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ボランについて
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| ボランはトラッド系のシンプルな片面太鼓ですが、ある面では非常に特殊なものですので、取り扱いを誤ると壊してしまいます。ちなみに「ボラン」は本来の発音である「バウロン」(ゲール語)の表記を英語読みしたものです。 |
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【皮の張り具合い】
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| ボランは世界中に無数に存在するドラムの中でも例外的に「皮の張りをゆるめて使う」ものです。具体的には裏側から霧吹きなどで水を吹きつけたり、濡れ雑巾でふいたりします。場合によっては裏面に水やビールをそそぎ込んだりもします。
比較的水分に対して敏感な皮の場合は、裏側から霧吹きなどで少量の水分を与えるだけで充分です。タオルなどで余分な水分を拭き取りますが、この時、擦って皮を痛めないように注意してください。押し当てるようにすればOKです。 比較的水分に対する反応が鈍感で遅い皮の場合は、裏面にコップ半分程度の水を注ぎ、全体になじませて数秒〜1分待ちます(時間は皮の特性と状態、演奏者の好みによります)。その後は水を捨てて、タオルなどで余分な水分をふき取ってください。この作業による効果が現れるのは、更に5分ほどたってからです。この作業を行なっても依然として皮の張りが強すぎる場合は、同様の作業を繰り返すか、水分をなじませる時間を長くしてみてください。 逆に張りがゆるくなりすぎてしまう場合もあるでしょう。その場合は適当な張り具合いになるまで自然に乾燥させてください。無理に乾燥させようとすると、皮が裂けてしまうこともあります。 チューナブル・タイプの場合は「水を注ぎ込む」調節は避けてください。チューナブルのリムと本体の間に水分が入り込み、変形やサビ、カビなどの原因になってしまう可能性があります。チューナブル・タイプの場合は雑巾などで繰り返し水分を与える方法にしてください。 一般の打楽器奏者の皆さんにはかなり感覚的な抵抗があるようですが、ボランはあくまでも「ドウッ」と低く鈍く鳴らすもので、「カーン」とか「パーン」と鳴らすものではありません。それだけ皮をゆるめて使うことを想定して造られていますので、一般の太鼓類のように張りを強くしてしまうと、皮が裂けてしまいます。一部のボランはリム(木製の枠)が弱くしなやかに造られていて、皮の張りがきつくなるとそれに合わせてリムが変形し、皮が裂けてしまうのを防ぐようになっています。 梅雨時など、極端に湿度の高い時には、何もしなくてもちょうど良い張り具合いになることもあるでしょう。そうでない時にも常に張りが弱くなってしまうようなら、買い換え時かもしれません。 日本はかなり湿気の高い国と思われがちですが、冬場の乾燥状態は異常です。それに最近はエアコンの普及により、夏でも湿度の低いところがあるようです。使用していない場合でも1週間に1度は張り具合いをチェックしてください。必要であれば霧吹きで水分を与えるなどの調節をしてください。これらの注意をおこたると、乾燥して皮が自然に裂けてしまいます。 稀にボランにグリース状のオイルを付属させているメーカーもあります。これは表面(演奏面)に擦り込んで、皮がササクレ立ったり裂けたりするのを防ぐもので、張りを弱める効果は期待できません。また、塗りすぎると裏面にまで影響して、水分による張り具合いの調節がやりにくくなるかもしれません。 |
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【様々なボラン】
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ボランの標準サイズは18インチ(約45cm)ですが、それより大きいものも小さいものもあります。また、同じ18インチのものでもパキスタン製や中国製の安価なものから、欧米製の高価なものまで、様々なボランがあります。
現在、当方でレギュラーで取り扱っているウォルトンのボランはすべて中国製となりました(以前はアイルランド国内で製造していました)。 皮の張りをネジなどで調節できるチューナブル・タイプのものもあります。但し、チューナブルであっても新品のうちは皮の張りが強めで、通常のタイプと同様に水分によって調節しなければならない場合もあります。また、このチューナブルの機構によってやや重量が増しています。 |
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【様々なスティック】
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| スティック(バチ)は「ビーター」とも呼ばれ、様々なものがあります。重量や長さ、形状など、各ファクターの違いにより、音色や音量、叩きやすさなどが異なってきます。この辺は人によってかなり好みの違いがあります。また、曲によって複数のスティックを使い分けるということもあります。とりあえずは本体に付属してくる標準的な軽いもので練習し、その後、自分にはどのようなものが向いているのか、いろいろと実験してみる必要があるかもしれません。
当方でも常時、様々なスティックを在庫していますが、サイズや重量などの規格が一定ではないため、通信販売は行なっておりません。 スティックが滑ってしまって持ちにくいという場合は、輪ゴムやテープなどを巻き付けてすべり止めにします。 |
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【本来の奏法】
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| トラディショナルな奏法については生演奏の場などでチェックしてみてください。簡単に言えば、右手はスティックを鉛筆のように持ちます。左手はほぼ常時ミュートしている状態です。右手の動きはウチワをあおぐのに似ていますが、もう一段、手首を楽に動かします。左手はミュートの具合いを調節して、右手とともに音色や音量の変化をつけます。 |
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【応用例】
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| ボランをトラディショナルなスタイルではなく、単なる片面太鼓の一種として独自のスタイルで演奏している方も少なくありません。スティックを使って単純なリズムを叩いたり、手や指で複雑なリズム・パターンを演奏するというものです。
これらのような応用例は古楽系のアンサンブル等で舞曲などを演奏する際に見受けられますが、他の民族音楽やロック調の音楽などに用いられる場合もあるようです。 |
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【音色の違い】
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| ボランの音色は皮の厚さや張り具合い、なめし具合い、叩き方やミュート、スティックのタイプなどによって大きく異なってきます。
「薄い皮でも張りを弱くすれば厚い皮のような音が出せる」と思われている方もいらっしゃるようですが、実際には無理です。また、厚すぎる皮の音というのも、場合によってはかなり重苦しく下品に響くことがあります。 しかしながら、他のすべての楽器と同様に、最終的に音色を決定するのは演奏者自身の技術です。これは実際の演奏上のテクニックだけでなく、メンテナンスも含めた技術という意味です。 |
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【要注意】
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| かなりの上級者も含めて、実に多くのボラン奏者が周囲の楽器とのバランスを無視した大きな音で演奏しているのを頻繁に見かけます。どんなに見事な演奏であっても、曲のメロディが聴こえなくなってしまうほどの音でボランを叩いてしまったら、すべてをブチ壊しにしてしまいます。打楽器の音は自分で聴いている音量よりも大きな音で鳴り響いていることを常に忘れないようにしてください。 |