お風呂満水警報装置


皆さんは風呂に湯を張るときにどうやって止めていますか?普通はタイマーを使って一定時間後に見に行くとかでしょうが、それだと湯の温度が関係して季節によって時間が違います。我が家もタイマーで計って見に行ってましたが、それだと見に行ったときにまだ水位が足りないとなんか損した気分になります。もう一回後で見に来なければなりませんし。たまにそれを忘れて逆に湯が溢れたりする事もしばしばです。そんなときに湯量を見張ってくれる機械があればどんなに楽でしょう。
今回はそんな作者の面倒くさがりがきっかけで自作して母に納入したお風呂満水警報装置を紹介します。
●水位を検知するには

水位を検知するにはいろいろな方法があるでしょう。物理的に浮きを浮かべてスイッチを押すヤツや光学的に赤外線センサーを使うヤツなども考えられますが、今回の風呂ブザーのコンセプトである

・構造が簡単
・メンテナンスフリー
・とにかく実用


を満たすには、「純水は電気を通さないが、水道水には不純物が大量に含まれているため電気を通す」という事を利用した電気式のセンサーにする事にします。

これはどんな仕組みかというと、ただ単にイヤフォンとかで使われるイヤフォンプラグにケーブルを付けて浴槽に垂らすだけです(左図参照)。
「はぁ?こんなものでいいのか」とお思いでしょうが、普通の家庭で使う分にはこの程度で十分です。水道水は純水ではありませんから、テスターなどで抵抗を計ると200k〜1Mオーム位の値を示します。従って当然電気も流れるわけで、その電気の流れを検出してやれば水位センサーの出来上がりとなります。

ただし、この方式にはひとつ問題があります。センサーに流す電流で水が電気分解を起こしてしまうのです。と言っても気泡が出てきたりはしません。そこまでの電流は流しませんが、しばらく使っていると電気分解で出てきた物質が付着し、端子が錆びたような状態になります。これを「分極」と言い、こうなってしまうと肝心の電流が流れにくくなってしまいます。これを回避する方法は無い(と思う)ので、少し汚れて来たな、と思ったら端子を掃除してやって下さい。
あと、イヤフォンプラグを端子に使うときは、水をプラグの中まで入れないようにしましょう。水を入れたまま放っておくと、今度は本当に錆びてしまいます。更に言うなら、配線するケーブルも太い、と言うか耐水性のあるものにしないとケーブルが腐ってしまうかも知れません。


●報知器は

水が入ったのを知らせるにはいくつか方法があるでしょう。音、光、振動。どれを選択するかはその使用環境によって違うでしょう。音、と言ってもブザーやらメロディーやらありますが、最も簡単なのはブザーです。ただ「ビー」と鳴らすだけですから。

しかし、ブザーは慣れると気付かない・慣れていなくても他の音に混ざりやすい、という欠点があります。ちょっと台所で換気扇回して電子レンジを使っているとブザーの音なんか解らないんです。それじゃちょっと困るので、私は100円で市販されているオルゴールをスピーカーで鳴らすことにしました。これなら一応音に変化がありますので、鳴り始めたのを気付くことができるでしょう。
他にも報知の方法は色々ありますが、風呂と人が離れている場合はラジオの電波に報知音を飛ばすことが出来れば一番確実でしょう。しかし、この方法だと発振回路やコイルを搭載せねばならなくなり、非常に面倒です。簡単では無いし、そこまで家は広くないので(笑)その方法はやりませんでした。

●回路図
実際に制作した回路図は左図の通りです。ちょっと小さくて見にくいかも知れませんが、拡大して対処して下さい(^_^;)。

まず、センサー部には前途の通り電気式のセンサーを使います。端子に水が触れるとそこに200K位の抵抗を繋いだことになりますので電流が流れ、その下の200Kの抵抗に発生した電圧ではじめのトランジスタがONになります。
そのトランジスタからは抵抗とダイオードが直列に繋がっています。途中、動作確認用のLEDへの回路が派生しています。ダイオードが3つ繋がっているのは、オルゴールの動作電圧が約1.5Vだからです。それ以上の電圧を印加すると壊れるかも知れません。ダイオードというのは順方向に電流を流すと、必ずそこに0.6V位の電圧降下を起こします。それを3つ直列に繋ぐことにより約1.8Vの電圧を得ているわけです。その電圧は、オルゴールの電源端子に繋ぎます。

普通100円で売られているオルゴールは単体ではスピーカーを鳴らす能力はありません。そのオルゴールの音をトランジスタで増幅してやればスピーカーでも十分鳴らせることが出来ます。回路一番右のLEDは電源ランプです。

この回路の電源は乾電池でもACアダプターでもなんでも構いません。3V以上あれば動作すると思います。私は乾電池を交換するのは面倒だと思ったので、トランスでAC100Vから取りました。
回路図を書くまでもない回路なのですが、
AC100V → ヒューズ → 電源スイッチ → トランス → ダイオード → レギュレーター
という電源です。定電圧レギュレーターは7805というものを使用しましたが、5V位を供給できるやつであればなんでも構いません。

更に私の場合は壊れた「風呂の水を洗濯機に送るポンプ」を再利用して制作しました。ケーブルは元々耐水性ですし、ACトランスも初めから付いています。ケースは洗濯機などに引っかけやすいようになっていますし、なかなか再利用とは思えないほど便利です。



●実際に使ってみて

これを1500円で母に納入して現在使っています。市販品を買うともっと高くなるので(4500円とかじゃなかったかな…)、非常に経済的で使いやすいものになっています。これで風呂の湯を入れすぎることも無くなりました。実用性の面から言ってもこれは一家に一台欲しいものではないでしょうか?

ただ、オルゴールのメロディは選んだ方がいいかもしれません。私は手元にあったジングルベルのオルゴールなのですが、夏なのに…と少々ヘンな気もします。まあ、気付きやすいのですからいいのかもしれませんが。電子レンジでさえ最近は「チーン」ではなくてヘンなメロディですからね。まあ驚くほどの事では無いのかもしれません。
また、オルゴールではなくてブザーでいい、と言う人もいるかも知れません。その場合はオルゴールを取り外して適当な発振回路を繋いで下さい。

1997 Copyright JSRC<Y.Hayashi>