■ ことばの習得について・・・ユウトの場合 ■

ダウン症児のユウトは、ことばによるコミュニケーションが苦手です。
以前は、躍起になって言語指導(ST)に通った時期もありましたが、今はまったく通っていません。(^-^;
私自身が忙しくなったということもあるのですが、
STとの考え方の違いをまざまざと感じたから・・・ということも大きかったように思います。

ユウトは1歳前から、保健所の発達教室のようなところに通っていました。
半年毎に、成長の経過をみる・・・というものでした。
ココで、ことばの発達をみてくださるSTと初めて出会います。
この先生には、その後本格的にユウトがSTに通えるように、いろいろご配慮いただきました。
当時、ダウン症児は『いずれ話すことが出来るようになるから・・・』という理由から、STは受けることが出来なかったのです。
難聴を合併している場合に限り、ダウン症児も可・・・・という状態でした。

T先生には、5歳過ぎまでいろんなことを教えていただきました。
何よりも、ユウトが『ことば』『ひらがな』に対して興味を持ったのは、T先生のおかげだと思っています。

公文のひらがなカードを使って表に絵があるほうをもう一枚のカードで隠し、少しずつ見せていき
隠れているカードは何か?を当てるのが、大好きでした。
舌の動きを滑らかにするために、上唇や口角に小さく切った味海苔をつけ、舌先でとったり、
口腔内の上あごに味海苔を貼り付けて、舌打ちで海苔をとる・・・というのも好きでした。
唇の動き滑らかにするために、プリッツを半分に折って口の真ん中に唇で挟ませて、
手を使わずに唇の動きだけで食べる、というのが一番のお気に入りでした。(笑)
それが出来るようになると、口角のところにそれぞれ持たせ2本同時に食べたり、
両端と真ん中の3本を同時に食べたり・・・ととにかく楽しく興味を持って!
ということをT先生が教えてくださったような気がします。

大好きだったT先生のあとの先生は、センター側の事情から行く度に先生が変わり、
いろいろあって、結局STは辞めてしまいました。
最後に担当だったF先生は、はじめてユウトをみた日に
『この子はカ行とサ行は絶対いえません』と、断言してくださいました。
いまなら、他に言い様もあっただろうに・・・と先生を思いやることも出来たかもしれませんが、
この言葉が発端となり、この先生を信頼することなくSTを辞めてしまいました。
やっぱり、訓練って信頼関係があってナンボ・・・と私はいまでも思っています。



その後、ユウトは養護学校に入学し不明瞭ながらも、かなり家族がわかる言葉を話すようになってきました。
が、その言葉は家族やごく親しい関係者(学校の先生や同じダウン症児のハハなど)にしか通用しないことが多く、
ユウトも、自分の言葉が相手に伝わらずにイライラしたり、かんしゃくを起こすことが多くなってきました。

そこで、ひらがなにも興味を持っていたこともあって、
アンパンマンの『あいうえお教室』という知育おもちゃを与えることにしました。

これを使って不確かだった「あいうえお」を全部マスターし、
録音機能を使ってある程度の言葉を自分で打ち込む、ということが出来るようになりました。
しかし、これ、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、かなりの大きさ・・・(^-^;
携帯にはまったく向かない代物なのです。ということで、車の中でも使えるように!と次に購入したのが

ミッキーの『プチおしゃべりあいうえお』という小型のもの。

アンパンマンのと比較するとかなり大きさが違うのがわかると思いますが、携帯にずいぶん重宝しました。
これにも、録音機能がついていたので、車の中でユウトがいった聞き取れなかった言葉を
録音して何を言ったかを聞き返すときに、かなり都合よく使うことが出来ました。

これらは、一般のおもちゃではありますが、我が家では有効なコミュニケーションツールとして役に立ちました。


最近は、あまりこれらを使わなくても、自分から話すということにかなり興味が出てきて
『今日ね、あのね〜』と話すことが多くなりました。
しかし、まだまだ聞き取れない言葉も多く、それがうえでの問題もおきてきました。

ユウトは自分で話したことを、相手に伝えたときに相手が勝手に思い違いや聞き違いをしたことを
『そうそう!!』と勝手に解釈を変えることがあるのです。(^-^;

つい最近、学校でも自分のやりたくないことを、やらなければいけなくなったときに、
おなかを押さえてトイレへ・・・
その後も何度か通い、なにやら話したというのですが、相手の先生には通じませんでした。
演技派男優のユウトくんは、勝手に解釈した先生の言葉に(^-^*)(・・*)(^-^*)(・・*)ウンウン・頷き
たいそう先生を心配させることになりました。(^-^;

ユウトの気持ちをもっと、わかりたい。
ユウトともっと話がしたい!
そのために、私がユウトに出来ることはなんだろう・・・?
いろいろ考えて、いまは言葉カードを使っています。

お友達や、家族の名前のほかに、ユウトが直接かかわることの多い人の名前を書いてあります。
ピンクは、家族や親戚
ピンクに緑は、学校の先生やお友達
ピンクに横に緑は、ユウトがよくかかわる人です。
縦に紫は、服
紫に縦に青は、移動
紫は、おもちゃや遊び
縦にオレンジは、食べもの
上に緑は、身体の場所
横に黄緑は、天候
黄緑は、時

青は、ユウトがよく行く場所
青に黄緑は、学校内の場所
ユウトがよく使うことばたち
お願いする言葉や、自分の気持ちを伝える言葉を
いろいろ作ってみました。
上のを組み合わせると・・・
「おなか」「いたいです」
「ほけんしつ」「いきたいです」
「ぞうのこうえん」「いきました」
「(紙)ひこうき」「つくりたいです」「おねがいします」
「ぎゅうにゅう」「ください」
「きのう」「あめ」

という風になります。
これらを、ユウトはその時々の要求に合わせて、
使い分けるようになりました。

現在、ユウトが使う言葉はだいたい100語くらい。
カードになっていない言葉もあるので、それ以上は使えるのかもしれません。


学校と家と、ファミリーサポート先で、言葉カードを使って相手に自分の気持ちを伝える練習をしているユウト。
カードを使うことで、かなり言葉の音節を意識して声に出していえるようになってきました。
以前は『りんご』が『りご』だったりしたのです・・・(^-^;
『は・が・の・を・に・と』も、使っているのですが、今はまだこれらが抜けることが多いです。
少しずつ、使いこなして言葉の中に適切に使えるといいなぁ・・・と思っています。


ことばの習得は、その子の持って生まれた力や、口腔内の状況も左右してかなり個人差があります。
我が家のユウトの場合、ひらがなが読めて話すことよりも、言葉をみながら声に出す・・・ということが
ユウトの性格や、現在の状態に合っているのでは?とおもい、現在はこのような方法を用いています。
この方法が、絶対か?といわれると、そのお子さんによってかなり違ってくるのでは・・・?というのが正直な感想です。
ということで、あくまでも、『我が家のユウトの場合』ということで、参考にしていただければ幸いです。



                                                         2003・6・28UP