GLADIATOR PREQUEL ネタバレ・ダイジェスト版のページ
〜気の短い方へ(?)


Prequelのあらすじ(1) 1-5章 Prequelのあらすじ(2) 6-11章
Prequelのあらすじ(3) 12-14章 Prequelのあらすじ(4) 15-19章
Prequelのあらすじ(5) 19-20章 Prequelのあらすじ(6) 21-22章
Prequelのあらすじ(7)〜青春編完結 22章 Prequelのあらすじ(8)〜戦闘編(23-27章)
Prequelのあらすじ(9)〜帰郷編(28章) Prequelのあらすじ(10)〜餌づけ編(29章)
Prequelのあらすじ(11)〜出会い編(29章) Prequelのあらすじ(12)〜およばれ編(30章)
Prequelのあらすじ(13)〜うまや編(31章) Prequelのあらすじ(14)〜求婚編1(32章)
Prequelのあらすじ(15)〜求婚編2(32章) Prequelのあらすじ(16)〜結婚編(33章)
Prequelのあらすじ(17)〜新婚編(34章) Prequelのあらすじ(18)〜召喚編(34章)
Prequelのあらすじ(19)〜出発編(34章)



Prequelのあらすじ(1) 1-5章
スペインの辺境に生まれたマキシマス・デシマス・メリディアス少年は、幼くして両親と弟を火事で失い、親戚のところで暮らしていました。14歳の時に叔父の旅のお供をしていて、近くに駐屯していたローマ軍に魅せられ、入隊します。最初は下働きで、靴や武具を磨いたり、馬の世話をするのですが、当初からその優秀さは際立っています。彼は将軍の愛犬、ハーキュリースの世話という名誉ある仕事をまかされて、将軍以外にはなつかなかったハーキュリースも彼には大変なついていました。さて、その頃ルシアス・ヴァレスと共同統治帝として帝位についたばかりのマルクス・アウレリウスが、マキシマスのいるスペイン駐屯部隊の視察に訪れます。彼より2歳ほど年下のルッシラと7歳のコモドゥス(すでに憎らしいガキ)を連れて...マキシマスは皇帝の馬の世話をするのですが、マルクス帝は一目でこの利発そうな少年を気に入ります。マキシマスは、見たこともないような気品ある美少女、ルッシラに目を奪われます。ルッシラの方も、このハンサムで有能そうで、でもどこか寂しい目をした少年が気になってしょうがありません。滞在中、好奇心旺盛なルッシラは退屈してテントを抜け出し、ハーキュリースを散歩させているマキシマスに近づきます。ルッシラはハーキュリースにちょっかいを出そうとするのですが、ハーキュリースは将軍と彼以外に対してはけっこう凶暴なので、マキシマスは犬を押さえつつ彼女を一生懸命止めようとします(^o^)。そこを上官と皇帝に見つかって、上官は皇女を危険な目にあわせたのでマキシマスに厳罰を与える、と言いますが、ルッシラと皇帝が止めます。皇帝は、マキシマスをますます好もしく感じるのでした。つづく。


Prequelのあらすじ(2) 6-11章
…しかしその翌日には、皇帝と美しい皇女は、マキシマスの部隊を去って行ってしまうのでした。その後、マキシマス達の部隊は戦況の変化に対応し、ゲルマニアに進軍します。マキシマスは優秀ではありますが、まだ正式に兵士となれる年齢ではなく、また彼にはローマ市民でないというハンデがあります。ローマ市民でないと、本当は正規軍のメンバーにはなれないのです。マキシマスの親友にして最大のライバルは1つ年上のクイントスなのですが、彼は生まれながらのローマ市民です。早く兵士になりたいマキシマスは、日頃から優秀な士官として尊敬している百人隊長のダリウスに会いに行き、兵士として訓練を受けたい、と頼みます。ダリウスは彼に過酷なテストを課すのですが、マキシマスは見事に合格し、感服したダリウスは将軍と相談して彼にローマ市民権をとってやります。彼はめでたくローマ正規軍の兵士になるのでした。…そして時は流れ、彼がルッシラと再会したのは、彼が20歳の時でした。ローマで疫病が発生し、皇帝は家族ともども都を離れて辺境に避難してくることになります。マルクス・アウレリウスの家族−ルッシラ、コモドゥス、コモドゥスの母親(剣闘オタク)−は、ゲルマニアのマキシマスのいる部隊にやって来ます。

と、ここまでで気力が挫折。本日はここまで、以下次号。(すみません(^^;))


Prequelのあらすじ(3) 12-14章
ルッシラが部隊に来ると聞いてマキシマスは喜びますが、その様子を察したダリウスは心配して「彼女は高嶺の花だ、あきらめろ」と言いますが、マキシマスは聞いていません。ローマからの道中、母と弟の愚痴の相手にうんざりしながらゲルマニアに着いたルッシラは、それがマキシマスの部隊だと知って有頂天になります。マキシマスは、彼女が自分を覚えていた事に驚きます。宮殿からさえほとんど出ない籠の鳥のルッシラにとっては、スペインへの旅はかけがえのない思い出だったのでした。「マキシマスを覚えている?」と弟に聞くルッシラ。コモドゥスは「覚えてないよ。」と言いますが、本当はよく覚えていたのでした。今では老犬となったハーキュリースを2人で散歩させながら(犬が疲れたらマキシマスが肩に背負ってやったりしながら(^o^))語り合うマキシマスとルッシラ。マキシマスが基地の近くにあるドナウ川について話すと、ルッシラはどうしても見に行きたい、あなたと2人で、と言い出します。(なにしろ基地の中では人目がありすぎて語り合うのがせいいっぱいですから)マキシマスは当然、そんなこととんでもない、向こう岸にはゲルマニア軍がいるんだよ、といいますが、ルッシラは聞きません。根負けしたマキシマス(というか、彼も本当は行きたい)は、部下の少年兵の軍服と兜を借りてルッシラを変装させ、2人で夜に基地を抜け出します。ドナウ川の川岸でお互いを求め合う2人。ところが、いいところでとんでもない邪魔が入ります。

…と、ちょっとイジワルをしつつ(笑)以下次号。


Prequelのあらすじ(4) 15-19章
ルッシラとキスを交わしながら、マキシマスは向う岸からボートが近づいてくるのに気づきます。4人のゲルマニア兵がこちら岸を探りにきたのです。マキシマスはルッシラを隠れさせ、不意打ちで4人を襲い全滅させます。実戦経験のなかった彼とって、人を殺すのはそれが生まれて初めてだったのですが…マキシマスは怯えるルッシラを連れて基地に戻り、彼女が無事テントに戻ったのを確認してからこの事を報告します。(もちろん、ルッシラが一緒だったことは内緒)敵軍がローマ軍を探るのを未然に防いだマキシマスは大変な評価を受け、すぐに異例の若さで百人隊長に出世します。ところで、ルッシラは弟のコモドゥスの事を心配しています。なにしろ、父にはあまりかまってもらえず、友達もなく、母は彼をべったり甘やかし、剣闘試合に連れてゆくばかり。マキシマスなら彼のよきお手本になってくれるのではないかと考えた彼女は気の進まないマキシマスを説得し、翌日3人で遠乗りに出かけて2人が話を出来るようにはからいます。コモドゥスは前日にマキシマスが「4人殺した」という話に興味を抱いているのですが、マキシマスはあまり語りたがりません。マキシマスの犬、ハーキュリースの話になると、コモドゥスはマキシマスが犬をまるで人間の友達のように語るのを妙に思いますが、理解した様子はありません。コモドゥスが唯一興味を持って語るのは母と見に行く剣闘試合のこと。コモドゥスは、母が剣闘士を「買っている」ことすらほのめかし、純情マキシマス青年はショックを受けます。マキシマスが、ゲームのために人が殺されるのは理解できない、と言うとコモドゥスは、君も昨夜4人殺しただろう、どう違うのだ?と言います。マキシマスは、それはゲームじゃない、と答えますが、もうこの少年に何を話したらいいかわからなくなります。そして少年は突然のように、僕は姉を愛している、その愛を奪うものは許さない、とマキシマスに向って宣言します。その後、マキシマスがなかなか自分のテントに来てくれないことに業を煮やしたルッシラは彼を呼び付けます。そして彼女の部屋で、2人は結ばれます…しかし、それを見つめている目があることには、2人とも気づいていないのでした。不吉な物音に目覚めたマキシマスが、テントの外で発見したものは…

以下次号。(いぢわるが癖になってるなぁ…)


Prequelのあらすじ(5) 19-20章
悲鳴のような声を聞いてルッシラのベッドを抜け出し、テントの外に出たマキシマスは、そこでハーキュリースが喉を切り裂かれて死んでいるのを発見します。血にまみれた犬の亡骸を抱きしめ、涙を流しながら、彼はルッシラに言います。「…あなたの弟だ。」ルッシラは否定しようとしますが、否定しきれません。亡骸を抱えて歩み去るマキシマスを、なすすべもなく見つめるルッシラ。…翌日、マキシマスはルッシラの呼び出しを拒否します。仕方なく自らマキシマスのテントを訪れたルッシラにマキシマスは、コモドゥスは決して我々が一緒になるのを許さないだろう、どんな手段を使っても、と言います。ルッシラは、あなたが近衛兵になってローマで暮らしてくれれば、結婚はできないけれど、弟にも隠れて逢い続けることはできる、と言います。ローマの貴婦人が愛人を持つのは珍しくないし、そうすれば戦場に行く危険もないし、私もできれば独身を通せるように父に頼んでみる…と。そのような提案をするルッシラに深く傷ついたマキシマスは、「私はあなたを愛してない、愛していると思ったが、勘違いだった」と言います。あまりにみえみえの嘘に、ルッシラは無理に笑って、「嘘をつかないで。兵士というのは正直なものではないの?」と迫りますが、マキシマスは「あなたを愛していない」と繰り返します。ルッシラは泣きながら彼の元を去るのでした。…そして、その翌日、マキシマスはさらにショッキングな事実を知ることになります。

と、かなり無理のあるひっぱり方で以下次号。(しかし、こんなに楽しんでいいのかなぁ?<私)


Prequelのあらすじ(6) 21-22章
翌日、2人の皇帝、マルクス・アウレリウスとルシアス・ヴァレスが基地に到着します。30代半ばの皇帝、ルシアス・ヴァレスはマキシマスとは初対面ですが、もちろん彼の活躍は聞いていて、彼に言います。「君が敵の攻撃を未然に防いでこの基地を守った話は聞いたよ。基地の皆、とりわけ、私の婚約者を守ってくれてありがとう。」「私の婚約者?!」…そうです、ルッシラはずっと以前からルシアス・ヴァレスと婚約していたのでした。ルシアスが戦争で忙しかったために、結婚はのびのびになっていたが、すぐにでも式を挙げたい、とルシアスは言います。愕然とするマキシマス。ルッシラは婚約の事など彼には一言も言わなかった…。「自分は最初から、ずっと騙されていた。愛に目がくらんで、見えなかった。」…マキシマスは胸を引き裂かれる思いがします。ショックの余りほとんど逃げ出すように御前を辞すマキシマスは、彼を見ながら満足の笑みを浮かべているコモドゥスには、まるで気づいていないのでした。

その翌日、皇帝達の前で部隊をあげた模擬戦闘訓練が行なわれます。皇族全員と上院議員達が見守る中、新百人隊長のマキシマスは、ライバルのクイントスと対戦します。マキシマスがとりあえず姉に対する脅威でなくなったのに安心したコモドゥスは、都合よく彼を戦士として尊敬の目で見ています。満場の注目の中を登場したマキシマスは、傍目には平静を保っていますが、クイントスは彼の目にいつもと違うものがあるのを感じて、不安になります。

つづく。(調子にのりすぎですね、皆様すみません、もうすこしだけ遊ばせてね。)


Prequelのあらすじ(7)〜青春編完結 22章
マキシマスとクイントスの模擬試合。闘いが始まるとマキシマスは、制御できない激しい怒りにとらわれ、我を忘れてしまいます。彼は悪鬼のごとくなり、容赦無くクイントスに斬りかかります。それを見て興奮するコモドゥス。とうとうマキシマスはクイントスの顔面を斬りつけ、かなりの怪我を負わせてしまいます。そこへダリウスが止めに入り、マキシマスはようやく我に返ってクイントスに謝罪します。クイントスは「これで男前が上がったよ」とか言って快く許してくれるのですが…ますます上がる周囲の評価とはうらはらに、マキシマスは自己嫌悪を感じるのでした。

その夜、マキシマスはマルクス・アウレリウス皇帝に呼ばれます。マルクスはマキシマスに、娘から全て聞いた、2人の仲を認めてやりたいが、ルシアスとルッシラの結婚は政治的にどうしても欠かせない、彼女には皇帝の娘としての義務が全てに優先するのだ、と言います。マキシマスには、通常兵士には退役まで許されていない結婚を、特別に許可する、いずれふさわしい女性が現れたら、結婚するがいい。そして、ルッシラはすぐにルシアスやコモドゥスたちと共に別の部隊に移らせる、君はもう2度と彼女には会わないほうがいいと…マキシマスはみじめな気持ちでうなずきます。

…そして、マキシマスとルッシラはその後長い間、会うことはありませんでした。


Prequelのあらすじ(8)〜戦闘編(23-27章)
ルッシラとの別離の後すぐ、20歳の百人隊長マキシマスはルシアス・ヴァレス率いる精鋭部隊の一員としてゲルマニア軍への先制攻撃に参加します。これが彼の初陣です。この戦闘で、彼は負傷して部隊から脱落した将軍を、彼自身重傷を負いながらも敵の襲撃から一人で守るという活躍をしてさらに出世します。基地に戻って傷の治療を受けるマキシマスを2人の皇帝が見舞い、そこでマキシマスはルッシラとルシアス・ヴァレスが結婚したことを知ります。

時はさらに流れて彼が26歳の頃。彼の上に無能な将軍が着任します。ゲルマニア軍が戦闘準備を整えつつあるのは明らかなのに、将軍は手をこまねいていて、すぐに先制攻撃をしなければ大変な事になるというマキシマスの進言を無視し続けます。マキシマスは身分や階級を気にせずに正しいと思ったことはずけずけと言うのですが、将軍の周りには彼におもねる副官がいっぱいいて、マキシマスの提案はいつも握りつぶされてしまいます。ダリウスは、いざとなったら兵士達はみんなマキシマスの命令を聞くのだから大丈夫だ、と言いますが、マキシマスは階級が上の人間の命令に忠実な士官も多い、例えばクイントゥスのように、と反論します。マキシマスの警告に心配になった将軍は士官に基地の外の見まわりをさせる、というマキシマスの意図とは逆の愚かな策に出て、その結果ダリウスがゲルマニア軍に殺されてしまいます。

…その直後、マキシマスは自ら兵士達を組織してゲルマニア軍へ攻撃を敢行、敵に壊滅的な打撃を与えます。その戦闘においての彼の恐ろしいばかりの活躍−「ひとりで百人以上の敵を斬り殺した」という伝説が、ローマ軍全体に火のような速さで広がってゆくのでした。

しかし彼自身はダリウスを失ったショックからなかなか立ち直れず、精神的リフレッシュのため半ば強引に長期休暇を取り、十数年ぶりに故郷のスペインへ帰るのでした。つづく。


Prequelのあらすじ(9)〜帰郷編(28章)
マキシマスは故郷のトルヒヨの丘の、焼け落ちた家の残骸に座っています。幼い頃に彼が暮らした家の面影はもうほとんどなく、彼はそこで暮らした頃をほとんど思い出せないのを淋しく思います。しかし彼は、母が植えた蔓バラとミントが、どうやって火を逃れたのか、十数年の時を経て元気に育っているのを発見します。バラの花とミントを摘み、匂いをかぐマキシマス。その香りに、彼は長いこと忘れていた母のイメージをはっきり思い出すことができます。それでは、父のイメージは?父を思い出させる匂いは…彼はかがみこみ、土をひと握りすくいあげ、手にこすりつけて匂いをかぎます。土の匂い。それは彼が幼い頃、毎夕農作業から帰ってきた時の父を思い出させる匂いでした。彼は、焼け跡に弟がおもちゃにしていたトカゲの歯が落ちているのに気づきます。それは、彼がいつも革ひもで首から下げているものと同じでした。忘れていた幼い頃を思い出し、故郷に戻ってきたことを実感するマキシマス。

彼はひとりで、かつての彼の家を再建しようと奮闘しますが、ある日、ふと視線を感じて辺りを見まわすと、ウェーブのかかった長い黒髪の若い女性が走り去ってゆく後姿が見えます。つづく。


Prequelのあらすじ(10)〜餌づけ編(29章)
その夜マキシマスは、彼女は誰だろう?どのぐらいの間見られていたのだろう?…などと考えながら、星空の下で、何ヶ月かぶりに夢も見ずにぐっすりと眠るのでした。

翌朝、近くの川で水浴びをして戻ってきたマキシマスは、家に紐で結えた布包みとワインのフラスクが置いてあるのを発見します。焼きたてのパンの香りのする包みの中には、チーズやオリーブや果物が…彼はありがたくいただきます。それから毎朝、彼が水浴から帰って来ると食べ物の包みが置いてある、ということが続きますが、それを持って来る人の姿は見えません。1週間ほど経った頃、彼が馬を運動させていると、あの女性がバスケットを持って道を歩いている姿が遠くに見えます。マキシマスは、彼女が怖がらないだろうか、と気をつかながら馬で近づいて行って、にっこりして声をかけ、食べ物のお礼を言います。どうか怖がらないで…と言う彼を、彼女は、ばかじゃないの、という目でまっすぐ見返すと、深く豊かな声でこう答えます。「あなたなんか怖くないわ。あなたの馬が気に入らないだけよ。」

つづく。


Prequelのあらすじ(11)〜出会い編(29章)
マキシマスはあわてて馬を降り、ふたりは並んで歩きながら話します。「近くに住んでるの?」「あの丘の向うよ、マキシマス。」「僕の名を知ってるの?」「もちろん。子供の頃、兄さんと遊んでたじゃないの。みんな、あなたはどうしちゃったのかって思ってたのよ。」「兄さんって?」「タイタスよ。」「ああ、覚えている。君の名は?」「オリヴィアよ。」「綺麗な名だ。似合ってる。」「ありがとう。」「どうして食べ物を届けてくれたの?」「だって、食べないとおなががすくでしょう?」オリヴィアはヴェルヴェット・ヴォイスで笑います。「うちはこの季節余ってるから、おすそわけよ。」「じゃあ、お礼を言って、君の…旦那さんに。」「父よ。私、独身だから。」…マキシマスはオリヴィアを見つめます。「何考えてるかわかってるわよ。このトシで独身なんて、何か欠陥があるんじゃないかと思ってるでしょ?」「そんなこと考えてないよ。」「求婚はいっぱい、されたのよ。」「それはもちろん…」「でも父が理解があって、好きにさせてくれてるの。あなたも独身ね、兵士だもの。」「どうして僕が兵士だと…いや、馬鹿なことを聞いた。」彼女はまったく同感、というふうに眉を上げて言います。「その刺青とか、馬とか、武器とか…今夜うちに食事に来ない?」「喜んで。」マキシマスは真面目な顔で言って、ちょっと頭を下げます。彼女はにっこりして、言います。「あ、それからマキシマス、うちに来る時は、ちゃんと服を着て来てね。」

つづく。


Prequelのあらすじ(12)〜およばれ編(30章)
その夕刻。マキシマスは生まれて初めて「何を着るか悩む」という経験をした末、出来る範囲でなんとか身だしなみを整えて出かけます。オリヴィアの家に着くと、彼はその立派さに驚きます。家の周囲には、大きな牧場が広がっていました。彼女の家は馬を育てて、ローマ軍にもその極上の駿馬を納めているのでした。マキシマスは、牧場の見事な馬たちの中でもとりわけ素晴らしい駿馬に近づいて手を伸ばします。「それはアルジェントよ。アルジェントと弟のスカルトは、うちが今迄育てた中でも最高の馬なの。あなたの馬よりずっといいでしょう?」オリヴィアは読み書きも帳簿つけも出来て、父の牧場経営を手伝っているのでした。彼女は、革の鎧とチュニックを身につけた彼をしげしげと見て服の選択をほめ、丘の上からは川がよく見えるの、でも私は4人の兄弟にかこまれて育ったから別に大した事じゃない、でも…と言い出し、マキシマスは慌てて話題を変えなければなりませんでした。マキシマスは幼なじみのタイタスやオリヴィアの父マルクスをはじめ、家族に歓迎を受けます。チキンと仔羊をメインにした晩餐は、彼が食べたこともないような豪華な物でした。その席でマルクスは彼の軍隊生活について尋ね、彼がマルクス・アウレリウス帝の信頼を得ている事に感心します。オリヴィアの弟が彼に「沢山人を殺したの?」と聞くと、マキシマスはオリヴィアの顔を見て長い間ためらった後、「ああ、殺さなければならない時には、殺した」と答えます。食事の後、マルクスは娘に、マキシマスに家の敷地を案内してあげるように言います。マキシマスは、横をオリヴィアが通り過ぎた時、彼女の髪から薔薇の香りが漂うのを感じるのでした。

つづく。


Prequelのあらすじ(13)〜うまや編(31章)
オリヴィアはマキシマスを厩舎に案内します。彼女は「犬は好き?」と言って、厩舎の隅で生まれたての仔犬達をマキシマスに見せます。「この子達の父親はたぶん狼なのよ。軍隊で犬を飼っていいなら一匹あげる。」マキシマスは一匹の仔犬を選んでハーキュリースと名付けました。しばらくふたり並んで座りこみ、仔犬達を寝かしつけた後、厩舎を出ようとしたオリヴィアは彼の指が髪をなでるのを感じて立ち止まります。「髪に藁がついてる。」彼は藁を取ってあげながら腕を彼女の腰に後ろからまわし、顔を髪に埋め、首筋にキスをします。彼女は内心残念に思いながらも身を離し、「もう行かなくちゃ。」と言いました。厩舎から出ようとした時、マキシマスは窓辺に飾ってあるものに気づきます。それは馬や犬の、見事な木彫り像でした。「これは誰が彫ったの?」「私よ。」マキシマスは驚きます。「ほとんどは、あなたの家で彫ったの。ここは人が多いから、独りで考え事とかしたい時はいつも、あなたの家に行っていたの。あなたが来た時はびっくりしたわ。」「あの蔓バラ…あれは君が?」「そうよ。火でほとんど枯れていたのを、手入れをして育てて、花で石鹸を作っていたの。」「君の髪は、薔薇の香りがする。これからも、いつでも来てもらってかまわないよ。僕がいてもよければ…」彼女は彼の伸ばしっぱなしの髪と髭に手を触れます。「この『毛皮』の下にはどんな顔があるの?」マキシマスは笑って、「普通の平凡な顔だよ。」と言います。「そうは思えないわ。明日行って切ってあげる。いつも、兄弟の散髪をしているから。」

つづく。


Prequelのあらすじ(14)〜求婚編1(32章)
「君のお父さんは、君がひとりでうちに来て気にしないかな?」「どうして気にするの?」「さあ…わからない。」「大丈夫よ。父はあなたのこと気に入ったみたい。これから育てる雄馬を値踏みするような目で見てたわよ。」「おめがねにかなったと思う?」「さあ…とにかく、この雌馬は、あなたが他の雌馬を追っかけたりしたら承知しないわよ。」マキシマスは彼女を腕の中に引き寄せ、ふたりは情熱的なキスを交わすのでした。

翌朝、オリヴィアに髪を切ってもらいながら、ふたりはいろいろ話をします。「あなたはいつ戻らなきゃならないの?」「わからない。夏中いたいと思っていたけど、もっと早く呼び戻されるかもしれない。」「兵士って、部隊の外には人生はないのね。」「地元の女性と子供を持つ兵士もいるよ。」「でも、結婚はできないんでしょ?馬鹿げた規則だと思うわ。」「理由はあるんだよ。戦う事に気持ちを集中できるとか…退役した時に、正式に結婚するんだ。」「ローマ軍の兵士がみんな独身だってわけじゃないんでしょ?」「結婚してる人もいるよ。特別に許可を与えられて…」マキシマスは暫く考えた後、告白することにします。「実は僕も、マルクス・アウレリウス皇帝に、その許可をもらっている。」「どうして?」「いつか話すよ。」「いいえ、今話して。」

つづく。


Prequelのあらすじ(15)〜求婚編2(32章)
「何年も前に、僕はマルクス・アウレリウスの娘に恋をしたんだ。」「彼女もあなたを?」「ああ。でも、彼女はルシアス・ヴァレスと婚約している事を僕に言わなかった。その埋め合わせに、皇帝は僕に結婚の許可をくれた。」「彼女の名前は?」「気になるの?」「いいえ。でも教えて。」「ルッシラ。」「美人だった?」「ああ。でも君ほどじゃない。」「まだ愛してる?」「いいや。もう何年も前に忘れたよ。今愛してるのは、ルッシラじゃない。」オリヴィアはマキシマスの額に唇を押しあてて聞きました。「今、誰か愛してるの?」「ああ。流れるような黒髪の美しい人を…」「へんねえ。私の愛してるのは、兵隊さんなのよ。」「オリヴィア、僕は君になにも約束できない。家もなければ、安全も…君が必要な時にそばにいてあげられるという保証もないんだ。」「そういうものを全部約束してくれた男はたくさんいたけれど、私が欲しかったのはその人達じゃなかったのよ。一生のうち、本当に愛してる人と結婚するチャンスが、どれくらいあると思う?」それでもマキシマスは、せめてまともな家が出来るまでは、といいはるので、オリヴィアはさっさと家に帰って行ってしまいました。

翌朝早く、マキシマスはオリヴィアが連れてきた家族と召使の一団に起こされます。「どこから始める?」「始めるって何を?」…大勢の人間がタイタスの指示のもと一日中働き、日が暮れる頃には、家は火事の前とほぼ同じ姿で建ち、畑はすっかり整っていました。マキシマスは、これほどの親切にどう報いたらいいのかわかりませんでした。

そしてその1週間後、マキシマスとオリヴィアは結婚しました。

つづく。


Prequelのあらすじ(16)〜結婚編(33章)
花嫁は白いウールのチュニックに身を包み、野の花を編み込んだ髪の上に半透明の赤いヴェールをかぶり、小さなブーケを持っていました。オリヴィアの屋敷の花の香りに満たされた中庭で、花嫁と軍服姿の花婿は指輪を交換し、永遠の愛を誓いました。オリヴィアがマキシマスに贈った銀製の指輪には、ローマの鷲の紋章が刻まれていました。

その夕方。盛大を極めた宴が終った後、マキシマスが先に家に帰って花嫁の到着を待とうと馬のところに行くと、待っていたのは彼の老馬、アルゴスではなく、アルジェントでした。「君の馬だ。」マルクスが彼に声をかけました。「ローマ帝国一の馬に乗ってもらうのに、君ほどふさわしい人間は思いつかない。アルゴスはここで引退生活を楽しむといい。」マキシマスは感激します。「こんなにまでしていただいて…」「いいんだよ。娘を幸せにしてやってくれ。望むのはそれだけだ。」

マキシマスがアルジェントに乗り、仔犬のハーキュリースを小脇にかかえて家に帰ると、まもなく花で飾られた輿に乗ってオリヴィアが到着しました。マキシマスは彼女を抱き上げて家に入りました。ふたりは激しく求め合い、鎧やヴェールやチュニックを後に残しながら、彼のブーツの紐にじゃれついている仔犬を置き去りにして寝室に入ります。

その後数日間、ハーキュリースは、ずっと部屋にこもったままでちっとも出てきて遊んでくれないご主人に、不満の声をあげ続けるのでした。

*********
…その後、マキシマスはまったく賢明なことに、オリヴィアとずーっと一緒にいることにして、マルクス・アウレリウスに「もう軍には戻りませんから」と手紙を書き、子供を年子で1ダースほどぼこぼこ作り、おいしいものを食べてワインを飲みまくって20キロほど太り、じーさんになるまで幸せに暮らしたのでした。めでたし、めでたし。おわり。

…と、いうわけにはいきませんが…

…つづく。(でもマキシマスが部屋から出てこないので、ちょっとだけお休みしますね。)


Prequelのあらすじ(17)〜新婚編(34章)
マキシマスは妻の腰に手をまわして立っていました。すこしふくらんだお腹が、彼女を彼の目によりいっそう美しく見せていました。結婚から4ヵ月後、望むものを全て手に入れた彼は、幸せの絶頂にいました。

彼は奴隷を買うのは嫌だったので、かわりに近隣の村から手伝いの男女を雇って家と畑を整えていました。その家は、ふたりが持つことを望んでいる大家族にも充分な大きさがありました。ハーキュリースはすくすくと育ち、マキシマスの行く所、どこでもついて歩いていました。軍に戻りたい気持ちはまったくなかったのですが、彼は時々襲ってくる罪悪感に悩まされていました。そのことはオリヴィアには、心配させたくないので言っていませんでした。…ある日、ふたたび彼の人生を変える出来事が起こるまで。

その日、オリヴィアは2階の窓から丘の向こうを見て、「マキシマス!」と叫び、走って家に戻って来た彼の腕にかけこみます。彼女がふるえる指でゆびさした先には、二十数騎の近衛兵が、ローマの鷲の紋章をかかげてやってくるのが見えます。

つづく。


Prequelのあらすじ(18)〜召喚編(34章)
「将軍。」近衛兵の隊長が、マキシマスに近づいてきて呼びかけました。「人違いでは?」「マキシマス・デシマス・メリディアス様ですよね?」「そうだ。」「では、やはりあなたです。皇帝陛下からのお手紙です、将軍。」その手紙を読んで、マキシマスは顔から血の気が引くのを感じました。「何なの?」オリヴィアが、彼のそばに駆け寄ってきて聞きました。「ルシアス・ヴァレス皇帝が亡くなった。」「それで…?」「マルクス帝が、私にすぐにフェリックス第3連隊に行くよう望んでいる。ルシアス・ヴァレスに代わって、北部軍の総司令官に任命された。」倒れそうになったオリヴィアを、マキシマスは家の中に運んでゆきました。「断れないの…?」オリヴィアは涙声で聞きました。「できない。」マキシマスはオリヴィアを抱き寄せ、彼女の髪に顔を埋め、ささやくような声で言いました。「すまない…すまない。」

「フェリックス第3連隊は今どこにいる?」「ヴィンドボーナであなたを待っています、将軍。」それは、マキシマスが2度と見ることがないよう望んでいた地でした。即日出発せよと命令を受けている、と言いはる近衛兵を睨みつけて、マキシマスはきっぱりと「3日後に出発する。」と言いました。

3日の間に、マキシマスは義父のマルクスとタイタスに相談して留守中の手配を整え、子供が生まれる時には必ず帰ってくると約束します。オリヴィアはもうすでに、夫の性格が変わってしまったのに気づいて寂しさをつのらせるのでした。


Prequelのあらすじ(19)〜出発編(34章)
出発の日、近衛隊の持ってきた将軍の軍服と鎧を身にまとい、肩に狼の毛皮をかけたマキシマスは、悲しみに沈んだオリヴィアの目にさえ、素晴らしく立派に見えました。オリヴィアは彼に小さな革のポーチを渡します。中には、少しだけふくらんだお腹をした若い女の小さな木彫り像が入っていました。「私を忘れないで。」オリヴィアは涙を堪えて言いました。マキシマスは少し震える声で「大切にするよ。」と言いました。

彼がアルジェントのところへ行くと、その後ろにそっくりな馬がもう一頭つないでありました。義父のマルクスが来て言いました。「弟のスカルトだよ。将軍なら、馬は二頭必要だろう。受け取って頂ければ光栄です、北部軍総司令官、マキシマス将軍。」マルクスは真剣な顔で頭を下げます。マキシマスは義父に感謝し、こう言いました。「もう二度と、私に頭を下げたりしないで下さい。私の名は、ただのマキシマスです。」

マキシマスはアルジェントに乗り、足元にハーキュリースを引連れて出発します。見送る人々に手を振り、妻と目が合うと、微笑んでウインクを送りました。オリヴィアは微笑みを返し、彼の姿が見えなくなるまで見送っていました。


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