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中国製ディジタルアンプの改造 ( '09,08,09 掲載開始 )
LIHAO.HIS Acoustic IV TA2021B
TA2021Bを使った中国製のディジタルアンプをネットで購入しました。
若干の問題は在りましたが、心地よい音が出ました。
細かい事を気にしなければコストパフォーマンスは抜群です。

1.購入の動機
2. 改造前の評価
2-1 音 ( '09,08,11追記 )
2-2 問題点
2-3 基板設計と部品
3. 改造
3-1 コネクター部の改造 ( '09,08,13追記 )
3-2 ゴム足の貼り付け ( '09,08,13追記 )
3-3 電源表示LEDの改造 ( '09,08,13追記 )
3-4 デカップリングコンデンサの高周波特性補強 ( '09,08,15 追記 )
3-5 味付けの排除 ( '09,08,18追記 )
3-6 デカップリングコンデンサの増強 ( '09,08,20 )
4. 改造後の試聴
4-1 TA2020アンプとの比較 ( '09,08,22 )
5. インピーダンスの整合 ( '09,08,24追記 )
5-1 整合実験の結果 ( '09,08,29追記 ) ( '09,09,11順位変更
)
Case1 積層セラミック 0.32uF ('09,08,24追記)
Case2 右側:積層セラミック0.32uF 、左側:MP 0.44uF ('09,08,27追記)
Case3 積層セラミック 0.44uF ('09,08,27追記)
Case4 積層セラミック 0.37uF ('09,08,27追記)
Case5 Co:WIMA MP 0.44uF Cz:WIMAMP 0.44uF ( '09,08,29追記 )
Case6 Co:WIMA MP 0.44uF Cz:WIMA MP 0.22uF ( '09,09,02追記 )
Case7 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + WIMA MP 0.22uF Cz:WIMA MP 0.22uF ( '09,09,03追記 )
Case8 Co:メーカー不詳MP 0.22uF Cz:メーカー不詳MP 0.22uF ( '09,09,07追記 )
Case9 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + メーカー不詳MP 0.1uF Cz:メーカー不詳MP 0.22uF ( '09,09,09追記 )
Case10 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + メーカー不詳MP 0.22uF Cz:メーカー不詳MP 0.22uF ( '09,09,11追記 )
5-2 整合実験の結論 ( '09,09,15 追記 )
6.改造後の周波数特性測定 (' 09,09,29 追記)
7.音割れ問題発覚 (’09,10,07 追記)
8.未改造機との比較 ('09,10,18 追記)
8-1 外観の違い
8-2 回路基板の差異 ('09,10,22 追記)
8-3 音の比較 ('09,10,25 追記)
9.Yoshii9での試聴 ('09,10,25 追記)
10. 他のディジタルアンプとの比較 ('09,11,01 追記)
>1. 購入の動機
今までTA2020ディジタルアンプのキットを組み立て円筒形スピーカーを鳴らしていました。
システム全体の完成度が上がるにつれて細かな部分が気になりだしました。
ピアノの音で、フエルトのハンマーが鋼線を打った直後の音をザラッポイと感じて
出力回路と入力回路の間にシールド板を挟んだところ音が良くなりました。
出力部から発生する高周波のノイズがオーディオ入力信号に混入して音が悪くなっていたようです。
出力と入力の干渉を防ぐために高周波を含んだ信号を扱う回路と入力回路を離すことが望ましいのですが、
市販されているTA2020キットは、そのような視点で設計されているとは思えない部品配置でした。
出力回路と入力回路を離した設計の基板は無いかなどと思案しながらネット内を探したところ
中国製ディジタルアンプが眼に留まりました。
オークションで5千円弱と廉かったので、さっそく入手して試しました。
TA2024も在りましたが、出力の大きなTA2021Bを使ったLIHAO.HIS
Acoustic IVを選びました。
筆者の円筒形SPは8ΩのSPユニットと8.2Ωのダンピング抵抗が並列に接続されています。
アンプ出力の半分は熱になってしまうのでTA2024では非力と考えました。
TA2021Bは電源が12Vで4Ω負荷の場合にTA2020と同程度の17Wの出力が見込めます。
それに最大出力付近では歪が増えてしまうので半分以下で使おうと考えました。
電源は秋月電子で買おうとしたのですが、品切れで入荷の見込みも判らないというので
ラジオデパート三階のトモカ電気で中国製のSW電源12V5Aを買いました。少し大き目です。
ADAPTER TECH.という会社の製品です。中央+極の2.1mm標準ジャックでAcoustic
IVにピッタリです。
2. 改造前の評価
2-1 音
さっそく円筒形スピーカーに繋いで鳴らしたところ良い音が出ました。
嫌味が無くて癒される音です。殆どの人が心地よく感じるアナログアンプのような無難な音です。
これだけの音が無改造で出たので嬉しくなりました。無改造でも充分に楽しめる水準です。
若干高音が弱いと感じましたが、これは円筒形SPのインピーダンスと合わない為かもしれません。
ディジタルアンプは出力部にあるLPF(ローパスフィルター)の特性次第で音が変わります。
アンプのLPFは8ΩのSPで最も平坦な特性が得られるように設計されていますが、筆者の円筒形SPは4Ωです。
LPFの問題を確認するために従前から使っていたTA2020アンプのLPFを8Ω用に変更して音を比べました。 ( '09,08,11追記 )
評価にはジョン海山ネプチューン氏のアルバム“竹竹”を聴きました。尺八をはじめ総て竹で作った楽器で奏でたジャズです。
Acoustic IVは尺八の掠れる音が弱まりリコーダーのように聞こえました。
解像度が低いようで円筒形SPの繊細な再生能力を引き出すのは難しいかもしれません。
また低音に締りがなく元の楽器の形態が想像できない音でした。
原因はLPFだけではなく電源に入っているデカップリングコンデンサの高音性能が低く容量も不十分な為と推定しています。
Acoustic IVは耳障りな音が出ないアンプですが、自作したTA2020アンプと比べると不自然さが目立ちます。
TA2020アンプは3万uFものデカップリングコンデンサを搭載していますが、Acoustic
IVは900uFなので当然の結果です。
現状よりも良い音を出す為にはLPFの特性変更とデカップリングコンデンサの増強が必要です。
2-2 問題点
1) 入力右側のRCAコネクターが細くて抜けやすい。
音は出るのですが、ゆるゆるです。
販売者に連絡したところ「輸入品なので、そんな物です。音が出なくなったら連絡をください。」という対応でした。
こちらも、その程度の物だろうと考えていた事と、改造を前提に買ったので受け入れました。
日本では数値制御の自動旋盤で削り出すので考えられない事ですが、中国では手動の旋盤で削っているのでしょうか。
手持ちのディジタルノギスで太さを測ったところ僅かに細い事が確認できました。
2) アンプにはゴム足がありません。
電気的な絶縁と他の機器に傷を付けるのが嫌なのでゴム足が欲しいところです。
注:ネットオークションに出品されている同型機にはゴム足が付いている物も在るようです。
3) 電源表示LEDが2個?
前面の音量調節ツマミの左右に青色のLEDが付いています。
LEDには機能を説明する印字が無いのですが、電源を入れると両方とも点灯します。
回路を追ったところ左側は電源12Vから駆動されているのでの電源表示ですが、
右側はTA2021Bの場所へ配線が伸びています。
FAULTかOVERLOADへ接続されているのでしょうか。
しかし両方とも音が正常に出ている時には点灯しない筈です。何か変です。
後日解明する予定です。
2ー3 基板設計と部品
この基板には良い音を出す為の工夫が随所に見られます。
先ずTA2021Bの右側に入力回路を、左側に出力回路のLPFを配置しています。
入力回路と出力回路の距離を確保し干渉を最小限に抑え音を良くする為でしょう。
もともとTA2021Bの端子は、そのような回路の配置ができるよう分けられています。
基盤の上と下に切り取り線のように並んだスルーホール(導通穴)は
表の銅層と裏の銅層の結合を密にしてインピーダンスを下げノイズの削減を狙ったものと思われます。
惜しいのはコネクター部の配線がごちゃごちゃになっている事です。
基板上の出力端子の右と左を間違えたようです。これを解決するために配線を交差させたのでしょう。
入力部の配線を入れ替えた方が簡単な筈ですが、なぜ出力部の配線で対処したのか判りません。

この基板の素晴らしい所は電解コンデンサが少ない事です。
この設計者は電解コンデンサが音を悪くすることを理解しています。
そこで代替手段の無い電源のデカップリングだけに2個の電解コンデンサを使っています。
入力の結合に使う2.2μFには、
1個で賄えるフィルムコンデンサの入手に問題が在ったらしく1μFを2個と0.1μFを並列に使っています。
このコンデンサにはWIMAと印刷されています。
また電源投入時のポップ音を防ぐためにOPアンプの直流バランスを調整する可変抵抗が付いています。
手に入る範囲の部品で最良の音を得ようとの努力が感じられる設計です。
蛇足ですが、基板にはLUIHAO.HISとシルク印刷されていました。
ネット上にはHI5が正しいとする記事が見られますが、シルク印刷で見る限りHISのようです。
3. 改造
3-1 コネクター部の改造 ( '09,08,13追記 )
入力RCAコネクターを手持ちの国産と思われる高級品と交換しました。
取り付ける前にディジタルノギスで太さを測ったところ中国製よりも0.03mmほど太くRとLで差がありませんでした。
すごい工作精度です。
また位置を出力端子のL側と交換して電源スイッチの隣に移動しました。
出力端子と入力RCAコネクターとは取付穴の大きさが同じだったので簡単な作業でした。
これでごちゃごちゃだった配線がすっきりしました。入力配線と出力配線の間隔が1cm程度に拡がりました。
音は良くなったような気もしますがプラシーボでしょう。

3-2 ゴム足の貼り付け ( '09,08,13追記 )
電気的な絶縁と他の機器に傷を付けるのが嫌なのでゴム足を貼り付けました。
3ー3 電源表示LEDの改造 ( '09,08,13追記 )
電源表示のLEDが2個あっても意味が無いので、パターンカットと配線の追加で右側をFALTに変更しました。
下の写真でVRの下に在る白い配線がそれです。 (
'09,08,24 読者の質問に応えて追記 )

右上に在るチップ抵抗の左側でパターンを切断しチップ抵抗の左側に線を半田付けしました。
その線をIC1(TA2021B)のFAULT(19番ピン:一番下)に半田付けしました。
Acoustic IVではFAULTを使っていないので配線パターンが無いようです。
仕方なくICのピンに電線を直接半田付けしました。
TA2021Bのピンは間隔が狭く、その上コンデンサと放熱器に挟まれた狭い場所で難しい半田付けでした。
半田付けに自信の無い方は止めたほうが良いです。
FAULTはBTL出力回路の保護回路が動作した場合に出る警報です。
TA2020アンプでは5年間で2回動作しましたが、表示を付けていなかったので何故音が出ないのか判らず時間を無駄にしました。
警報が青色LEDでは違和感が在るので手元に在った赤色LEDへ交換しました。
パネルの穴に合わせて直径3mmで以前に秋月電子で買った物です。 ( 709,08,25 読者の質問に応え追記
)
改造は済ませたのですが、出力を短絡するのが怖くて機能確認試験を行っていません。
しかし電源を切った際に赤色のLEDが一瞬だけ光るので配線は間違ってないようです。
3-4 デカップリングコンデンサの高周波特性補強 ( '09,08,15 )
尺八の掠れる音が弱いので電源に使われているデカップリングコンデンサの高音に対する特性が良くないと判断しました。
デカップリングの電解コンデンサーを性能の良いOSコンデンサと交換する方法も考えられましたが、
手っ取り早く高周波特性の良い10uFの積層セラミックコンデンサで補強しました。

米粒位の小さな部品です。写真では判り辛いので取り付けたチップコンデンサのコントラストを増しました。
中央部の電解コンデンサと並列に2個、右側の+5VGENへ1個の合計3個(30μF)だけです。
結果を確認するために前出の”竹竹”を最初から最後まで聴きました。
心地よい音で尺八の掠れる音が充分に出ています。
空気感が自然になり改造前に感じた不自然さは払拭されました。
積セラ追加は簡単で大きな効果があります。
使ったのは秋月電子で買った10μF25Vの積層セラミックチップコンデンサです。
8個で100円と安く抜群の投資効果です。
その後TA2020アンプに替えて前出の”竹竹”を最初から最後まで聴きました。
TA2020のほうが高音部は鋭く、低音部には芯があり力強い音です。
その後、またAcoustic IVに戻して”竹竹”を聴いています。何と3周目です。
どちらのアンプも心地よい音で飽きません。
趣が僅かに違うのですが、甲乙付け難い音です。
Acoustic IVの電解コンデンサの容量を増やしたら更に良い音になるのではとの期待が膨らみます。
3-5 味付けの排除 ( '09,08,18 )
Acoustic IVは、薄く味付けされていいます。
基盤上面の写真で放熱器の上と下に在る水色の100PFが味付けです。
青いのはオフセット電圧調整用トリマーポテンショです。
100pFのコンデンサは入力カップリングの2.2uF通過後の配線とアースの間に入れられています。
このコンデンサはTripath社が掲げた回路図にはありません。
この100pFには二つの目的が在るようです。
先ず周波数特性の上限を引き下げ、出力部で生じる高周波ノイズの影響を排除します。
計算したところ概ね400kHzで半分に減衰します。
次に味付けですが、意図したものか判断しかねます。
10kHzを超えたあたりから徐々に位相が変わります。
これによって基音と倍音のタイミングに差が生じ高音の鋭さが鈍ります。
アナログアンプのような耳障りの良い音です。
我が円筒形SPは味付けの無い音を目指しているのですが、
高周波ノイズの影響は排除したいので100pFを10pFへ交換しました。
高周波ノイズの排除能力が弱まったので、補うために入力インピーダンスを下げました。
もともと100kΩのVRが使われていたので12kΩのチップ抵抗をVRの両端と並列に入れました。
これで入力インピーダンスは10k程度になりました。
音は改造前よりも生々しくなりました。好みの音で良い感じです。
3-6 デカップリングコンデンサの増強 ( '09,08,20 )
低音に芯が無い感じだったので電源の安定化を図る為にデカップリングコンデンサを増強しました。
ケース内へ電解コンデンサを収めるのに知恵を絞った結果が下の写真です。

小さな基板を使い二階建てにして電解コンデンサを載せました。
ケースの形に合わせて中央部には背の高い470μFを、端部には少し低い330μFを配置しました。
沢山は載せられなかったので330μFが12個、470μFが9個で合計8190μFです。
ケースに収めてみると、上部の隙間が3mm程度しか在りませんでした。
使った電解コンデンサはジャンク屋さんで入手した周波数特性が良いと思われる物です。
音はいい感じになりました。低音の量が増え芯がある感じです。
6時間ほど聴きましたが飽きる事無く楽しめました。
4. 改造後の試聴
4-1 TA2020アンプとの比較(LPFの特性変更前) ( '09,08,22 )
改造Acoustic IVの音を評価するためにTA2020アンプ(カマデンのキット)と比較しました。
武藤晶子トリオの 「 Afternoon in Paris 」の最初にあるシェルブールの雨傘を
何度も切り替えて聴きました。両方とも心地よい音ですが僅かな違いがありました。
低音はウッドベースの音で違いがでました。
TA2020では弦を弾いた直後の衝撃が体に伝わり生々しいのに対してAcoustic
IVでは衝撃が少し弱いのです。
これはデカップリングコンデンサの大きさが影響したものと思われます。
しかし音楽を楽しむにはAcoustic IVの水準で充分だと思います。
高音ではシンバルを叩くブラシの音で差が出ました。
僅かな差ですが、TA2020の方が自然な音に聞こえました。Acoustic
IVは高音の利得が落ちているようです。
フィルタに使われている部品の容量は同じですが、減衰特性が違うのでしょう。
TA2020ではセラミックコンですが、Acoustic
IVでは巻層と思われるプラスチックフィルムが使われています。
その差かもしれません。
低音も高音も僅かにTA2020が良い感じなのですが、ピアノの滑らかさではAcoustic
IVが勝っています。
TA2020は少しざらっぽい感じです。
これが高周波ノイズ対策の結果なのか、高音の減衰特性の違いによるのか判りません。
5. インピーダンスの整合 ( '09,08,24追記 )
アナログアンプと違ってディジタルアンプでは駆動するスピーカーのインピーダンスに
ローパスフィルター(LPF)の定数を合わせないと周波数特性が平坦になりません。
Acoustic IVのLPFは8Ωのスピーカーで平坦な周波数特性が得られるようにが設定されています。
筆者の円筒形SPはFF-85Kとダンピング性能改善用に8.2Ωとが並列に接続され概ね4Ωです。
4Ωスピーカーの場合でLPFのCoとCzを変えた場合に周波数特性がどの様に変わるのか計算したのが下のグラフです。

青色:0.47uF,赤色:0.33uF,黄緑色:0.22uFの場合でCoとCzには同じ値を使いました。
改造前は緑黄線です。高音が弱いのが判ります。
5-1 整合実験の結果 ( '09,08,29追記 )
コンデンサを替えて試した結果、下記のように評価しました。 (
'09,09,11順位変更 )
1位 Case10 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + メーカー不詳MP
0.22uF Cz:メーカー不詳MP 0.22uF ( '09,09,11追記 )
2位 Case9 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + メーカー不詳MP
0.1uF Cz:メーカー不詳MP 0.22uF ( '09,09,09追記 )
3位 Case8 Co:メーカー不詳MP 0.22uF Cz:メーカー不詳MP
0.22uF ( '09,09,07追記 )
4位 Case7 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + WIMA
MP 0.22uF Cz:WIMA MP 0.22uF ( '09,09,03追記 )
5位 Case6 Co:WIMA MP 0.44uF Cz:WIMA MP
0.22uF ( '09,09,02追記 )
6位 Case5 Co:WIMA MP 0.44uF Cz:WIMA
MP 0.44uF
7位 Case2 右側:積層セラミック 0.32uF、左側:メーカー不詳MP0.44uF
8位 Case4 積層セラミック 0.37uF
9位 Case1 積層セラミック 0.32uF
10位 オリジナル
11位 Case3 積層セラミック 0.44uF
Case1 積層セラミック 0.32uF ( '09,08,24追記 )
最も平坦なのは0.47uFですが、穏やかで聴きやすい高音を狙って0.33uFで試す事にしました。
付いているコンデンサを外すのは面倒なので基板の裏に0.1uFのセラミックコンデンサを追加しました。
0.22uFに0.1uFを追加したのでCoとCzは0.32uFになりました。

金属打楽器の衝撃音が鋭くなりましたが、適度に生々しく良い感じです。
しかし高音が弱いと感じます。心地よさはTA2020を超えたかもしれません。
Case2 右側:積層セラミック 0.32uF 、左側:メーカー不詳MP
0.44uF ( '09,08,27追記 )
左右とも0.44uFにして実験したかったのだが、手元には0.22uFのMPコンデンサが3個しかなかった。
仕方なく変則的だが左側だけ0.44uF(追加0.22uF)にしてモノラルで試しました。
明らかに左側の音が自然で良い感じです。
左右がアンバランスなステレオで森山良子さんを聴いたところ生々しく背筋がぞくぞくしました。
何か脳の琴線に触れる心地よい音が出ているようです。
Case3 積層セラミック 0.44uF ( '09,08,27追記 )
Case2が良かったので両方とも0.44uFにしたら、さぞかし良いのではと考え秋葉原へ出かけた折に
0.22uFの積層セラミックコンデンサを買ってきて試しました。
音は自然ですがが少しザラッポクなりました。
決定的な問題はCD1枚程度で頭が疲れた感じになり心地よくありません。
Case4 積層セラミック 0.37uF ( '09,08,27追記 )
Case3が良くなかったのでCase2とCase3の間が良いのではと推定しました。
そこで追加を0.15uFにして試聴しました。音は自然で疲れる事も無く良い感じです。
森山良子さんの声も生々しいのですが、背筋がぞくぞくする程ではありません。
MPコンデンサのほうが良いのでしょうか。部品を買い集めて試験しましょう。
Case5 Co:WIMA MP 0.44uF Cz:WIMA MP 0.44uF ( '09,08,29追記 )
WIMAのMPコンに替えたら今迄で一番良い感じの音になりました。
Case2が良かったのはMPコンの性能による結果かもしれないと考えました。
海神無線の店頭で並んでいるMPコンデンサを探したところWIMAがありました。一個90円と値が張りましたが奮発しました。
特にWIMAでなくとも良かったのですが、店頭には他に見当たりません。頼めば在庫を出してくれるのでしょう。
取り付けたのが下の写真です。6個とも同じ0.22uFです。

結果にはビックリしました。積層セラミックで問題だったザラッポイ感じが消えました。
ピアノの音が艶やかで魅力的です。全体的に自然でとても良い感じです。
Case6 Co:WIMA MP 0.22uF + WIMA MP 0.22uF Cz:WIMA
MP 0.22uF ( '09,09,02追記 )
回路のシュミレーションではCzを0.22uFにしたほうが平坦部が長くなります。
検証の為に試してみました。高音がキンキンするのではないかと懸念していたのですが、杞憂でした。
高音が自然でCase5よりも僅かに良い感じです。これはTRIPATH社の推奨値です。
音の感じはアナログアンプに似ています。しかし悪く言えばディジタルアンプの優れた解像度を感じません。
手持ちのTA2020アンプと改造したKAF-5002を持ち出して音を比べたのですが、KAF-5002にそっくりです。
TA2020とTA2021の差が音の違いになっているとは考えにくいのですが、何が音に影響しているのかわかりません。
Case7 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + WIMA MP
0.22uF Cz:WIMA MP 0.22uF ( '09,09,03追記 )
コンデンサのメーカーを変えたら音が変わるのか試すために
WIMA製MPコンデンサを外してメーカー不詳のMPコンデンサに換えました。
メーカー不詳のMPコンデンサはCase2で良い音が出た物です。

音はCase6よりも更に良い感じです。
Case6は高音がモヤモヤして解像度が低い感じですが、メーカー不詳のMPコンデンサに換えただけで良い感じになりました。
やっとディジタルアンプらしい解像度の高い音が出ました。
LPFのコンデンサが音質に与える影響の大きさは想定外でした。
最初から付いていたWIMAの0.22uFを外して全てメーカー不詳のMPコンデンサに
統一したら更に良い音になるのかと思案しています。
Case8 Co:メーカー不詳MP 0.22uF Cz:メーカー不詳MP
0.22uF ( '09,09,07追記 )
もともとCoとCzに付いていたWIMA製MP0.22uFを外し、
Case7で良い感じの音が出たメーカー不詳のMP0.22uFに交換しました。
LPFに使われているコンデンサの容量はオリジナルと同じです。
スルーホールから半田を取るのが面倒でしたが太さが違う数種類のSolder
Wickを使い分け吸い取るのに成功しました。
コンデンサのメーカーが違いますが、容量等はLPFの特性変更前と同じです。
しかし音の感じは大きく違います。全ての周波数帯域に亘って解像度が高まり透明感が増しました。
低音は量が増したようで出過ぎの感があります。メリハリの利いた音は大きく感じるのかもしれません。
シュミレーションではコンデンサの容量は低音には影響が少ないはずですが、
Coが0.22uFでは高音の利得が減るので相対的に低音が増えたように感じているのかもしれません。
しかし高音の不足は全く感じません。
いろいろなCDを聴いたのですが、patricia barberのnightclubが印象的でした。
彼女の囁くような歌声が如何にもナイトクラブに居るかのような雰囲気を醸し出します。
今迄に何度も聴いているCDですが、ボーカルもピアノもリアルで心地よく感じました。
このCDは魅力を再現するのが難しく、心地よく楽しめるようになったのはFF-85Kの音道を広げてからです。
この文を書いている間にCDを2周してしまいました。生演奏のようで過去最高の音です。
外して判ったのですが、アナログアンプような穏やかな雰囲気の音はWIMAのコンデンサが作り出していたようです。
Case9 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + メーカー不詳MP
0.1uF Cz:メーカー不詳MP 0.22uF ( '09,09,09追記 )
好奇心からCoに0.1uFを追加してみました。使ったのは0.22uFと同じ種類と思われるMPコンデンサです。
時間をかけて試聴したのですが、Case8と大きな差異を感じませんでした。
シュミレーションの結果では高音が増えている筈なのですが、そうは感じず低音が増えているように感じます。
朝の6時からCDを三枚聴いたのですが、心地よく時間が短く感じました。
僅かですが、Case8よりも良い感じです。
Case10 Co:メーカー不詳MP 0.22uF + メーカー不詳MP
0.22uF Cz:メーカー不詳MP 0.22uF ( '09,09,11追記 )
シュミレーションでは0.44uFが最も平坦な周波数特性が得られる筈です。
音はCase9よりも僅かに良い感じですが、何が良いのか具体的に挙げられる程ではありません。
気のせいかもしれません。
前出したpatricia barberの弾くピアノが艶やかで美しく、囁くような生々しい歌声が魅力的です。
5-2 整合実験の結論 ( '09,09,15追記 )
インピーダンスの整合で最も音の良いところを探る目的で始めた実験でしたが、
結論は、インピーダンスよりもコンデンサのメーカーや種類の影響が大きく
インピーダンスの影響は想定よりも小さいのが判りました。
注:結論は、ダンピング抵抗(8.2Ω)をSPユニットと並列に接続した場合です。
単体のSPユニットで4Ωの場合には結果が変わるかもしれません。
実験に使用した各コンデンサの印象は次のようです。
@積層セラミックコンデンサ
周波数特性は平坦ですが、音がザラツキます。その為にピアノの魅力が減ります。
AWIMA MPコンデンサ
最もアナログアンプに似た雰囲気の音が出ました。
解像度が低い感じですが、これがアナログアンプに似ていると感じる所以かもしれません。
筆者は解像度の高い音が好きなのですが、こういう音が好きな人も多いでしょう。
Bメーカー不詳MPコンデンサ
解像度が高くザラツキも感じません。ピアノの音が良い感じです。
筆者の好きな音で円筒形SPの特徴を引き出せるコンデンサです。
困った事にメーカーが判りません。
廃番になった松下の積層メタライズドプラスチックフィルムではないかと推定しています。
6.改造後の周波数特性測定 ( '09,09,29追記 )
LPFの定数を変えた場合の周波数特性を中古で入手した計測器で測定しました。
信号源にはhp製8904Aシンセサイザーを使い1Vをアンプの入力信号としました。
スピーカーを通過した電流をFLUKE45ディジタルマルチメーターで測った結果が下図です。

0.22uFよりも0.44uFのほうが平坦部が広くなっておりシュミレーションの結果と合致しています。
また試聴した感じとも符合しています。定数の選定は正しかったようです。
10KHz以上の周波数でシュミレーションよりも減衰が急峻になっているのは,
SPユニットのインピーダンスが大きくなっている為に電流が減ったものと思われます。
電圧で測定すれば更に平坦なカーブが得られたでしょう。
200Hz以下では管内共鳴のために電流が波打っています。
この測定ではノッチフィルターを使わなかったので平坦にはなりませんでした。
興味深いのは低音です。
試聴ではCoを0.22uFから増やすと低音が増えたように感じたのですが、
この測定でも増えているのが確認できました。特に100Hz以下で顕著です。
しかし何故LPFの定数によって低音が影響をうけるのか判りません。
蛇足ですが、測定作業中に聞こえた円筒形SPの低音は以下の様でした。 (’09,10,01追記)
10Hzと20HzはSPユニットのコーンが大きく上下にフラフラするだけで
明らかに“暖簾に腕押し”の状態で音が出ている感じはありません。
30Hzも聞こえませんが、コーンの動きは音が出ている雰囲気です。
筆者の耳が感じない可能性が考えられますが、健康診断で異常を指摘された経験はありません。
40Hzは少し弱いのですが唸るような空気の震えを感じます。音という感じではありません。
50Hzは充分な音量で聞こえます。40Hzと同様に正弦波の50Hzは空気が震えている感じです。
しかし、この帯域の再生能力が音楽の再生に必要なのか疑問です。
円筒形SPは電気的に作られた大音量の重低音を再生するのは困難ですが、
パイプオルガン以外の伝統的な楽器の音は充分に再生できます。
ウーファーの必要性は感じません。ウッドベースの演奏は特に魅力的です。
7.音割れ問題発覚 (’09,10,07追記)
以前から気になっていた音が割れる状況を確認しました。
ピアノを強く弾いた場合にアタック音の後、僅かに遅れて短時間だけ音が割れます。
いろいろと試した結果、
ディジタルアンプでノッチフィルターを使った円筒SPを鳴らした場合に音が割れるのが判りました。
AcousticIVだけでなく従来から使っていたTA2020でも割れました。
また友人I氏の円筒形SPでもAcousticIVで鳴らして音が割れるのを確認しました。
しかしアナログアンプ(改造KAFー5001)では全く割れません。
ノッチフィルターは、1周波数でも3周波数のノッチフィルターでも音が割れます。
原因は、大振幅の音でノッチフィルターのコイルが充電され、
放電する電流がアンプに戻って影響しているのではないかと推定したのですが定かではありません。
ノッチフィルターはウーファーのボンつきを抑える普遍的な技術です。
これを応用し円筒形SPの管内共鳴を抑制するのに成功しました。
最も有効な管内共鳴対策が使えなくなると大変困ります。
音割れ問題を解決する方法を見出しました。確認実験中です。 ('09,10,18 追記)
8.未改造機との比較 ('09,10,18 追記)
改造の効果を確認したくなり比較用に新品を購入しました。今度は前回とは違う人からです。
前回は東京からでしたが、今度は中国の深センから国際郵便で届きました。
先方からは落札翌日の2日に発送したとの連絡が在ったのですが、消印は10月9日になっていました。
原因は判りませんが落札から16日間も掛かりました。
梱包は下の写真のように箱を模造紙で包んでいました。
箱に貼り付けられたラベルの印刷にはLIHAO.HI5と印刷されていました。
中の基板にはシルク印刷でLIHAO.HISとなっていました。どちらが本当でしょうか。

8-1 外観の違い
従来の前面パネルはアルミのヘアーライン仕上げでしたが、
新しいのは音量つまみと同じ感じの梨地艶消しになっています。統一したようです。
個人的にはヘアーラインの方が高級感が在って好きなのですが。

また音量調節つまみの最小表記がMANからMINへと訂正されていました。
その他に違いは無いようです。
以前のアンプで問題だったRCAコネクターが緩い問題は、
新型でも解決されておらず左チャンネルが、音は出ますがゆるゆるです。
やはり旋盤加工の精度が低いようです。
新型も旧型と同じく残念ながらゴム足は付いていませんでした。
8-2 回路基板の差異 (09,10,22追記)
内部の基板は旧型と殆ど同じで相変わらず外部との配線がごちゃごちゃです。改善されていません。
入力部の100pFが青色から乳白色に変わりましたが容量は同じです。
出力部のCzは乳白色から赤に変わっています。容量は確認できませんが同じと思われます。

その他の違いですが、QC PASSEDとRoHSのシールが貼られていました。
RoHSは鉛を使っていないという意味だと思われます。
日本の無鉛半田は、融点が僅かに高く固まった後の艶が少ないのですが、
中国のそれは溶かした感じも艶も有鉛半田と変わらない感じです。
8-3 音の比較 (09,10,25追記)
数日間に亘って通電し電解コンデンサが安定するのを待って試聴しました。
新しいAcousticIVの音は、覚えていた改造前の旧型機と違和感の無い物でした。
未改造でもアナログアンプのような良い音で充分に楽しめる水準です。
真空管アンプの解像度を少し向上させたような雰囲気です。
伝統的な箱型のSPに合わせた音に纏めたものかもしれません。
改造によって高音の解像度が向上し、
低音は芯のある力強い音になっているのが確認できました。
9.Yoshii9での試聴 ('09,10,25追記)
10月の第四土曜日にStudio Enzaへ改造AcousticIVを持ち込み
Yoshii9のSPユニットに接続して試聴させて頂きました。
無理な御願いを気軽に引き受けて下さったStudio
Enzaに感謝しています。

音源はパイオニア製のブルーレイディスクプレーヤーから光信号を出し
HRDAC-01(D/Aコンバーター)に繋ぎ、
改造AcousticIVでYoshii9のスピーカー部を鳴らしました。
試聴したのはHank Jonesがブルーノート東京で行ったライブを納めたThe
Legend of Jazzです。
以前にHRDAC-01の試聴に使ったBlu-ray Discです。素晴らしい音で感動しました。
音は、その時よりも更に良い感じでした。
透明感はYoshii9エンジン(アンプ)と大差ありませんでしたが、低音部では顕著な違いを感じました。
量も充分で解像度も高く自然な音です。今まで聴いた事が無かった歪を感じない爽やかな低音です。
ウッドベースの唸る音とピアノの余韻が大変に綺麗です。
Yoshii9のスピーカーに,これほどの低音再生能力があるのには驚きました。
Yoshii9は自作した円筒形SPに比べて低音が弱いと感じることがありましたが、
改造AcousticIVで鳴らすYoshii9のSP部には敵いません。量は同程度ですが、質に差があります。
我が円筒形SPには、まだまだ改良の余地があるようです。
蛇足ですが、上の写真で後方にあるカバーを掛けた物はドラムセットです。
また前方の台に載っているのはTIMEDOMAIN Miniです。
10. 他のディジタルアンプとの比較 ('09,11,01 追記)
10月31日に恒例となった円筒形SPの試聴会を開催しました。
その際にアンプの比較も行いました。

◎比較したアンプ
1:H先輩が作られたTA2020アンプ。
2:筆者のTA2020アンプ。
5:改造AcousticIV
◎その他の機材
3:アンプの出力を選択する切り替えスイッチ。スピーカーを切り替えるスイッチを応用しました。
4:D/A変換器 (HRDAC-01)
6:アンプの入力を選択する切り替えスイッチ。出力の切り替えスイッチと合わせて操作します。
入力、出力ともに友人I氏が製作して下さいました。
◎比較の結果
I氏が作ってくれたアンプ切り替えスイッチの御蔭で
三台のアンプを瞬時に切り替えられて能率の良い試聴ができました。
最も解像度が高かったのが、H先輩のTA2020アンプでした。
筆者のTA2020アンプはH先輩のアンプと似た音でしたが、僅かに解像度が低い感じでした。
改造AcousticIVは最も解像度が低く感じました。その差は顕著です。
アナログアンプよりは高い解像度ですが、ディジタルアンプとしては低いほうだと判りました。
これは、入力回路に使われているWIMA製のコンデンサが影響していると推定しています。
解像度は他のディジタルアンプよりも低かったのですが、それなりに心地よく聴き疲れしない音でした。
二台のTA2020アンプは、高音域の利得が多くて解像度が高いように聞こえたのかもしれません。
このらの結果から入力コンデンサをWIMAから他へ替えるか思案しています。
未改造のAcousticIVも試したのですが、明らかに解像度が低く低音にメリハリが乏しい音でした。
自宅の視聴では気付かなかったのですがBSからDVDに録画した東京JAZZ2009を聴いた際に
音量ツマミを最大にしても充分な音量を得られませんでした。
アンプの利得が小さく設定されているのかもしれません。近々調べます。
スピーカーを聞き比べた記事は後日に掲載する予定です。