デブにならないために
第1回
さて デブになるのはどうしてだろう。 ラボアジェの質量保存の法則 によれば
体重増加量=体内に入った質量ー体外に出た質量 なのだが 人間は生物なだけにそう単純ではない
必要なものは摂取しなければならないし 不要なものは排出しなければいけない
生物体内では代謝(物質交代ともいう)とよばれる化学反応が常に行われていて
とりいれた物質からからだをつくる同化とからだの物質を分解してエネルギーを得る異化が行われている
すなわち
同化量>異化量 なら体重増加
同化量<異化量 なら体重減少
ということになる
要するに 摂取カロリーが消費カロリーを上回った場合に同化されてできた脂肪が
カラダのあちこちにたまって体重増加をもららし 同時に体型の変化を伴って デブ になるわけである
第2回
となれば デブ にならないためには
1.摂取カロリーを少なくする
2.消費カロリーを増やす
の両面から考えていけばいい そこで まず 摂取カロリーを減らすことから考えてみよう
そんなの 食べなきゃいい という人がいる しかし それでは必要な栄養もとれないし
食べることによる満足度 って人生の大きな部分を占めている気がする
だから いろんな意味で 正しい知識 というものが必要なのだが
いわゆる 常識のウソ とか 根拠のない俗説とかがゴロゴロしているから
大変に始末が悪い その辺をまずよく考えてみる必要がありそうだ
第3回
まず 摂取カロリーを少なくする という面から考えてみよう
運動によって消費されるカロリーというのは案外少ないので
どうしても摂取カロリーを少なくする努力なしには体重は減らない
では よく言われる 食べても太らない という現象を考えてみよう
食べても太らない原因として考えられるのは
1.食べたものが消化・吸収されていない
食べたものは胃や腸で消化され吸収されてカラダに同化するわけだからこの機能が不十分であれば当然太らない
しかし 必要な栄養もとれないわけで いってみれば不健康な証拠である
消化器系の病気で下痢や嘔吐をくりかえしているときも体重は減少するが
要するに病気なわけだから体力も失われ最悪の場合は死亡する
2.基礎代謝量が大きい
体温の高い人は太りにくいといわれる
これは高い体温を維持するためにエネルギーを消費しているためでいわば燃費の悪い車と同じようなもの
激しい運動をしていなくてもきびきびとした生活をしている人は
目に見えないところでエネルギーを消費しているものである
3.食べているものの質が違う
栄養はバランスが大切なわけで 食べる量が多くても
野菜などをじゅうぶんにとっていれば摂取カロリーはさほど多くならない
逆に脂肪や糖質など高カロリーなものが多ければ
食べる量が少なくても摂取カロリーは多くなる
太っている人を観察していると 揚げ物や甘いものをよく食べている
第4回
このうち 1 と 2 は いわゆる体質によるものなので 3 の食べるものの質 に気をつける必要がある
どれだけ食べたか ではなくて 何kcal摂取したか が重要なのだ
1cal(=4.2J) とは 1gの水の温度を1℃(正確には 14.5℃から15.5℃まで)上げるのに必要な熱量
1kcal=1Cal=1000cal だから
食品というものが いかに大きな化学エネルギーをもっているかがわかると思う
人間には 錯覚 というメカニズムが働くためにいっぱい食べているように見えて 摂取カロリーが少なかったり
食べていないつもりでも 多量のカロリーを摂取していたりすることがある
そのあたりを次回からくわしく解説していこう
太っている人を観察していると
食事とは無関係にのべつまくなしに菓子とかジュースとか糖質の多いものを口にしている
逆に太ってない人は 食事のときにはたくさん食べてもあまり間食をしていない
体質だと思われてることが 案外こういう食習慣の問題だったりする
1度の食事で摂取できるカロリーは限りがあるからたくさん食べたようでも数値はしれている
(ただし 1日の摂取量が同じなら回数が少ないほうが太りやすい)
だから食事を抜いて間食をしているのは最悪であって
必要な栄養はとれないのにカロリーだけオーバーになっていく
まして間食でとる糖質はすみやかに吸収されて満腹感がないので
気づかぬうちに大量のカロリーを摂取してしまうことがある
第6回
食べたものがすべてエネルギーになるわけではないし
エネルギーがすべて脂肪になるわけではないことがわかってもらえたと思う
野菜はもちろん 肉でさえカロリーはそんなに多くない
そしてカロリーが同じでも 体脂肪になる量はかなり違ってくる
重さで比べると 炭水化物は1gあたり4kcalであるのに対し脂肪は1gあたり9kcalに相当するから
量が同じなら 脂肪のほうがはるかに高カロリーであることは確かである
しかし 消化・吸収のされやすさに大きな違いがあるので数字では比較できない
一般に脂肪は長く胃にとどまることが多く 俗にいうように 腹持ちがいい
対して糖質はすみやかに消化されるので1日あたりの摂取量が多くなる
何度も言うように食事のバランスが大切で
脂肪は高カロリーだから避ける という単純な発想では効果は上がらないどころか
脂溶性ビタミンの吸収をさまたげ病気になることだってありうる
第7回
次に 消費カロリーを増やす という面から見てみよう
”運動をすればいい”と考えがちだが そんなにかんたんではない
前にも書いたように 運動で消費されるカロリーは思いのほか少ない
それと 運動の質 も重要である
難しい理屈は省略するが 激しい運動は 体に負担をかけるだけで効果がない
簡単に言うと 息が切れるような運動はダメ
これは いわゆる無酸素運動 でカラダに供給される酸素が足りず
筋肉内に代謝された乳酸がたまっていき カラダが借金をしている状態
借金を返すために酸素を吸入して たまった乳酸を代謝する必要があるので息がきれる
こういう状態では余分な脂肪を分解する余裕などないのでむしろ逆効果
息が切れない程度の運動(有酸素運動)を長時間続けないといけない
ということは よほどの暇人でない限り困難なことなのである
いったん ついてしまった脂肪を減らすのは難しいのである
第8回
実は 消費カロリーの面から見ても 太っている人には共通点がある
それは 総じて腰が重い ということ
とかく自分で動きたがらず人に頼む
ちょっと動けばすむところでも機械にたよる
階段を使わずすぐエスカレーターに乗る
などなど こういう生活習慣の蓄積って大きいんじゃないかと思う
かりに1日200kcalの差だとしても 1年では80000kcal近くになる
4kcalで1gとすると 1年で20kgの差になるわけだ