Chapter 6-2 〜 プロ・プラバン島


えと、あらかじめ警告…この辺からの感想には時々R-15指定的発言がありますのでご注意下さい。いえ、原文がじゃなくて私の感想が、なんですけど。ま、中学生以下でここ読んでる人、いませんよね?

それと、この島についた時から、全般にホモくさくなります。それは私の発言がじゃなくて原文が、なんですけど(笑)。(「今までもずっとそうだったじゃん」というつっこみが聞こえたような気がしましたが…や、気のせい、気のせい。)

ここまで書いて気づいたけど、こういうことを書くと逆に期待してしまう方のほうが多いのか?いえ、R指定もホモくささも、あまり皆様を喜ばせるような種類ものではないかと。いえ多分…

英国使節団、プロ・プラバン島に上陸する

英国使節団はすぐ上陸し、宿舎に案内されました。川の向こう側にはフランス使節団の宿舎があるそうです。スティーブン早速、シャオ=イェンが紹介してくれた銀行家リン=リアンのところに行き、商談をまとめました。ラッフルズの紹介が効いたのか、リンは彼に全面協力の構え。川向こうの銀行家ウー=ハンとも協力して島中の金銀をかき集めてくれるそうです。スティーブンは「フランス側の情報には金を出す」と伝えた後、旧友のコーネリアス・ヴァン・ブーレンを訪ねました。

スティーブン、旧友の解剖学者ヴァン・ブーレンを訪ねる

ヴァン・ブーレンはオランダ人生物学者で、比較解剖学者。当時は世界中で次々に新たな種類の動物が発見されていたので、体の構造を比較する学問が注目を浴びていました。実在の学者ではフランスのジョルジュ・キュビエ(7巻1章参照)が有名。ブーレンさんは霊長類(人間含む)の専門家で、特に脾臓に関しては世界的権威だそうです。ラッフルズの植物コレクションはぜひ見てみたいけど、彼の臓器コレクションは遠慮したいですね。

スティーブンが訪ねた時、彼はバクを解剖中で「君のために脾臓を取っておいたよ」と言いました。二人でバクに取り組んだ後、彼は解剖学、特に熱中している脾臓について熱く語りました。

「オランウータンの解剖をしたことはあるか?」「一度だけ。それより、この国では人間の解剖用死体がほとんど手に入らないんだ。時々、姦通罪で処刑された死体があるだけで…しかも、この処刑方法というのが、胡椒を入れた袋を頭からかぶせて手を縛り、輪になって棒で叩くというものでね。死ぬまでに何度も痙攣が起こって、脾臓は捩れてしまう。体液の性質も変わってしまって、比較解剖学の役には立たないんだ。」

ここ、何にゾッとすべきかよくわからない…なんだかよくわからんけど残虐そうな処刑方法か、それを事もなげに語るブーレンさんか、それとも…解剖用の死体がたやすく手に入る当時の英国か。

スティーブンとヴァン・ブーレン、ドリアンを食べ、オランウータンとクマイ寺院の話をする

解剖にも興味ないわけじゃないけど、どちらかと言えば生きた動物が好きなスティーブンは、「オランウータンが見たい」と言いました。「低地にはほとんどいない。貴重なドリアンを食い荒らすので、殺されてね。」「実は、ドリアンも見たことがないんだ。」「ああ、それなら簡単だ。うちのコウモリの木はドリアンだから。」

彼の庭のフルーツコウモリは大きく、羽を広げると5フィートもありました。「ドリアンの外皮はコウモリには固すぎるので、宮殿の果樹園で果物を食べている。ほら、これは熟れている。」解剖していたバクの臭いだと思っていた腐臭が、その果物から漂っていることに気づいてスティーブンはたじろぎましたが、食べてみると美味でした。

余談:もう20年近く前バンコクに旅行した時、初めてドリアンを食べました。確かに臭かった。味の方は…美味とは思えなかったなあ。やたらリッチで、果物とは思えない味でした。確かに、匂いからは想像がつかない味ではあります。その時は同じツアーの人が屋台でいろいろ珍しい果物を買い込んできて、みんなでホテルの部屋で食べたのですが、一緒に食べたマンゴーはむちゃくちゃ美味しかった。ホテルは部屋に臭いがつくので「ドリアン持込禁止」。その禁を破ってこっそり持ち込んでいたのですが、残ったドリアンをなぜか私のカバンに隠すはめになって、しばらくそのカバンからは臭いが取れなかった…

「オランウータンを見るには、仏教の寺院があるクマイに行かなければならない。私は行ったことがないんだ。クレーターの外側に刻まれた『千階段』と呼ばれる階段を越えなければならないのだが、私は足が悪いのでね。」「ぜひ、行ってみたい。」

ヴァン・ブーレンはオランダを侵略したナポレオンを憎んでいたので、スティーブンは安心して彼の任務に協力を頼みました。彼はサルタンの王宮の側近たちについていろいろ情報をくれた上、彼の召使の兄弟がフランス使節団の宿舎の召使なので、情報が集められると申し出てくれました。

スティーブン、売春宿に滞在する

この島での滞在中、ジャックは艦に、フォックスは宿舎にいるのですが…スティーブンはちょっと変わったところにねぐらを定めていました。

彼は陸に滞在し、普段は小さなジャワ人居留区にあるお気に入りの場所に泊まっていた。優美な踊り子たちと名高いジャワ音楽のバンドがいる店で、バンドのガムランのリズム、間隔と拍子は、馴染みのないものであったにもかかわらず、香をつけた添い寝役(sleeping-partner)の隣に夜通し横たわる彼の耳に心地よく響いた。添い寝役の若い女は、お客の変わった趣味(きわめて突飛なものも珍しくない)には慣れっこだったので、彼の受身の態度にも驚きも怒りもしなかった。

あの〜、何なんでしょうかスリーピング・パートナーって。「受身の態度(passivity)」?「夜通し、隣に横たわる(lay there through the night by (her))」?スティーブンの「スリーピング・パートナー」は、単数形なので一人に決まっているようですが、これ以上何の説明もないので、「こんなとこばっかこだわるなよ」と思いながらもすごく気になって…妄想想像するに、セックスそのものはナシ、でも一晩中清らかに添い寝だけしているわけでもなくて、「受身の行為」(handとかblowとか…いやすみませんほんと)はアリ、ってことではないかと。

そうだとしたら、ダイアナさん、これって浮気に入るんでしょうか?微妙…(笑)まあいずれにしても、船乗りの妻としては相手が「現地のプロ」なら気にしないと思いますが。(問題発言?)

スティーブンがホールで音楽を聴きながら飲んでいると、ディアンヌ号の仲間が入れ替わり立ち替わりやって来て、みんなドクターがここにいることに驚き、恥ずかしがり、ショックを受けているようでした。真面目な主計長は彼を片隅に呼び、「気をつけてください、こういう場所では売春が行われていることもあるのですよ」と忠告しました。(スティーブンをどういう人だと思っているのだろう…)

もちろん、スティーブンがここに泊まっているのは、情報を集めるため。ここにはフランス軍の関係者も遊びに来るので。彼はフランス軍のスペイン人船匠とトランプ賭博をし、わざと負けてやったりしながら、情報を収集しました。

森を散歩するスティーブンをジャックが呼びに来る

夜は情報収集に励む一方で、昼はもちろん森を歩き回り、動物の観察を楽しんでいました。サイチョウ、パイソン、テナガザル、マメジカ、バク…

ある日、精力的に歩き回る彼のところへジャックが来ました。「ここにいると聞いて来たが、こんなに高いところなら、子馬に乗ってくればよかった。夜にあんなに活動しているのに、どうしてそんなに元気なんだ?」(艦の他の人たちは「ドクターは怪しい店で放蕩に耽っている」と思っていました。ジャックだけは事情を察しているのですが…)

「君だってそんなに食べ過ぎなければ元気が出るさ。貧乏な時の方が、君の体のためにはよかったな。今、体重は何ストーンだ?」「どうでもいいだろ」「2ストーンは増えてるぞ。まったく、君みたいな太めで血行のいい人は、この気候では常に卒中の危険がある。せめて夕食は抜いたらどうだ…」

この航海の前には痩せていたジャックですが、すっかりリバウンドしたようですね。思わぬところで説教攻撃に遭ったジャック。「スティーブン、このくそ山をわざわざ苦労して登ってきたのはな、フォックスが今夜会議を開くと伝えるためだ。明日、サルタンが戻る。謁見は明後日だ。」

ジャックは頭の痛いことが多くて、疲れているようでした。「フランスの水兵が陸で大騒ぎして評判を落としたから、英国は国益のために、少人数づつしか上陸させない、給与前払いも少しだけだって宣言したら、みんな不満の固まりになってしまった。女と寝るためなら、国益なんかくそくらえらしい。」「何といっても、それは男の最も強い本能だから…君が艦に女を入れるのに反対なのは知っているが、この場合仕方ないんじゃないか?士官候補生の年少組3人を上陸させれば害はないだろう。」「3人の面倒をみてくれるか?」「お断りだ。でも、フォックスに頼めば見てくれるだろう。彼はこの同盟の締結のためなら、何でもやるだろうから。」

英国とフランスの使節団、サルタンに謁見する

その翌々日、サルタンの宮殿で謁見が行われました。謁見は、英国側とフランス側をサルタンの王座の両側に並べて順に挨拶を聞くという、極めて公平なやり方で行われました。フランス使節団には、レッドワードとレイの顔も見えます。レイは英国側にオーブリーとマチュリンの顔を認め、怯えた様子でレッドワードの腕をつかみました。レッドワードは驚いた様子ながら、表情は冷静を保ったままでした。

スティーブンがフォックスをうかがうと、今までに見たことがないほどの冷たい憎しみをこめてレッドワードを睨みつけていました。どういう恨みがあるんだろう…

フランス側が先に、皇帝からの信書を読み上げました。デュプレーが読み、レッドワードがマレー語に通訳。(レッドワードは元東インド会社でマレー語は堪能。)

英国側はフォックスがマレー語で読んだのですが、サルタンの称号の「礼節の花、慰めのナツメグ、喜びの薔薇(Flowers of Courtesy, Nutmeg of Consolation, Rose of Delight)」のところでつまづいて二度読み返したものの、後は回復してすらすらと挨拶を終えました。

しかし、これは称号の一部なんでしょうか。すごい名前だ…。ところで、ここを初めて読んだ時、14巻の題名がここに出てきているけど、どう繋がるのかな?と不思議に思っていたのですが…それはまた後で。

王宮での謁見の後、宴が開かれる

謁見後の宴では、三馬鹿トリオが本領を発揮しました。つまり、暑い中の正装にもめげず、どんなに怪しい料理でも出されたものは全部食べ、緊張した雰囲気の中でも陽気に飲み、喋り、笑うことができるという…徹底した鈍感さ。フォックスはレッドワードとの再会で気持ちが乱れ、本来の調子が出ていないので、三人の「外交能力」は大いに役立ちました。どんな人にも取り柄はあるものですね〜。

スティーブンは下座に座って、ワン=ダという王宮官吏と話していました。「この間、森であなたを見かけましたよ。蜂に追われて、鹿みたいに跳んでいらっしゃいましたね。」とワン=ダ。スティーブンは勉強したマレー語を役立て、彼と楽しく森の話をしながらも、フランス側にさりげなく注意を払っていました。

レイは身体がたるんだ感じで、見る影もありませんでしたが、レッドワードはしっかりしているようでした。サルタンの後ろには彼の酌人−ガゼルを思わせるようなしなやかな身体の美少年が立ち、酒を注いでいました。。そしてスティーブンは気づきました−美少年が一瞬、レッドワードと意味ありげな目配せを交わすのに。

宴の後…「ジャック、ガニメデのことをどう思う?」「彼はきれいだ。おれのお気に入りだ。今夜だって、サルタンの方が済んだら、一晩中でも一緒に過ごしたいよ。」「??」「ほら、木星(ジュピター)のこっち側だ。あの光は見逃しようがないよ。きれいな星だ、ガニメデ(木星の第三衛星)は。」「そのガニメデじゃなくて、サルタンの酌人のことだ。」「ああ、あの子か。最初は女の子かと思った。でも、ああいう席に女は入れないのを思い出して…でも、どうしてガニメデなんて呼ぶんだい?」「ガニメデはジュピターの酌人なんだ。そして、二人の関係は…現在の社会では非難される類のものだった。そういう意味で言ったわけじゃないんだが…」