Front Page                                                                                                                                2017,03,17

JGAURARO A3 組立て記

中国製3Dプリター( JGAURARO A3 )のキットを組み立てた。
仔細な問題は幾つか在ったが適切に対処し、実用できる3Dプリンターが完成した。

このキットは組み立てる過程での工作を楽しみ、完成後は3Dプリンターとして立体造形が楽しめる。
誰でもが組み立てられる程に簡単なキットではないが、スキルが在る方には御薦めの一品だ。

以下に自分が工夫した点を中心に解説した。初心者には難しいかもしれない。
                       

注1:写真ではスプール・スタンドに自作品を使っているが、キットには別置きの透明アクリル製が付属している。
注2:Y軸の電線保護チェーンSDカード延長アダプターは自作です。キットには含まれていない。
注3:Web上の機種名はJGAURORAとJG AURORA、JGAURAROとが混在しているが、記事ではJGAURAROに統一した。

1. 購入の背景

昨年、中国製CNCフライスを3Dプリンター化した。それを使ったところ大変に便利だった。
しかし高さが4cm迄しか印刷できなかった。せめて高さ10cm迄印刷できれば応用範囲が広がる。
CNCフライスのZ軸を延伸するのは不可能に近いのでReprapの製作を考えた。
Reprapはファームウエアーが開示されており部品も入手しやすそうだった。

しかし部品を買い集めるだけで、多額の出費になりそうだし労力と時間が掛る。
Amazonで3Dプリンターを検索すると5万円以下の組み立てキットが沢山出品されている。
その程度の金額ならば好奇心を満たす対価として見合うと考え買って試す事にした。

また実用にならなくともReprap用の主要部品を入手でき無駄にはならないと考えた。

5. Y軸の組立て

Y軸系は性能を左右する重要な部位なので要所の長さをノギスと物差しで測り正確に組み立てた。
組立て後のよじれを防ぐ為に、我が家では一番平らと思われる火燵の上で作業を行った。


◎バネ座金が無い
驚いた事にオリジナルの設計では、バネ座金(スプリング・ワッシャー)が使われていない。部品表にも無い。
これではネジのゆるみ止めが不十分と思われたのでM8のSUS製をホームセンターで買って組み込んだ。

添付されたSDカードに在る画像を見るとアルミ製厚板の部分は、当初の設計ではアクリル製だった。
アクリルではM8ナットにスプリングワッシャーを入れて強く締めたら割れる恐れがある。
それを避ける為にスプリングワッシャーを使わなかったのだと推測している。
アルミ厚板製に替えてもスプリングワッシャーを追加するのを忘れたのだろう。

◎M8スパナが合わない
M8のナットを廻す為に付属しているスパナが合わずガタガタだったが、僅かに掛るので何とか廻せた。

◎ナイロンナットへ置き換え
ネジ棒の両端はダブルナットにして緩みを防ぐ設計だったが、緩み防止効果の高いナイロンナットに置き換えた。
予めナイロンナットの位置をノギスで測って決めてから反対側のナットを締めたので位置決めが容易だった。

その後(3/29)、AMAZON / JGAURARO A3の商品説明に在る写真を見て興味深い事に気づいた。
拡大機能を使ってダブルナットの部分を見ると、ダブルナットに種類の違うナットが組み合わされている
しかも、その端に使われているナットはナイロンナットに酷似している。これならガッチリと締まるだろう。
キットに入っているM8のナットは一般的な物が一種類だけなので、写真に使われているナットはキットとは違う。
キットと違うナットを使った写真を商品説明に使うのは如何な物か。

アーレン・レンチが使えない
磨き棒を固定するのにM3の芋ネジが使われている。
これをまわす為にアーレン・レンチ(六角棒レンチ)が付属しているが、ゆるゆるで廻せず使えなかった
仕方なく手持ちのアーレン・レンチを使った。

◎箱型ベアリングの間隔調整
Y軸移動プラットホームを箱型ベアリングへ取り付け、滑らせたところ重くて滑らかに動かなかった。
調べたところ、左右のベアリング間の間隔よりもネジ穴の間隔が0.3mm程広い様子だった。
丸棒ヤスリで穴を僅かに横長にして組み立てたところ滑らかに動くようになった。
これで添付SDカードに在る「A-3アッセンブリ・ダイヤグラム」に示された組立て方の通りだ。


ところが、Yutubeに在る"JGAURORA A-3 installation video 1" での組み立て方は少し違った。
プラットホームを箱型ベアリングへ取り付ける際に、black shimにネジを通せと指示している。
形状から見てblack shimとは前出のM3 rubber gasket を指しているようだ。
しかし何の目的でblack shimが必要なのか判らない。騒音対策かもしれないが、
ネジ穴の間隔が0.3mm程広い問題を誤魔化す為ではないかと疑っている。

部品を余らせても無意味なのでblack shimを入れて組立て直した。
なお、前出のビデオではM3のネジをM4と間違えているようだ。

◎スプロケットの反転
X軸とY軸駆動モーターには、当初からスプロケット(歯付きベルト用歯車)が取り付けられている。
Y軸駆動モーターを、ブラケットへそのまま取り付けると歯付きベルトが斜めになってしまう。
これを防ぐために、スプロケットをモーターの軸から抜いて反転して取り付けねばならない。

添付SDカード内の動画に英文の字幕で、そのような説明が出るが見落としがちで要注意だ。

X軸駆動モーターにもY軸用と同じくスプロケット(歯付きベルト用歯車)が取り付けられている。
こちらは反転せずに、そのまま使う。ちょっと紛らわしい落とし穴だ。

6. Z軸の組立て

Z軸の支持には厚さ1cmのアルミ厚板が使われている。その固定はシャシーの内側からM6のビスで締める。
そのM6のビスにバネ座金が無い。そこに平座金とバネ座金を追加した。全部で8組だ。



7. X軸の組立て

X軸には、問題は無かったが、磨き棒を左右の昇降板へ差し込む際に簡単には入らないので工夫した。
JGAURORA A-3 installation video 2ではゴムハンマーで叩き込んでいる。



手元にゴムハンマーが無かった事と衝撃を与えて昇降板が割れては困る。
そこで磨き棒を電動ドライバーの先に取り付け、廻しながら押し込むと奥まで簡単に入った。
たぶん摩擦熱でプラスチックが僅かに溶けるからだろう。

手順は先ず右側の昇降板へ磨き棒を差し込み、穴を広げてから磨き棒を抜いた。
次に左の昇降板へ磨き棒を差し込み、穴を広げておいた右側の昇降板を嵌め込んだ。
その後、左右の間隔を駆動モーターの軸に間の幅に合わせるべく、ドライバーの柄で軽く叩いた。

これをZ軸の台形ネジに嵌めた。嵌める際に左右の台形ネジを指先で捩るのだが、
軽く回らない場合には昇降板の左右の間隔が適切ではないと思われる。

8. Y軸の傾斜と対策

添付されていた組立て資料の通りにY軸駆動系をフレームへ組み込んだ。
火燵の天板の上に置いたところY軸駆動系の後端部のアルミ板が天板に密着せず1.5mm程浮き上がっている。
前端部は密着しているのでY軸駆動系は僅かに傾斜し後部ほど高くなっていた。

Y軸駆動系を単体で天板の上に置くと前端部も後端部も密着するのでY軸駆動系の組立てミスではない。
Y軸駆動系の後端部はフレームの底板に乗っているので鉄板の厚み分だけ高くなる。
この設計だとY軸駆動系の重量の半分程度をフレームが支えるので、Y軸駆動系との結合部に複雑な力が掛る。
特に気になるのは、ベッドの移動に伴う反力をフレームの直立面が受ける事だ。
その力がフレームの歪みを生じ、ノズルのゼロ位置が不安定になる要因となると考えた。

問題を解消すべくY軸駆動系の後端部をフレームよりも後ろへ突き出したが浮きは減らなかった。
今度はY軸駆動モーターがフレームの底板に当たっていた。


仕方なくY軸駆動系の両端を少し持ち上げる事にした。
近傍のスーパービバホームで適当な材料を探したところ、ゴム製アングル棒粘着材付きを見つけた。
これをY軸駆動系の両端に貼り付け、上の方向へ2.5mmほど持ち上げた。


これでY軸駆動系は水平になったが、Z軸用の原点検出スイッチとの間隔が2.5mm狭くなってしまった。
この問題を解消するために、ゴム棒の切れ端をZ軸昇降版の原点検出スイッチと接触する部分に貼り付け補正した。

9. 電子基板の取り付けとケーブル処理

添付資料では両方の基板をプラスチックネジで固定する事になっているが、部品表にプラスチックネジは無い。
Youtubeの"JGAURORA A-3 3D printer video 3 adjusting and printing"では金属製のネジが使われていた。
どちらでも良さそうだったが、手元にポリカーボネート製のM3が在ったので、これを使った。


また液晶基板と制御基板を結ぶフラットケーブルは添付資料とは違うシールド付が使われていた。
外皮が銅箔なので液晶基板と接触すると故障や誤動作の原因になりそうだ。
そこで、その部分にビニールテープを巻いて絶縁した。

また要所にワイヤークランプを用いて電線を固定した。
開け閉めができるので試行錯誤には便利だ。

10. 電源への配線

直流電源へ繋ぐAC100Vの電線は切りっぱなしだった。下の写真は被覆を剥いたところだ。
これを繋ぎこむのは怖いので圧着端子を取り付けてから接続した。

黄色はアース線だ。日本のコンセントにはアースが無いので無意味だが繋いだ。

11. 機能試験

液晶パネルを見ながら各部を個別に操作して機能を試し総て正常に動いた。

先ずX軸、Y軸、Z軸を確認した。次にAuto Homeを行い正常に動いた。
ここまでの試験でX軸、Y軸、Z軸のモーターと原点検出スイッチの機能を確認できた。

次にエクストルーダーのモーターを確認すべく操作したが動かない。
若しやと思い手動動作でノズルの温度を180℃まで上げてから、
エクストルーダーのモーターを操作したところ回った。
エクストルーダーのモーターはノズルが低温だと回らない
フィラメントが融けていない状態でモータを廻すと故障の可能性があるので
保安機能がプログラムされていた。良くできている。

その後、Bedの加温を手動操作で行い赤外線温度計で確認した。

12. 注油

XYZ軸の磨き棒とベアリング、Z軸の台形ネジに注油した。
いつもCNCフライスの保守に使っているスプレーのモリブデングリースを塗布した。
これによってリニヤベアリングのシャーという感じの動作音が消えた。

注意:上記の内容が一部の読者に誤解を招いてしまったようだ。
新たにグリースを買うならば、値の張るモリブデンではなく普通の潤滑用で充分。
例えば安価なウレアグリースなど。

13. Curaの設定

添付されていたSDカードにCuraと設定ファイルが入っていた。当初はそのまま使った。
しかし不便な所が在ったので修正した。

ベッドサイズの変更
当初は200*200になっていた。それではベッドの中央に印刷しないので260*260にした。
位置のオフセットを設定できれば良いのだがCuraでは、方法が判らない。
読者(T.Y氏)がオフセットの設定方法を紹介してくれたので後述した。感謝。




印刷開始時のGコード
印刷開始のノズル位置(X)を+30mmにしてベッドの上に掛るようにした。

;Sliced at: {day} {date} {time}
;Basic settings: Layer height: {layer_height} Walls: {wall_thickness} Fill: {fill_density}
;Print time: {print_time}
;Filament used: {filament_amount}m {filament_weight}g
;Filament cost: {filament_cost}
;M190 S50   ;Uncomment to add your own bed temperature line
;M109 S195  ;Uncomment to add your own temperature line
G21        ;metric values
G90        ;absolute positioning
M82        ;set extruder to absolute mode
M107       ;start with the fan off
G28 X0 Y0  ;move X/Y to min endstops
G28 Z0     ;move Z to min endstops
G1 Z15.0 F600      ;move the platform down 15mm
G92 E0                  ;zero the extruded length
G1 F200 E5           ;extrude 5mm of feed stock
G92 E0                  ;zero the extruded length again
G1 F3000 X30
G1 F3000
;Put printing message on LCD screen
M117 Printing...


印刷終了時のGコード
終了の際にXYZ軸を原点に戻す命令を削除し、ベッドを手前へ出すように変えた。
これによって印刷物の取出しが容易になった。
また原点検出スイッチを押したままで長時間停めてバネが歪むのを回避した。

;End GCode
M104 S0                     ;extruder heater off
M140 S0                    ;heated bed heater off (if you have it)
G91                            ;relative positioning
G1 E-1 F300               ;retract the filament a bit before lifting the nozzle, to release some of the pressure
G1 Z+0.5 E-5 F300    ;move Z up a bit and retract filament even more
M84                            ;steppe off
G90                            ;absolute positioning
G1 X5 Y200 F1500        ;move Y to 200  ( Rev.1 : 読者からのご指摘でZ20を削除)

ファームウエア
RepRapではファームウエアを自分で書き込まなければならないらしいが、
このキットでは最初から書き込まれている。よってArduino IDEの知識は不要だ。
ゆえにファームウエアに触る必要は全く無い。
自動ベッドレベル設定を組み込む場合には書き換えが必要になる筈だ。

14. ベッドとノズルの間隔確認

写真のように直径12cmの円を印刷してベッドとノズルの間隔を確認している。
このテストパターンを印刷して厚さが均等で全体に密着していれば問題無い筈だ。


上の写真で左は組立て直後でPLA、右は約1ヵ月後でABSだ。

組立て直後は、印刷の度にテストパターンを印刷してベッドとノズルの間隔を確認していたのだが、
狂わないので調整しなくなった。毎回調整しなくとも正常に印刷できる

上の写真で右はマスキングテープを黄土色の3M製に貼り替えてから2日後だ。
オリジナルの青テープに比べて薄い感じだったのでベッドとノズルの間隔を調整した。
その調整をしてから2日過ぎたが狂ってない。青テープの使用期間では2回しか調節しなかった。
我がJGAURARO A3は、とても安定している。Y軸の傾斜と対策が寄与しているのかもしれない。

Webにはオートレベリングの記事や動画が幾つか見られる。
目的は「印刷の度にベッドのゼロ位置調節を行う」のが面倒だからだそうだ。
自動的にベッドの要所でゼロ位置を検出し、補正計算を行ってくれる。
我がプリンターでは必要性を感じないが、技術的には面白い。

16. 工作への応用 

16-2 MR-9用バッテリーアダプターの製作   ( '17,06 23 作成 )
40年位昔の銀塩フィルムカメラには、水銀電池MR-9が使われていた。
電圧が安定した優れた電池だが、環境負荷が高いとの理由で製造されなくなった。

自分もMR-9を使うフィルム・カメラを何台か持っている。
MR-9が入手できないのでSR44にテープを巻いて太くし、アルミ箔を挟んで何とか凌いでいた。
少々電圧が高いため露出が少し狂うが背に腹は代えられない。

そこで3DプリンターでMR-9用アダプターを作った。
MR-9よりも小さな酸化銀電池SR43を使い、大きさと電圧を整合させた。
 https://www.thingiverse.com/thing:2396344



直径が15mm、高さが5mm程の小さな部品で微細な構造を印刷できるか心配だった。
配線が接触しないように線が収まる溝の深さを0.5mmと1mmに分けた巧く印刷できた。
積層厚は0.1mmで印刷したので良い結果になったと思う。


印刷と配線は簡単だった。配線には直径0.5mmの錫メッキ銅線を使った。
しかしショットキー・ダイオードの半田付けは難しかった。
使用したSB1003M3は米粒大で非常に小さい。
下の写真のように格闘の痕が残る結果となったが、機能には問題が無かった。


ABS樹脂を使ったので半田の熱で大きく溶ける事は無かった。


完成したMR-9用アダプターを下記のカメラで確認した。
PENTAX SPF、OLYMPUS PEN-F、OLYMPUS 35DC

この成功により3Dプリンターは電子工作への幅広い応用ができると判った。

16-4 PASMOケースの印刷   ( '17,07 14 作成 )
自分は鉄道の駅の近くの団地に住んでいる。
都心方向へ出かける際は混み合う道路を避け鉄道を使う。
そのため料金の支払いに便利なPASUMOカードを持っている。

今まではPASUMOカードを財布の中に入れていたのだが、
改札を通る度にショルダーバックを開き財布を取出すのが面倒になった。
そこでポケットに入れようと考えたのだが、
無くさないように紐を付けられるケースを印刷した。


技術的に難しかったのは、カードを挟む溝の印刷だ。
溝の厚みはカードよりも0.1mm広い0.9mmで設計した。
狭いオーバーハングの印刷なのでサポートをつければ除去すのが面倒だ。
印刷物を急冷させるファンを回せば形は纏るが層間の癒着が弱くなる。

そこで本体と押さえ板を別々に印刷してからABS用接着剤で纏めた。
押さえ板の四隅に在る穴は接着剤を注ぐ為だ。これで強く着く筈だ。
完成したケースを手で撓ませて見たが実用に充分な強度が在る。



紐はダイソーで買った伸縮する物で先端に鉤が付いている。

この作品をThingiverseへ掲示した。
https://www.thingiverse.com/thing:2437396



16-5 シートベルト未装着警報対策の印刷   ( '17,09,10 作成 )
シートベルト未装着警報対策は以前にアクリル板をCNCフライスで切削して成功した
ゆえに必要性は無いのだが、好奇心から3Dプリンターで印刷してみた。

下の写真で左から順にアクリル切削、PLA(3D印刷)、ABS(3D印刷)だ。


3Dプリンターではアクリル板のような鏡面は印刷できないが、機能的には充分な物ができた。

興味深いのは印刷物の質感だ。
PLAはノズルの描いた糸に艶が在り安っぽく感じるが、
ABSは半艶消しのようで高級感があり一寸綺麗に印刷できたように感じる。
そのために最近の印刷ではABSを多用している。
ABSの収縮が問題になるような大きな物を印刷する場合だけPLAを使う。

JGAURARO A3を使い始めた当初にはPLAばかり使っていた。
理由は“PLAは甘い香り!!。ABSはプラスチックが焦げた臭い!!。”というWebの情報を信じたからだ。
現時点でもPLAABS匂いのキーワードで検索するとABSは悪臭が出るとの記事が見つかる。

ところが、自作の3DプリンターでもJGAURARO A3でもPLAでの印刷中に匂いは全く出ない。
そもそもプラスチックを融かしただけで匂いが出るのは変だ。
匂いが出るのは温度制御が不安定でフィラメントを焦がすからだと推理した。

そこでABSのフィラメントを購入し印刷を試したところ、悪臭どころか匂いも全く出ない。
推理は的中した。ノズル温度制御の性能が低い3Dプリンターではフィラメントを焦がし悪臭が出るのだ。
我がJGAURARO A3では、PLAでもABSでも印刷中に匂いは出ない
ノズル温度制御の性能が優れているのだと考えている。
フィラメントを焦がさないので、お焦げでノズルが詰まる事も無い。
ノズル掃除用として付属してきた細い針金を使った事は一度も無い。

この印刷に使ったフィラメントは、PLA、ABS共にeSUN製です。

この作品をThingiverseへ掲示した。
https://www.thingiverse.com/thing:2526373


16-6 メジロ用餌台の製作   ( '17,09,23 作成 )
庭にメジロが来る。みかんを半分に切って枝に刺すと房の中だけ綺麗に食べる。
ところが、みかんを見つけたヒヨ鳥がメジロを追っ払い独占してしまう。
食べ終えても高い樹上に陣取り、食べ残しが他の鳥に食べられないように見張っている。
仕方が無いのでヒヨ鳥よけの付いたメジロ用の餌台を作った。


屋根の直径が30cmもある大きなもので、全体を3Dプリンターで印刷できなかった。
そこで主要材料はダイソーで買った。園芸用の植木鉢を置く皿と鉄棒製のスタンドだ。
それらを補完する小さな部品を3Dプリンターで作り組み合わせた。

上の写真の下部にあるパイプへ取り付ける為のソケットだけは収縮の少ないPLAフィラメントを使った。

下の写真は餌台の内部だ。止り木、カップホルダー、キャッチャーなどの白い部品はABSで作った。


ヒヨ鳥の侵入を防ぐために、ナイロン製テグスを張った。
間隔は23mmを目標にしたが、上部が広く下部が狭い。
この間隔でメジロが中へ入れるのか判らない。数ヵ月後に結論が出る予定だ。

この作品をThingiverseへ掲示した。
https://www.thingiverse.com/thing:2549852

16-6-1 使用結果  ('18,01,21 実施)
狙い通りヒヨドリが入れず、メジロが蜜柑を食べられるのを確認できた。


驚いたのはメジロの素晴らしい飛行能力だ。
台の縁に止まってからテグスの間隔を見極め、止まり木へピョンとジャンプする事を想定していた。
ところが殆どのメジロは、隣にある梅の樹の枝から直接に止まり木へ飛び移った。
テグスの隙間が約23mmなので通れないのではと心配したが、杞憂だった。

ヒヨ鳥の侵入防止は想定どおり機能した。23mmの隙間は狭くて通れない。
中に入れないので蜜柑を食べられないのだが、
近くの山茶花の茂みに潜みメジロが餌台に近づくと威嚇して追い払うのだ。
これは想定外だった。


16-7 レヴォーグ用右側フットレストの印刷   ( '17,10,10 作成 )
SUBARU レヴォーグ用のフットレストを作った
下の写真で右端下部に在る小さな長方形が印刷したフットレスト。黒色なので判り辛い。


下はフットレストの拡大写真。足が当たりそうな角には設計段階で3Rの面取りを施した。
糸のほずれや糸引きは全く無かったので後加工は無しで済んだ。


大きさは、幅20mm、奥行き20mm、長さ40mmだ。
黒色のABSフィラメントを使った。印刷条件は以下の様だ。

層高厚:0.2mm、表皮厚:1.2mm、引き込み在り、天井と底の厚さ:0.6mm、充填:20%。
印刷速度:50mm/s、ノズル温度:240℃、ベッド温度:85℃
サポート:無し、ラフト:無し         印刷時間:40分
いつもの様に印刷前のZ軸のゼロ調節も行わず印刷した。

ノズルが吐き出した糸の融着を確実にして強度を高める為に、冷却ファンは止めて印刷した。
印刷したフットレストを手で壊そうとしたが、頑丈だった。強度に問題は無い。

固定用ビスを通す直径4.5mmの貫通丸穴とナットを入れる六角の穴も精度よく印刷されていた。
ナットで締め付ける部位の厚みは5mmで設計した。ビス・ナットを強く締めてもブカブカしなかった。
フットレストとして充分実用になるレベルに仕上がった。

16-9 カメラ用マウントアダプターの印刷   ( '17,12,28 作成 )
Bronica ETRという銀塩フィルムを使う中型一眼レフカメラを持っている。
そのレンズをNikon製のデジタル一眼レフへ取り付ける為のアダプターを3Dプリンターで作った。


詳細はこちら

16-10 Arduino用ブレッドボードホルダーの印刷   ( '18,06,02 作成 )
一ヶ月前からインターネットを使って遠方の温度や湿度を観測するIOTの勉強を始めた。
端末に使うコンピューターはAruduino UNOだ。
実験用のセンサー等はブレッドボードに組んだ。

Aruduino UNOとブレッドボードの間に沢山の電線が渡るので移動等で扱いにくかった。
そこでThingiverseに在る作例で一体化できる物を探したところ
Arduino w/Breadboard Holderを見つけた。
早速ダウンロードして印刷し組み込んだのが下の写真だ。

Arduino UNOの上にイーサネットシールドを重ね、
気圧、温度、湿度、照度を測りCayenneへ送っている。

ブラウザーでCayenneに接続すると下図の様な感じで表示される。



イーサネットは有線で使い勝手が良くないのでWiFiでも試している。
下の写真はArduinoの開発環境でプログラムできるWeMos D1で試している様子だ。
このHiLetgo社が扱うボードは、WiFiまで組み込まれて僅か\810-という廉さで驚きだ。

CayenneによりLEDの点滅、温度の測定を行っている。
黄色のLEDが遠隔操作によって点灯しているのだが、写真では良く分からない。

ブレッドボードはHiLetgo社が扱っている400穴の小さな物を使った。
大きさは84mm*84mm*9mmだ。値段は5個で\680-だった。驚くほど廉い!!。
しかもHiLetgo社からの買い物が二千円以上だと配送無料になるので
前出のWeMos D1を2台同時に購入し金額を\2,300-とした。
このブレッドボードは、一部突起の位置がホルダーと合わない所が在ったがヤスリで修正した。

ブレッドボードを5個買ったのでホルダーも5個作った。
久々にPLAでの印刷だ。PLAは収縮が少ないので簡単だった。
大きさは、幅131mm、高さ92mm、厚さ7mmだ。


印刷の条件は下記のようだ。
層高厚:0.2mm、表皮厚:1.2mm、引き込み在り、天井と底の厚さ:0.6mm、充填:20%。
印刷速度:40mm/s、ノズル温度:200℃、ベッド温度:50℃
サポート:無し、ラフト:無し         印刷時間:150分/個  冷却ファン:回さない

16-11 Saleae用ソケットの印刷   ( '18,07,25 作成 )
サレア社製のロジックアナライザーを買った。
I2CやSPIなどの信号を解析するのに大変便利な道具だ。

しかし本体が小さく軽い為に、使用中にUSBケーブルの重みに引っ張られて
机上から床へ落としてしまう事故が何度かあった。
ロジックアナライザーだけでなく繋いでいるArduino まで落としてしまう。

そのような落下事故を防ぐために専用ホルダーを作った。


ホルダーの裏には粘着ゲルを貼り付けた。
これで机に貼り付きUSBケーブルで引っ張られても動かない。


ホルダーはABSで印刷した。大きさは46mm角で、高さは15mmだ。


下の写真はArduinoで赤外線リモコンの信号を発生させるソフトのデバッグしている。


サレア専用ホルダーを作ってからは、落下事故は皆無になった。自己評価は100点だ。

当初1台のパソコンでArduino IDEとサレアのロジックアナライザーを
同時には使えないのではとの不安が在ったが、問題なく使えた。
サレアのロジックアナライザーはソフトが良く出来ていて使いやすい。

この印刷データをThingiverseへ登録した。
      https://www.thingiverse.com/thing:3019079


16-12 Arduino Uno用スペーサーの印刷   ( '18,08,08 作成 )
従前はThingiverseに掲示されていた他人の作品(バンパー)を利用していた。

このところArduino Unoの機能にWiFiを加えたWeMos D1を使うようになった。
そのUSB用コネクターが小さく、従前のバンパー(枠)ではプラグが枠に当たってしまう。
仕方なく必要最小限の機能に絞り込んだスペーサーをABSで印刷した。


基板を固定するビスの部分には、後加工でM3の雌ネジを切った。
下の写真ではポリカーボネート製のビスをねじ込んである。長さ5mmのビスを使った。


この印刷データーをThingiverseに掲示した。
      https://www.thingiverse.com/thing:3039634


17. フィラメント・ガイドの取付け        ( 17,04,13 追記 )

印刷をしていて変な事に気づいた。
エクストルーダーへフィラメントを導入する穴が、フィラメントの削りカスで溢れていた。
PLAで印刷していた際には気づかなかったが、軟らかいABSに替えてから顕著になった。
原因はフィラメントが穴の中に在るねじ山に擦れて削られるのだと考えた。


フィラメントが削られて細くなると印刷の誤差が増える筈だ。
また削りカスがギヤに絡んだりしてトラブルの原因になる可能性もある。対策が必要だ。

一般的なMK8形エクストルーダーでは、この穴にチューブ用継ぎ手がねじ込まれている。
そこで継ぎ手の代用となるガイドを印刷して取付ければ問題は解決できると考えた。
Thingiverse内を検索したところピッタリのガイドが在った。それをダウンロードし印刷した。
とても小さな物だが、ネジも綺麗に印刷されている。材質はABSだ。


早速出来上がったガイドをエクストルーダへ取り付けようとしたが、ねじ込めない
よく見たら、何とエクストルーダーの穴にネジ山が無いのだ!!。
この穴は入り口では直径4mmだが、4mm奥で直径2mmに絞られている。
そのエッジが直角で面取りされていない。この角がフィラメントを削っていた。
コストダウンの為の工夫だろうが、ちょっと乱暴だ。


ねじ込み方式のガイドは使えないと判ったので別の方法を考えた。

部品箱に、前に自作した3Dプリンターで使ったテフロンチューブの切れ端が在るのを思い出した。
それを取り出してきて穴に差し込んだところ丁度良い太さだった。
テフロンは滑りやすく高温にも耐えるのでフィラメント・ガイドには好適な素材だ。

そのテフロンチューブを長さ6mmに切り、フィラメントに当たる部分を
ドリルの刃で面取りしてエクストルーダへ差し込んだ。適度な抵抗感が在り良い感じだった。
使用したテフロンチューブは内径2mm、外径4mmだ。


早速ABSで印刷してみたところ削りカスは出なかった。
穴へ差し込んだだけのフィラメント・ガイドは抜ける事もなかった。問題は解消した。

想定外だったのは印刷物の仕上がりだ。
ガイドを取付ける前に比べて一段と精緻な感じがする。
フィラメント・ドライブ・ギヤがフィラメントを引き込む際に、
穴の中のエッジがフィラメントに食い込み抵抗になっていて
フィラメントの供給量を変動させていた疑いが濃厚になった。

18. SDカード延長アダプターの製作       ( 17,04,19 製作 )

JGAURARO A3は液晶表示基板にSDカードリーダーを備えている。
印刷データ(Gコード)を記録したSDカードを差し込めば、パソコンとのUSB接続無しで印刷できる。
便利な仕組みだが正面から見えず操作性が悪い。改善するために延長アダプターを製作した。



18.1 製作の目的
SDカードコネクターは液晶表示基板の裏側に在るので、抜き差しの際には裏側を覗き込むか手探りになる。
不用意にSDカードコネクター近傍の電子回路に触れて静電気で壊す恐れがある。
またSDカードコネクターに、イジェクト機構が無いのでSDカードを取り出す際の操作性が悪い。
これらの不便な点を延長アダプターで改善した。



18.2 結線図
SDカード用コネクターに差込む電線付きSDカードにはマイクロSDカード用変換アダプターを使った。
マイクロSDカードとSDカードでは端子の数が違う。マイクロSDカードは8極、SDカードは9極だ。
SDカードではVSSが二箇所に在るが、マイクロSDカードでは一箇所だ。
二箇所のVSSは、SDソケットの内部では接続されていないので下図の様にジャンパーした。
また電源電圧の安定化を図る為にバイパスコンデンサを挿入した。


18.3 SDカードコネクターからの信号引き出し
この部分にはマイクロSDカードを買うと付属してくる変換アダプターを改造して使った。
このアイデアは、「じむのとりあえずやってみたの巻」を真似させて頂きました。
http://rdstyle.cocolog-nifty.com/gm/2014/08/sd-0030.html

ケースを開け、内部の端子へリボン電線を半田付けした。線は8本だった。
電極の間隔が狭く難しい半田付けだったが、拡大眼鏡を使って何とか乗り切った。
電極には金メッキが施されていたので半田の濡れが良かった。
その後、接触事故を防ぐ為にホットメルト接着剤で固定した。



18.4 延長用SDカードコネクター
ジャンク箱に在った物を基板ごと流用した。以前に実験に使った物だ。
不要な部品を取り外したので汚れているが、機能に問題は無かった。
数年前に秋月電子から購入したヒロセ電気製でイジェクト機構を備えた高級品だ。



18.5 保護カバー
JGAURARO A3で印刷した。フィラメントにはABSを使った。
基板を収納する部分は、基板よりも0.2mm大きく設計したところ丁度良かった。
差し込んだSDカードの表側が上になるように基板の取り付け方法を工夫した。
両側にある丸いのはネオジム磁石だ。これでフレームへ吸着させ固定した。



18.6 完成
完成した延長アダプターをJGAURARO A3へ取り付けた。
磁力で吸い付くので取り付けは簡単、本体への加工は不要だ。


早速作った延長アダプターを使って印刷したところ、機能的に完璧だった。
SDカードを取り出す際もイジェクト機構の御蔭で少し押すと排出される。
製作目的の利便性は格段に向上した。難を言えば格好が今一つだ。


18.7 SDカード延長アダプターの使用方法 ( '17,09,12 追記 )
読者から市販のSDカード延長アダプターを2個買ったが、
何れもJGAURARO A3がSDカードを認識しないとのメールを受け取った。

それは故障ではない。認識させるには、ちょっとしたコツが必要なのだ。

JGAURARO A3 ( 以降JA3と記述 ) のファームウエア( 内蔵制御ソフト )では、
液晶表示基板上のSDカード・ソケットに在るカード挿入検出スイッチがONになった直後だけ
SDカード内のディレクトリ( 目次 )を読みに行き認識する。

延長アダプターを取り付けた場合には、電源投入後にSDカードをソケットに差し込んでも認識されない

延長アダプターのSDカードを抜き差ししても挿入検出信号が出ないので無視され認識されない。
SDカードを延長アダプターごと抜いて刺せば認識されるが、それでは何のための延長アダプターか判らない。

延長アダプターを組み込んだJA3でSDカードをJA3に認識させるには、
JA3の電源がOFFの状態で延長アダプターにSDカードを差込み、
その後にJA3の電源SWをON
にすれば認識される。

少々不便なようだが、自分の場合にはGコードを収めたSDカードの準備が出来てから
延長アダプターへSDカードを差込みJA3の電源を入れているので不便とは感じていない。
前面からSDカードを抜き差しできる利便性に比べれば、取るに足りない欠点だ。

18.8 SDカード挿入自動認識への改造 ( '18,04,18 追記 )
昨年に作った延長アダプターではSDカードの差込や取出しを自動認識しない。
理由は延長アダプターがカード検出回路を延長してないからだ。
仕方なく電源SWの切入りでSDカードを認識させていた。

このところ3Dプリンターの出番が増えたので電源SWの切入りでは不便と感じるようになった。
また頻繁に電源をON-OFFする事でDC電源の劣化が促進される懸念もある。
そこで自動認識させる方法を模索した。

3DプリンターのLCD基板にあるSDカード用ソケットのカード検出回路から
電線を半田付けで引き出せば自動認識させられるが、甚だ格好が悪い。
そこで延長アダプターのリボンケーブル に未使用の電線が在るのではと考え探した。

下の写真の電極接触部の一番上に接触片が無いことに気づいた。
ここは8番ピンのDAT1という端子だが使っていなかった
驚いた事に、このSDカードソケットには8番ピンが無かったのだ。

自分が8番ピンだと思って誤配線してしたのは、隣の10番ピンだった。
10番ピンはカード検出だが、11番ピンの検出共通が未接続だったので誤配線の影響は無かった。


そこでJGAURARO A3側も調べてみたら8番ピンに配線パターンが無かった
念の為にテスターで8番ピンと要所との導通を調べたが、他の回路には繋がっていなかった。

8番ピンに繋がる電線は全く使われて居らず遊んでいるのが判ったので、
この電線をSDカード検出配線の延長に活用することにした。

延長アダプター側の回路は下図のように改造した。8番ピンだと誤解して10番ピン電線を繋いでいたので、
延長アダプター側の改造は11番ピンと6番ピンの間にジャンパー線を入れるだけだった。



下の写真の青いビニール電線が追加したジャンパー線だ。


JGAURARO A3側は、
10番ピンに通じるSDカード検出用の配線パターンをカットして8番ピンへ接続するだけだ。
青いビニール電線が8番ピンへ追加したジャンパー線だ。被覆が熱で融けてしまった。


以上の簡単な改造でSDカードの差込や取出しを自動認識するようになった。
使ってみると電源SWのOFF-ONを行わなくて済み便利になった。

延長アダプター側の改造が難しい場合には、
パターンカットした線と11番ピン(Vss)との間に
押しボタンスイッチを入れればボタン操作でSDカードを認識させられる。

注:この改造を行うとLCD基板から延長アダプターを抜いた場合には、
  SDカードを認識しなくなる恐れがあります。


20. 電線保護チェーンの製作       ( 17,04,28 実施 )

Y軸のベッドが移動する度に、繋がっている電線がコネクターに近い部分で曲げ伸ばしを繰り返している。
これでは何れ銅線が硬化して断線するのではないかと心配になった。
そこで電線保護チェーンを印刷して取り付けた。


Tingiverseを探したところ、良さそうな電線保護チェーンを見つけた。
実に巧みな設計でサポートが無く、ABSの弾力を利用してキッチリと嵌る。

早速ダウンロードして印刷したのが下のコマだ。同じ物を11個印刷した。
ほかに両端部と押さえ板も印刷した。部品は全部で27個に上った。
チェーンの印刷には高い精度が要求されるが、一度も失敗しなかった。


Y軸駆動部へ取付ける部分には力が掛るので頑丈に設計し、チェーンのコマを接着した。


ベッドへ接続する部分も自分で設計し、チェーンのコマを接着した。
チェーンとコネクターの接着にはホットメルトを使った。

電線を組み込み、別に印刷した押さえ板をはめ込み完成した。


完成したチェーンをJGAURARO A3へ取り付けて試した結果、
滑らかに動き何の問題も無かった。これで断線の心配は解消した。

この工作で多数の部品を印刷したが、一度もベッドのゼロ位置調節をしなかった。
我がJGAURARO A3は剛性が高いので、ゼロ位置が狂わない。

21. スプール・スタンドの製作       ( 17,04,30 実施 )

JGAURARO A3に付属してくるスプール・スタンドは本体の脇に置く形だ。
狭い我が家では場所をとって邪魔だった。

また本体の横に置くとX軸の移動でフィラメントが引き出され、
スプールに巻かれたフィラメントが緩んでグズグズになる。
自分の3Dプリンターではエクストルーダーのギヤに掛る負荷を最小限にする為に、
ハブにボールベアリングを組み込んであるので顕著だ。

それらを改善する目的で下の写真のような上部搭載形のスプール・スタンドを作った。
使っている青いハブは以前のCNC3020で印刷したボールベアリング入りだ。


上部に搭載する為にプリンター本体を加工するのは面倒なので避けたかった。
そこで本体の上部に引っ掛ける形を模索した。その結論が下の写真だ。
ABSの弾力性を利用してはめ込むので、簡単には外れない。


部品は3点を別々に印刷してABS用接着剤で纏めた。プラモデル方式だ。
厚さは5mm、充填は20%に統一した。溶融糸の融着を強化するために吐出し糸急冷ファンは回さなかった。
長手方向は長さが180mmもあり、この3Dプリンターの限界に近い大きさだ。
腕木の先端部が荒れているのは、ABSが固まる際に収縮しベッドから浮き上がった為だと推定している。
印刷したABSがマスキングテープに密着したのだが、マスキングテープがベッドから剥がれた。


出来上がったスプール・スタンドを試験した結果、
X軸がゼロの位置では、フィラメントが斜めに引っ張られスプールから外れそうになった。
そこでフィラメント・ガイドを取り付けた。それで総部品数は4点になった。

新しいスプール・スタンドを使って何度かカメラ用レンズ・マウント・コンバータを印刷した。
従前の様にスプールに巻かれたフィラメントが、グズグズに緩まず良い感じだ。
しかもフィラメントを軽く引出せる。
使い勝手も申し分なく手前味噌だが素晴らしい出来栄えだ。

そのスプール・スタンドをthingiverseに掲示した。
https://www.thingiverse.com/thing:2336516

22. 改良スプール・ハブの製作       ( 17,05,25 実施 )

フィラメントを軽く引き出せて、スプールが慣性で空転しない最低限の摩擦抵抗が在るハブを製作した。
この印刷データ等をthingiverseに掲示した。 https://www.thingiverse.com/thing:2349311

注:複数のフィラメントを使い分ける場合には、新作の迅速交換ハブが便利です。


左側がボール軸受け、右側が僅かな摩擦抵抗の在るスリーブ軸受けだ。



22-1 製作の背景
スプールは軽く回るほうがフィラメント・フィードギヤの負担が減り印刷の精度が向上すると考えている。
そのためスプール・ハブには以前のCNC3020で印刷したボールベアリング入りを使っていた。
ボールベアリングのお陰で大変に回転が軽く滑らかだが、
フィラメントが引き出された際にスプールの慣性で必要以上に回りフィラメントが緩んでしまう。
PLAでは目立たなかったが、JGAURARO A3でABSを使うようになってから顕著になった。

今のところ印刷に支障が出る程ではないが、最近は大きな物を印刷するようになり
長時間に亘って無人運転する事が多くなったので、ちょっと不安だ。
その不安を解消するため改良スプール・ハブを作った。

22-2  製作の要点
従前は両側ともにボールベアリングを使っていた。
その片側をスリーブ軸受けにして僅かな摩擦抵抗を持たせた。
ベアリングは外径26mm、内径6mm、厚さ7mmのポリアセタール製だ。

新たにスリーブ軸受け用のハブを設計するのは面倒だったので、
ベアリングと同じ外形26.0mm、内径11mmのスリーブ( 円筒 )を印刷してベアリング収納穴へ嵌め込んだ。

シャフトはM6の長ねじだが、ねじ山の上でスリーブが回ると横方向の力が働く。
それを避ける為にM6のホールインアンカーをシャフトに捻じ込んだ。
ホールインアンカーの穴はネジが貫通していなかったので、タップとドリルを使って貫通させた。
ホールインアンカーの端部に平ワッシャーを取り付け、スリーブが横方向へ移動するのを防いだ。

このハブは下記のフィラメント・メーカー製スプールに対応した。 ( )内は設計値。
    Polymakr    黒リール    55.2mm     ( 54.4mm )
    eSUN 黒リール             53.5mm     ( 52.8mm )
    eSUN 透明リール          51.60mm   ( 51.0mm )

22-3 運用の結果
スプールの空回りは無くなった。試作は大成功だ。
手でスプールを回しても従前と同じ程度の軽さで差異は感じない。
スリーブ軸受けの僅かな摩擦抵抗がスプールの慣性エネルギーを熱に変えた結果だろう。


22-4 M8シャフトでの試作
JGAURARO A3にはアクリル製のスプール・スタンドが付属している。そのシャフトはM8の長ねじだ。
好奇心から、そのM8シャフトに自作のハブを組み込んでスプールの回転を評価した。
スリーブ軸受けと同様に外形26.0mm、内径8.5mmスリーブを印刷した。


これを使って印刷したところ問題なく印刷できた。
手でスプールを回してみると、ボールベアリングを片側に使ったハブよりも少し抵抗感が大きい。
またスプールからエクストルーダへ至るフィラメントの張りが強いように見える。

理想的ではないが、実用上は問題無い水準だと思う。
強いて言えばネジ山の上に擦れるスリーブの磨耗が心配だ。
しかし磨り減ったら新たに印刷すれば済む事だ。

23. エクストルーダー用ケーブル・サポートの製作       ( 17,06,30 実施 )

エクストルーダーから垂れ下がった電線が印刷物に引っ掛り、引き倒す事故が起こった。
今までは厚さが5cm程度の物しか印刷しなかったが、高さ10cmの鷹で問題点が露見した。

この部分はケーブルの重量をコネクターが支える設計で耐久性や信頼性に不安があった。
従前から何とかしなければと考えていたが、何も対策を施していなかった。
この機会にエクストルーダー用ケーブル・サポートを作り原因の抜本的な解消を図った。


サポートの固定方法は冷却用ファンと共締めにする構造にした。
サポートを固定するビスは、以前の物は短く使えないが、
キットに付属してきた24mmのビスが丁度2本余っていたので好都合だった。

このケーブル・サポートの印刷データーをThingiverseに掲示した。
https://www.thingiverse.com/thing:2411806


24. Z軸バランス・ゲージの製作       ( 17,07,29 実施 )

左右に在るZ軸のバランスを簡単に調節できるゲージを作った。


JGAURARO A3のZ軸駆動ネジは、左右に1本ずつ在り夫々が別々のモーターで駆動されている。
何らかのアクシデントで右側ネジの回転角が狂うとX軸が水平にならず印刷誤差が増える。
左側ネジにはゼロ点検出スイッチが在るが、右側ネジにはゼロ点検出スイッチが無い。
そのため一度狂うと自動的には復旧しない。

滅多に狂う事は無い筈だが、鷹の印刷でのアクシデントで狂わせてしまった。
アクシデントが無くても定期的な点検は必要だ。
しかし、このZ軸の位置を測定しバランスをとるのが案外に難かしい。
従前はノギスで測っていたが、挟むのに適した場所が無いので精度の高い測定は困難だった。

そこで左右のZ軸駆動ネジにゲージを挟み込む方法を考案した。
左右に同じ高さのゲージを挟み、隙間が無くなる様にネジを指先で回して合わせれば完了だ。
下の写真はゲージを挟んだ様子だ。ゲージの高さは48mmでゼロ位置よりも僅かに上だ。


使い勝手の良い形を求めて、下の写真の様に何度も試作を繰り返した。
試行錯誤の挙句、良い感じのゲージが完成した。
3Dプリンターを使えばCADで設計した形が、すぐに立体になる。便利な機械だ。


この製作で何度も印刷したが、ベットのゼロ調節は一度もしなかった。
最後のゼロ調節は鷹の印刷でアクシデントがあった6月23日だ。
我がJGAURARO A3は、とても安定だ。

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
    https://www.thingiverse.com/thing:2460571


25. CPU誤動作と対策       ( 17,08,16 実施 )

25-1 トラブルの発生状況
過日、印刷中にトラブルが発生した。
直径110mmの円筒状の工作物の印刷を始め2時間を経過し、残り2時間のところで止まった。
ノズルの詰りやフィラメント供給の問題ではない。
LCDの表示が印刷中ではなく停止状態になっていた。過去にも一度同様のトラブルが在った。
下の写真はトラブル発生時の様子だ。


25-2 原因の推定
直後にノブを操作してZ軸を上昇させ、ノズルを印刷物から離す操作をしたが正常に動いた。
失敗した印刷物を取除き、再度同じ物を印刷して無事に最後まで終えた。

このような再現性の低いトラブルなので原因はノイズによるCPUの誤動作と推定した。
ノイズによってCPUが誤動作し暴走して、それをWDT( CPU監視再起動装置 )が検知し
CPUをリセットさせ再起動させたので停止状態になったのだろう。

25-3 対策
何故にノイズに弱いのか検討したところ弱点が2箇所あった。

弱点1、鉄製のフレームがグランドに接続されておらず"浮いて"いる。
そのためにフレームがノイズシールドとして働かない。

JGAURARO A3の組み立て説明には、基板は金属のビスで固定するように書いてあった。
これに手持ちのプラスチック( ポリカーボネート )製ビスを使った。これが失敗だった。
基板のビス穴周辺のパターンを見るとビスがグランドと接触するように設計されている。
基板の固定に金属ビスを使えば自然にフレームがグランドと結ばれる設計だ。
それが判ったので主基板とLCD基板を固定する8本のビスを金属製に替えた。

弱点2、LCD基板と主基板をを結ぶリボンケーブルのシールドがアースに接続されていない。
初期のJGAURARO A3ではシールド無しのリボンケーブルが使われていた。
そのため添付資料には、シールド線の処理方法が説明されていない。
そのシールド線を下の写真の左端の様に、圧着端子を用いて主基板を固定するビスに接続した。



その後、一個につき6時間程度を要する印刷を16回も行ったが、誤動作は皆無だった。ノイズ問題は解消した。

26. Curaの設定 ( オフセット対応 )       ( 17,08,27 実施 )

以前に書いたCuraの設定でベッドのオフセット対策が判らないと書いた。
それに対して読者(T.Yさん)からG92命令を使ってXYのカウンターを強制的に設定し解決する方法を教えて頂いた。
さっそく試したところ巧く動いた。出典はこちら

まずベッドの大きさを200角へ修正。


印刷開始時のGコード  (start.gcorde)
;Basic settings: Layer height: {layer_height} Walls: {wall_thickness} Fill: {fill_density}
;Print time: {print_time}
;Filament used: {filament_amount}m {filament_weight}g
;Filament cost: {filament_cost}
;M190 S90 ;Uncomment to add your own bed temperature line
;M109 S230 ;Uncomment to add your own temperature line
G21                     ;metric values
G90                     ;absolute positioning
M92 X100.03 Y98.99            ;寸法誤差の修正 '19,03,13
M82                     ;set extruder to absolute mode
M107                     ;start with the fan off
G28 X0 Y0             ;move X/Y to min endstops
G92 X-30 Y-30     ;Offset for JGAURARO A3
G28 Z0                 ;move Z to min endstops
G1 Z15.0 F600     ;move Z to up 15mm
G92 E0                 ;zero the extruded length
G1 F200 E5           ;extrude 3mm of feed stock
G92 E0                 ;zero the extruded length again
G1 F3000 X0
;Put printing message on LCD screen
M117 Printing...

印刷終了時のGコード  (end.gcode)
M104 S0                 ;extruder heater off
M140 S0                 ;heated bed heater off (if you have it)
G91                         ;relative positioning
G1 E-1 F300            ;retract the filament a bit before lifting the nozzle, to release some of the pressure
G1 Z+10 E-5 F300 ;move Z up a bit and retract filament even more
M84                         ;steppeoff
G90                         ;absolute positioning
G1 X0 Y200 F1500     ;move Y to 200  ( Rev.1 : 読者からのご指摘でZ20を削除 )
G92 X30                  ;Restore offset for JGAURARO A3
G1 X5 F1500           ;move X to stop position

実施後の結論
この方法は、従前のベッドの大きさを260*260に設定して誤魔化す方法に比べて二つの点で優れている。
優位点1.印刷中のノズル位置のLCD表示が正しく表示される。中央はX:100 Y:100となる。
優位点2.ノズル位置のソフトウエア・リミッターが正しく働く。
XY軸ともに200以上には移動しない。0以下にも戻らない。


30. フィラメント着脱レバーの印刷       ( 17,12,09 実施 )

このところ3Dプリンターの出番が増えた。それに伴いフィラメントの交換頻度が増した。
その為に下記2件の問題が顕著になった。

    問題点1:着脱用ボタン(M4ビス)の頭が小さく操作しにくい。
    問題点2:フィラメントを引抜く際にフィラメントガイド用のテフロンチューブが一緒に抜け脱落する。




30-1 上側の印刷
それらの問題を解消すべく着脱レバーを設計して印刷した。
下の写真の中央部が印刷したフィラメント着脱レバーだ。固定用ビスは従前の物を使っている。


フィラメント着脱レバーはテフロンチューブの脱落防止も兼ねている。
テフロンチューブには着脱レバー取り付けの際の位置決めの役割もある。


印刷したフィラメント着脱レバーをエクストルーダへ取り付け試したところ、具合が良かった。
従前のビスの頭を押す方法に比べ、レバーでは指先が当たる面積が広く格段に操作しやすい。

フィラメントには融着が良い無顔料(ナチュラル)のABSを使った。印刷条件は以下の様だ。

層高厚:0.2mm、表皮厚:0.8mm、引き込み在り、天井と底の厚さ:0.6mm、充填:20%。
印刷速度:50mm/s、ノズル温度:230℃、ベッド温度:85℃
サポート:無し、ラフト:無し         印刷時間:14分  冷却ファン:回さない

いつもの様に印刷前のZ軸ゼロ調節は行わず印刷した。


30-2 下側の印刷
フィラメントの着脱を行う際に、Z軸に強い力を掛けない為に
左手の親指と人指し指で挟むように操作している。

親指が触れる上側は数日前に作ったが、下側になる人指し指はダクトを押さえていた。
そのダクトは傾斜しており指先が滑りそうで使い辛かった。
そこで指置き台を設計し印刷してダクトへ接着した。


下の写真は印刷した指置き台だ。印刷の諸条件は上側と同じだ。
これをABS用接着剤でダクトへ接着した。


この指置き台によってフィラメント交換作業が一層楽になった。

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
    https://www.thingiverse.com/thing:2713329

これまでに何件かの作品をThingiverseに掲示し、多くの人々にダウンロードして頂いた。
それは大変に嬉しい事だが、何故かMade(印刷した人の数)がゼロのままで一向に増えない。
ダウンロードしたデーターで印刷した方々は、是非ともユーザー登録をして
Madeの記事をUpして下さい。お願いします。

35. ダイヤル ゲージ ホルダーの製作   ( 18,03,08 実施 )

3Dプリンターを維持管理する際に、ベッドとノズルの隙間を調節するのは面倒な作業だ。
これにダイヤル ゲージを使うと作業が楽になりそうだった。
ダイヤル ゲージ単体では使えないのでX軸のスライド バーへ取り付ける為のホルダーを作った。
その結果、大変に便利な道具だと分かった。以下に詳細を説明する。

下の写真は完成したホルダーを使ってダイヤル ゲージを取り付けた様子だ。


Youtubeに“3D Printer Dial Gauge”と入力すると多くの製作例が見られる。
またThingverseにも沢山の作例が挙げられている。
3Dプリンターの維持管理には一般的な道具のようだ。

しかしダイヤル ゲージは値の張る精密測定器だと考えていた。
ところがAMAZONで調べたところSODIALというメーカーの製品が9百円弱で売られていた。
ダメモトで買ってみたところ、皺の入った箱にダイヤル ゲージが入って届いた。説明書等は全く無かった。
しかし動かしてみたところ機能的に問題の無い品だった。中国製だが驚きの低価格だ。


Thingverseを良く見ると、SODIALのダイヤル ゲージと思われる物を使った製作例が見られた。
我がJGAURARO A3でも使えそうな製作例をThingverseで探したが、気に入った物が見つからなかった。
そこで、JGAURARO A3用のホルダーを設計製作した。

ホルダーは水平部と垂直部に分けて設計して印刷、接着して組み立てた。
フィラメントにはABSを使った。接着剤はセメダインのABS専用を使った。

スライドバーへの固定には強力なネオジム磁石を3箇所に取り付け物理的に安定な3点支持とした。
ABSと磁石の接着にはゴム系の接着剤を使った。

下の写真で左が水平部、右が垂直部で円形の金属は磁石だ。
磁石は百円ショップのセリアで入手した。ダイソーには大きな物しかなかった。
直径6mm、厚さ2.4mmの円盤状だ。8個で108円と安価だった。


下の写真は完成したホルダーへダイヤル ゲージを取り付けた様子だ。
ボルトは1/4のインチネジを使った。
ダイヤル ゲージの耳に開いている穴が直径6.5mm程だった。
M6ネジを使うと隙間が0.8mm程に広くなりガタつくのが嫌だった。
1/4インチ、長さ15mmのインチネジはスーパービバホームで17円だった。(ボルト、ナット、ワッシャー)


完成したダイヤルゲージ システムを実際に使ってみると大変に便利だった。

磁石による3点支持は大成功だった。スライドバーへの着脱が容易で確実だ。
スライドバーへカッチリと吸着しガタツキが全く無い。
着脱を繰り返しても同じ値を示す。再現性が良い。

隙間の測定も良い感じだった。
ゲージを左右に滑らせながら指針の動きを見ればベッドの左右の傾きが分かり、
ベットを前後に動かしながら指針の動きを見ればベッドの前後の傾きが把握できる。

またJGAURARO A3のつまみを操作する際に隙間が変わるのが読み取れた。とても敏感だ。

想定外だったのはABSの歪みだ。
ABSの剛性が不足で、ダイヤル ゲージの目盛板を回す際にホルダーが撓み針が動く。
そこでPLAでも作ってみたところ、PLAのほうが剛性が遥かに高く良い感じだった。
PLAの接着にはアクリサンデーを使った。

下の写真で赤色がABS製、青色がPLA製だ。


マウントの素材をPLAに変えたことで強度が上がり細かい値まで安定に読めるようになった。
ダイヤルゲージの最小目盛は0.01mmなので僅かなベッドの傾きまで読める。
従前は紙で隙間を調整していたが、それよりも遥かに正確に合わせられる。

我がJGAURARO A3はノズルとベッドの隙間が狂うことは滅多にない。
狂うのは置き場所を移動した時だけだ。
直近で隙間を調整したのは3週間ほど前で、
ベッドに貼るマスキングテープを3M社製の3Dプリンター専用シートに張り替えたた時だ。
その際は紙で隙間を推定した。その後、25回程印刷したが定着の失敗は皆無だ。

その状態でダイヤルゲージを使って測定したら左側が0.05mm程狭いのが分かった。
ダイヤルゲージを使った測定システムは、とても便利な道具だ。

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
 https://www.thingiverse.com/thing:2822247

36. 迅速交換ハブの製作   ( 18,03,17 実施 )

このところ3Dプリンターを使う機会が増え、
ABS3色、PLA3色、合わせて6個のフィラメントを使い分ける様になった。

従前のスプール ハブは機能的に確実だが、
スプールを交換する度に固定用ナットを緩めたり締めたりしなければならず甚だ煩わしい。
作業能率を上げる為にスプール交換が迅速にできるハブが必要になった。

製作仕様
①取り付けはスプールの穴へハブを差込みスタンドへ置くだけ。
                 ネジを締めたり緩めたりしない。
スプールの穴の直径が50mm~60mmに対応。
スプールの厚さは90mm迄

下の写真は、完成した迅速交換ハブを試用している様子だ。


下の写真は、スプールを外した状態の迅速交換ハブだ。
上の写真では縮まっていた透明PET製の板バネが、下の写真では広がっている。
使用時には、この板バネがスプールを内側から持ち上げる。



板バネを固定する部分は左側、中央、右側で構成されている。総てABSで印刷した。


板バネはワインのPETボトルから切り出した。団地の廃品置き場から入手したので銘柄は判らない。
通常の御茶や炭酸飲料のPETボトルは薄くて弾力性が足りない。ワイン用は厚く充分な強度がある。
切り出した大きさは、幅90mm、48mmだ。


円筒部はVP-25Aの水道用塩ビ管から切り出した。長さ95mm。
両端にボール ベアリングを嵌め込んだ。赤いのはベアリング ケースだ。
ベアリングはスケボーにも使われるらしい608ZZ。近傍のホームセンターで買った。



下の写真のM8ナット ノブ付きはスプールスタンドへ載せた際の脱落防止用だ。
M8長ネジの両端に接着し迅速交換ハブが横にずれて脱落するのを防ぐ。締め付けない。
冒頭の写真では迅速交換ハブと識別しやすいように白色にしたが、当初は赤色だった。
STLファイルはThingiverseから頂いた。
M8 Nut with Knob :  https://www.thingiverse.com/thing:1937415

右側のM8ナットはベアリングの固定用だ。これもThingiverseから頂いた。
Functional M8 Nut :  https://www.thingiverse.com/thing:2319855




完成した迅速交換ハブを2回の印刷に使用した結果、問題なく使えた
我が家には3種のスプールが在る。スプールの穴の最小は51.6mm、最大は55.2mmだ。
何れのスプールでも使えたが、設計目標の60mmまで使えるのか試してないので判らない。

少し気になったのは、スプールを手で回すと左右に振れる。
これは板バネの厚さが均一ではなかった為と推定している。
PETボトルから切り出したのだが、壜の下側を使った。
中央から切り出せば厚みが均一に近く良かったのかもしれない。
また板バネの数を5枚にすれば改善されるかも知れないが、現状でも実用上の問題は無い。

小さな問題は在ったが製作仕様を満たしたと思われるスプールが完成した。

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
    https://www.thingiverse.com/thing:2841411

37. アウトリガーの製作   ( 18,04,05 実施 )

GAURARO A3のフレームは鉄板を折り曲げて作られている。
そのためにX軸とZ軸を支える正面は強度が高い。

しかし前後方向は底板の強度が足りず手で押すとフラフラする。
過去に、この問題の対策としてL形金具を使ってフレームの補強を行った。
効果は在ったが、まだ少しフラフラする。

このフラフラの問題を根本的に解決する方法を検討した。
その結論が下の写真のアウトリガーだ。取り付けたところ大変良い結果が得られた。
写真は右側用で別に左側用も作り取り付けた。スフィンクスの前足のようになっている。

水平部の軸間距離は約60mmだ。

材料は下記の写真のようにシンプルだ。
水平部はPLAで印刷した。積層厚は0.2mm、内部充填は20%で充分な強度が得られた。

金具はレベルアジャスターと呼ばれる物だ。使ったのはネジ部の長さが50mmだ。
3本のビスはM3-20mmのSUS製を使った。
金具類は総て近傍のスーパービバホームで買った。約700円の出費だ。

上の写真には無いが、赤色のABSでノブを印刷し六角のボルトへ被せた。
製作後に使ってみてボルトを素手で回すのは辛かった事と格好が悪かったので改善した。

結果は良好だ。
全くフラフラしない。手で押してみて著しく剛性が増したと感じた。

印刷への効果は顕著だった。垂直面の積層痕が消えた。
下の写真で左側はアウトリガー無し、右は片側だけアウトリガーを取付けた状態で印刷した。

従前でも大きな積層痕は無かったが、周期的な縞模様が見えた。
その縞が消えた。指先で撫でても凹凸が感じられない。

円筒部の内部空間は、下から約6mmが六角でそれより上は丸い穴が開いている。
アウトリガー無しでは、その繋ぎ目の辺りに断層のような凹みがある。
アウトリガー付きでは、それが無く単純な円筒になった。
縦の黒線は内部構造との接合部が透けている。積層痕ではない。

下の写真は印刷時に底面だった部分だ。
左側はアウトリガー無し、右は片側だけアウトリガーを取付けた状態で印刷した。

アウトリガーによって平滑になっているのが判る。

印刷の精度も上がったようだ。
赤色ノブの中央にM8のボルトが入る穴が在る。
M8ボルトの対辺の間隔は13mmなので穴の設計値は13.2mmにした。
経験から丁度良いサイズを狙ったのだが、印刷したら穴が大きくガタガタだった。
フラフラの問題が解消し、ノズルが振れないので精度が向上し穴が大きくなったようだ。

そこで設計を修正し対辺の間隔を12.8mmにして印刷したところピッタリ入った。
ノギスで印刷物を測ったところ12.8mmだった。
M8ボルトの規格では対辺は13mmだが、購入したレベルアジャスターの六角部は12.75mmだった。
下の写真は修正後の印刷出力だ。外径は30mm。ABSを使い積層厚は0.2mmだ。



フラフラの問題が印刷の質に悪影響を及ぼしていたのが判った。
アウトリガーの取り付けによってワンランク上の3Dプリンターになった

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
 https://www.thingiverse.com/thing:2853379

長いアウトリガーの製作    ( 19,01,21 実施 )
前作を設計した時点でも腕が長いほうが更に安定する事は判っていた。
しかし経験不足でPLA樹脂を使って印刷した場合の強度に不安が在った。
前作以降、沢山の経験を積み“PLAは硬く強い”と判ったので長いアウトリガーを作った。
てこに例えると力点と支点の間隔は3倍になっている。全長は150mmだ。


長いアウトリガーで本体前面の強度は従前にも増して高くなった。ガッチリしている。
しかし印刷をして従前の作品と比較したが、効果の有無は判らなかった。
精神的には良い感じだ。

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
  https://www.thingiverse.com/thing:3413022


38. Xベルト張力調整機構の製作   ( 18,04,13 実施 )

以前からX軸駆動ベルトの張りが弱いと感じていた。
しかしJGAURORA A3には調整機構が無いので自分の技術では強く張れなかった。
そこでX軸駆動ベルトの張力を簡単に調整できる仕組みを作った。

下の写真の右側の部分が張力調整機構だ。


Tingiverseで“x belt tensioner ”と入力し検索すると複数の製作例が見つかる。
そのなかからfreemark氏の作品を参考にして工夫した。

キャリッジの中へ張力調整機構を差し込んだ際にガタつくのを避けたかった。
そこでABSフィラメントで印刷しバネにしてキャリッジ内で僅かに広げて隙間を無くした。
これでガタツキゼロに成功した。

張力調整機構の強度を確保するために鍔部とU字バネ部とに分けて印刷し、接着して纏めた。


使用部品表
ベルト用プーリー :     既存の物を外すのが面倒だったので本体へそのまま残し、
                                 新たにamazonからアイドラープーリーを購入した。
プーリー軸 :              M3-20mm キャップネジとナット
張力調節ネジ :           M4ー25mm キャップネジとナイロンナット
タイミングベルト :    GT2 6mm 既存のベルトは短くて使えない。

注 : 使用部品表に瑕疵が在っても当方は一切の責任を負いません。
         真似される方は、各自で確認して下さい。


印刷条件                    ABS、外皮1.2mm、積層厚0.2mm、内部充填20%

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
    https://www.thingiverse.com/thing:2862987


39. LCD操作部用ツマミの製作   ( 18,04,25 実施 )

以前から3Dプリンターへ動きを指示するツマミが細くて扱いにくいと感じていた。
回しすぎて目的と違う項目を選んでしまう事が何度も在った。
しかし直接的に印刷に係わる部分では無いので後回しになっていた。

我がJGAURO A3は、機能的に充分な性能と言える状態になったので、
後回しにしていたツマミを設計し、印刷した。

下の写真のように、赤と黒のフィラメントを使い分けてデザインを工夫した。
迅速交換ハブを使っているのでフィラメントの交換は簡単だ。


黒い部分がシャフトで、それに赤いノブを被せた構造だ。赤いノブの外径は30mm、
黒い部分のシャフトは外径13mmでオリジナルのノブと同じだ。

当初、Cura3.3でスライスしたが、ロータリーエンコーダーの軸棒がシャフトの穴に入らなかった。
シャフト中央に在る穴は内径6.4mmで設計したが、測ってみると6.0mmしかなかった。
ロータリーエンコーダーの軸棒は太さ6.0mmなので入らないのは当然だ。

仕方なくスライサーをSlic3r 1.3.0に替えて印刷したところ無事収まった。
ノギスでの測定で内径は6.4mmになっていた。

下の写真は左がSlic3r 、右がCura3.3でスライスした結果だ。
穴の内側は、見た目にもSlic3r の方がキッチリと印刷されている。


外径寸法はどちらも正確に印刷されていた。
スライサーによって細部の誤差に差が出た。設計思想の違いだろうか。

新しい操作用ツマミの使用感は、とても良い。回しすぎる事は無い。
ローターリーエンコーダーのクリック感も適度で心地よい。
従前の問題点は解消した。

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
    https://www.thingiverse.com/thing:2878340


41. SUNLU PLA Plus の試用   ( 18,09,13 実施 )

赤色のPLAフィラメントが使いたくなったので、いつものようにAMAZONで
eSun製のフィラメントを探したが廉価な物が見つからなかった。

仕方なく他社のPLAフィラメントを探していたところSUNUL製を見つけた。
値段も\2,199-と手ごろでカスタマーの評価も高い。
しかも従前のPLAを改良したPLA Plusで、特徴は柔軟で低収縮、脆くないそうだ。

早速注文して届いた物が下の写真だ。


注文する際に予めスプールの穴の寸法を調べた。
Amazonの商品説明では、2.20"(55.9mm)と58mmとの記述が在った。
自作の迅速交換ハブは最大60mm迄使えるので問題無い筈だった。

ところが手元に届いた実物の穴の直径を測ってみたら73mmも在った。
これでは使えないのでスプール穴を52mmへ変える絞りを設計し、印刷してスプールに接着して対処した。
下の写真に在る緑色の環がスプール穴絞りだ。


設計製作したスプール穴絞りをThingiverseへ掲示した。
    https://www.thingiverse.com/thing:3100222

今までに買ったフィラメントの端は粘着テープで固定されていた。
ところが、このフィラメントは上の写真のようにスプールの脇に設けられた穴に通して固定されていた。
従前のPLAでは折れてしまう筈だが、PLA Plusは柔軟で折れていない。PLA Plusは扱い易い

箱の裏に印刷条件が示してあった。
従前と違うのはベッドの加熱が不要な点とノズル温度が高いところだ。

そこでベッドを加熱せずに小さなテストピースを印刷したところ、
ベッドへ敷いてあった3M製3Dプリンタープラットフォームシートへの定着が弱く剥がれて失敗。
その後ベッドを50℃に、ノズルを220℃に設定ところ綺麗に印刷できた。
3M製3Dプリンタープラットフォームシートを使うならベッドの加熱は必須だ


下の写真は円筒形スピーカー用のSPユニットを載せる台で、音質を決める重要な部品だ。
直径が129mm、高さが46mmもある大きな物だが、反りや歪みが無く一度の印刷で成功した。


ベッドを50℃へ加熱したところ3M製3Dプリンタープラットフォームシートへの定着も良く、糊などを使わずに済んだ。
印刷終了後に冷えてから取り出そうとしたが、定着が強くスクレーパーを使って剥がした。

印刷物の仕上がりも従前のPLAよりも滑らかに見える。
手で触るとPLA PlusはPLAよりも軟らかいようだが、強度が低いとは感じなかった。

今後は新たにPLAは買わず、PLA Plusに切り替える方針だ。

42. ヒートベッドの断熱   ( 18,12,27 実施 )

プリンターを始動する際の、ヒートベッドの温度が上がる時間を短縮したいと考えた。
ベッドの裏側に断熱材を貼れば放熱量が減り昇温時間が短くなる筈と考えた。
しかし効果は確認できなかった。以下はその記録だ。

Amazonで調べたところコットン製コルク製が売られていたが、千円前後と結構な値段だった。
粘着剤付コルクシートならば近所のSeria(百均)に在るのを思い出した。

早速Seriaへ出掛けコルクシートを入手して実験した。
Seriaの粘着剤付コルクシートの大きさは300mm角で厚さは1.8mmだ。
JGAURARO A3のヒートベッドは214mm角なので充分な大きさだ。


コルクシートをヒートベッドの大きさに合わせて切り抜いた。
温度測定用サーミスタの突起を避ける為に中央に穴を開けた。四隅のネジ穴の部分は切り欠いた。
下の写真で左はオリジナル、右は貼り付け後だ。


コルクの効果を検証するために下の写真の道具を使った。
テスターはowon B35だ。これに熱電対を接続して温度を測った。
owon B35にはBluetooth通信の機能が在る。これを利用してタブレットにデーターを送り記録した。
タブレットはCVS形式のファイルに纏める。後に、これをメールに添付してパソコンへ送りExcelで作表した。

ヒートベッドの中央に熱電対を取付けたかったのだが、3M製のプラットホームシートが貼ってある。
プラットホームシートはプラスチック製で熱を通しにくいと思われた。
測定誤差が増えそうなので誤差要因を避けるためにコネクターの傍に取付けた。



測定結果は下のグラフのようになった。
3Dプリンターのツマミを使った温度設定では変化量が大きく正確に合わせられない。
その為にコルク無しの目標温度は52℃、コルク在りの目標温度は50℃で測定した。
加熱後の最終的な温度が違うのは、その為だ。



グラフで見るとコルク在りの方が僅かに立ち上がりが早いように見える。
しかし変化幅から時定数(0.632)を求めたところ、コルクを貼った方が1秒だけ速かった。
意味のある差とは思えないので、コルク断熱は昇温時間の短縮には効果が少ないとの結論に至った。

使用したコルクシートの厚さは1.8mmと薄いので断熱性能が低いのかと疑ったが、
ヒートベッドが51℃の際にコルク面を熱電対で測ったところ33℃で温度差は18℃だ。
その際の室温は14.5℃だった。
温度差が小さいと感じコルクを2枚重ねて実験したが結果は1枚と変わらなかった。

顕著な効果が見られなかった原因は構造に在りそうだ。
ヒートベッドの下側には13mm程度の隙間を空けてアルミ製のサポート板が在る。
印刷中で無ければ、その隙間の空気は自然対流程度しか流れないので
ヒートベッドの裏側からの放熱は僅かなのだろう。
しかもヒートベッドが出した熱線はアルミ製のサポート板が反射する筈だ。

しかし印刷中にはY軸は頻繁に動くのでヒートベッドの下側にある空気は入れ替わる。
これにより放熱量が増す筈だ。コルクシートは印刷中の消費電力低減には効果が在るのかもしれない。
コルクシートが在っても特に支障は無いし剥がすのも面倒なので、このまま使う予定だ。

43.ベッド高調節ノブの製作   ( 19,01,04 実施  19,02,27 削除)

44.ベッド高調節ノブの再製作   ( 19,01,06 実施 )

数日前に蝶ネジを使ったベッド高調節ノブを作った。使ってみると蝶ネジよりも便利だが、使いづらかった。
直径が小さく指2本で摘まなければ回しにくい。それに格好も良くない。そこで再製作した。

部品箱を探したところM3で長さ10mmのナットを見つけた。スペーサーだろうか。
これを活用して直径の大きなノブを作った。直径は28mm、厚さは10mmだ。
長いナットの頭が2mmだけ上に突き出すように設計した。

技術的に難しかったのはナットを嵌め込む穴の寸法だ。
ナットの対辺の間隔は5.5mmだったので六角穴の対辺は5.6mmに設計した。
ノズルの直径が0.4mmなので、その整数倍で最も小さい値だ。( 0.4mm*14=5.6mm )
印刷を終えたノブに長いナットを差し込んでみると適度な固さで入った。
素手では抜けない程度にしっかりと収まったので接着剤は不要だった。
試作品を含めて13個作ったが、いずれもキッチリと収まった。再現性は優秀だ。

実は、当初は単純な円筒形でノブを設計した。
出来上がったノブを3Dプリンターへ取付けて試運転したところ問題が発覚した。
左奥のノブが本体前面パネルの枠に擦れる。仕方なくノブの下側角を45度に面取りして接触を回避した。
下の写真で中央部に在るのが接触対策したノブだ。パネルとの隙間は概ね2mmだ。

新しく作った調節ノブで操作性は向上した。特に操作しにくかった左奥は指1本で回せる様になった。
ノブの直径を限界と思える大きさまで拡げた効果が在った。

番号を追加
下の写真のように好奇心からノブの周囲に番号を振ってみた。
読める程度に印刷できるか心配だったが、充分に読めたのでチョット嬉しかった。
積層厚は0.2mmで印刷したので糸の重なりが見えている。フィラメントはPLA+を使った。


ノブの周囲の数字は0~9の10分割にした。
M3のネジを使っているのでノブを1回転するとベッドが0.5mm上下する。
それを10分割したので数字の1は0.05mmに相当する。

ダイヤルゲージを使ってベッドの高さを調節する際に、
ダイヤルゲージの指示値からノブを廻す量が推定できる筈だ。
実際には殆ど狂わないので半年毎の定期的な点検時には便利かもしれない。


製作の過程で何度も試行錯誤を繰り返した。
大変な様に見えるが、設計するだけで後は3Dプリンターに御任せの楽チン工作だ。
下の写真の中央付近に写っている4個は完成だと思って本体に取付けパネルに接触したものだ。
右側の5個は接触対策を施した物だ。現在は、これに番号を振った物を使っている。


当初の試作に使ったフィラメントは緑色のPLAで積層厚は0.2mmだ。
その時点で3Dプリンターに装着されていた物を使った。
このフィラメントは顔料の混合が均一でなく部分的に光を通してしまう。
キッチリと印刷されているのだが、写真に撮ると輪郭がボヤケてぐずぐずに見える。
設計が固まってからの作品は写真写りの良い赤色のPLA+フィラメントを使った。

我がJGAURAR A3は設計に起因するY軸の傾斜問題を解決する為に、
Y軸を床面から2.5mmだけ上に持ち上げてある。
それによって前面パネルとノブの間隔も2.5mmだけ広くなっている。

未改造のJGAURAR A3では前面パネルとノブの間隔が狭く、
作ったノブは本体の前面パネルに接触して使えないだろう。

この印刷データーをThingiverseに掲示した。
        https://www.thingiverse.com/thing:3345435


45.ノズル用シリコンゴムカバーの装着   ( 19,01,11 実施 )

以前にCNCフライスを3Dプリンター化した事が在る。
その際にフィラメントを溶かすのに必要な電力を計算した。
結果は、溶かす為の電力は僅かで大部分は空気を暖めるのに使われていると判った。

完成品として販売されている多くの3Dプリンターではヒーターブロックに断熱材が取付けられている。
節電の為だろう。しかしGAURARO A3のヒーターブロックには断熱材が巻かれていない。
それでも綺麗に印刷出来ている。去年の冬も暖房の無い部屋(室温は13℃位) でABSを使って印刷できた。
放熱に勝る電力を供給しているのだろう。

GAURARO A3でもヒーターブロックに断熱材を巻いたら加熱に使う電力が減る筈だ。
しかし組み立て済みのヒーターブロックに断熱材を巻くのは面倒そうだった。
AMAZONで3Dプリンターの部品を見ていたらシリコンゴム製の断熱カバーが売られているのを見つけた。

早速注文したところ、一週間程過ぎた頃に国際郵便で中国から届いた。


このシリコンカバーを取り付ける為にはエクストルーダーを分解しなければならない。
面倒な作業は嫌いなので、下の写真の様にカッターで断熱カバーに切れ目を入れた。


下の写真の様に、シリコンカバーをヒーターブロックへ被せた。切れ目の御蔭で簡単な作業だった。
このところ3Dプリンターを酷使したのでノズルが汚れている。



実験
シリコンカバーの効果を把握する目的で実験を行った。
ノズルの温度設定を200℃から0℃へ変え、液晶に表示されるノズル温度の経時変化を測定した。
結果は下のグラフのようになった。シリコンカバーには明らかな断熱効果が見られた。


効果
驚いた事に眼に見える効果が在った。印刷中のノズル温度が安定になった。
シリコンカバー無しでは、1秒に1回程度の頻度で温度の表示が200±1℃程度に揺れる。
シリコンカバーを付けた状態では、印刷中に液晶へ表示される温度が殆ど動かない。
装着当初は壊れたのかと疑ったほどに安定だ。

効果の把握にはヒーターへの電流を測定するのが確実な方法だが、
電気回路へ電流計を組み込むのは面倒だった。
シリコンカバーで放熱が減るのは判ったが、節電の程度は判らない。
消費電力が増える事は無いだろう。

PID制御への影響
放熱が減ることによってPID制御のループゲインが上がったような効果が出る筈だ。
これによってハンチングを起こすかと心配したが、安定性に寄与する範囲だった。
PIDの設定値を修正するほど大きな影響は無かった

印刷物への影響
印刷物への効果は判らなかった。
先日に作ったベッド高調節ノブを印刷して比較したが、差異は見られなかった
もっと大きな物を印刷すれば違いが出るのかもしれない。

節電の目的
このところPETGフィラメントに興味を持っている。印刷時の収縮が少なく強度も高いそうだ。
難点はフィラメントを溶かす温度が高い事で、印刷温度は250℃前後のようだ。

JGAURARO A3の最高設定温度は250℃なので余裕が少ない。
何が制約になっているのか判らないが、加熱電力が怪しい
ヒーターブロックの温度が上がれば放熱も増え消費電力も増す。
そこでヒーターブロックに断熱を施し消費電力を減らせばPETGフィラメントも
余裕を持って使えるのではと考えたのだが、どうなるのか判らない。

46.ノズル用シリコンゴムカバーの装着(下面)   ( 19,01,17 実施 )

AMAZONから買ったシリコンゴムカバーはポリ袋に2個が入っていた。
一個が余っていたのでヒーターブロックの下面(ノズル面)へ取り付けた。
そのままでは付けられないので邪魔な部分を切り取った。


強引にヒーターブロックの下面へ被せ、細い銅線で縛った。


効果を把握する為に放熱特性を測った。その保温効果は僅かだった。


冷却特性の測定結果はプリンターが印刷してない状態での測定だ。
印刷中はノズルが動き相対的に風が吹く。その場合には放熱が大きくなると考えている。

印刷物への影響
先日に作ったベッド高調節ノブを印刷して比較したが、差異は見られなかった
ところが、M3の長ナットを刺し込もうとしたが指先の力では入らなかった。
仕方なくバイスで締めて入れた。同じ物を4個作って試したが、全く同じ感じだった。


原因はノズルの周囲を断熱したので、吐出し後のPLA+の温度が従前より高くなったと推定した。
PLA+の温度が高いと柔らかいので下層のPLA+が潰れて僅かに広がる為だろう。

検証のために印刷温度を5℃下げて同じ物を印刷したところ、
断熱前と同様に指先の力で長ナットを刺し込む事ができた。
シリコンカバーによるPLA+への保温効果は5℃程度のようだ。

47.寸法誤差の原因と対策   ( 19,02,24 実施 )

Tingiverseを眺めていたらNautilus Gearsという面白い歯車を見つけた。
4個の部品から構成された科学的な玩具の類だ。
早速ダウンロードし、印刷して組み立てたのが下の写真だ。


印刷は完璧と言える美しい出来栄えだったのだが、クルクルと回らない
歯車の一番長い所と短い所が噛み合う部分で当たっていた。

原因は寸法の誤差だと疑った。
そこで下の写真のような50mm角の四角形を印刷して寸法を測った。
その結果は、    X:49.44mm、寸法誤差はー1.12%
                     Y:50.54mm、  寸法誤差は+1.08%  だった。
               

X軸とY軸の相対的な誤差は2%程度だ。この程度の誤差でもNautilus Gearsは回らない。
回す為には誤差の少ない印刷が必要だ。仕方なく誤差を修正する方法を探した。

LCDパネルを操作したところSteps/mmという設定項目を見つけた。
X軸、Y軸、Z軸、E軸に対して1mm移動するためのパルス数を設定できる。


誤差を減らすべくXstepsを100.07に、Ystepsを98.93へと修正した。

これで50mm角の四角形を再度印刷した。
その結果は、    X:50.02mm、寸法誤差は+0.04%
                     Y:49.97mm、  寸法誤差は-0.06%  と大幅に改善された。

更に誤差を減らすべくXstepsを100.03に、Ystepsを98.99へと修正した。
その結果は、    X:50.01mm、寸法誤差は+0.02%
                     Y:50.03mm、  寸法誤差は+0.06%  だった。

この設定でNautilus Gearsを印刷したところNautilus Gears Animationのようにクルクルと回った。

steps/mmの修正によって寸法誤差を抑え込むことができた
しかしNautilus Gearsの設定値は電源を切るとデフォルト値に戻る
プリンターを始動した際に、毎回steps/mmを設定するのは面倒な作業だ。
ファームウエアを書き換えれば解決できるのだが、
JGAURARO A3の温度制御部には開示されていないノウハウがありそうなので躊躇している。

デフォルト値 Xsteps/mm: 098.95 への考察
JGAURARO A3ではX軸Y軸共に駆動系の部品は同じだ。
それなのにX軸とY軸でsteps/mmのデフォルト値が違う。
Y軸の100.00は理解できるが、X軸の98.95は何故か考えた。

JGAURARO A3のX軸には張力調整機構が無い。よって強く張れない。
ユルユルなのでノズルの位置決め精度が低い。印刷誤差が+方向に発生する。
この誤差を軽減するためにsteps/mmを100.00よりも少し小さくしたと思われる。

我がJGAURARO A3には、自作したXベルト張力調整機構を取り付けてある。
これによって強く貼ってあるのでデフォルト値との間で齟齬を生じたのだろう。

JGAURARO A3のY軸でも張力調整機構は無いが、組み立てる際の工夫で強く張ることができる。
しかし今回の結果でYstepsは98.99が最適値だと判った。僅かにベルトの張りが弱いのかもしれない。

47-1 steps/mmの自動設定  ( '19,03,13 実施 )
3Dプリンターを起動する度に手動操作でsteps/mmを設定するのは面倒だった。
そこでGコードから書き換えられないかとWebを調べたところ、
制御に使われているMarlineファームウエアにM92 - Set Axis Steps-per-unitが用意されているのが判った。

具体的には、Curaへ登録している印刷開始時のGコードへM92命令を追記するだけだ。
自分のJgauraro A3の場合には、M92 X100.03 Y98.99 のように追記した。
これで印刷を実行してプリンターの設定が修正されているのを確認した。


M92命令の御蔭でファームウエアを書き換える必要は無くなった。痒い所へ手が届くMarlineは素晴らしい。

48.エクストルーダー固定ビスが長過ぎ   ( 19,05,02 実施 )

従前からエクストルダーを指先で押すと前後に撓むのが判っていたが、
X軸のキャリッジ部がプラスチックの為に強度が不足しているのだろうと考えていた。

aliexpressには金属製のキャリッジが売られているので、自分のプリンターに使えるか検討した。
穴の位置などを調べている際に変な事に気付いた。
キャリッジ部にビス3本で固定されているエクストルダーを指先で押すと、
固定している筈のエクストルダーを支えるU字形金具が僅かに移動する。ビスは3本とも緩んでいないにも係わらずだ。

調べてみたところビスが長すぎてキャリッジ内の構造物に当たっていた。
これによってビスを眼一杯に締め込んでもエクストルーダーを支えるU字形金具はユルユルだったのだ。
一見では締まっているように見えるので判らなかった。

問題を解決する為に、下の写真の様にビスにスプリングワッシャーと平ワッシャーを挟んで締め直した。


その結果、指先でエクストルダーを押した際の撓みが格段に少なくなったが、完全ではない。
これ以上の改善は金属製のキャリッジへ交換しなければならないだろう。
この対策による印刷物への影響は判らないが、悪くなる事は無い筈だ。