kjekstad)
 2  Malala (F.Kjekstad)
 3  The Three Musketeers (F.Kjekstad)
 4  Not While I'm Around (S.Sondheim)
 5  That's All (A.Brandt/B.Haymes)
 6  Cold Duck Time (E.Harris)
 7  My Shining Hour (Mercer/Arlen)
 8  Invitation (P.F.Webster/B.Kaper)
 9  The Lone Ranger (F.Kjekstad)


ノルウェーのギタリスト、フローデ・ヒェクスタ ?は初見です。
エリック・アレキサンダー(ts)の名前に惹かれて手が伸びました。
エリック+オルガン・トリオには興味あります。
共演がマイク・ルドン(org)にジョー・ファーンズワーズ(ds)ときたらそのまんまエリックの作品ですね。
逆にギター奏者がゲストと言ってもおかしくありません。

全9曲は自身のオリジナル4曲にその他5曲の構成です。
聴いてみるとフローデ・ヒェクスタ は名手でした。
ヨーロッパのギタリスト特有のテクニックに加えてアメリカのソウル&ファンキーの味わいもありました。
先週紹介したピーター・バーンステイン級の実力の持ち主です。
そのクリアな音色と確実性に私は驚いてしまいました。
オリジナルでは(3)「The Three Musketeers」が、その他ではエディ・ハリス(ts)の(6)「Cold Duck Time」が秀逸です。
バラードの(4)「Not While I'm Around」も良かった。
以前にも書いたことがあるけどルドンのオルガンはピアノよりも面白いと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(7) PETER BERNSTEIN QUARTET / SINGS LIVE !


peter bernstein(g),
brad mehldau(p), christian mcbride(b), gregory huthinson(ds)
2017/Smoke Sessions Records/

Disk1
 1  Blues For Bulgaria 17:59 
 2  Hidden Pockets 11:37
 3  Dragonfly 18:42 
 4  Jive Coffee 19:03 
 5  Pannonica (T.Monk) 8:47 

Disk2
 1  Useless Metaphor 11:51 
 2  Let Loose 15:22 
 3  All Too Real 13:19 
 4  Resplendor 8:41 
 5  Crepuscule With Nellie / We See (T.Monk) 14:34 
 6  Cupcake 13:49 


ピーター・バーンステインは現在世界で最も多忙なジャズ・ギタリストですね。
それこそどこにでも出ているので寝るヒマがあるのかと思います。
それだけジャズメンの信頼が厚いということでしょうか。
確かに何でも出来る実力の持ち主で確実性があり、安心感、安定感は十分です。

今作は2015年1月に行われたリンカーン・センターのライブ2枚組です。
発売までに時間がかかったのはメンバーの契約問題だと思います。
ここはやはりメンバーが魅力的で手が伸びました。
バーンステイン、ブラッド・メルドー(p)、クリスチャン・マクブライド(b)、グレゴリー・ハッチンソン(ds)。
このメンバーなら見逃すことは出来ません。

全11曲はセロニアス・モンク(p)の2曲を除いて全て自身のオリジナルです。
そのほとんどが10分を超える長丁場になっています。
20分近い曲もいくつかあるので気合を入れて聴かねばなりませんよ。
バーンステインのクリアで切れ味鋭いギター・プレイが満喫出来ます。
各人にも十分なソロ・スペースが与えられていて聴き応えは十分です。
ただ愛聴盤にするには1曲づつが長いのでちょっと厳しいかも知れません。
そんなに緊張感は続かないから・・・。
それよりも現在の最高峰のメンバーによるライブという記録盤としての価値が出るような気がします。
やはりメルドーの存在が大きいと思います。
今作がバーンステインの代表作になるのは間違いないです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



(6) PETER AND WILL ANDERSON QUINTET / BLUES FOR JOE


peter anderson(ts), will anderson(as),
peter bernstein(g), pat bianchi(org), kenny washington(ds)
2017/Gut String Records/


 1  Blue For Joe (P.Anderson)
 2  The Royal Standard (P.Anderson)
 3  Exceptional Elegance (W.Anderson)
 4  Lush Life (B.Strayhorn)
 5  Relaxed Beauty (W.Anderson)
 6  Minor Joe (P.Anderson)
 7  Vitality (P.Anderson)
 8  Body And Soul (J.Green)
 9  The Truth Will Prevail (W.Anderson)
 10  Few And Far Between (W.Anderson)


最近ピーター&ウィル・アンダーソン兄弟の作品を見かけることが多いです。
前回はクラリネット作品だったけど今回はサックスに戻りました。
ただバックがオルガン・トリオというのが新味です。
先日紹介した白人オルガニストのパット・ビアンチと絶好調のピーター・バーンステイン(g)の組み合わせ。
ドラマーは安定感十分のベテラン、ケニー・ワシントンです。
全10曲は二人のオリジナルが8曲とスタンダード2曲の構成です。
二人はクインシー・ジョーンズを尊敬しているようですね。
クインシーのコメントが掲載されていました。
また今作はバリトン・サックス奏者のジョー・テンパーリーに捧げる作品になっています。
テンパーリーに6年間師事したとありました。

ジャケットのようにブルージーに演奏しようという意図はよく分かります。
でもね、そうなり切れなかったのが面白いです。
いかにも彼ららしい軽快で爽やかなオルガン・ジャズになっています。
曲想そのものはファンキー&ソウルなんだけど二人の持ち味はそうは変われません。
「Lush Life」と「Body And Soul」・・・2曲のスタンダードはくつろげました。
相変わらず二人のコンビネーションは抜群です。

オルガン=ファンクは私が持つイメージだけど最近はそのイメージが崩れつつあります。
アメリカやヨーロッパの若いオルガニストを聴いていると現代のオルガン・ジャズはスマートです。
それにしてもバーンステインは超売れっ子のギタリストになりましたね。
寝るヒマがあるんだろうか。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(5) TAWARAYAMA MASAYUKI QUINTET / BLACK COFFEE


松島啓之(tp)、岡淳(ts,fl)、
納屋嘉彦(p)、俵山昌之(b)、小山太郎(ds)

2017/Mock Hill Records/

Disk1
 1  Fifthy McNasty (H.Silver)
 2  Driftin' (H.Hancock)
 3  You Stepped Out Of A Dream (N.H.Brown)
 4  Black Coffee (S.Burke)
 5  One Finger Snap (H.Hancock)

Disk2
 1  Brilliant Corners (T.Monk)
 2  Golden Earrings (V.Young)
 3  Just In Time (J.Styne)
 4  I Fall In LoveToo Easily (J.Styne)
 5  Bass Introduction (T.Masayuki)
 6  Berimbau (B.Powell)
 7  Monky Dance (T.Masayuki)


俵山昌之(b)さんは年に何回かライブ・ハウスで出会う機会があります。
「タワー・ステーション」というグループを率いていて、熱心なファンが多いのも知っています。
ここはメンバーが魅力的で「どうしても見たい」と思って出かけていきました。
松島啓之(tp)さんと岡淳(ts)さんのフロントに納屋嘉彦(p)さんと小山太郎(ds)さんの組み合わせです。
まさに現在の日本のジャズ・シーンで最も脂の乗り切ったメンバーです。
これだけのメンバーを集めるだけでも俵山さんはさすがというか、好センスを感じました。
ライブ・ハウスには女性の姿が多くて、それぞれに女性ファンが付いているそうです。
お客さんが多ければプレイヤーも張り切る・・・全員がノリノリで大いに盛り上がりました。
私は特に小山さんの煽りに煽るドラミングに注目したけど皆さん素晴らしかったです。

さて、今作は先日のそのライブで入手しました。
そこで初めて知りましたがライブそのものが今作の発売記念ライブという位置付けでした。
CDは2016年5月の長野県松本市におけるライブ録音2枚組です。
ホレス・シルバー、ハービー・ハンコック、セロニアス・モンク、バド・パウエルなどのモダン・ジャズの名曲や
ソニー・バーク、ヴィクター・ヤング、ジュール・スタインなどのスタンダードなどの選曲も申し分ありません。
やはりベスト・トラックは表題にもなったD1(4)「Black Coffee」かな・・・ブルージーな雰囲気がたまりません。
バラードのD2(2)「Golden Earrings」や(4)「I Fall In Love Too Easily」もシブい。
このメンバーなら良くて当たり前だけど予想通りのスリリングで熱い演奏が詰まっていました。
ジャズは一瞬にして消え去る運命にある・・・このライブ音源がCD化されて本当に良かったです。
日本における現在のハード・バップの名盤・・・グルーブ感に溢れる文句なしの快演です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(4) CHARNETT MOFFETT TRIO & QUARTET / MUSIC FROM OUR SOUL


charnett moffett(b,elb), stanley jordan(g)(1,2,4,5-10,12,13), cyrus chestnut(p,Key)(2,3,5,8,9,10),
jeff "tain" watts(ds)(1,2,7,8,9,10,12,13), victor lewis(ds)(3,5), mike clark(ds)(4,6),
pharoah sanders(ts)(1,7,13)
2016/Motema Music/


 1  Music From Our Soul
 2  Freedom
 3  Mood Indigo (D.Ellington)
 4  So What ? (M.Davis)
 5  Come And Play
 6  Love In The Galaxies
 7  We Are Here To Play
 8  Mediterranean
 9  For Those Who Know
 10  Just Need Love
 11  Celestial Dimentions
 12  Sound world Suite
 13  Freedom Swing
 14  Love For The People


これまた久し振りにチャーネット・モフェット(b)の名前を見たので手が伸びました。
1967年ニューヨーク生まれの現在50歳、ジュリアード出身のエリート・ジャズ・ベーシストです。
抜群のテクニシャンで強烈な演奏を聴かせてくれます。
若い頃のモフェットはエネルギッシュに動き、そのパワフルな奏法は一度見たら忘れられません。
最初に名前を見たのはブランフォード・マルサリス(ts)のアルバムでした。
スタンリー・ジョーダン(g)、マルグリューミラー・(p)、ケニー・ギャレット(as)、マッコイ・タイナー(p)などと共演しています。
その他ウィントン・マルサリス(tp)、ウォレス・ルーニー(tp)、マンハッタン・ジャズ・クインテットなどで名を上げました。

全14曲は2曲を除いて自身のオリジナルです。
ファラオ・サンダース(ts)が参加したカルテットが3曲(1,7,13)、サイラス・チェスナット(p)とのトリオが2曲(3,5)、
盟友スタンリー・ジョーダン(g)とのトリオが2曲(4,6)、その他カルテット、デュオ、ベース・ソロなどがあります。
曲想や組み合わせに変化があって、モフェットもアコースティックとエレキ・ベースを使い分けているので飽きさせません。
曲数が多く比較的短い構成になっているのはモフェットの音楽性の全てを出したかったのかも知れませんね。
やはり、長い付き合いのジョーダンが一番しっくりきました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



(3) WALLACE RONEY QUINTET & SEXTET / A PLACE IN TIME


wallace roney(tp), ben solomon(ts), gary bartz(as)(3,5,6,7)
patrice rushen(p), buster Williams(b), lenny white(ds)
2016/HighNote/


 1  Around And Through (P.Rushen)
 2  Elegy (T.Williams)
 3  Air Dancing (B.Williams)
 4  Observance (W.Roney)
 5  Ardeche (B.Solomon)
 6  L's Bop (L.White)
 7  Clair De Lune (C.Debussy)
 8  My Ship (K.Weill)


久々にウォレス・ルーニー(tp)を買いました。
1960年生まれの現在57歳、フィラデルフィア出身でバークリーにも通っています。
マイルス・デイビスに最も近いですが元々はクラーク・テリー派のトランぺッターです。
トニー・ウィリアムス・クインテットへの入団で知られるようになったのでトニーが恩人かな。
ここでもちゃんとトニーの曲を取り上げていますね。
メンバーのオリジナルを1曲づつ採用しているのもいかにもルーニーは真面目で律儀な感じがします。
自己のアルバムでは自身のクールで静に対してホットで動なサックス奏者を選ぶことが多いです。
印象に残っているのは80〜90年代のゲイリー・トーマス(ts)との共演盤です。

さて今作でもその傾向は踏襲されていて動のベン・ソロモン(ts)やゲイリー・バーツ(as)が起用されています。
でも私が惹かれたのはバックのピアノ・トリオです。
パトリース・ラッシェン(p)、バスター・ウィリアムス(b)、レニー・ホワイト(ds)とくればフュージョン・サウンドを予想します。
でも中身は違っていて至極オーソドックスなハード・バップ・サウンドが詰まっていました。
一番の聴きどころは(6)「L's Bop」でパトリースの瑞々しいピアノ・ソロとレニーの多彩なドラミングです。
(8)「My Ship」をはじめルーニーのミュート・トランペットの素晴らしさは群を抜いていると思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(2) JD ALLEN QUARTET / RADIO FLYER


jd allen(ts),
liberty ellman(g), gregg august(b), rudy royston(ds)
2017/Savant/


 1  Sitting Bull
 2  Radio Flyer
 3  The Angelus Bell
 4  Sancho Panza
 5  Heureux
 6  Daedalus
 7  Ghost Dance


JD・アレン(ts)を聴くのも久し振りです。
ちょっとは重たいものも聴かないといけないかなと思って手が伸びました。
アレンは硬派のテナー奏者でベースとドラムスの不動のピアノレス・トリオを率いています。
今回は新たにギターが加わったワン・ホーン・アルバムに興味を引かれました。
ジョン・コルトレーン〜ファラオ・サンダースにプラス、ソニー・ロリンズはギンギンの主流派と言えると思います。
それにオーネット・コールマンやアルバート・アイラーといったところのアプローチもあります。

全7曲は全てアレンのオリジナルで1曲目から彼の世界が広がっていました。
テーマはあってもないようなもので基本的にはフリー・スタイルを貫き通しています。
ソロイストの主張にメンバーが即座に反応する・・・即興性のジャズの魅力が詰まった作品と言えます。
特にルディ・ロイストンのドラムとの絡みが素晴らしくて、ここが一番の聴きどころになるかな。
リバティ・エルマンのギターがまた長年のレギュラーのようにメンバーに馴染んでいるのにも驚かされました。
まったく違和感がありません。
先の展開の見えないスピリチュアルな演奏が魅力です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



(1) MIGUEL ZENON QUARTET / TIPICO


miguel zenon(as),
luis perdomo(p), hans glawischnig(b), henry cole(ds)
2016/Song X Jazz/


 1  Academia
 2  Cantor
 3  Ciclo
 4  Tipico
 5  Sangre De Mi Sangre
 6  Corteza
 7  Entre Las Raices
 8  Las Ramas
 9  La Novia Que Nunca Tuve


ミゲール・ゼノン(as)の新作はジャケ買いです。
ある種一抹の不安を抱えながら13年振りにリーダー作品を買いました。
ゼノンはバークリーの出身、キューバのダニーロ・ペレス(p)や先輩格のデヴィッド・サンチェス(ts)等と共演して頭角を現してきました。
ユニークで強力なアルト奏者として注目していましたが余りにシリアスでダークな世界・・・聴いていて疲れるので離れてしまいました。
これはゴンザロ・ルバルカバ(p)や前述のデヴィッド・サンチェスにも同様の思いがあります。

今作は原点であるプエルトリコに回帰する曲想で全9曲中8曲が自身のオリジナルです。
ジャケットの雰囲気が良くて、もう1回「買ってみようか」という気になりました。
結果は買って良かった・・・これはゼノンの最高の一枚になったと思います。
超クールな音色のゼノンの特徴もよく出ているし、盟友ルイス・ペルドモ(p)の素晴らしいピアノも聴けます。
思うにジョニー・ホッジス〜ポール・デスモンド〜マリオン・ブラウン〜ミゲール・ゼノンの流れが出来ました。
このラインはサウンド的にとても重要で、アルト・サックスの特徴的な高音部の奏法が受け継がれています。
細く、薄く、繊細でクール、透明感のある美しい音色を持っています。

私的ベスト・トラックは感動的な(2)「Cantor」、ハイセンスなリズム感の(6)「Corteza」にも注目しました。
表題曲の(4)「Tipico」や(3)「Ciclo」も良かった、フリー・フォームで演奏される(7)「Entre Las Raices」も入ってます。
相も変わらず日本盤のみのボーナス・トラックの(9)ですがこの先進のラテン・サウンドも聴きどころになりました。
全体を通してペルドモの存在感が光っていて、ペルドモ居ればこそのゼノンという感じがしました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)