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ここまでやらなくても良いんじゃないの〜、と思いつつ私のツボに入ってしまう邦画。
キーワードはクドイ、濃い、馬鹿馬鹿しいといったところでしょうか。

・江戸川乱歩全集_恐怖奇形人間 ・幻の湖 ・マリアの胃袋 ・ヘリウッド
・鴛鴦歌合戦 ・狂わせたいの ・発狂する唇 ・星くず兄弟の伝説
「鴛鴦歌合戦」マキノ正博 監督/日活/1939
チェッ、だ。片岡千恵蔵、市川春代、志村喬、深水藤子、ディック・ミネ、香川良介
 長屋の隣同士に住む、貧乏浪人浅井礼三郎(片岡千恵蔵)と、日傘を作って生計を立てている骨董狂いの志村狂斎(志村喬)娘・お春(市川春代) は互いに気になる仲。礼三郎に思いを寄せる豪商の娘おとみ (服部富子)、殿様の家臣の娘で藤尾(深水藤子)も互いに譲らず3人の娘達の恋のさやあてが展開される。 そんなある日、峰沢丹波守(ディック・ミネ)は骨董屋で狂斎と出会い骨董代50両を用立てるが、狂斎が一目ぼれしたお春の父親だとわかると50両を立替のかたに、お春を屋敷に召し上げることを約束させた。狂斎はそれを断り、なんとか今まで集めた骨董を売り払い50両を工面しようとするが、まるで足りずお春と夜逃げをする事に。お春は礼三郎に別れを告げに行くのだが・・。

 オペレッタ時代劇で、登場人物達が実に生き生きと動いている。突然、唄い、踊りだす、シンプルだけれど、とても楽しい映画。 千恵蔵をめぐる3人の女優さん達の可愛らしい事。市川春代の唄の下手さ加減もご愛嬌。
 片岡千恵蔵が病気になってしまい当初の予定の映画が撮れず、出番も減らせるように、急遽企画変更して作った作品らしく、役名なんて、役者の芸名をもじっただけのいい加減さだったりして。片岡千恵蔵だけ、ちゃんとした役名がついているが、よーく聞いているとなんだか色々な呼ばれ方をしている。「レイゾウさん」だったり「レイザさん♪」てのもある始末(笑)。 そんな急場しのぎな展開にもかかわらず、作品はテンポ良く、殿様(ディック・ミネ)自ら「僕は陽気な殿様〜♪」なんて家来を伴って唄いながら練歩くし、志村喬は骨董を眺めて「さ〜て、さて、さて、この茶碗!」と自慢げに唄いだす。それがまた、能天気でお間抜けな唄なんだけど、思わず唄っちゃうほど覚えやすいメロディと歌詞なのだ。(サントラが欲しい〜。日活さんお願いって感じです。)
 邦画やミュージカルがダメな人もこの映画はOKじゃないかしらん。古い映画なので画像も音声も決して良くはないけれど、映画が娯楽だった頃がしのばれる、底抜けに愉快な作品。 なかなかお目にかかれませんが、機会があったら是非お友達と一緒にご覧あそばせ。見終わるたびに拍手の沸き起こる作品、そんなのなかなかないでしょ。
「狂わせたいの」祠女石橋義正 監督/1998
 最終のバスに乗り遅れたサラリーマンが、次々と現れれる、祠女・電車女・タクシー女・居酒屋女・女医・面会女達に振りまわされ、不条理な出来事に追いこまれて行く。

 山本リンダ、金井克子、中村晃子らの70年代を風靡した大ヒット曲が随所に盛りこまれ、一筋縄ではいかない状況下で突然、唄い踊りまくられる。普通であればこの作品はミュージカルといえるのでしょうが、キャッチコピーからして「アホさ百点、エロさ満点。ブッ壊れ魔女の波状攻撃!」それ、そのもの。たったの60分間に繰り出されるナンセンス攻撃にめまいがしそう。特に「祠女」のねちねちした話しぶりや、胸に糸をたらした先に鈴をぶら下げ、全裸でパワフルに踊りだすエピソードの「電車女」までのテンポは最高! 相撲の電車道、一気にプッシュ、プッシュで押し出しって感じ。
 きっと、リアルタイムで山本リンダあたりの歌謡曲聞いていた年代は、女医の場面で無機質に踊るまくる看護婦達をみながら、恐ろしい事に、曲に合わせてうなずいたり、口ずさんだりと体が勝手に反応してしまうことでしょう。
 このままずーっとラスト迄、パワフルにいってくれれば更によかったのですが、残念な事に後半が失速。最初のハイテンションゆえに、ブッちぎりを期待してしまっていたので、ちょっとだけ不完全燃焼。
「発狂する唇」佐々木浩久 監督/1999
発狂する唇 三輪ひとみ、由良宣子、大杉漣、阿部寛、栗林知美、夏川ひじり
 連続で女子中学生の首が切り落とされる殺人事件がおこり、容疑者とされる倉橋美智夫は行方をくらましていたが、無実と信じる母と二人(夏川ひじり、三輪ひとみ)の妹は、マスコミや刑事からも執拗な嫌がらせを受けていた。末の妹の里美は偶然見つけた心霊研究所の霊能者である間宮悦子(由良宣子)に兄の消息を探ってくれるように依頼する。間宮は倉橋家で降霊術を行うと、首無しの霊が首を求めてさまよい出てきて、里美の周りでも何かが狂い始めていた。それはすべて間宮が張り巡らした邪悪な罠だった。

 移り変わる万華鏡の中身が映し出されたような冒頭から、まるで昼間に再放送される土曜ワイド劇場のように胡散臭い雰囲気がかもし出されていた。馬鹿馬鹿しいとの言葉では一括りできないほどの不条理な恐ろしさ。 インド映画真っ青なくらいに盛り込まれた、超能力、レイプ、近親相姦、カンフー、FBI、演歌、エログロの極みetc.を、ヒロイン里美(三輪ひとみ)は、シリアスに受け止めていく。それがあまりにも真剣なので、かえって笑いへと転換されてしまう確信犯的なつくり。それをギャグと取れるか、ただ悪趣味な猟奇映画と捕らえるかは、かなり好みのわかれる所よね。
 三輪ひとみ、この映画では悲惨な部分を一手にに引き受けて、これ以上無いくらいのやられ放題。ゲロまで吐いて、本当によくこの仕事を受けたものだと、変に感心・・。最近のアイドル?って大変ね。
 その点、レオタードで踊る大杉漣や、間の抜けたFBI役の阿部寛はやりたい放題で楽しそうだ。最高に突き抜けたキャラだったのは、金髪ルーシー(栗林知美→松尾夫人)!一昔前の日本人がイメージしたであろう、たどたどしく日本語を話す外人そのもの、エセくささは一服の清涼剤といえる?(笑)。 笑い飛ばせる、体力、気力があるときにどうぞ。
「ヘリウッド」長嶺高文 監督/1982年/斉藤とも子/羽仁未央/佐藤B作/遠藤賢司
斉藤とも子ってアイドルだったのよ〜 宇宙暦2001年、地球を征服しようとたくらむ悪漢ダンス(遠藤賢司)の陰謀に気づいた大王は、地球征服のカギを握るアップル少年を桃に閉じ込め、ダンスの陰謀を亡き者にしたかに見えた。が,、その桃も、ダンスを追って地球へ向かおうとしていた。地球の危機を救うべく、実はただの好奇心にて立ち向かう女子高生、繭子(羽仁未央)、白菊、姫花(斉藤とも子)の美少女探偵たち!

 男色趣味の神父(佐藤B作)に育てられた、マッシュルームカットのアップル君を演じる小暮隆生なる少年が、デーモン小暮閣下であるというのは本当だろうか?!あの独特な声が少女の吹き替えになっているため、何度見ても特定ができない〜。素っ裸で、あんなことそんなこと好き放題されて、その上、ジョン・ウォーターズ監督の「ピンク・フラミンゴ」でディバインが食べていた”う○こ”をかたどった(?)物まで食べさせられているのが、本当に閣下なのっ?
 挿入される音楽担当の遠藤賢司は知る人ゾ知るミュージシャンなんだそうで。その曲はみな、頭のなかで暫くリピートされる独特さ。その、「通好みロック」や「東京ワッショイ」にあわせて女子高校生達が神社の境内や、線路を匍匐前進してすすむ姿はあまりにシュール。 フランケンシュタイン、桃太郎、ポパイ、ミュージカル、SF、その他が盛り込まれ、その全てが、こんなにもエロ・グロ・ナンセンスという説明に当てはまる映画も正直珍しいでしょう。でも、回転率悪いのかビデオ屋に殆ど無いかも〜。(某中古専門店では7000円〜10000円!ちなみに私は「見たいのー。」と言いふらしていたら知人が見つけてくれまして1000円でGET。ありがとねー。)
「マリアの胃袋」平山秀幸 監督/1990/相楽晴子/柄本明/大竹まこと/余貴美子/氾文雀
マリアの後姿 サイパンにショウコ達OL4人は遊びにやってきた。そこでショウコ(相楽晴子)は元上司の江島(柄本明)を見かけるが、その江島と偶然アバンチュールを楽しんでいた後輩が突如いなくなってしまった。1年くらい前から次々と日本人OLが失踪する事件が起こっていたが、実は江島と不倫旅行の最中に事故死して、若いOLを食べる怪物となったモデルのマリア(范文雀)のため、江島によって彼女達は食料として調達されていたのだった。監督デビュー作のホラー・コメディ。

 美しいモデル役はともかく、特殊メイクで誰がやっているのか全く原型をとどめない怪物のマリアに扮する氾文雀の女優魂?と、ひげの無い大竹まこと、それと妖怪二口女を思わせる食欲魔人の余貴美子の食いっぷり、それと、ラストに流れる”ちあきなおみ”が歌う「星影の小径」。それだけ見ていただければ十分です。 私は、好きですけど・・。
 主人公が怪物と戦ってないし叫んで逃げ惑っていないという点では珍しいホラーです。監督の「愛を乞う人」の幼時虐待シーンや「学校の怪談」のほうが何倍も恐いって。
 出演者の衣装やメイクがバブル真っ只中な感じが、トホホやら懐かしいやらですね。


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