散策記録 2005
 2004後期  2004  2003  contents
2005/1/1
大きな船に乗って、豊かに植物が茂る南海の島に上陸した。
この島では、陽の光を浴びると極上の色彩を放つ極楽鳥たちが棲息している。
よく観ると孔雀かも知れず、夢ではありがちの変形する酉の種類のようだ。
極色彩の世界にいると、鳳凰を彫刻した男の話などを想いだした。

2005/1/7
夢を見ていると自覚が有る夢が、少年の頃は70%以上だった。
今はそれが逆転して30%以下となる。
夢だとは気がつかれない演出がされて、現実とはさっぱり変わらないような夢を見ている。

2005/1/15
長篇「時代劇」映画を撮影中にスタッフたちと、今までの映像ラッシュフィルムをチェック
していた。
効果音、台詞、音楽などはフィルムからは聞こえないから、スタッフから様々な編集プラン
が発案される。
フィルムは端的な時間に、豊かな情報量やイメージを整理して描かれるかが、
音響と編集しだいで決定される。それによって役者や物語が輝いて見える事もある。
脚本家さんから出た発想は、現実の時間帯と回想の二重進行へ「境界を介在」させて
一つのにしてしまうというなものだった。
しかし斬新すぎて、スタッフから理解がなかなか得られなかった。
問題となる「騎馬戦のシーン」をもう一度フィルムを回してもらい、要となる瞬間の場面で、
脚本家さんと監督の自分とが「ここが境界地点」と反射的に馬の嘶き声で同時に叫ぶ。
僅かに現実とはズレたその効果音によって、繋がるはずのない映像が不思議な化学反応を
おこしてしまった。誰にでも受信できる扉が開け、そして二度とはありえないような
奇跡の連続がつづく。これで撮影した長時間ものフィルムは、無駄なく見事に
二時間の作品に出来る可能性と希望が湧いて来た。
300億円の興行配収も夢の中では夢ではないのだろう。

2005/1/22
半透明な小さな人は石の中に屯していた。
気泡が移動するように、鉱物の中を自在に動きまわる。
人の形した口をぱくぱく話しているけれど、今そこから言葉を読み取ることは できない。
わんわん。
眼を見ることはできるが、耳を聞くことはできない。
そして多分、世の中には理解しなくてもいい場合もある。

2005/2/1
今春から放送が始まるTV番組の音響制作スタジオで、音楽打ち合わせをしたり、
声優さんたちとアフレコして終日となる。何時の間にか作画スタジオがすぐ隣接しており、
音響スタジオの音を聞きながらも仕事が出来るようだ。原画や動画の作業できる机が
用意してあり、此所で徹夜して撮影してもいいというので便利だ。
しばらく近代的設備のあるビルのなかで、生活するのかとわくわくする。
(現実には、映像制作、音響、撮影、編集、作画などの行程ごとに都内の離れた、
各スタジオを電車を乗り継いで移動するものだ)

2005/2/3
陽の光のように純粋な心にある時、またあの老人の声が聞こえる。
「今いらっしゃる処はどこか。あなたが御隠れになってから、私は心の焔を燃やし尽くし
ました。楽しさと悲しみの秘密をここに捜しにきました。ですから、あなたが如何して
いるのか答えてください」
福はウチ、鬼はソト。福はウチ、鬼はソト。福はウチ、鬼はソト。

2005/2/25
昨年からつづいた太陽からの異常な磁気嵐は、今、地上へは何故か静まりかえっている。
マイナスイオンの多い森の奥にある、広大な別荘へ来た。
先輩の映画監督の所有する、牧場か牛乳工場にもなりそうな敷地である。
屋敷の扉を借りている鍵で開けた。
出迎えてくれたアンドロイドは、幾つもあるバスルームへ案内してくれるのだが、
先客たちがひしめいてシャワ−やトイレにもゆっくりあり着けそうにない。
何時の間にか此の施設は 持主のポリシィ−とは関係なく、社会や国や世俗から追われた
者たちの避難所にされているようだった。
大奥にある冷凍睡眠室へゆくと、起き出した異星の客人たちが、入浴などを望んでいる
様子である。
大部屋で冬眠する前に、自分も地上の汚れを流して起きたい。
しかし、順番を待っていたら、このまま仮死してしまうかも知れないほどの列ができそうだ。
大部屋で眠たそうに、エイリアンやアンドロイドや機械生物たちが犇めいていた。
所有者の先輩が、これを知ったらどんな驚き方をするだろうか。
それともこの森の入口で監視していた、未確認飛行物体にワ−プされてしまうのだろうか。

仔犬のつぶやきTOPへ戻る