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オーディオケーブルの実験 ('09,07,13 掲載開始)
D/Aコンバーターとアンプを繋ぐオーディオケーブルを比較しました。
恥ずかしながらオーディオケーブルについては、電気が通れば大差無いという認識でした。
そこで家電量販店で売っている千円程度のケーブルを使っていました。
HRDAC-01を
購入して下さったK.A様から“音が変わる”とのレポートを頂きました。
そこで確認のために実験してみました。
1.
K.A氏のレポート “「ちなオーディオ」製溶接オーディオケーブルについて”
1-1
バッハの無伴奏チェロ(ブルースペックCDの試聴盤より)
1-2
森恵さんのCD「そばに」
1-3
聴き比べた印象
2.
確認実験
4.
CRC 5-56の実験 ( '09,07,27 追記)
4.
同軸ケーブルでの実験 ( '09,07,28 追記)
4-1
ステレオでの試聴 ( '09,08,01 追記)
4-2
ARTAでの比較 ( '09,08,03 追記)
4-3
カナレ L-3C2VS ( '09,08,23 追記 )
5.Noise
Cut Cableの製作 ('09,11,09 追記)
5-1
3C2WSでの製作 ('09,11,09 追記)
5-2
先輩H氏によるフェライトクランプの実験 ('09,11,12 追記)
5-2
RG62A/Uでの製作 ('09,11,24 追記)
(1) 自作円筒形SPでの試聴 ('09,11,24追記)
(2) Yoshii9での試聴 ('09,11,29 追記)
(3) RCAプラグの変更 ('09,12,16追記)
(4)
コレット・チャック・プラグでの試作 ('10,10,21 追記)
(5)
チップフインダクターでの試作 ('11,03,22 追記)
(6) REAN NYS3732による試作
('11,12,28 追記)
(7) K.A氏による試聴
('12,01,22 追記)
6.
まとめ ('09,12,20 追記)
7.
読者の試聴報告 ('10,01,25 追記)
8.
映像信号への適用 ('10,11,26 追記)
1.K.A氏のレポート “「ちなオーディオ」製溶接オーディオケーブルについて”
こんばんは。表題の件、昨日届きました。
HRDAC-01とDimension09を接続して、早速性能評価を行いましたので簡単ですが
レポートをお送りさせていただきます。
下に写真を掲載しました。

HRDAC-01からYA1へのアナログ音声出力部分を上の写真の3種類のケーブルで試し
ました。
一番左から、ちなオーディオ製溶接オーディオケーブル、ソニー製音声
ケーブル、吉田苑のhayabusaケーブルです。
長さはすべて1mのはずです。
・吉田苑「hayabusa」
http://yoshidaen.jp/shopdetail/006003000003/
・ちなオーディオ「溶接オーディオケーブル」
http://www.audio.co.jp/accesary.htm
ソニー製オーディオケーブルの音の良さは小川様もご存知かと思いますので詳し
いことは避け、
吉田苑のhayabusaケーブルとちなオーディオの比較結果をまとめ
てご連絡させていただきます。
2枚のCDというシンプルな内容ですが・・・
(お金を投資したこともありますが、hayabusaの方が音が元気良く鳴ります)
見た目だけでいえばちなオーディオのケーブルが一番格好は悪いのですが、
音質 そのものは吉田苑のhayabusaケーブルと甲乙つけがたい感じになりました。
1-1 バッハの無伴奏チェロ(ブルースペックCDの試聴盤より)
低域から高域までソツなく鳴らす曲ですので、使ってみました。
ちなオーディオ製溶接オーディオケーブルは線が細いので、低域の出音はどう
なのかな?と思ったりもしましたが、杞憂でした。
hayabusaに比べると出音に力 強さはないのですが、解像度の高さではちなオーディオに軍配があがります。
でも、吉田苑のhayabusaの方が、聴いていて曲を心地よく感じます。これは、
1つ1つの音の表現が力強いからだと思っています。
1-2 森恵さんのCD「そばに」
本日たまたま渋谷駅のハチ公前でライブをされていたので、仕事の移動中に立
聴きさせていただき、
ギターの音と透通る声が心地よかったので買ってみました
。iTunes Storeでも配信されています。
CDの方がはるかに音は良いのですが・・
こちらのCDでは違いがはっきりしました。
ちなオーディオ製溶接オーディオケーブルで聴くのと、吉田苑のhayabusaで聴
くのでは、カーテン1枚の解像度の差があるようです。
ちなオーディオの溶接オー ディオケーブルの方が、かなり明瞭な音です。
言葉で表すのが難しいのですが、すごくクリアな音です。
録音の出来がある程 度のクオリティを持っているのもありますが、ケーブル変えただけでこうもかわ
るのか?という意味では、大成功です。
特にボーカルとアコースティックギターの響きが申し分なく、
このCDを聴く限 り、hayabusaよりもちなオーディオのケーブルの方に軍配をあげます。
1-3 聴き比べた印象
吉田苑のhayabusaケーブルもクセのないケーブルではあるのですが、
心地よく 聴こえさせるためにどこか補正しているような感じの音です。
ただ許容範囲内の 補正ですので個人的には満足の行く音ではあります。
(吉田苑さん自体、必要最 低限の補正はやる傾向みたいですし)
ちなオーディオの方は余計な細工をしていない感じです。
ハンダがあらゆる音 質悪化の諸悪の根源である、という説はスピーカーの音が満足できなかったので
否定せざるをえませんが、
本ケーブルの音はクリアな音であり、溶接が音を悪く
するということもなさそうです。
5000円という値段が出せるかというと、微妙な
ところかもしれませんが、ソニーのケーブルとの違いは確かにあります。
どちらが良い音か?というのはさすがに好みの世界ですが・・・
自分が調べた限りケーブルは太くなれば低域が強く、細くなれば高域がクリア
に聴こえる傾向があるそうです。
実際吉田苑のhayabusaの方が力強さがあったの
はそのためだと思います。
ちなオーディオのケーブルの方がはっきり表現しますが、力強さはという点で
はhayabusaの方が上です。
「どちらが元の音を素直に鳴らしているか」であればちなオーディオのケーブ
ル、
ただし曲によってはhayabusaの方がずっと聴き心地が良いこともあります。
たかがケーブル、されどケーブルを実感できました。
これ以上高いケーブルに興味はありませんが、確かにケーブルの変更は音質に
良い影響または悪い影響があるようです。
2. 確認実験
K.A氏からレポートを頂き自分でも確認することにしました。
いつも使っていた千円のケーブルから手元にあった安物のケーブルと交換して聴き比べました。
安物は赤と白のプラスチックでモールドされたRCAプラグが付いています。
VTR等を買うと付属している物と似ていますが、金メッキされています。
安物の音には呆れました。音にキレが無く高音が弱くモヤモヤして嫌な感じです。
“電気が通れば大差無い”という概念は瓦解しました。
それでは高級品ではどうなるのかと興味が湧きました。
前出のK.A氏が試されたケーブルは値が張り手が出なかったので長くオーディオに親しんでいる
先輩に訊いたところBelden8412が良いと薦められました。
教えて頂いたプロケーブルから入手しました。0.5mで3400円でした。
下の写真で上から廉価品、千円程のケーブル、Belden8412です。

早速聴いてみるとBelden8412が良い感じでした。
電気が通れば大差無いという認識は瓦解しました。
3. CRC 5-56の実験 (
'09,07,27 追記)
先の確認実験で使った廉価なケーブルと千円のケーブルは何年も使った物ですが、Belden8412は新品です。
使い古したコネクターの接触面は酸化や汚れがある筈で電気的な接触が不安定だったのかもしれません。
その状態で新品のBelden8412と比べても結果に信憑性がありません。
そこでCRC 5-56を塗ったら接触が良くなり古いケーブルも良い音に変わるのではと考え
総てのケーブルにCRC 5-56塗りティッシュで拭きとりました。
その後、音を聴き比べて驚きました。
古いケーブルだけではなくBelden8412でも音が良くなりました。
プラシーボではないと言い切れる程の効果です。
この効果が長時間持続するのか分かりません。暫く様子を見ましょう。
4. 同軸ケーブルでの実験 (
'09,07,28 追記)
久々に休みが取れたので疑問を解消すべくケーブルの実験を行いました。
電気的な視点から考えるとケーブルが音に影響を与えている要素は、LCRでしょう。
銅の組成や結晶構造などは音を聴いて有意差が出るのかと疑っています。
線を捩っていなければL(コイル成分)は最小限になっているだろうし、
アンプの入力インピーダンスは10kΩもあるのでR(直流抵抗)の影響も小さいと踏みました。
残るはC(コンデンサ分)です。Cはケーブルの作りによって大きく変わります。
今までの実験ではBelden8412が一番良い音でした。
Belden8412は引張り強度を確保するために導体以外にプラスチック繊維が束ねられています。
この繊維が導体の間隔を保ちCの容量低減に寄与していると推定しました。
マイク等に使う場合には綱引きをしても傷まない程の強度が必要ですが、
使用目的がD/ACとアンプを接続するだけなので大きな強度は要りません。
またシールドをアース線と一緒に結線するので単芯で間に合う筈です。
そのような観点から同軸ケーブルが良い音を出すのではないかと考えました。
同軸ケーブルはインピーダンスが75Ωや50Ωだからアンプの入力インピーダンスと
整合せずミスマッチになると考える人が居られるかも知れませんが、
同軸の場合は特性インピーダンスと呼ばれ通常のインピーダンスと少し違います。
同軸の場合には周波数がMHz以上の高周波では75Ωや50Ωになりますが、
オーディオ周波数帯では高いインピーダンスの高性能なシールドケーブルです。
所用で秋葉原へ行った際に買っておいた同軸ケーブル(3C-2W・S)と無線用RCAコネクターで
一本だけ作ってモノラルで試聴しました。もちろん実験の前にCRC5-56を塗りました。
肝心の音ですが、癖が無く良い感じです。
僅かですが、Belden8412よりも自然な音に聞こえます。
無色透明といった雰囲気の音です。
Belden8412とはコネクターが違うのでコネクターを揃えて再度試聴を行うつもりです。
4-1 ステレオでの試聴 ( '09,08,01 追記)
同軸ケーブルの中心線は細くてオーディオ用のRCAプラグだと引っ張られて断線する可能性があると判りました。
コネクターを揃えるのは無理とわかったので、残りの一本を無線用RCAコネクターで作って2本が揃いました。

モノラルでの試聴では、Belden8412は10kHz以上の高音が弱まっているような感じだったので
その部分が顕著になりそうなジョン海山ネプチューン氏の
アルバム“竹竹”と”トウキョウスフィア”を鳴らしました。
ジョン海山ネプチューン氏はハワイ生まれの米国人で尺八の演奏家です。
尺八の掠れる音には沢山の高調波が含まれている筈との考えです。
また“竹竹”は第5回日本プロ音楽録音賞を受賞しているので録音の良さは折り紙付きです。
2時間かけて聴き比べました。
2時間も聴かなければ判らないほどの微妙な差ですが、強いて表現すれば下記のようです。
尺八の掠れた部分はBelden8412のほうが弱く感じます。
また名前を知らない金属製打楽器の衝撃音では差が顕著になりました。
3C-2W・Sではカチンという衝撃音が強く頭に響きますが、Belden8412では穏やかです。
3C-2W・Sは鮮烈な音ですが、Belden8412のほうが心地よく感じます。
楽器の出す音の総てが心地よいわけではない筈です。
たぶんBelden8412は筆者の脳が不快と感じる周波数帯を弱めるのでしょう。
若い耳ならば、3C-2W・Sのほうが良い音に聞こえるかもしれません。
両者の差は僅かです。どちらが良いかは聴き手の好みによって分かれるでしょう。
4-2 ARTAでの比較 ( '09,08,03 追記)
耳で音の違いが判るのならば電気的な測定でも差が出るのではないかと考えました。
そこで使い慣れた音響解析ソフトARTAを使い、サウンドカードのINとOUTをケーブルで結んで周波数特性を測定しました。
その結果が下のグラフで上側が同軸、下側がBelden8412です。どちらも長さは50cmに揃えました。

この曲線の大部分はサウンドカード(M-Audio社製
Audiophile 2496)の特性が出た結果です。
大きな山があるようですが目一杯拡大した結果で普通に見ると平坦な特性で極めて優秀なサウンドカードです。
分解能を24bit,サンプリング周波数を192kHzで測定しました。
同軸とBelden8412の結果には大きな差はありません。
しかしよく見ると6kHz付近を中心にして両肩が下がっていますが、Belden8412のほうが勾配が僅かに大きいのが判ります。
ちょっと判り辛いのですが、線が階段状になっている位置を比べるとわかります。
この結果は試聴の感じと合っています。
同軸ケーブルのほうが、周波数特性が平坦です。
同軸のほうが自然で鮮烈な音と感じたのは間違いではありませんでした。
我が耳もまだまだ捨てたものでは無いと溜飲を下げました。
4-3 カナレ L-3C2VS ( '09,08,23 追記 )
3C2W・Sは鮮烈な音が出るが、シールドの編み線が二重になっていて太くて適合するコネクターが見つからない。
そのために被覆をカッターで削って細くして無理やりコネクターを取り付けていた。とても面倒な作業です。
容易にコネクターを取り付けられて良い音が出そうな同軸は無いかとネット内を探してL-3C2VSを見つけました。
二重シールドではありませんが、芯線が撚り線です。色も多数用意されています。
3C2W・Sは硬いのですが、L-3C2VSは軟らかくしなやかです。
秋葉原へ出かけた折に九州電気で買いまし
た。80円/mと、とても安価なケーブルです。
下の写真で上は自作したBelden8412、下は今回作ったL-3C2VSでどちらも30cmです。

コネクターは秋月電子で買ったPR-120Nを
使いました。
150円と安価ですが高品質のコネクターです。
音は癖がなく透明な感じで3C2W・Sに似ていますが、それほど鮮烈ではありません。
筆者の耳には、とても自然で良い感じです。特にピアノが美しく魅力的です。
それに比べて自作Belden8412は高音も低音も僅かに弱く極端な表現をすれば狭帯域です。
それに気のせいかもしれませんが、音がざらっぽくなっているように感じます。
しかしケーブルの長さが僅か30cmなのに音に違いが出るのは少し変ではないでしょうか。
もしかするとコネクターの違いが音の差になっているのかもしれません。
ほぼ完全な同軸構造のPR-120Nが
音質に寄与しているのでしょうか。
5.Noise Cut Cableの製作
('09,11,09 追記)
RCAケーブルで音質を低下させる要因として電磁波ノイズが考えられます。
オーディオアンプは低周波回路なので周波数の高い電磁波ノイズ(電波)が
混入しても問題無いと思われがちです。しかし増幅しないのですが影響は出ます。
筆者は以前に自動車メーカーからの委託で車載用特殊センサーを開発した経験があります。
その評価の一環で各種周波数の電磁波に曝した状態での影響を測定する試験がありました。
開発したセンサーはOPアンプを使った低周波回路でしたがGHz帯の電波でも影響を受け誤差が増えました。
この件はEMC対策用フェライトビーズを使って無事に乗り切ることができました。
オーディオ装置を取り巻く電磁波環境は、携帯電話や無線LANの普及で大きく悪化しました。
しかしアンプなどの回路は20年前と大差ないように見えます。
5-1 3C2WSでの製作
('09,11,09 追記)
そこで好奇心からRCAケーブルにフェライトビーズを組み込んだら音が良くなるのではと考えました。
さっそく作ったのが下の写真です。ケーブルは以前の実験で鮮烈な音を出した同軸ケーブル3C2WSです。

3C2WSが太くて同軸用RCAコネクターに入らないのでオーディオ用RCAコネクターを使いました。
専用工具を持っていないのでケーブルを固定するカシメが今一つです。
黒くて小さな円筒が電波のエネルギーを熱に換えて減衰させるEMC対策用フェライトビーズです。
RCAコネクター内部の狭い空間に上手く収めたものだと自画自賛しています。
音は、短時間しか聴いていないのですが良い感じです。
少なくとも悪くなったと感じたところはありません。
従来の3C2WSは鮮烈というイメージだったのですが、少し雰囲気が変わりました。
金属打楽器が出す衝撃音の鋭いところは変わりませんが、自然で聴きやすい音です。
はっきりと音が良くなったと感じたのは、ウッドベースの音です。
輪郭が鮮明になり余韻が滑らかになりました。
そのせいか、このケーブルで音楽を聴くようになってからアンプの音量が小さめになりました。
空間を漂う電磁波は、従来考えていた以上に大きな影響を与えているようです。
もしかするとディジタルアンプは電磁波の影響を受けやすいのかもしれません。
5-2 先輩H氏によるフェライトクランプの実験
('09,11,12 追記)
以前の仕事で指導して頂いた先輩から下記の様なメールを頂きました。
貴ホームページのノイズカットケーブルの記事、拝読し私も実験してみました。
小径のフェライトコアがないのでケーブル全体を覆いましたが
試聴の結果貴兄が言われる通りキンキン感がとれ聞き易くなった感じがします。
静か(といって高音が減衰した感じはない)になった分
貴兄とは逆にVRは大きくして聞いています。
とりあえず当方の実験結果のご報告まで。
早速御願いして下の写真を頂きました。

使用している機器も教えて頂きました。
ケーブル: ベルデン、8412(1m)完成品
アンプ: TA2020
ディジタルアンプ
CDP: デノン、
DCD1650AE
SP: フォステクス、G1302
フェライトクランプ: SEIWA、E04SR241336A
秋月で100円?(200円?)
筆者にはケーブルの外側からフェライトクランプを取り付けるという発想が全く無かったのでビックリしました。
自分では確認実験をしていないのでフェライトビーズによる方法との優劣はわかりません。
しかし誰でも簡単に試せるという点ではフェライトクランプが圧倒的に優れています。
5-2 RG62A/Uでの製作
('09,11,24 追記)
RCAケーブルには中心線とアース線の間にコンデンサー成分があります。
必然的にLo Pass Filterとしての性質を備えるので程度の差はありますが、高音が弱まる傾向です。
そのため線間のコンデンサーが小さいほうが高音の伸びが良い音が得られます。
コンデンサが小さいという観点からは、2本の単線やUHF-TV用梯子フィーダーが理想的です。
しかしシールドが無いケーブルは、屋内電源配線からの誘導や電磁波などの影響を強く受ける事が懸念されます。
そこで線間のコンデンサーが小さい同軸ケーブルを使えば3C2WSよりも良い音が得られるのではと考えました。
一般に無線通信で使われる同軸ケーブルは特性インピーダンスが50Ωか75Ωです。
特性インピーダンスが高いほうがコンデンサが小さいので従来は75Ωの3C2WSやL-3C2VSを使いました。
Web上で75Ωよりも特性インピーダンスの高い同軸ケーブルを探したところRG62A/Uを見つけました。
特性インピーダンスは93オームでコンデンサは3割減です。
コンデンサを減らすために特殊な構造で空気を絶縁体に使っています。
芯線は銅線ではなく鋼線に銅メッキを施した単芯です。これは芯線が曲がってシールドと接近するのを防ぐ為でしょう。
今迄に試した同軸ケーブルとは、だいぶ様子が違うのですが
空気による絶縁になっている点や芯線が鋼線で曲がり難い事はオーディオに適していると考えました。
仕事で秋葉原へ出かけたついでにオヤイデ電気でRG62A/Uを買いました。1mが220円でした。
鋼線は硬いのではと心配したのですが、実際に手にとって曲げてみると3C2WSと同じ位の硬さで問題ありません。
その他の材料は3C2WSの場合と同じです。
組み立て作業は1時間程で済みました。長さはBelden8412と同じ50cmです。
L-3C2VSでは芯線が細くて切れやすく何度か失敗したのですが、
RG62A/Uは芯線が鋼線なのでカッターナイフで切り落とす事も無く簡単に剥けました。
写真は3C2WSと同じようなので省略しました。
(1) 自作円筒形SPでの試聴
肝心の音ですが、各楽器の音が華やかになり個々の魅力が増しました。
解像度が一層高くなった感じですがキンキンせずに繊細な音です。
ダイナミックレンジが拡がったようにも感じます。
今迄試作したRCAケーブルでは最高の音です。
理論と結果が一致し納得できる美しい音が出ました。これでRCAケーブルは卒業できそうです。
(2) Yoshii9での試聴 ('09,11,29追記)
11月28日にSutudioEnzaで開催された試聴会で参加者に聴いて頂きました。
使用した機材はSONY製ウオークマン+HRDAC-01+Yoshii9エンジン+Yoshii9スピーカーです。
比較したのはBelden8412と普段StudioEnzaで使っているケーブルです。
評価にはジョン海山ネプチューン氏のアルバム“竹竹”と
シェリング氏の無伴奏バイオリンソナタをを聴きました。
竹竹は尺八をはじめ総て竹で作った楽器で奏でたジャズです。
Yoshii9での音もノイズカットケーブルと他のケーブルでは、顕著な差がありました。
自作した円筒形SPで聴くよりも差が大きく感じました。優れたスピーカだと差が際立つのでしょうか。
参加者の大部分がノイズカットケーブルの音が良いとの意見でした。
参加者からノイズカットケーブル以外では『竹で作ったビブラホンの音が、木琴のよう』との意見がありました。
これは高音の減衰が大きい結果と思われます。理論と実際が一致した結果です。
バイオリンを弾くSutudioEnzaの若いスタッフは、
『ノイズカットケーブルの低音には馥郁とした響きがあるが、他のケーブルでは感じない』との意見が在りました。
筆者も低音が違うと感じましたが、理由は判りません。人の音に対する感覚は理解し難いです。
音が良かったのでSutudioEnzaのオーナーからノイズカットケーブルを使いたいとの要望がありました。
時間ができ次第、作って提供する予定です。
(3) RCAプラグの変更 ('09,12,16追記)
先にSutudioEnzaで行った試聴会で
Yoshii9に差し込むとRCAプラグが僅かに拡がり、
他の機器へ差し込んだ際に緩くなると指摘されました。
そこでRCAプラグを下の写真のようにコールド側がテーパー状になっている物に変更しました。

テーパーの無いプラグではRCAジャックが僅かに太くても抜き差しが堅くなり、
少し細いとゆるゆるになります。適応できる範囲が狭いのです。
それに対してテーパー状では抜き差しに必要な力に変化が少なく良い感じでした。
音は時間をかけて試聴しましたが、以前のプラグとの違いを感じませんでした。
このケーブルはSutudioEnzaへ提供し
ました。同スタジオではYoshii9で試聴できます。
(4) コレット・チャック・プラグでの試作 ('10,10,21 追記)
RCAプラグにコレット・チャックを採用している物がある。
普通のプラグはコールド側の弾性で接触を保っているが、
コレットチャックでは更に円筒ネジで締め付けます。
電気的な接触の信頼性が向上するれば音が良くなるかも?と考え試しました。
試したのは、TMSジャパン製TDB-6623Gです。ちょっと値が張ります。
http://www.marumo-p.com/item/m05-1023.html
今迄に使ったRCAプラグとは随分と様子が違います。
ケーブルの固定もカシメではなくコレット・チャックで締めて固定します。
ところが使用した同軸ケーブル(RG62A/U)は細くて締められません。
そこで熱収縮チューブを二重に被せ太くして固定しました。
これによってコレット・チャックで締める部分が硬くなり強度が増しました。

充分な強度が在り信頼性が高そうですが、問題がありました。
下の写真はKAFー5002に差し込んだ様子です。
プラグが太く、RCAジャックの間隔が狭くてRLのプラグが接触しています。

上の状態で試聴しましたが、問題なく使えました。
他のアンプでは如何かと試しました。
中国製のTopping TP21では問題なく使えましたが、
同じく中国製のLihao Acoustic IVでは1本しか差し込めませんでした。
音への影響を調べる為に以前に作ったノイズカットケーブルと比較しました。
前作はHRDAC-01と一緒に貸し出し中なので最初に作ったコールド側にテーパーの無いケーブルとの比較です。
僅かにコレット・チャック式のほうが低音が良いように感じます。
比較に使ったケーブルはコールド側が広がったようで緩い感じです。
接触が良くないのかもしれません。
その後、貸し出したテーパー状プラグが戻って来たので比べました。 ('10,10,22 追記)
筆者の耳では違いは感じれれませんでした。
普通の使用ならばコレット・チャックの必要性は無いようです。
試作したケーブルをスタジオ・エンザへ持ち込んでYoshii9を鳴らして頂いた。 ('10,10,24
追記)

iPhone-3G + ND-S1改 + AudioQuest OptiLink5
+ HRDAC-01
+ コレット・チャック式ノイズカットケーブル
+ YA1 + Yoshii9 という豪華なシステムです。
従来のノイズカットケーブルと取り替えて音を比べました。
筆者の耳では差を感じませんでしたが、
スタジオのスタッフで音楽家のY.Y氏はコレット・チャック式のほうが良いとの意見でした。
コレット・チャック・プラグは値が張りますが、耳の良い人には相応の価値があるようです。
試聴にはク
イケン氏のバッハ無伴奏を鳴らしました。
このCDには立体的な残響が含まれていますが、従前よりも少し鮮明のような気がしました。
スタジオの御好意で使わせて頂いたY.T氏が所有するAudioQuest
OptiLink5の効果のようです。
石英ガラス製のファイバーを使ったと箱に書いてありました。高価だそうです。
(5) チップフインダクターでの試作 ('11,03,22 追記)
以前に「趣味の工作」の記事を参考にNoise Cut
Cableを作られた読者から
結果報告をメールで頂きました。大変嬉しい事です。
その検
証実験でNoise Cut Cableは通過周波数帯域が広すぎるのが判りました。
通過周波数帯域を狭めれば音質が向上するかもしれません。
そこで従前よりも低い周波数まで減衰させるフェライトビーズを探したのですが、
見つけられませんでした。
しかしチップインダクターで良さげな物を見つけました。
チップインダクターは表面実装用に改良されたフェライトビーズの仲間です。
表面実装用なので従前のように同軸ケーブルの芯線には通せません。
当初は“空中配線”で巧にコネクターと同軸ケーブルの間に半田付けしたのですが、
一ヶ月程の試用期間に左右とも音が出なくなり失敗しました。
チップインダクターの半田付け面が剥離したようですが、小さくて見えません。
そこで小さな両面プリント基板を作りチップインダクターを載せました。
その基板をRCAコネクターの中心極に半田付けして固定しました。

写真の基板は幅6mm、高さ5mm、厚さ1.5mmで強度の高いガラスエポキシ製です。
RCAプラグには、ちょっと値の張るコレット・チャック式を使いました。
通常のRCAコネクターは金属のカシメでケーブルを固定しますが、
保持が緩くケーブルを曲げると芯線に張力が掛かります。
これが基板に伝わると長期的な使用ではパターンの剥離が懸念されます。
そこでケーブルを強く締め付けるコレット・チャック式を使いました。
また半田も割れにくいスズ50%を使いました。
名前が無いと紛らわしいので、この新作ケーブルをNCC3と命名しました。
試聴はRCAプラグで差が出るのを避けるため以前に作ったコレット・チャック式ノイズカットケーブルと
差し替えながら比較しました。使用機器は下記です。
iPhone3GS + 改造ND-S1 + HRDAC-01 + NCC3 + 改造TP21 +
円筒系SP(改造プロトタイプユニット)
ジョン海山ネプチューン氏のアルバム“竹竹”とAudioPhile Testを鳴らしまし
た。
大きな変化は期待していなかったのですが、明らかな違いが在りました。
NCC3のほうがピアノの音が艶やかです。何となく音楽が静かに感じます。
高音が弱くなっている感じは無く、解像度も甘くなっていません。
今迄に扱ったケーブルで一番良い音です。自画自賛ですが良い出来栄えです。
ノイズ(電波)の混入は想像以上に音を汚していたようです。
しかし筆者も耳の性能低下が懸念される歳なので、耳に合っているだけかもしれません。
都合が付き次第、スタジオエンザへ持ち込んで聴いてもらおうかと考えています。
映像信号ではどうなのかとTVに繋いで試したところ従前のNoise
Cut Cableに比べ
僅かに解像度が甘くなった気がします。狙い通り通過帯域が狭くなりました。
(6) REAN NYS3732による試作 ( '11,12,29 追記 )
NCC3ではコレクトチャック式RCAプラグを使いました。
音は最高ですが、使ってみると問題がありました。
第一の問題は本体側のジャックが廻ってしまう事です。
プラグを抜こうとする際にチャックを緩めるのですが、
普通のネジを緩めるように左へ廻すと締まってしまいます。
その結果、差込まれていた本体側のジャックが廻って緩んでしまう事があります。
第二の問題はプラグが太い事です。
ノイトリックス製の廉価なプラグの直径は11mm程度です。
それに対してコレクトチャック式は15mm近い太さです。
Yoshii9やHRDAC-01など殆どの機器では問題無いのですが、
KAF-5002では隣のプラグと擦れ合います。
そこでケーブルをチャックで締め付けて固定する方式で細い物を探しました。
普通のプラグはケーブルを金属の外極で、かしめて固定するのですが、
微小基板へ半田付けされた芯線がストレスで剥離する恐れがあるので使えません。
良い物が見つからず探し続けているうちに福島原発の事故が起こりました。
自らの必要性からガイガーカウンター作りに時間を費してしまいました。
最近になって時間に余裕ができたのでRCAジャック探しを再開しました。
Webを探し回って見つけたREAN NYS3732が使えそうでし
た。
REANはノイトリックス社が中国で製造する際のブランドだそうです。
さっそく入手して試作したのが下の写真です。

このプラグは半田付けと組み立てが難しく閉口しました。
特殊な構造でシールド部の線を金具の外側に半田付けするのですが、
半田の厚みが0.2mmを越えるとケースをねじ込めません。
そのため半田付けの後にやすりで形を整えねばなりません。
またケースをねじ込む事でケーブルを固定するのですが、
これが固くてステレオ用赤白2本(4箇所)を組み立てたら指の皮が剥けそうになりました。
作ってから10日すぎたのですが、今は皮が厚く硬く変質しています。
このプラグは太さ6mmのケーブル迄が使用範囲です。
しかしRG62A/Uは6.2mmです。無理矢理使ったので固かったのです。
組み立てるのに手が掛かるプラグですが、使用には問題が在りません。
同軸ケーブルとの太さのバランスも良い感じだし、ジャックへの挿入感も適度に固く信頼感があります。
また異なる種類のRCAジャックへ差込んでも固さが適度でいい感じです。
音はNCC3と変わりません。
先日の試聴会で使いましたが、良い音を出していました。
これをNCC3Aと名付けました。
(7) K.A氏による試聴
('12,01,22 追記)
HRDAC-01のユーザーで80μケーブルを研究しておられるK.A氏に
REAN NYS3732で作ったNCC3Aの
試聴をお願いしました。
以下は同氏から頂いた感想です。
3日ほどかけて当方自作の80μ
ケーブルと比較試聴させていただきました。
バイオリンのCDやら打ち込みのCDやら、
手持ちの音源でいろいろと楽しませて頂きました。
1.音質傾向
最初に感じたのは低音域が比較的伸びていくこと。
ギターソロ+ボーカルの音源などで聞いてみると、ボーカルが
キーの低い部分を歌った場合のいわゆるこぶしの部分の伸び具合な
どで結構な違いを感じます。音源によってはNCC3Aの方が気持ちよく
思えるものもあります。
聴きやすさでいきますと私の80μの方に軍配をあげる感じですが、
好みの世界もあるかと思います。(印象としては低音部の量感が80μ
より多く、中・高音域を多少食っており、少々つかれる)
生演奏系のCDとかですと、いい意味で音が迫ってくるような迫力を感じました。
不要な振動をそもそも産まないのが80μ、出てもきちんと対策を施
したものがNCC3A、といった感じでしょうか。自然水と浄水器できち
んと処理された純水の違いのような・・・?
2.耐久性や品質面などについて
私の80μは半田不使用、かつ0.08mmの単線のため耐久性はほとんど
ありませんので頻繁な持ち運びはできません。NCC3Aはそのあたりは
まったく心配ないレベルかと思います。
個人的に若干気になったのはプラグです。
ラベルのある方とない方で同じプラグを使われていると思います
が、HRDACに挿し込むしてもYA1に挿し込むしても片方はそれこそ強
い力で押し込まないといけなく、コネクタに負担が強く、もう片方
は比較的緩めです。個体差などがあるのかもしれませんね。
注:この問題の原因はREAN NYS3732ではありません。
組み立てる際にゴムを巻いてバイスで締めた為に歪んだと思われます。
次に作業する際は何か対策を施しましょう。
3.想定価格等
値段等を伺わったわけではないですが、以前試聴したラダー型
ケーブルより解像度は高いので、12000円〜15000円前後なら購入者
が不満持たない音じゃないかと思います。
プラグの個体差はなくす方が良いですねぇ・・・。ここだけが心残りです。
6.まとめ ('09,12,20追記)
従来のオーディオ用RCAケーブルでは、編み線によるシールドでノイズを排除できると考えていたようです。
しかし編み線によるシールドは完全ではなく漏れがあります。
ケーブルには寄生するコイル分とコンデンサー分によって潜在的にフィルターとしての
機能が備わっているためにノイズは弱めらます。
潜在的なフィルターの周波数特性がノイズを弱めるだけではなく音声周波数帯まで影響を及ぼすために
その特性によって洋楽に適したケーブルや邦楽に向いたケーブルなどと評される物が存在します。
また録音の際に使ったケーブルを再生にも使うと良い音が出るとの説がありますが、
異種のケーブルを使うと夫々の通過させる周波数帯域のズレによって
総合的な周波数帯域が狭まる可能性があるので嘘ではなさそうです。
ノイズカットケーブルでは、従来は曖昧だった信号伝達機能とノイズ排除機能を分けて考えました。
最も音声信号へ影響を与えずに伝達する“空気“同軸ケーブルと高周波ノイズだけを弱める
フェライトビーズを組み合わせる事によって音質を損なわずにノイズだけを排除しました。
これによって高音の強さや解像度を損なう事無く信号を伝達するので透明感の高い高音を楽しめるようになりました。
中低音も明らかに魅力が増しましたが、理由が判りません。
楽器の音は基音(基本周波数)と倍音(高調波)によって構成されていますが、
ノイズカットケーブルはそのタイミングを乱さないからではないかと考えています。
7.読者の試聴報告 ('10,01,26 追記)
SutudioEnzaでノイズカットケーブルを試聴された読者
(Y.T氏)より結果を報告するメールを頂きました。
’10,01,23(土)に催されたタイムドメインサロンコンサートで試聴されたそうです。
*********************** 以下は、Y.T氏より頂いたメールです。****************************
昨日スタジオエンザにてノイズカットケーブルと
手持ちのオルトフォンAC3600の比較及び光デジタルと同軸
デジタルの比較試聴を行って参りました。
結論は、ノイズカットケーブルの圧勝でした。
勿論AC3600もエンザでお使いのビクターに比べると良いのですが、
ノイズカットケーブルからするとドンシャリ+シンバルだけ強調
(銀メッキの効果でしょうか)と不自然なものでした。
また松下のSU-XR57デジタルアンプとパイオニアのDVDプレーヤーを光と同軸でつないで、
音を出しながら 光デジタルと同軸デジタルを切り替えて試聴しましたが、やはり
光デジタルは音が痩せて聞こえました。
小川様のWebページの追証になりますが、小川様のDACでは光入力でも
同軸デジタルと遜色無いことから、
光デジタルが音が悪いとの評判は アンプの回路設計の問題と確認いたしました。
ちなみにSU-XR57は当方も購入いたしましたが、
HDMI/光/同軸/アナログ の音声入力を備えた市販のAVアンプの中では最も癖が少ないアンプと
思われます。
********************************************************************************
8.映像信号への適用 ('10,11,26
追記)
読者のI.A氏からメールを頂きました。
“趣味の工作”の記事を参考にノイズカットケーブルを作られたそうです。
試聴して音が良くなったのでTVの映像もと考えて試したところ綺麗になったそうです。
正直の処、想定外でした。
筆者は周波数帯域が狭まり画の輪郭が甘くなるので使えないと考えていたからです。
早速自分で試す事にしました。
ところが我が家のTVはDVDとの接続にHDMIやSケーブルが使われています。
そこでCATVのチューナーとTVを結ぶケーブルをRCAケーブルに替えて試しました。

その結果、僅かですが絵が綺麗になりました。
しっとりと落ち着いた感じです。
絵のモヤモヤが減り明暗の階調が増したようです。
輪郭も甘くならず画質の低下は見られません。
しかし結果は諸手を挙げて喜べるものではありません。
オーディオ用ケーブルなので音声周波数帯域だけを通し、
それよりも高い周波数は排除するのが理想ですが、
映像周波数帯までも損なわずに通しているのです。
ノイズカットケーブルは10MHz以下無線周波数帯域の減衰が不十分と判りました。
その周波数帯を減衰させれば更に音が良くなるかもしれません。
I.A氏からのメールで改良すべき点が見えてきました。多謝。
9 電気的な評価方法の模索 ('11,03,05
実施)
先にコレクト・チャック・プラグでノイズカットケーブルを試作し、
試聴したのだが筆者の耳では差異が判らなかった。
ノイズカットケーブルを改良するアイデアがあり試作しようとしているのですが、
客観的な評価手段が無いと甚だ不便です。
そこでRCAオーディオケーブルを電気的に評価する方法を模索しました。
手持ちの発振器(ファンクション・ゼネレータ)で特殊な波形を作り、
RCAケーブルを通してオシロスコープで観測しました。

オシロスコープは帯域幅500MHz、隣は発振器です。
画面には1kHzの矩形波を表示しています。
ケーブルの端には10kΩの擬似負荷抵抗を接続しています。
これは対象としているアンプの入力抵抗に合わせました。
ノイズカットケーブルの想定抵抗値とアンプの入力抵抗が合わないと
ノイズ排除能力を発揮できず良い音が出ません。
特に真空管アンプのように入力抵抗が高い場合に難しい筈です。
筆者には不特定の入力抵抗で良い音を出すケーブルを作るのは不可能です。
しかし市販の高級オーディオ用ケーブルでも入力抵抗の最適値を指定している物を
見た記憶がありません。何故か判りません。
下の写真で黄線は1kHzの鋸波に512kHzの正弦波で変調した波形です。
黄線で急激に降下している部分を1000倍に拡大したのが下の赤線です。

1kHzと512kHzで位相がずれ、ケーブルによって違いが
見られるのではないかと期待して実験しました。
結果は期待外れでした。オシロに付属しているプリンターで
波形を紙に記録し、他のケーブルの記録紙と重ねて光に透かし
差異を見出そうと頑張ったのですが、違いは見つかりません。
波形を矩形波や正弦波に変えて試したのですが、
同様に差異は見つかりませんでした。
実験は完全に失敗です。
音を聴き比べると顕著な差があるのですが、
電気的に評価するのは簡単ではないと判りました。
それにしても人の聴覚は凄い能力を備えていると
改めて認識しました。