ファミコンAV化2

ファミコンAV化については既に2001年4月に掲載済みのところでありますが、簡単に作る事を目指したために調整が必要であったり、個体差によりうまく映ってくれなかったりという事象があったようでした。このため、このファミコンAV化で何件もお問い合わせを頂く事となりました。
このため、部品点数は増えますが、より確実な回路を設計する事とし、ファミコンAV化2として公開致します。


コンポジットビデオ信号とは

ここでいうAV化とは、映像出力をRF経由ではなく、コンポジットビデオ信号として取り出す事が目的です。このコンポジットビデオ信号は、一般のビデオデッキやゲーム機の映像出力として用意されている黄色いピンプラグからの映像を指します。従って、ファミコンをAV化すると、普通のテレビやビデオの映像入力端子に接続して見ることが可能になります。

具体的に説明するために、コンポジットビデオ信号の出力映像をオシロスコープで見てみましょう。

左図はある瞬間の走査線1本+αを映したもの、右図はその時のブラウン管の表示画像です。
波形左端の大きくマイナスへ振れている箇所から次のマイナスへ振れている箇所までが1本の走査線です。NTSC方式のテレビでは、これが525本(但し全てが表示用に使われるわけではない)集まり1画面が構成されています。
走査線1本を見てみると、まずマイナスに大きく振れた水平同期信号があります。次に、カラーバースト信号と呼ばれる色を再現する際の基準になる信号があり、以降が映像信号になります。
映像信号は、電圧方向が明るさを示しており、そこに交流の色信号が重ねられています。この写真では色信号はよくわかりませんが、輝度信号については、なんとなく右側のガードレールと車線の白、それにハチロクに照らされた路面の明るい2カ所がわかります。

また、暗くて見にくいのですが、縦軸の1目盛りが0.5Vとなりますので、信号のPeak to Peakは約2Vとなります。


ファミコンの回路上のビデオ信号

次に、ファミコンの基盤上にあるVIDEOと記述のあるポイント…ここがビデオ信号の取り出し点になるわけですが、ここの波形を測定してみました。

左図が測定ポイント、右図が測定した波形です。測定ポイントは「ファミコンAV化」時と同じです。
映している映像は、カセットを刺していない状態で電源を入れ、画面が一面灰色になっている状態です。
水平同期信号とカラーバースト信号は先程と同じですが、映像部分については画面が灰色一色のため、輝度信号の直流成分が程々と、色信号が殆ど乗っていない事が見てとれます。
また、振幅については既に2Vp-p(Peak to Peakの意味)の状態であり、AV化にあたって信号増幅する必要はありませんが、直流成分が2.5V重畳されているため、それに対応した回路とする必要があります。


回路図と部品


時間がないため、手書きを接写したものです。見づらくてすみません。
以下回路の説明をしますが、わからなくても作れますので、わからない人は読み飛ばしてください。

※2004/3/10追記
輝度のある画面で映像が横に崩れる場合、TRのベースと+5V電源間の4.7KΩの抵抗値を約半分にしてみてください。
その代わりにTRのベースとGND間の4.7KΩを10KΩに変えても同様の効果になると思います。


基本的には「ファミコンAV化」の時と同じエミッタフォロアですが、安定性向上のために部品点数を増やしています。
出力信号が2Vp-pあることと回路を簡略化する事から、TRのベースバイアス電圧を電源電圧の半分、2.5Vに設定してます。
ベースバイアス電圧が2.5Vなので、エミッタの抵抗にはNPN型トランジスタの場合0.6V引いて1.9V、ここに10mA流れる事としてエミッタ抵抗は計算上190Ωですが、手持ちで一番近かった240Ωを使いました。
ベースバイアスの電流は、このエミッタに流れる電流の1/10の1mA流れるものとし、電源が5Vであることから5KΩ(2.5KΩ+2.5KΩ)となるのですが、これまた手持ちの部品の関係で、約10KΩ(4.7KΩ+4.7KΩ)としました。これでもバイアス電流0.5mAで、使用したトランジスタ…2SC1815のhfe(直流電流増幅率)が70〜700である事から、最悪値でも35mAとなり、10mAは満たすので良しとします。
あとは、直流制限用の電解コンデンサ10μFをエミッタフォロアの前後と電源のパスコンに1個、0.1μFの積層セラミックコンデンサもパスコンに入れます。出力段の10KΩは安定用、68Ωはインピーダンス整合用で本当は75Ωがいいのですが、これまた手持ちの関係でこの値になりました。

部品名規格数量その他
ファミリーコンピュータ本体HVC-0011
トランジスタ2SC181512SC型なら可
抵抗4.7KΩ2
240Ω1理想的には190Ω
10KΩ1
68Ω1理想的には75Ω
電解コンデンサ10μF3
セラミックコンデンサ0.1μF1
ユニバーサル基板少々
配線材少々

特別な部品はありません。新品で揃えても300円しないでしょう。
トランジスタは、極性さえ気を付ければ2SC型なら大抵問題なく使えると思います。


完成図


ひょっとすると、そろそろ初代ファミコンを見たことがない人が出てくるかもしれません。写真左、こんなやつです。1983年に発売された、8ビットゲーム機です。中を開けると、写真右のように、メイン基板とRF基板が現れます。後ろに転がってるカセットは忍者ハットリ君です。何面まで行けたか、もはや覚えてません。


ユニバーサル基板に回路を組んでみました。この写真に写っているのは映像信号の回路のみです。音声信号については、「ファミコンAV化」と同じですので、そちらをご参照ください。


完成した回路から出力されるビデオ信号と、その時の画面の映像です。映っている波形を見ると、どうやら屋根だけの部分のようです。
出力波形が微妙に汚い(水平同期信号に何かが乗ってる)のは、電源が綺麗でないのと、映像を意識した実装(映像伝送にはシールドケーブルを使うとか、回路をアースでシールドするとか)をしていないせいと思われます。


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