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Dragon's Jazz Corner

最近の愛聴盤

くつろぎ系 初心者の人や、疲れ気味の人におすすめです。
まじめ系 ジャズをしっかりと聴きたい人におすすめです。
中間系 そのどちらでもない人とそのどちらかの人向きです。


注: ここで言う愛聴盤とは私が寝る前によく聴くアルバムです。

10枚限定です。


(10) ATSUSHI KANNO TRIO / ATSUSHI KANNO TRIO


atsushi kanno(tp), takashi ohashi(p), nobuyuki yano(b)
2017/YPM/


 1  Swing That Music (1936/H.Garland&L.Armstrong)
 2  Black And Tan Fantasy (1927/D.Ellington)
 3  Liza (1929/G&I.Gershwin)
 4  Lotus Bloosom (1967/B.Strayhorn)
 5  You're Getting To Be A Habit With Me (1932/H.Warren&A.Dubin)
 6  It Don't Mean A Thing (1932/D.Ellington&I.Mills)
 7  Should It ? (1930/N.H.Brown&A.Freed)
 8  Under A Blanket Of Blue (1933/J.Livingston&M.Symes, A.J.Neiburg)
 9  Riverboat Shuffle (1924/H.Carmichael)
 10  Do You Know What It Means To Miss New Orleans (1944/E.De.Lange&L.Alther)
 11  Panama (1912/W.H.Tyers)
 12  There's A Small Hotel (1936/R.Rodgers&L.Hart)
 13  West End Blues (1928/J.K.Oliver)


帯中の”ほろ苦い大人のトラッドジャズ”に惹かれました。
トランぺッターの菅野淳史さんの名前は初めて聞きました。
中堅のジャズ・マンで名前を知らないというのも珍しいです。
私はモダン・ジャズが中心ですが菅野さんはデキシー&ニューオリンズ畑なので接点がなかったかも。

ここはトラディショナルな選曲が魅力だと思います。
1920年代と30年代が中心でめったに聴けない曲も入っていました。
大橋高志(p)さんと矢野伸行(b)さんとのドラムレス・トリオでのんびり、ゆったりとした気分になりました。
心地良いトランペットの音色と軽やかなスイング感の雰囲気は昼下がりのコーヒー・タイムにピッタリです。
静かに時間が流れていきます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(9) ONDREJ STVERACEK QUARTET / SKETCHES


ondrej stveracek(ts),
klaudius kovac(p), tomas baros(b), gene jackson(ds)
2016/Stvery Records/


 1  Song Nr.226 (O.Stveracek)
 2  I Want To Talk About You (B.Eckstine)
 3  Bunch Of Gypsies (T.Baros)
 4  Sketches (O.Stveracek)
 5  It Could Happen To You (J.V.Heusen)
 6  Three Card Molly (E.Jones)
 7  Before Then (G.Jackson)
 8  Lullaby-dedicated to my daughter Anna (O.Stveracek)


ondrej stveracekは初見ですが何と読めばいいんでしょうか。
チェコのベテラン・テナー奏者だそうです。
サングラスにテナー・サックスとくればブルー・ノートのハンク・モブレー(ts)を思い出します。
いかにも1960年代のジャケットが気に入って手が伸びました
馴染み深いジーン・ジャクソン(ds)の名前があるのも安心感がありました。

聴いてみると中身はモブレーではなくてジョン・コルトレーンそのものでした。
1曲目からグイグイと飛ばす飛ばす、その圧倒的なスピード感に引き込まれてしまいました。
2曲目になるとまるでコルトレーンの「バラード」を聴いているみたいに錯覚してしまうほどです。
サウンド的に一番面白かったのは(3)「Bunch Of Gypsies」で独特のお国柄が出ていました。
表題曲の(4)「Sketches」はピアノとドラムスのコンビネーションが凄いです。
アルバム全体を覆う重量感があります・・・コルトレーン・カルテット風味がする。
全員が一丸となって切れ味鋭く強靭なタッチで迫ってくるという表現が一番ピッタリときます。
チェコのジャズ・シーンの底力を見た思いがしました。

ジーン・ジャクソンの名前は東京のライブ・ハウスでもよく見かけます。
大の親日家のようでしょっちゅう日本にも来ているようです。
私も何度か聴く機会がありました。
当然ながら彼の多彩なドラミングも聴きどころになります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(8) JOEY DeFRANCESCO + THE PEOPLE / PROJECT FREEDOM


joey defrancesco(org,key,tp),
jason brown(ds), troy roberts(ts,ss), dan wilson(g)
2017/Mack Avenue/


 1  Imajine (Plelude) (J.Lennon)
 2  Project Freedom (J.Defrancesco)
 3  The Unifier (J.Defrancesco)
 4  Better Than Yesterday (J.Defrancesco)
 5  Lift Every Voice And Sing (J.W.Johnson&J.R.Johnson)
 6  One (J.Defrancesco)
 7  So Near, So Far (T.Crombie&B.Green)
 8  Peace Bridge (J.Defrancesco)
 9  Karma (J.Defrancesco)
 10  A Change Is Gonna Come (S.Cooke)
 11  Stand Up (J.Defrancesco)


最近オルガンが聴きたくなったこともあってチャールス・アーランドにハマっています。
そんな中で久々にジョーイ・デフランチェスコを買ってみました。
オルガンに関してはどうしてもジミー・スミスやジャック・マクダフのイメージが強過ぎます。
それでデフランチェスコにしてもスマートさがネックになってほとんど聴いてなかったです。
色んな楽器が演奏できるマルチプレイヤーの器用さもマイナスだったかもしれません。
今作はいわゆる有名なスタンダードが1曲も入っていなかった。
それが「かえっていいかな」と思って手が伸びました。

全11曲は自身のオリジナルが7曲とその他4曲の構成です。
予想は正解だったです。
サウンド的に最先端のオルガン・ジャズが聴けました。
題名が「Project Freedom」です。
デフランチェスコはこういうものがやりたかったんですね。
広がりのあるサウンドでデフランチェスコのスタイルにはピッタリだと思いました。
サックスのトロイ・ロバーツは初めて聴いたけど中々いいと思いました。
私的ベストは最もジャズっぽい雰囲気を持つ(9)「Karma」でこれはカッコ良かったです。

ジャズ・オルガニストの層は薄いけれどデフランチェスコは経験、実力も十分です。
知名度も高いのでやはりこの人にはオルガン・ジャズの先頭に立って引っ張ってもらいたい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(7) YOICHI KOBAYASHI & GOOD FELLOWS / TAKE THE YELLOW TRAIN


vincent herring(as), eric alexander(ts), erena terakubo(as)(2,6,7),
anthony wonsey(p), motoi kanamori(b), yoichi kobayashi(ds)
2017/Monky's Records/


 1  Manteca (D.Gillespie)
 2  Sweet Clifford (C.Brown)
 3  Just Squeeze Me (D.Ellington)
 4  Take The Yellow Train (Y.Kobayashi)
 5  You Don't Know What Love Is (G.D.Paul)
 6  Two Bass Hit (D.Gillespie)
 7  Franks Tune (F.Strozier)
 8  Giant Steps (J.Coltrane)
 9  Good Morning Heartache (D.Fisher)


小林陽一&グッドフェローズの新譜です。
日本人はJJM(ジャパニーズ・ジャズ・メッセンジャーズ)と外国人が入るとグッドフェローズになるようです。
小林さんが率いるグループのライブは楽しめるので機会があれば見に行くようにしています。
長年若手の登竜門にもなっているので新人のプレイ振りが一番の楽しみです。
ここから巣立って行った一線級のプレイヤーがいったい何人になるのか?
以前小林さん本人に聞いたことががあるけど、数が多過ぎて「もう、分からない」そうです。

さて今作はライナー・ノーツを小林さん自身が書いています。
80年代ニューヨークでストリート・ミュージシャンとして知り合ったのがヴィンセント・へリング(as)なので盟友ですね。
以前、小林さんに「ストリートの稼ぎは凄く良かった」と聞いたことがあります。
その後ヴィンセントはメジャーへの道を歩むことになります。
ストリート出身のジャズ・ミュージシャンは貴重で実戦向きの強力で独特の雰囲気を持っていると思います。
そのヴィンセント・へリングつながりでエリック・アレキサンダー(ts)との共演も多くなりました。

ここは話題の寺久保エレナ(as)さんが参加していてフレッシュな演奏を聴かせてくれました。
さらに日本で演奏することも多いアンソニー・ウォンジー(p)と才能溢れる金森もとい(b)さんが共演です。
聴きどころはまずエリックとヴィンセントのワン・ホーンになるかな。
エリックの(5)「You Don't Know What Love Is」はボサノバで演奏されますがこの曲のボサは珍しいかも。、
ヴィンセントの(9)「Good Morning Heartache」のバラード奏法も素晴らしいです。
(7)「Franks Tune」ではヴィンセントと寺久保さんのアルトの競演が聴けました。
フランク・ストロジャー(as)は近年再評価されているような気がするけどこの曲もいいです。
唯一の3管アレンジは(6)「Two Bass Hit」で聴けました。
やはり寺久保さんの参加が大きいと思う・・・初共演ということもあって緊張感が漂っています。

なお今までヴィンセント・ハーリングと書いていましたが正しくはヴィンセント・へリングのようです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(6) PETER & WILL ANDERSON / CLARINET SUMMIT


peter anderson(cl)(solo1), will anderson(cl)(solo2),
ken peplowski(cl)(solo3), paquito d'rivera(cl)(solo4)
tardo hammer(p), david wong(b), kenny washington(ds)
2016/Storyville/


 1  How About You ? (B.Lane) (solo1,3,2)
 2  When You Wish Upon A Star (L.Harline) (solo2,3,1)
 3  Very Saxy (Eddie.L.Davis) (solo1,3,2)
 4  Prelude To A Kiss (D.Ellington) (solo1)
 5  I'll Never Be The Same (M.Malneck) (solo2)
 6  Cry Me A River (A.Hamilton) (solo3)
 7  Make Someone Happy (J.Styne) (solo2,3,1)
 8  How Insensitive (A.C.Jobim) (solo2,1,3)
 9  Groovin' High (D.Gillespie) (solo4,2,1,3)
 10  Creole Love Call (D.Ellington) (solo4,2,3,1)
 11  A Night In Tunisia (D.Gillespie) (solo3,4,2,1)


ピーター&ウィル・アンダーソン、兄弟(双子)サックス奏者のクラリネット作品です。
普段はピーターがテナー・サックスでウィルがアルト・サックスを吹いています。
二人は軽快でスイング感溢れるクラシカルなジャズ・スタイルを持っています。
柔らかく優しい音色、スマートで優等生、爽やかなウエスト・コーストの風を感じる。
そんな二人のクラリネットならピッタリじゃないかと思いました。
その上共演がケン・ペプロウスキーとパキート・デ’リヴェラときたら興味津々です。
ペプロウスキーはベニー・グッドマンを彷彿とさせる名手でパキートはキューバ出身のアルト奏者。
久々にパキートのクラリネットが聴けるのは嬉しかったです。
ライブ盤ですが4人のクラリネット奏者が並んだステージは壮観だったでしょうね。
つくづく「見てみたいなぁ〜」と思いました。

今時、スイング系のクラリネット作品は珍しいのではないかと思います。
でもオールド・スタイルはいつの時代でも一定の支持があるのは確かです。
全11曲は良く知られたスタンダードが中心です。
唯一の例外は(3)「Very Saxy」でエディ”ロックジョウ”デイヴィス(ts)の曲です。
”ロックジョウ”の曲が取り上げられるのは珍しいけどバトル曲としてはピッタリかな。
各曲のソロの順番を書いてくれているのも親切ですね。

ベテランのペプロウスキーとパキートの上手さはすでによく知られています。
ピーター&ウィルの兄弟もそれに勝るとも劣らない好演を聴かせてくれました。
複数のクラリネットによるユニゾンやアンサンブルがまた新鮮です。
クラリネットが堪能出来るジャズ・アルバムとして貴重な作品になると思います。
疲れている時に最適な癒し系・・・4人のクラリネットが一度に聴ける大徳用盤です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(5) JESPER LUNDGAARD TRIO / 2016


jesper lundgaard(b), hans ulrik(ts), niclas knudsen(g)
2016/Storyville/


 1  K.B.Blues (J.Lundgaard)
 2  Walking In Circles (H.Urlik)
 3  The Meeting (H.Urlik)
 4  The Meaning Of The Blues (B.Troup)
 5  Three Birds In Paris (H.Urlik)
 6  Doug (J.Lundgaard)
 7  Stafet (H.Urlik)
 8  Vals Fra Norrebro (N.Knudsen)
 9  Naima(J.Coltrane)
 10  Waltz For K (J.Lundgaard)


イェスパー・ルンゴーはデンマークを代表するベーシストです。
特にアレックス・リール(ds)とのコンビには定評があってこの二人の共演は間違いありません。
昨年のベスト3にはエンリコ・ピエラヌンチ(p)とのトリオ盤を上げました。

さてハンス・ウーリック(ts)とニクラス・クヌーセン(g)とのこのトリオは2004年に結成されたようです。
もう10年以上になるのでお互いの気心は知れています。
ベース、テナー・サックス、ギターの組み合わせは珍しいかもしれませんね。
ルンゴーは柔らかくフレキシブルな奏法でどんなサウンドにも自在に反応します。
ウーリックとクヌーセンはゴリゴリの硬派なプレイヤーなので「どんなもんか?」と手が伸びました。

全10曲はメンバーのオリジナル8曲とその他2曲の構成です。
全体的に強いブルース・フィーリングが漂っています。
3人3様に「これでもか!」とグイグイとくるところがあって3者のぶつかり合いが刺激的です。
トリオにしては至極重厚な仕上がりになっています。
強靭なベース・プレイを聴かせるルンゴーはアルコ・プレイも凄いです。
これほど豪快なルンゴーを初めて見ました。
まず聴きどころはよく知られたボビー・トループの(4)とジョン・コルトレーンの(9)になると思います。
オリジナルではウーリックの(5)とルンゴーの(6)がお気に入りになりました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



(4) DAVID GILMORE QUINTET / TRANSITIONS


david gilmore(g), mark shim(ts),
victor gould(p), carlo derosa(b), e.j.strickland(ds),
gregoire maret(harmonica)(4), bill ware(vib)(8)
2017/Criss Cross/


 1  End Of Daze (D.Gilmore)
 2  Beyond All Limits (W.Shaw)
 3  Blues Mind Matter (B.Hutcherson)
 4  Blusette (T.Thielemans)
 5  Both (A.Peacock)
 6  Spontanuity (D.Gilmore)
 7  Kid Logic (V.Bailey)
 8  Farralone (B.Hutherson)
 9  Nem Un Talvez(H.Pascoal)


デヴィッド・ギルモア(g)はM-Base派ですね。
スティーヴ・コールマン(as)&ファイブ・エレメンツの一員でした。
共演のマーク・シム(ts)もその流れのサックス奏者です。
ちなみにその一派で重要なのは前述のスティーブ・コールマン(as)、グレッグ・オスビー(as)、
ジェリ・アレン(p)、ゲイリー・トーマス(ts)、カサンドラ・ウィルソン(vo)らがいます。
私が一番好きなのはゲイリー・トーマスです。

久々にM-Base派のジャズを聴きましたが面白かったです。
未だに新鮮さは失っていないと同時に聴き易くなっていると思います。
先進的で頭でっかちなところもあったけれどだいぶ丸くなってきています。
最近は聴き易いものばかりを聴いていたのでもの凄く新鮮で毎日愛聴していました。
今週のもう一枚もサム・リバース(ts)なのでジャズにどっぷり浸かった気がします。
待望の春を迎えて気分も元気になっているのかもしれません。

どの曲も良かったけれど好みではボビー・ハッチャーソン(vib)の(3)と(8)が出色でした。
展開やリズムに工夫が見られる(6)や(7)もお気に入りになりました。
ゲストがハーモニカとヴァイブというのもよく考えられた選択だと思います。
アルバムの流れに変化が出て曲想も多彩で飽きさせません。
演奏内容も素晴らしく構成もよく考えられている・・・今年聴いた中では一番いいかな。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)



(3) LORENZO TUCCI TRIO & QUARTET / SPARKLE


lorenzo tucci(ds), luca mannutza(p), luca Fattorini(b),
flavio boltro(tp)(3,6,9,10), karima(vo)(10)
2016/Jando/


 1  Sparkle Suite
 2  Past
 3  So One
 4  Grow
 5  Keep Calm
 6  L & L (A Sorgini)
 7  Two Years
 8  Seven Days (Sting)
 9  Tari
 10  E Po' Che Fa (P.Daniele)


ロレンツォ・トゥッチは「ハイ・ファイブ」のドラマーとして知られているかな。
そんな関係でファブリジオ・ボッソ(tp)のアルバムでもよく名前を見ます。
ピアノのルカ・マヌッツアもそうですね。
そんなドラマーの作品も面白いかもと思って手が伸びました。
フラヴィオ・ボルトロ(tp)も参加しています。

全10曲は自身のオリジナル7曲にその他3曲の構成です。
ハード・バップ・テイストの「ハイ・ファイブ」とはまったく違った顔を見せてくれました。
ヨーロッパ・ドラマーの一つの行き方である特徴的なドラミングを聴かせています。

これが現在のヨーロッパの流行りのサウンドになんでしょうね。
ドラム、ピアノ、ベースが一体になって曲を盛り上げていく感じがします。
一種独特のリズムとサウンドを持っていて不思議感があります。
多重録音方式を取っているせいで音の厚みに違和感が出てきます。
最初はピアノを録音して次はそのピアノを聴きながらドラムを足していく。
最後にそれを聴きながらベースというように音を積み上げていく方法です。
もちろん順番は色々とあるし、同じ楽器を重ねるということもあると思います。
この方法はミュージシャンがよく使いますが、ライブではこれが出来ないので物足りなくなってしまうのです。
CDとライブが違う・・・CDの方がずっといいとの評価にもなります。

シャシャシャっと細かくリズムを刻んでパタパタと多弁なドラミングはメロディも感じさせる。
このスイング感がなんとも心地いいんですよ。
ジャズの発展性を見ているようで面白いと思いました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)



(2) RUSSELL MALONE QUARTET / LOVE LOOKS GOOD ON YOU


russell malone(g),
rick germanson(p), gerald cannon(b), willie jones V(ds)
2015/Highnote/


 1  Soul Leo (M.Miller)
 2  Love Looks Good On You (R.Malone)
 3  The Elder (T.Jones)
 4  Ellie's Love Theme (I.Hayes)
 5  Your Zowie Face (L.bricusse/J.Goldsmith)
 6  Mirrors (J.Chambers)
 7  Amsterdam After Dark (G.Coleman)
 8  Lift Ev'ry Voice And Sing (J.W.Jhonson/J.R.Jhonson)
 9 Suite Sioux (F.Hubbard)


ラッセル・マローンは現在のギタリストでは一番好きです。
オーソドックスなスタイルで尖がったところがなくて安心感があります。
ギタリストに関してはロック系よりもジャズ系、ソウル系の方がしっくりきます。
これは私の好みや年齢が影響していると思います。
聴くジャズも先鋭的で過激なものより安らぎを求める保守的なものになってしまったから。
疲れそうなものは避けて通っています。

ここはまたメンバーや選曲もシブいです。
いかにもマローンの好みが表れているようで微笑ましく思いました。
リック・ジャーマンソン(p)、ジェラルド・キャノン(b)、ウィリー・ジョーンズ(ds)の起用はセンス抜群です。
今ひとつ地味な感じがするメンバー構成ですが彼らなら確実にスイングしてくれますから。
隠れたモダン・ジャズの名曲にも陽を当てていますね。
マルグリュー・ミラー(p)、サド・ジョーンズ(tp)、ジョー・チェンバース(ds)、ジョージ・コールマン(ts)、フレディ・ハバード(tp)など。
個人的にはアイザック・ヘイズの(4)「Ellie's Love Theme」は嬉しかった。
(5)、(8)もめったに聴けない曲だけどマローンのこだわりを感じます。
表題曲になった(2)「Love Looks Good On You」はマローンのオリジナルです。
これがまた凄くいいんだなぁ〜・・・やさしくて柔らかくて美しい・・・私は一発で参ってしまいました。
落ち着いたギター・カルテットでお勧めです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)



(1) CHARLES McPHERSON QUARTET / LOVE WALKED IN


charles mcpherson(as),
bruce barth(p), jeremy brown(b), stephen keogh(ds)
2015/Quadrant/


 1  Love Walked In (G.Gershwin/I.Gershwin)
 2  The Song With You (J.Kern/O.Hammerstein)
 3  I'll Take Romance (B.Oakland/O.Hammerstein)
 4  Nature Boy (E.Abhez)
 5  Someone To Watch Over Me (G.Gershwin)
 6  Bud Like (C.Mcpherson)
 7  Embraceable You (G.Gershwin)
 8  Lover (R.Rodgers/L.Hart)
 9  Dancing In The Dark (A.Swartz/H.Dietz)


チャールス・マクファーソン(as)の新譜を見つけました。
珍しいスペイン盤です。
マクファーソンはチャーリー・ミンガス・バンドで腕を磨いたジャズ・レジェンドの一人です。
今年で78歳になりますがまだ現役で頑張ってくれているのが嬉しいです。
チャーリー・パーカー直系のアルト奏者としては最後の年代になるかな。
ミンガス出身者としては比較的穏やかな演奏スタイルを持っているけどもちろん単純じゃありません。
1960年代から現在まで第一線で活躍していて、激動のジャズの世界を潜り抜けてきています。
「衣の下から鎧が見える」というか、「牙を隠している」というか、そんな感じですね。

ベテラン・サックス奏者のスタンダード作品集を買うのは私の病気なので止まるわけがありません。
マクファーソンならなおさらです。
聴いていると一音一音が心に沁みてきます。
体に馴染んでるというか、懐かしい音色なのでしっくりとくるんです。
若い頃の元気や鋭さは望むべきもないけれど年齢に熟成された切ない音がたまりません。
刺激的なフレーズとかすれたような泣きアルトにジーンとしてしまいました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)