カ行(敬称略)

・か
怪談昇り竜/ 火星人大来襲/ ガラスの脳/ 河内カルメン/ 神田川淫乱戦争/
君は裸足の神をみたか/ 吸血鬼ゴケミドロ/ 牛乳屋フランキー/ 恐怖の洞窟/ 巨人と玩具/
金星怪人ゾンターの襲撃/ 金星人地球を征服/ 禁断の惑星/ くちづけ/ 狂い咲きサンダーロード/
狂わせたいの/ 黒蜥蜴/ 黒の天使vol.1/ 黒の天使vol.2/ 月光の囁き/ 月曜日のユカ/
高校生番長/ 高校生番長ズベ公正統派/ ゴジラ対ヘドラ/ ゴッドandモンスター/ 殺しの烙印/
昆虫大戦争

「怪談昇り竜」石井輝男 監督/1970/日活/
 立花組の明美(梶芽衣子)は剛田組との討ち入りの最中に、突然割って入った組長の妹、藍子(ホキ徳田)の目をあやまって切りつけてしまう。その流れる血を藍子の飼猫が舐めつづける。
 明美の背中には龍の頭の彫り物がはいっている。立花組の子分達の背中にも龍の腹だの尻尾の刺青が彫られ、上半身を脱いで並ぶと一頭の龍が現れる。刑務所を出所した明美のもとで、子分の背中の皮をが彫り物ごとはがされて殺されたり、他の子分は急に猫につかれたように暴れ出したり、と奇怪な事が立て続けに起こる。その頃、立花組と対立している土橋組に目が不自由な女剣客が現れた。

 出てくる人物がみんなひとくせどころか、あくのある奴らばかり。明美が出所後に縄張りに食いこもうとして敵対する、あおぞら組(幼稚園の名前みたいな新興ヤクザ)の組長である内田良平は山高帽に、赤ふん姿の尻丸出し姿で始終ウロウロ。 そして、土方巽「江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間」の演技にも驚きましたが、ここでもパワー全開(笑)。見世物小屋のせむし男であり、藍子に尽くす事を喜びとしている彼は、勝手に立花組の子分を殺した事を藍子におこられて「ゆるしてくだちゃ〜い。ごめんなちゃ〜ぁい。」と幼児言葉をはなし、立花組を裏切った大辻伺郎に、殺され穴に投げ捨てられた三井(加藤嘉)の死体のムシロの隙間からニョッと出てくる姿。屋根を飛び移る様はまるでねずみ小僧(というよりは、まるでネズミ男)。(安藤組の鏡ばりの阿片窟にあつめられた女たちの役や、見世物小屋で土方巽と踊る女の人たちは暗黒舞踏の団員さんたちでしょうか。)
 ホキ徳田の演ずる藍子、匂いで「いい男」を判別。「いい男の匂いがするよォ・・。」どんな匂いなのでしょう。私もそんな、いい男を嗅ぎ分けられる鼻が欲しゅうございます。
 安藤組への討ち入りでは、明美と子分たちの龍の姿が並ぶような立回りになっていて、いったんフォーメーションが崩れても、きちんと龍の姿に戻るように部下たちが、ぞ〜ろぞろと明美の後をついてまわる。あまりにもご丁寧に、何度も並んで背中を見せてくれるサービスぶり(笑)は、やはり石井監督作品ゆえでしょうか?
 反して、明美が谷(佐藤充)によせる秘めた好意は引っ張るのかとおもったら、あっさりと流れたのがちょっと残念。
 思ったほど猫にも祟られないし、あんまり恐くないので恐がりの人もOK!でしょう。
 梶芽衣子が歌挿入歌「仁義子守唄」、最高。演歌ですけどね、カッコいいんですよ〜。必聴です。

「火星人大来襲」ラリー・ブキャナン監督/1968/
 火星人からのメッセージが地球に届いた。医療使節の火星人5人は実験航空として4万キロを70日間旅をしているということだった。目的は、「火星では女性の出生100分の一率が低下したため地球人の健康で子供が生める若い女性を5人紹介してほしい」というものだった。断固として拒む地球人により、火星人は種族保存のため、内密に人間に化けて女性をGETすべく、好みの女性をナンパに励むのだった。

 ストーリーだけみるとコメディみたいなんですが、シリアスなSFなんで「アララそうなの・・。」なんですけど。
 火星人がいきなり、もじもじ君のような、銀色の全身スエットスーツにて現れてビックリ。タコ星人が来たほうが面白かったのに。意に反してストーリーはあくまでも真面目に展開されていくのでした。
 火星人は女性を拉致しないで、最初に、地球側に女5人紹介してくれと言う所なんぞ、義理を通して、友好的なんですがね。なにぶん地球に滞在するのが24時間という短さのため恋愛なんかまどろっこしい事やっていられません。そこでナンパの方法は催眠術です。うわ〜、お下劣な手段ですね。しかも、ちゃんと好みの女性をピックアップしてナンパしています。ストリップダンサー、画家の卵、スチュワーデス、大学のクイーンなど、全部近場ですましていますが、ちゃっかりより好みしてますな。お嬢さん達はほとんど台詞がありません。そのかわり、唯一、火星人と(しらずに)お互い好意をもった遺伝学者の女性が、ストーリーのつじつまを台詞としてほとんど説明したおしてくれて、とても親切。
 この映画の題名ってば、「MARS NEEDS WOMEN」そのままやんけっ!!なんて、内容を的確に表現した題名なんでしょう。良心的だわ。しかしまたもやリメイク・・。本当にこの監督リメイク好きなのね〜。
 24時間の出来事のはずなのに、一昼夜の中に何度も昼と夜があって時間の経過は、わけわかりません。(笑)

「ガラスの脳」中田秀夫 監督/1999/日活/
 1954年、富士ノ原に旅客機が墜落し、生存者はいないかと思われたが臨月の妊婦から奇跡的に一人の赤ん坊が誕生した。その赤ん坊、由美(後藤理沙)は生まれてから一度も目を覚ます事がなく眠りつづけていた。
 喘息で入院していた7歳の雄一(小原裕貴)は、偶然に由美の病室に迷い込む。生まれてから一度も目を覚まさない由美の事を看護婦に聞いた雄一は「眠り姫」の絵本を読んで、願いを込めて由美の唇に毎日キスをする。「目を覚まして、僕が王子様だよ。」しかし由美は目覚める事はなかった。
 1972年、病院を退院して10年後、雄一はいつしか由美の事はわすれて日常をすごしていたが、偶然見たテレビで由美がまだ眠りつづけている事を知り、病院に駆けつけた雄一は再び由美に毎日キスをおくりつづけるのだった。嵐の夜、奇跡が起こりとうとう由美が目覚める時がきた。しかし由美にのこされた覚醒の日々は5日間だけだったのだ。

 手塚治の漫画が原作である事に惹かれて鑑賞。ほぼ、漫画の原作に近いらしいのですが漫画は未見。
 なんといっても、キスシーンの多いこと!童話の「眠り姫」を下敷にしたストーリーゆえか、前半、中盤ずーっと繰り返されるキス、キス、キス!でも、1万回のキスによって少女が目覚めるわけだから、キスシーンが多いのは当然の事。キャストが誰とか、何の予備知識も持たずにビデオを見たので「なんだかアイドル映画みたいだわ〜」と思っていたら、鑑賞後、由美にキスを贈りつづける雄一を演じるているのがジャニーズ.Jrの少年と知りました。アイドル映画そのものだったんだ、納得。ファンの方には申し訳ないのですが、主役の2人とも可愛いけど役柄に全く魅力が感じられないんだもの。後藤理沙の喋り方が原因なのか、由美は無邪気というより只のオバカサンに見えるし。年老いた雄一役で国広富之の場面がありしまりが出て良かったんでは。安心して見ていられたし。
 でも小原君、始めての映画で王子様なんて、なかなか恵まれた役柄だし、姫とのキスはつきものとはいえ、ファンもお喜びでしょう。(本当に「眠り姫」の王子なら1回のキスだけで姫を目覚めさすことができたのにね。) でも、高校生になった少年が、王子様系でなく成長していた場合は、方向性の違う映画になっちゃうわよね・・。 漫画が読みたいわ。

「恐怖の洞窟」ラリー・ブキャナン 監督/1969/IT'S ALIVE!夏休みの宿題で作ったみたいなマサソラス
 カップルがドライブ中に道に迷ってしまい、一軒の農家にガソリンをわけてもらいに立ち寄った。農家の主人は2人に、町からガソリンの配達がくるまでの間、珍しい生き物を見せてやると、洞窟へ案内するが突然檻が下りて来て、2人は洞窟に閉じ込められてしまうのだった。カップルに農家への道を案内し、たどり着いたかどうか確認しにきた生物学者の男も先につかまっていた。そこには古代生物の水生トカゲのマサソラスが生息していて、農家の主人が次々と旅行者を閉じ込めて餌として与えているのだった。
 
 やはり2年前に拉致監禁されて、農家の主人の手伝いをする羽目になったべラの拉致後の回想シーンがなんと、20分以上。車に乗って安宿を探すシーンと農家の主人から逃げ惑っている時は金髪外向きカールで、監禁されている時は茶髪でオバさんパーマだしと髪型のつながりも無い始末。監禁されたベラは食事も水も与えられずに寝ると、ホイッスルを鳴らされ眠らせてもらえないという、農家の主人の嫌がらせがトラウマになっているのだが、捕まった2人や生物学者の世話して世間話してるより、洞窟から家の部屋までドア1枚なんだから一緒に逃げれば良いじゃないの〜。
 大きくなると15mにもなるはずのマサソラス、ちょっとしか出てないし、どう見ても人間と同じ大きさの着ぐるみ。夏休み子供映画として流されたとしても喜ばれないだろう怪物姿なのでした。どうしても暇で見てもいいならごらんになって。

「金星怪人ゾンターの逆襲」ラリー・ブキャナン監督/1966ピンポン玉〜三つ目小僧ゾンター
 金星の探査船と共に、地球の侵略を目的にやってきた金星人ゾンターは金星の環境ににた火山洞窟に姿を隠し、一人の科学者と特殊な装置で交信を交わして、次々と人間をゾンターのしもべにかえていく。もう一人の正義感な科学者は、なんとか地球侵略を阻止しようとする。ロジャー・コーマン監督「金星人地球を征服」の再映画化。

 いや、地球征服ものの基本をいくマッドな科学者はでるし、予想をたがわぬ低予算そうなつくりだわ。黒いカモメ型コウモリ(この鳥が飛ぶ時のいかにもな音響効果がいい。)が人間を襲い、襟あしに針を突きさすとゾンターのしもべになってしまうのだが、操っている釣り糸が見えてしまっている緩慢な動きのうえ、一度刺すと2度と使えないトホホな兵器なのでした。そのカモメ型コウモリ兵器は、たったの8匹しか用意していなかったため、正義感あふれる科学者が1匹壊してしまい、ゾンターの力(?)をもってしても、修復に何日もかかるので、その分世界征服が遅れてしまうの。でも、その鳥がいないとゾンター様のしもべにする事はできないのです。ゾンター、一人しか金星人がいないからやる事いっぱいなのね。電気もガスも車も時計も止めなきゃなんないしぃ(笑)。世界侵略しようって割にはずさんな計画です。その大雑把さ、好きだわ〜。
 ゾンターったら腰抜かすほどただの着ぐるみだし、姿は大型コウモリ、ピンポン玉つきのバケモノ。変身も出来ないし、こりゃ他力本願で地球征服するしかないわ、ってお姿。人を殺すのも超能力でなく、絞め殺してますからね。ギュ〜って。だったら、鳥8匹だけでなく、ほかの武器も作っとけば良いのに。倒す方もゾンターを刺し殺してたしね。お互い原始的な殺し合い。 宇宙人対地球人の凄絶な戦いのはずなのに。 すごく疲れていたり、寝てない時にみると楽しめると思うのよ。

「金星人地球を征服」ロジャー・コーマン監督/1956/IT CONQUERED THE WORLD
  地球侵略をたくらむ金星人は、ある博士に取り入り、米国の人工衛星計画は宇宙上の知的生命体にとって脅威となると、打ち上げ基地を占拠するように指示する。その事態を回避しようとするもう一人の科学者は、なんとか博士を説得して金星人の侵略を阻止するため、共に戦う事を誓う。

 66年に年にラリー・ブキャナン監督によって「金星怪人ゾンターの襲撃」としてリメイクされているのを先に何度か見ていました。だって12チャンネルが何度も放映してくれるんですもの。 この「金星人地球を征服」はやっとビデオを見つけて見ることが出来ました。お正月とか、セットで放映してくれないかしら。
 ストーリー自体は「金星人地球を征服」を「金星怪人ゾンター」が踏襲しているので双方あまり変わりないです。しかし正義感に燃える科学者は、妻が金星怪人のあやつる鳥形ロボットに刺されて操られているのを見破ると未練なく射殺。躊躇するとかこまやかな愛情はないのか。いくら操られているとはいえ姿形は「妻」なのにぃ〜。
まあ、流石にこちらは金星怪人のインパクトは違いまして、けしてピンポンでなくイボイボ型キュウリのカニ型怪人です。少しは歩けたし、科学者と戦ったもの。(これがゾンターではなんでピンポンまなこのコウモリ怪獣になってしまったのか。っていうか、ラリー・ブキャナンの作品に出てくる怪人はみんなピンポン眼玉怪人なんですが。)それでも、やっぱりなんだか、鉱石を使ったスターウォーズの剣のような、ガスバーナー型の武器でやられちゃうんですけどね。 機会があったらゾンターのほうと、くらべてみてくださいな。

「禁断の惑星」
 2200年、調査隊が惑星アルテア4に降り立つと、前調査隊の生存者はモービアス博士とその娘、アルテア4の滅びた文明の知識を使い作成したロボットのロビーだけだった。他の人間は正体不明の怪物に引き裂かれ全滅していた。

 博士の潜在意識が失われた文明の力によって''怪物イド''となる、っていうストーリーが凄い。哲学的ですらある。
 娘は他の人間に逢った事がないので通常の倫理観が欠如、1年以上男性のみで宇宙を旅している男達が、健康のためと偽りキスを要求しても何ら不思議に思わない。他の人間がいなかったのだから余分な情報がない分、娘は純粋培養。人間やはり育ちって、環境によって常識も文化も異なるものね〜。
 元祖ロボットのロビー君、食事の準備からドレスや宝石まで作れてしまって、家庭の必需品として一家に一台(一体?)ほしいったらないわ。絶対ドラえもんと便利さ張るわよ。でも場所取るから狭い部屋には不向きだわね。

「月光の囁き」塩田 昭彦 監督/1999/日活/
 お互いに好意を持っていた拓也(水橋研二)と紗月(つぐみ)は、ひょんな事からお互いの心を通わせ交際が始まった。紗月は恋人同士になったことにはしゃぎ、拓也との交際は順調に見えた。夏のある日、二人は結ばれ紗月は幸福感に包まれるが、拓也は紗月を抱くだけでは満たされない欲求があった。彼女が身に付けた品々を収集し、トイレの小水の音を盗録し報われぬ想いを慰める拓也。紗月はふとした事から拓也の異常な性癖に気がつき「変態!」となじり拓也の元から去っていく。紗月は剣道部の先輩である植草と付合いをはじめ、「普通の付合い」をしたいと思う一方、植松と付合う事で拓也を嫉妬で苦しませて、復讐を果たそうとする思いが押さえきれなくなっていく。どんなに紗月に蔑まれても罵られても、拓也は紗月から離れず耐えつづける。その姿をみて紗月は、どんどん拓也に残酷な虐待を行なうようになっていくのだが、いつしか自分にもその事によって快感が芽生えていたのを知って戸惑うのだった。

掻き、掻き。 喜国雅彦の漫画「月光の囁き」が原作。
 この映画の主人公の二人、水橋研二、つぐみの演技は素晴らしいです。物語序盤で、月夜の光がさし込む教室で紗月のブルマーに顔を埋めて恍惚の表情を浮かべる拓也。紗月に「帰れ」と命令されて、「犬が命令きくんは、主人のそばにおりたいけんじゃ。犬がボールとりにいくんは、後で主人が誉めてくれるからじゃ。散歩の途中で帰れ、ゆうて、三四郎(紗月の犬)は帰るか?」捨て犬がすがりつくような目つき。歪んではいるが純粋な愛情表現をとても繊細に演じています。
 つぐみもまた、マゾヒストの少年に愛されて、動揺し、戸惑いながらも最後はサディストへと成長していく少女のめまぐるしく変わる表情が、どれをとっても美しく、とても印象的でした。
 そして、音。紗月と拓也の恋人関係が破綻して完全に主従関係になる決定的な雨のシーン。後半、紗月が自分の感情を抑制できなくなって拓也に極限の選択を迫る場面。音楽のように耳障りにならずに、雨音や滝壷に流れ落ちる音を無意識に聞いているうちに、激昂していく2人の感情のやりとりに自然に目が釘付けとなり、日常でありながら、日常から抜け出てしまった遮断された世界が効果的に表現されて、引きつけられていく。それと、台詞が標準語でなく方言だった事がリアリティが感じられた分、素直に見れた一因かもしれない。
 2人の愛は、他人からは異端にしか見えない愛情表現ですが、互いに受け入れあおうとする姿勢は2人の中では真摯な恋愛といえるのでしょう。お互いが本当の自分の気持ちと折り合いをつけて向き合ったラストは、穏やかで爽やかですらありました。そこに高らかに流れてくるスピッツの「運命の人」、この心にくいばかりの演出!(これが本当に監督デビューの作品なの?) それにしても水橋研二さんの声は独特なお声ですこと。囁かれて見たいものですわ(笑)。

「高校生番長」 帯盛廸彦 監督/1970/大映/
 普通科の女子生徒が夜間科で自分の席に座る生徒宛てに手紙を書いた。手紙を受け取った番長は軽い気持ちで、体毛を入れた手紙を返した事で、昼の部の生徒たちと夜間の生徒たちに対立が始まる。

 この映画は、小倉一郎のオドオド具合、「いぢめて光線」全開バリバリな、小動物のようにビビル姿がなんて似合うんでしょ!と確認する映画。夜の部の女生徒に面白半分に誘惑されたことによって、優等生の小倉一郎(情けなさがぴったり!)が女子トイレのデバ亀や痴漢をやってしまう変態野郎になってしまったのを昼の部の女子たちは「可哀想〜」とかばい、その上、夜の部の生徒たちに責任転嫁する感覚は、今と時代が違ってもやっぱりおかしいでしょ。 
 敵討ちだからと昼の部の男子達はつるんで、夜の部の優等生の女生徒を林に引き込んでレイプしてしまう。なんて方向性のあやまった陰湿な報復。しかも、その主犯が篠田三郎だなんて。(私の中ではサワヤカな好青年のイメージだったのでちょっと衝撃・・。篠田三郎ってこのシリーズでこんな役ばっかりなのかしらん。)いつの間に、愛が芽生えたのかレイプされた女子は篠田三郎をかばう。おかしい・・、全体的に感覚がずれている感じ。当時の若者は共感できたのだろうか。嫌いじゃないんだけど、なんだか突っ込みどころが多すぎて観終わってちょっと疲れた。

「高校生番長ズベ公正統派」田中重雄 監督/1970/大映/
 受験戦争に順応していく優等生グループと、それに反発する番長グループ。そこに非処女同盟(AVC、アンチ・バーージン・サークル)がいりまじり繰り広げられる青春像。

 森田健作似の番長(小野川公三郎)がなぜか一番純情。不良なのに父親に怒られると手も足も出ない。いまは亡き父親像が健在。喧嘩にナイフも使わず素手でやりあうところは時代を感じます。 篠田三郎と何において競っても常にNO,2な同級生を体をはって力ずける松坂慶子の役は、ちょっと余計な世話焼き女房的で鼻についちゃう。だって、そのNO,2ってばただの優柔不断な男にしかみえないんで、思い入れできなかったの。
 篠田三郎が番長グループに入るための試験が笑える。男意気を比べるとかいって、コップを下半身にさげて持続力を比べ。「太陽の季節」よりある意味過激、馬鹿馬鹿しいけど。 一つ一つのエピソードがみんな、むちゃくちゃだけど、一気に見せるパワフルさ。予想通りなエンディングに脱力するが、とりあえずシリーズを制覇したいかもとちょっと思った作品ではある。

「ゴジラ対ヘドラ 坂野義光 監督/1971/
 「返せ太陽を」
鳥も魚も 何処へ行ったの
蜻蛉も蝶も 何処へ行ったの
水銀 コバルト カドミウム
鉛 硫酸 オキシダン
シアン マンガン マナジューム
クロム カリウム ストロンチューム

汚れちまった海
汚れちまった空
生き物みんないなくなって
野も山も黙っちまった

地球の上に誰も
誰もいなけりゃ泣く事もできない
返せ 返せ
緑を 青空を返せ
ヘドラ♪
返せ 返せ
青い海を 返せ
返せ 返せ
返せ
命を太陽を 返せ 返せ
返せ〜!
 公害問題が深刻化するなか、巨大な生物にタンカーが襲われる事件が相次ぐ。公害から生まれた微生物のような大きさだった生物(ヘドラ)は排煙を吸いこみ、合体したりしてどんどん巨大な怪物になり、硫酸雨を撒き散らしながら空を飛ぶようになった。ゴジラがやってきてヘドラと戦うが片腕、片目をやられかなり苦しい戦いとなった。

 演歌を思わせるような超マイナーな出だしから、popな曲調へと盛り上がり、自然環境の破壊を糾弾する主張バリバリの冒頭の音楽が、妙に覚えやすくて頭の中にリフレイン。しかも、アングラバーでボディペインティングで踊る歌手のお姉さんがノリノリで駄目押ししてくれるのでつい口ずさんでしまうほど。
 そのバーには、前の画面では少年と「ケンちゃんはゴジラが好きだもんなぁ」と脈絡のない会話でいいお兄さんぶりを全開だったのに、何が起こったのか機嫌悪そうに一人で酒を飲む柴俊夫。恋人と思われる歌手のお姉さんが、あんまりかまってくれずに、おサイケに踊りまくっているのでおこっているのだろうか。
 そしてヘドラの実態が明らかになってきたころ、なぜか富士の麓で「100万人で公害反対GOGO」を踊る事を思いつき実行。そして実行されたイベントに集まったのは、100万人というより100人のキャンプファイヤー風。そこには恋人(?)の歌手とケンちゃんも一緒だ。そしてあっさりとヘドラに襲われて倒れる柴俊夫。無残ですね。歌手のお姉さんはケンちゃんを連れて逃げるのに必死で、恋人(?)柴俊夫を振りかえりもせずに必死に逃げる。でも、ケンちゃんだけはいつも怪我もせず、やっぱり助かる。ゴジラシンパの少年ケンちゃんは、ゴジラが現れる事をテレパシー(!)で察知するし、謎の生物を「ヘドロから生まれたからヘドラだよ!」と命名はするし、父と出かけた海で飛び出てきたヘドラにとっさにナイフを向ける(子供がナイフなんて普段もっちゃいかんよ!)、ちょっとおしゃまな、スーパー少年なのだから。
 当時のヘドロの公害がいかに社会問題になっていたかを風刺するような、時折、劇中にはさまれたヘドラの紙芝居風のアニメや作文がPOP。
飛びます♪飛びます!! 他のゴジラの作品に比べて割とヘドラにやられ放題なんだけど、動きがないっていうか地味な戦い。ゴジラの、おいでおいでのポーズや鼻の下をこするポーズも最初は面白かったけど、何度もやられると、なんだか興醒め。「そんなポーズとっている間に、早よォ、攻撃せんかい!!」って感じでして。それとね、ゴジラが飛ぶの始めて見ました。お腹のほうに尻尾丸めて口から放射して・・。おいおい、飛んでもいいのぉ?ガメラと戦う時、飛んで追いかけることができるわね。 そういえば、ゴジラが「シェー」のポーズするのもあったっけね。なんの作品だったかなぁ・・。

「昆虫大戦争」二本松嘉瑞 監督/1968/松竹/
 東京の研究所の科学者(園井啓介)から依頼をうけ、島で昆虫採集をしていた男(川津祐介)は、水爆をつんだ米軍機が墜落したのを目撃。墜落現場で米軍機から脱出した米兵の腕時計を拾い売ろうとした事があだとなり、その後脱出したはずの米兵が死体となって発見されたため、殺人の容疑者として逮捕されてしまう。一人だけ生き残った兵士は前回派遣された戦争の悪夢から逃れられず麻薬中毒であったうえに、墜落時のショックからか記憶も失ってしまっていた。 男は米軍機が墜落するときに女性(キャッシー・ホーラン)と一緒にいた事を隠すために、アリバイを証明証言をする事はできなかった。
 男の妻(新藤恵美)は、男の無実を信じて東京の科学者に島に渡ってきて男を助け出してくれるように懇願するのだった。島にやってきた科学者は、死んだ米兵や、生き残った米兵のうわごとから、男から送られてきた新種の猛毒昆虫が米兵を襲った事を確信し原因をさぐるのだった。男の父(実は共産圏のスパイ)の不審なうごきを追ううちに、川津が女性と一緒だった事を知り、アリバイの証言を頼むが断られる。実は女性はホロコーストの生き残りで戦争への憎しみのあまり共産圏からの援助をうけ「人間同士が起こす戦争に巻きこまれるくらいなら、人類を皆殺ししてやる!」と、米兵を襲った「ジェノサイド(民族大虐殺)」の意志を持つ昆虫兵器をつくっていたのだった。女性が閉じ込めていた部屋から昆虫が外部に飛び立った事をしった米軍は、ワクチンを作れる科学者を無理やり米軍機にのせてつれさり、昆虫退治のため日本もろとも破壊しようと水爆のスイッチを押してしまう。しかしすぐに、その米軍機にも昆虫の大群に襲いかかられ爆発炎上してしまうのだった。これで事件の真相を知るものは誰もいなくなった。

 キャッシー・ホーラン、「吸血鬼ゴケミドロ」では日本語がすごくたどたどしかったのに、すごく上手くなっている〜、と思ったらすべて、台詞は吹き替えだった。他の外人の出演者も総て吹き替え。
 川津が昆虫に襲われて亡くなった後、身ごもった新妻モがーターボートでただひとり、昆虫を恐れて逃げるのね。その後、結局水爆は爆発してしまい日本はほろびてしまい帰るところもなく、広い海のなか小さなボートが映し出される中、新妻だけは助かったような余韻を感じさせて幕は閉じるのですが、よくよく考えれば昆虫のほうも飛べるんだし、食料も飲料もない海のど真ん中に逃げても助かる確率は奇跡が起こらない限り無理というもの。ゴケミドロと同じようになんとも救い様のないラストシーン。日本もろとも、他の国々もジェノサイドの意志を持つ昆虫に遅かれ早かれ襲われていくのだろう。
 ホロコーストの憎しみから昆虫兵器をつくって、いきなり目的がジェノサイドにいってしまうほどの恨み。愛する人々を総て奪われて、プライドや人間性も何もかも剥ぎ取られたら、、そこまで壮絶に突き詰めてしまうくらい静かに狂っていってしまうのかもしれない。
 意志を持つ昆虫と核兵器、戦争という恐怖をむすびつけた異色な怪奇映画なのですが、米軍機を襲い来る昆虫の大群シーンではカメラのレンズをマジックで点々とつぶしているようですし、墜落シーンや合成で映し出される虫たちの姿など特撮という点ではちょっと辛いんですが、昆虫がカサカサと動く音は、虫嫌いな人にとっては悪寒ものかも。

[Movie] [Ken Russell] [Theater]
[Link] [Small Talk] [Favorite] [Let's Go BBS]

return