一昨年は寸前でドタキャン、昨年はとても身動き出来ずそうそうに断念、2シーズンぶり念願の北海道行きだ。これで4度目、結構ベテランになってきたか?編集部の都合でいつもより早めに原稿を上げなくてはならなかったおかげで三日ほど休養が取れ、ゆっくり荷物の準備、フライを巻く時間もできた。しかし荷造りはやっぱり当日朝、時計を身ながら焦ってやるこの体質は何とかならないものか。
車を民間駐車場に入れ、久々に靴を履いて歩いたと言うだけで空港に着いたときはすでに疲れ気味であった。
同行はいつものinoちゃんとサーモンはやったことないな〜と何度もつぶやき行きたそうにしていたi氏である。
中標津便は世界遺産となった知床観光のお客さんか一席の余裕のないほどぎしぎしで3人バラバラの席。空港でせっかく人気の空弁というやつを買って乗り込むが、一人寂しく食べるはめに。しかしたったの一時間半で懐かしい場所に到着だ。前の週の台風で川は泥流と化し調査中止が続いたりしたが、日頃の行いが良いせいか水位も下がり濁りも取れたばかりという、釣りには絶好な状況か。

空港でSサイズのレンタカーに大荷物を詰め込みとにかく川に行こう!一時間も釣りができないがとにかく下見だ。3時半過ぎ管理棟へ付き急いで支度をして川へ繰り出す。川は増水の後もまだ生々しく、知っている流れがすっかり変わっているところもあった。
前回2002年はカラフトマスの超当たり年で辺り一面カラフトだらけだったが・・・いない。ぜんぜんいない。ようやく一匹二匹見つけると言った感じだ。カラフトの死体もない。みんな増水で流されてしまったようだ。
忠類のドンf氏によるとカラフトも増水を察知して産卵行動をしていなかったそうだ。13fのダブルハンドロッドを振る感触を思い出しただけで初日は終了。
他の釣りと違ってとにかく遡上して目の前に魚がいないと釣りにならないぞ・・・・・。
ちょっと不安を残す初日の様子。2年前もこんなだったとinoちゃんの弁。初めてのi氏はどうするのどうするの?と言う顔。
まあ考えてもしょうがないので生ビールだ!!!過去3回はキャンプ場泊まりで楽しくも質素な釣行であったが今年は違うぞ!まずは景気付けだ。これしかない。北海しまえびにサンマの刺身にシャケの干物に焼き漬けにめふんにチューの塩からに。けけけけけけけ。グルメ漫画を描いている私にとってはこれは当然取材となり、領収書を切ってもらう。

4時半目覚ましと共にのそのそ起き出しいよいよ二日目。平日人の少ない中で釣りができるのは今日だけなので夕べ仕入れた菓子パンを車でかじりながら朝駆けだ。
5時を過ぎで釣り人の車は20台ほどで、一日数百人駆けつけた以前の忠類フィーバーはだいぶ収まったようで、釣りもしやすくなった。
他のお客さんは皆下流部に溜まっているようなので、第一管理棟から歩くこと15分、釣場の広い上流へはいることにする。3年前はカラフトがビッシリだったところだ。
昨日より目が慣れたのか歩いている間に、5,10匹の集まる付き場をいくつか見つけることが出来た。
思い出すように上流から流す。ほどなくコンと当たってロッドをあおるとやったー魚だ〜。するすると上がってきた一発目はまるでサクラマスのような小さなカラフトのメスだった。
開始三〇分、けけけと下流でやっているi氏に魚を見せびらかしつつ、三年ぶりにwebにアップしなければと胸ポケットに手をやったらデジカメを車に忘れていた。サイト持ちは デジカメが命・・・面倒だから取りに戻る気なし。時間がもったいないもん。
魚はぽつぽついるがもう産卵床を掘っているか、すでにお役御免でぼろぼろになったのが岸に着いているだけだった。でもカラフト天国だった2002年に比べてサケが多い気がするぞ。ついていそうな場所に必ず1、2匹ついている。
みえたぞ〜。流れの真ん中あたりに黄色く見えるシロザケ君の鼻先をめがけて流す。流すー。キター。釣れるときは結構あっさり釣れるもんだ。今回の旅行シロザケを釣る気は全くなかった。どうせ上がっていないだろうとフライも8番中心で小さめ。うぎ〜。
りゅうしんにどっしり構えなかなか動かない。動き出すとクビ振る振る。ひとりぼっちで格闘すること数分ついに岸へズリズリと寄せた。これは絶対写真を撮ってもらわねばと笛を吹いてはるか上流のinoちゃんを呼ぶ。はいチーズで一応形になったかな。これですっかり気分も楽になった。
その後はスレで掛けたりとなかなか続かなかった。魚に相手にしてもらえないまま雨も降り出し、最初の頃はもっと上流で良くやったなあと思い、熊が出そうな第一管理棟最上流部まで一人、15分林道を歩く。
ぽつぽつと雨のがカッパに当たるだけで、しーんとしている。
するとエゾ鹿が6頭もすぐ目の前にあらわれた。わーカメラカメラ・・・・ないっけ。
しばらく立ち止まってこっちを見ていたが白いおしりをみせ藪の中へ消えていった。上流は案の定誰もいなくて、拾い釣り。

ドン深流芯の中に元気なカラフトやサケがひらひら舞っているのが見える。小さめのフライばかりでなかなか底を取れないので、ガン玉を一つ噛ませ淵の中へ。一回二回とラインをメンディング。びっくりするほど思い切りガンと当たってカラフトのオス。
中にはまるでライズするようにフライの落ちた表面にと浮き上がってきて持っていくのもいればピックアップした時加えているのに気付く魚も。一カ所で5匹ほどカラフトを釣って本日終了。
ちゃんと釣りになってもう今回の旅行は目的達成という感じだ。
気がつくと足の裏激痛。ふくらはぎぱんぱん。帰りの管理棟までの道のりは足が棒で足取りもおぼつかなかった。
帰り際f氏に逢い熊の足跡をみせてもらう。大〜ほんとだ。ほんの管理棟のちょい上。人が入る数時間前に歩いただろうという新しい足跡だ。
大きさから100ー120キロのクマジロウだという。この辺にいる熊は皆名前が付いているそうだ。

三日目は調査休止日でオショロコマ釣りの予定を立てていた。
宿に作ってもらったおにぎりを持って7時に出発。朝から雲一つなく真っ青に澄んだ空だ。
車で30分ほど。
やはり台風の増水でだいぶやられたようだがオショロコマは回復が早いから大丈夫だよと言う地元の人の言葉を胸に橋の上から出来そうなところを何カ所かのぞいてみる。
道路から見る川は澄んで落ち着きを取り戻しているようだった。


ダブルハンドから2番のロッドに持ち替えベストのポケットの中を入れ替え、早速降りる。橋の下にはサクラマスのペアがいきなりいる。40センチほどのメスと15センチくらいのヤマメのオスのペアだ。
足元でそんなのを見ながら適当に14番のドライを結んで投げると、いきなり釣れた〜。8cm・・・のヤマメだ。手のひらに載るような。喜んでみせたりして投げるとまた釣れた。
また8cmのヤマメ。明るいところは次から次とチビヤマメが釣れまくる。

少し上流の木の陰にはいるとついに念願のオショロコマだ。やった〜。写真取る。
16cmほどの本当にきれいな魚だ。
ほんのちいさな石裏の緩い流れのポイントから同じようなオショロコマが12匹釣れた。どうなってんじゃこりゃ・・・と言いたくなる。しかしこれだよな〜、この釣りをしたくてここまで来たって感じだ。

忠類のドンf氏は東京の人は一年分釣りをしてストレス発散して帰ると言っていたけどまさにその通り。長いドライブをして小さなヤマメを3っつ4っつ釣れば御の字の東京の釣りからすれば天国。
全然先に進めない。歩いてきたところを振り返って投げてもまだ釣れる。ヤマメも18センチくらいのがようやく釣れた。
オショロコマも最大で20ちょい欠け程度のかわいい魚ばっかりだが、個体数が多いと魚が小さいそうなのでこれがここのレギュラーサイズかな。
ほんの50mほどのところを行きで釣って同じところを帰りも釣ってもうお昼だ。

おにぎりを食べながらのんびりと山を見る。同じホテルの東京からの釣り人が来そうな所だが結局誰も来なかった。
午後は橋の下流だ。幾ら釣っても飽きないなあ。もう全然数え切れない。100匹は軽く越えただろうけど。ワカサギ並みの釣果。ワカサギ並の小さいヤマメも多いのだが。
岩のしたのプールの前に3人座り込んで座ったままキャスト、フライ釣り堀だ。釣っても釣ってもまだ釣れてくる。スレるってことを知らないのかうぶな魚ちゃん達だ。
釣行がままならなかったこの3年分釣りをした。

四日目。実質この日が最終日。4時半さすがになかなか起きられない。起きたときからすでに足ががくがく。下流の人に鮭が上がっていたようなので初めて最下流部に入ってみることにする。
昨日の休みで遡上も促進されたのか確かにいるではないか。いるではないか。
ふかい流芯にずらりと縦に並んでいるしゆるい所で溜まって休んでいるやつが真っ黒に見える。うお〜サケばっかし。
早速i氏が生まれて初めてのサケを格闘の末ゲット。すぐ後にinoちゃんが同じ魚をまた釣った。魚は疲れ切ってへろへろですぐに上がってきたが、何でフライに噛みつくかな〜と笑った。
私はしばらくキャストしただけでフラフラになってまず河原でぐーすか睡眠。
1時間後すくっと起き出し釣りだ!フライで流しやすいポイントは一カ所なのでみんなで入れ替わり立ち替わり入る。
ごんとハッキリしたあたりで来たーーー。首を振っているのでちゃんと銜えている!強い流れの中から魚を出すのは一苦労、ぺらぺらの8番のダブルハンドは腰が抜けるほど曲がっている。
走るサケを追いかけてルアーマンの前を通してもらい、下流に走る。おらおらおら〜だ。
でっかいオスだー。
上手く底を取れると結構な割合でかかってくる。しかしラインブレイクやバラシなどで半分も取れない。完全にフックがのびたりしていた。(まあのびたやつはたぶんスレ掛かり)とほほだ。
そのたび重労働。体力限界で3度昼寝をしながら釣れたサケ4本。何となく釣り方が分かってきた所で終了。他にスレ数本。他の二人も私より多くあげていた。
大きな魚を相手にたっぷりと堪能ーー。これだからやめられないここの釣りだ。また来年来ますか?と早速i氏。
こんなに毎日天気も良く魚もいるとは限らないからな。私に感謝するようにとよく言い聞かせて忠類の日は暮れて行くのであった。また来年この釣りができますように。

最終日飛行機の時間まで釣りをしたものだが今回は充実の毎日だったので観光の半日だ。土産を買いまくり標津漁港を見学、そしてサーモンパークへ。サケの水車もみれたし、カットスロートやグレイリングなど見てもたいして楽しくない魚にエサをやって(ガチャポン50円で魚のエサが買えるのだ)、釣り人でないとこうも楽しめないだろうナーという感じで大喜びであった。
東京には現実が口を開けて待っている!心はすでに来年のことだ。



一番銀化が残っていたメスと天竜のDHと
みんなに気の毒がられたダイワのファントムGS7という恐ろしく古いリール。
サケがかかるたびにジージーと鳴った。
他にもでかいリールはあるんだ!、
その昔、師匠にもらったイトウやスパーレインボーを上げた(師匠が)
歴戦の大物リールを
験を担いで使っているのだと言っても
誰もきいてくれなかった。

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