

| 私はこれまで200軒をこえる家を手掛けていますが、設計を引き受ける前に必ずこの我が家を見てもらうことにしています。そして、この家を「気持ちいいなぁ」と思ってくれる人たちに、家を設計してきました。 建築家は、クライアントに対して家に対する考え方や生き方、生活の有り様を示す必要があり、それを最も現しているものこそ自らの住まいであると考えるからです。 子供の頃に落ち着く場所と、大人になってから落ち着く場所というのは、実はそう変わりません。その心地よさというのは、全てがバランスよくあることだと思います。 バランスよくあるためには、必然性のない事はしません。住まいにおいて、リアリティのない事はすぐに飽きられてしまうからです この住まいは、そんな広くないし、立派にも見えません。しかし伸びやかでありたいところは、思いきり伸びやかに計画していますし、眼に気持ちに心地よい空間バランスに対しては、かなり慎重に設計したつもりです。そのために、材料の組み合わせは意識して質素なものにしました。 きちっとした、存在感のある空間は、いつの時代でも驚くほど、職人の手と時間が掛かるものです。気持ちよさのためになにを大切にするか…なのです。 重ねた年月とともに美しく老いてける、そんな家であるように。 |