ミュジカミリオン/アーリー・ミュージック・プロジェクト
ホーム管楽器/縦笛類>ウィスルの他流試合
  

ウィスルの他流試合?

  

 標準的なD管で普通にアイリッシュだけをやっていれば、特に不具合もなく通常の楽譜が使えますが、最近はそうでないケースでウィスルを演奏している方々がかなり多いようです。アイリッシュ以外の民族音楽やロック、フォーク、ニュー・エイジなど、様々な音楽にウィスルを使うとなると、D管以外のサイズのウィスルで想定外のメロディを吹くことになるかもしれません。ボーカルの居るバンドでの演奏時も同様です。
  

【譜例1】

  

 このメロディを吹く時、あなたはどんなウィスルで吹きますか? 普通はD管を使います。でも、このメロディはト長調なので Low G 管でも吹けますよね? 但し、この譜面を見ながらそのままの指使いで Low G 管を吹くと、実際に出る音は【譜例2】のようになってしまいます。
  

【譜例2】

  

 そこで Low G 管で【譜例1】を吹く時は、次の【譜例3】のように移調して書き換えた楽譜を見ながら吹きます。
  

【譜例3】

  

 D管で【譜例1】を吹いた時と比べると、かなり緊張感のあるサウンドになります。それが良いのか悪いのかは状況しだいですし、その後のメロディの音域も確認しないと、どちらが良いのかわかりません。1オクターブ低く吹いてみるのも良いかもしれません。

 ウィスルの機能に合わない表示の楽譜を見ながら吹くのはかなり厄介です。同じ笛でもリコーダーの譜面は基本的にすべて実音表記ですが、ウィスルは基本的にはダイアトニックな移調楽器なので、各管(サイズ)に合わせた移調済みの楽譜が必要となります。また、その時の楽譜は普通は♯がひとつかふたつの調に移調します。

 かなり変則的な使い方になりますが、C管で次の【譜例4】を吹けば、実際の音は【譜例1】と同じになります。

  

【譜例4】

  

 ちょっと混乱してきたかもしれません。マジメに考え込むよりも、脳ミソを柔らかくして感覚的なイメージとしてとらえた方が良いでしょう。

 さて、更に応用編です。下の【譜例5】を見てください。

  

【譜例5】

  

 ウィスルを吹いていて、クラシック系のハープ奏者と共演することもあるかもしれません。彼らにとってはE♭やB♭の曲が「普通」なのですが、ウィスル奏者にとってはかなり違和感があるでしょう。
 この場合、B♭管を持って【譜例3】を吹くと、実際の音は【譜例5】と同じになります。やはり、1オクターブ低く演奏するのも良いかもしれません。
 E♭管で【譜例4】を吹いても同じメロディとなります。
 Low F 管で【譜例1】を吹くと、1オクターブ低いメロディとなります。小さい High F 管では音程・音色などクオリティの点で難があるかもしれません。

 どの管を選ぶかは、その後のメロディの音域や調性で決まると思われます。決められない場合は、好みで選んでください。演奏しやすく、無理のない状態が良いでしょう。

 どうしたら良いのかわからなくなったら、とりあえずウィスルのパートを♯ひとつかふたつの楽譜に移調して書き直して眺めてみてください。手書きで書くのはタイヘンですが、コンピュータで譜面が打てるとラクです。

  

ウィスルの他流試合>管楽器/縦笛類ホーム