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パソコンによる音楽再生の実験 ('08,11,22)
仕事用に新しいラップトップパソコンを買った。動かすと驚くほど静かだった。
以前からPCオーディオには関心が在ったのだが、無音パソコンは非現実的と考えていた。
静かなパソコンが入手できたのでPCオーディオに使えるのではと思い実験を行なった。
当初に問題が在ったが条件を変え実験した結果、CDプレーヤーを凌ぐ心地よい音が出ました。
以下は試行錯誤の記録です。
1.パソコン
仕事の帳簿をつけるためにDELL社のinspiron1526を通販で買った。
選んだ理由はコストパフォーマンスが優れていたからだ。
CPUはAthlon-64X2,Ramは1GB,Vista Home Basic 32bit office無しを6万円弱で買った。
使ってみて驚いたのは、殆んど騒音を出さない事だ。
CPUの負荷が増えると排熱ファンが回り騒音を出すが、通常の使用では排熱ファンはたまにしか回らない。
HDDが回っているときも微かな音しか出ない。
今、ホームページビルダーを使って文を書いているが、殆んど無音で動いている。

2.USB-TOSLINK変換器
USBから光のS/PDIF信号へ変換するアダプターは下記の2種類を試した。
音質は同じだったが、ひかり5.1号には通電表示があるのが良かった。
2種ともに延長用コネクターのような感覚で使い勝手が良かった。
2-1 ひかり 5.1号
本来はUSBから疑似5.1chの信号を作り出すアダプターなのだが単純な光コンバーターとしても使える。
http://www.mib.co.jp/htm/products/usb51audiobox/usb51audiobox.html
2chでの使用にドライバーは不要だ。USBに差し込めばVistaは自動的にUSBオーディオ機器と認識する。
パソコンに専用のドライバーを入れれば疑似5.1chになるそうだが、試した事は無い。
出力コネクターは、アナログ信号を出すミニプラグとTOSLINK兼用の丸穴が一つあるだけで余計な物は無い。
電源も要らず形も小さいのでラップトップパソコンにぴったりだ。
光出力の強度も充分あるようで安価な5mの光ケーブルを使っても支障は無かった。
ネットオークションで中古品を廉く入手した。

2-2 XITEL MD−PORT DG2
光S/PDIF専用のコンバーターでUSBからの入力をS/PDIFの光で出力する。
TOSLINK用コネクターは角型で、他には何も付いていない。通電表示灯すら無い。
パソコンからMDへ音楽をダウンロードすることを目的として企画された商品のようだ。
http://www.balcom.co.jp/xitel2.htm
ネットオークションで中古品を1500円で入手した。

2-3 M-Audio TRANSIT USB ('10,07,31 追記)
今迄使っていたUSB-光TOSLINK変換器は一世代前の製品でネットから中古品を入手しました。
現行品は無いかと探したところM-Audio社のTRANSIT USBを見つけた。
AMAZONで約1万円でした。注文した翌日に届きビックリしました。
写真の様にコンパクトですが、前述の2機種よりも一回り大きく煙草の箱くらいです。

USBからの電力で動くにも拘わらず光出力以外に光入力とアナログ入出力を備えています。
アナログ入力は16bitと24bitの解像度、96KHz迄の変換速度を持つ優れ物です。
すぐにステレオ録音に使える筈です。マルチ・モノラル録音には適しません。
音や使い勝手は前述の2機種と同じですが、
TRANSIT USBではパソコンに専用ドライバーを組み込まねばなりません。
Vista 64bit Dual とXP 32bitの2台にドライバーを組み込みましたが、
Vistaではパソコンの起動時に『ma003dmn Savefaild!』との警告がでました。
今のところ解消していませんが、支障なく使えます。
Webで検索したところ英文で同じ問題を抱えた人の記事がありました。
そのうち改良されたドライバーが出るでしょう。
AMAZONへ注文して入手したのですが、発送元は楽器屋さんでした。
音楽の世界ではAppleが多用されているようなのでWinは二の次なのかもしれません。
TRANSIT USBを買った目的にはスピーカーの特性測定もあります。
従来はARTAをタワー形パソコンで動かしていましたが、
パソコン自体が出す騒音の影響が懸念されました。
HDDの無いノートパソコンと組み合わせ従来よりも精度の高い測定を行う為の準備です。
3.光ケーブ
安価な中国製の光ケーブルを千石電商で購入した。
長さで光が減衰し音が変わるか試すために1m、3m、5mの光ケーブルで試聴したが、差異は感じられませんでした。
他の店で入手した光中継コネクターを使ったところ音が出なくなりました。また光分岐コネクターも使えませんでした。
接続部での減衰が大きいようです。
4.D/Aコンバータ
円筒形スピーカーの高解像力を生かすべく時間特性優先設計を採用し自作したHRDAC−01を使った。
5.実験の経緯
Case1:Windows Vista Basic 32bit
購入当初の設定でOSはWindows Vista Basic 32bit ,Memoryは1G。
ソフトはituneを使った。またCDからの音楽の取り込みは非圧縮のWAVを使った。
音はいい感じだったのだが,時折ポツポツという感じで音が途切れる。
ソフトの問題かと疑いWindowa Media Playearも試したが差異は無かった。
ソフトではなくOSかドライバーに問題があるようだ。
我慢できる水準ではなかったので実用化は無理と判断した。
Case2:Memoryを2Gに増強
ネットで調べるとVistaを滑らかに動かすには2GBのメモリーが必要との記述が見られた。
動作が円滑になれば途切れる時間が短くなると予想しMemoryを2Gに増やした。
その結果途切れる時間が短くなり改善されたが、まだ実用化できる水準ではなかった。
Case3:Windows Vista Home Premium 32bit
inspiron1526はCPUにAthlon64X2を搭載している。64bitのDual Core CPUだった。
CPUが二個もあるのにVista Basicは一個のCPUしか使ってくれない。
二個使ってくれれば割り込み処理がスムースになり速度の向上が見込める。
OSをVista Home Premium 32bitに変えたところ問題が改善され実用化も可能な水準になった。
しかし時折タイミングが変と感じる。
音のタイミングが変わるのは常駐ソフトが妨害しているのではと疑い一つずつ止めて探った。
無線LANを止めたところ問題は解消した。無線LANが妨害していたのだ。
その後’08年10月末頃にOSの自動アップデートがあった。
これ以降は無線LANを使っていても音のタイミングずれを感じることは希になった。
Case4:Vista Bussiness 64bit
inspiron1526は64bitのCPUを搭載している。
活用しないのは勿体無いとVista Bussiness 64bitを借りてきてインストールしてみた。
inspiron1526には64bit用ドライバーが用意されていないが、CPU以外は殆んど同じinspiron1525用を流用した。
驚いたことにituneとWindowa Media Playeaには64bit版が用意されていた。
音は注意深く聴いていると時折タイミングが変と感じるところが僅かにあるが、
完全に近い状態で充分に実用できる水準だった。
OSがアップデートされる前のVista Home Premium 32bitよりも良かった。
確かめていないがVista Bussiness 64bitもアップデートされ更に良い音になっているのかもしれない。
Vista Bussiness 64bitはメールを書く際にカーソルが変な位置へ移動してしまう問題があった。
正規のドライバーではないところが問題なのかもしれない。
音は良かったのだが、日本語入力がまともに動かないのでは使い物にならないので実用化は断念した。
Case5:XP Professional 64bit
友人がXP Professionalの64bitを持っていたので借りてきて試した。
ドライバーはCase4と同様にnspiron1525用を流用した。
機能的には正常に動いたが、音量が半分以下しか出ず音質も悪かった。
ドライバーが合わないようだ。
6.結果と考察
国産某社製の廉価なCDプレーヤーで鳴らす円筒形スピーカーの音には鋭い高音が含まれていました。
指向性の改良実験では「美しく生々しい音」と「癒される音」の妥協点を探し試行錯誤を繰り返しました。
従来、鋭い高音は原録音に含まれているものだろうと考えてきましたが、
実験の結果からCDプレーヤが作り出していた疑いが濃厚になりました。
CDは水晶振動子の作り出す周波数を基準としたサーボ機構で回転数を制御しています。
平均回転数は正確なのですが、油を流したような滑らかな回転ではなくジッタがあり震えながら回っているようです。
音程の基準はLPレコードと同じように回転速度なので、
この回転の震えが原録音に含まれている高音と干渉し鋭く耳にきつい音が発生すると考えられます。
その後の実験でPhilipps社製のLHH500R型では鋭い高音は感じませんでした。
総てのCDプレーヤーが鋭い高音を出すのではなくサーボ機構の出来次第と判りました。
PCオーディオでは音の再生に回転機構を伴わないのでジッタは生じない筈ですが、
厳密にはリアルタイムOSではないのでJOBの競合によってタイミングの変動が生じる可能性があります。
しかし聴いてみた感じではCDプレーヤーよりも遥かに嫌味が少なく心地よい音がでました。
OSの差異はVista Bussiness 64bitが最も良いと感じましたが、プラシーボ効果かもしれません。
OSの負荷が更に軽いXPの64ビットが良い筈ですがドライバーが合わず残念な結果でした。
また再生ソフトをロスレスやAACのような圧縮で記録すると音が途切れる事はありませんでした。
音楽のデーター量が減るのでJOBの競合が少ない為ではないかと推察しています。
高価なCDプレーヤーでは性能の良いサーボ機構を備え良い音が出ると思われます。
しかし安価なWindowsパソコンで心地良い音が楽しめるPCオーディオには抜群の投資効果があります。
7.WAVとオーディオロスレスの比較 ('08,11、27追記)
CDから音楽データをWindowa Media Playearへ取り込む際の信号形式は何種類か用意されています。
そのうち音質の低下が無いといわれるのはWAVとオーディオロスレスです。
WAVはデーターを圧縮せずCDと信号形式が同じなので全く損失が無い形式で、
オーディオロスレスは半分以下に圧縮しデータ量が減るが損失は無く元に戻せるという優れた方式です。
従来はWAVを常用していました。それはiPodのAACで音質の低下を感じてからです。
圧縮は音質が低下するという先入観を持ってしまいました。
オーディオロスレスは本当に音質の低下が無いのか興味が湧いたので早速試してみました。
同じアルバムをWAVとオーディオロスレスの両方で取り込めると比較が容易なのですが、
Windowa Media Playearは同じアルバムを読み込まないように制御されていました。
仕方なく WAVで取り込まれていたアルバムを消し、同じアルバムをオーディオロスレスで取り込み試聴して比較した。
どの程度音質が低下するか試すつもりで試聴したのですが結果にはビックリしました。
明らかにオーディオロスレスのほうが自然で心地よい音でした。
ピアノの音が艶やかになりバイオリンの鋭さが消えました。楽器の魅力が増しています。
AACのような解像度が下がって耳障りな音が減った感じではありません。
音が良くなった理由は、音楽データーの量が減り低速記憶装置(HDD)をアクセスする頻度が
少なくなった事によってJOBの競合が改善されタイミングの精度が増した為かと考えていますが定かではありません。
Vista 64bitとオーディオロスレスを組み合わせれば更に良い音になるのかもしれません。
しかしVista 64bitには適切なドライバーが無く日本語入力に問題が在るようで仕事に使えません。
音楽再生専用にもう一台買おうかと迷っています。