ある日ある時、カナン王子様は、ふしぎな模様のたまごを拾いました。
「むっ・・・。これはもしや例のたまごでは」
王子様は、自分の従者が育て(させられ)ている、ちいさなちいさな王子様のことをすぐに思いつきました。
1/16のサイズのちいさな王子様。
生まれて最初に見た人間になつく(?)という習性を持っているらしく、セレストにべったりです。
そしてセレストも、そんなちいさな王子様を嬉しそう(??)に育てているのです。
カナン王子様はそれがちょっと結構かなりすごく全然面白くありません。
だってセレストに一番に想っていて欲しいのは、自分なのに。
そりゃーだってふたりっきりで居る時のセレストはすてきです。優しいし。カナン王子様がちょっとくらい我儘を言っても許してくれるし。キスもエッチも上手いですし。
なのに。
時間が来ると、バタバタと帰りやがるんですあの男は。
おっと言葉遣いが悪かったですね。失礼失礼。
そう、帰ってしまうんです。カナン王子様を残して。
ちいさな王子様がお腹を空かせているから、独りで寂しいから、拗ねると後が大変だから、と言って。
は、はまってる・・・。
カナン王子様がそう思うのも、無理はありません。
だから目の前の、そのたまごを拾ったとき、ある考えがカナン王子様の頭に浮かびました。
このたまごはきっと、ちいさな従者のたまごだ。←だってもうちいさな王子が生まれているんだし
1/16のサイズのちいさな従者。
僕がつきっきりで育てたら、セレストのやつにも放っとかれた僕の気持ちがわかるにちがいない。
・・・。
それに、ちいさな王子があんなに可愛いのだから、ちいさな従者も同じように可愛いに決まってる。
・・・カナン王子様は意外にも、ちいさな王子様が嫌いではありませんでした。
そして、これから生まれてくるであろう、ちいさな従者も。
要はセレスト、彼がちいさな従者にやきもちを妬いてくれるのを期待しているのです。
「ふふふ、楽しみだ」
見守るカナン王子様の前で、いよいよ孵化がはじまります。
ぴし、とヒビがはいって、ぱっくりとそのたまごは割れました。
生まれたのは、やっぱり1/16のサイズのちいさな従者。
でも、ちょっと違うのは、その従者はリアルに8頭身だったのです。
「うおっ!!」
驚くカナン王子様に自身も驚いて、そのちいさな従者は言いました。
「あの。ここどこなんでしょう?」