ターニング・ラブ Breaking Up

出演:ラッセル・クロウ=スティーブ サルマ・ハエック=モニカ ほとんどこの2人しか出てきません。

「ターニング・ラブ」という邦題の意味はイマイチよくわからないのですが、原題は"Breaking Up"。これは、男女が別れる事。いかに愛し合ったか、じゃなくて、どうして、どういうふうに、別れたかに関するラブ・ストーリーです。

こういう皮肉なアプローチのラブ・コメディって、私は好きなほうなんですがねー。この映画にはいまひとつ納得できなかった。それはなぜか。

この映画の主人公、スティーブ(ラッセル・クロウ)は、「フレンズ」の第3シーズンまでのチャンドラーよりひどい「深入り恐怖症」男です。(また、「フレンズ」ファンにしかわからん表現を…)
モニカ(コートニー・コックス…じゃなかった、サルマ・ハエック)を愛している、でも自分の気持ちが変わってしんどくなっちゃった時に備えて逃げ場は確保しておきたい、というヤツ。気持ちはすごく分かるんだけどねー。もちろんそういう態度にモニカは激怒、2人は大喧嘩の末別れるのですが、スティーブはモニカへの未練断ちがたく、それとも自分で自分の優柔不断さがイヤになったのか、突然戻ってきて彼女にプロポーズ。2人はめでたく結婚することになります。ところが…

この映画のとっても情けない(でも気持ちはわかるし憎めない)スティーブを見て、つくづく改めてラッセルに「お見それしました」といいたくなった。彼には「こういう役は似合わない、イメージと違う」っていう役はないのね。彼の役柄に共通項をさぐるなんて無駄という気もしてきた。だってどの役をとっても全然違うんだもの。しかも、どの映画でも1本だけとりだして見ると、それぞれに「地でやってるとしか思えない」ところが凄い。

そして、サルマの演技も悪くないと思うのよね。(まあ彼女の場合は、どの映画見てもだいたい同じキャラだから、ウマいといえるかどうかはわからないけど)彼女は鉄火娘というか、小柄だけどみょーに迫力があって、ラッセルと怒鳴りあっても全然かわいそうに見えない、ってところがこの役に合ってると思う。

と、テーマおよび演技に関しては文句ないんですが…演出にはちょっと不満。せっかく2人がいい演技をしているのだから、やたらにモノクロにしたり、幻想シーンを入れたり、ストップモーション使ったりせずにもっとストレートに撮ったほうがよかったんじゃないかなー。奇をてらった演出が効果をあげてないばかりか、かえって邪魔になってます。

以下ねたばれにつき、文字を消しときます。(このワザは、あるサイトからの無断借用です…)読みたい方は文字を選択して反転させて読んでね。

ネタバレ=>>最大の不満はラスト。結婚が結局うまくいかなくて、別れた2人が何年か後に(これが何年後なのかよくわからないのも不満)偶然会って、お互いに結婚して子供もいることが判明する…っておい!モニカはわかるよ、モニカは。スティーブはどうして結婚できたのよ?結婚式で気絶するほどの「責任恐怖症」をどうやって克服したわけ?それを描くのが、この映画のテーマでしょうが!そこをいきなりすっとばして「まあ、数年後にはこういうことになってました」でいいのか?<=ネタバレ

と、いうわけでこの映画への私の評価は上記のようにたいへん低くなってしまったのですが、でも観る価値がないというわけではないのよ。ラッセルの演技…と、出演作品の中でも有数の豊富にして色っぽいラブシーンの数々…だけでも、充分観る価値があるでしょう。と、くだらない結論になってごめん。


この映画について私が知っている2、3の事柄

ちのさんのNY「ターニング・ラブ」旅行記
なんと、この映画でスティーブ(ラッセル)が住んでいたアパートと、その周辺を実際に訪ねられたという、ちのさんのレポート。必見です!

・この映画のキャラ、スティーブについてのラッセル・クロウのコメント
「こういう事を言うとロバート(グリーンワルド監督)は喜ばないんだけど、おれに言わせれば彼(スティーブ)はまったくのアホだよ。やつは人生において大切なことに、まるで対処できていないように思えたね。でもそういうキャラクターを演じるっていうのは、ほんとうに面白いことだね。」(下リンクのインタビューより)

97年10月、「ターニング・ラブ」プロモーションにおけるオースティンでのインタビュー

・この映画と「LAコンフィデンシャル」が同年の公開と聞いて、あまりの体型の違い(笑)に驚いた 私ですが、実はこの映画は「LAC」よりずいぶん前に撮影されて、オクラになっていたようです。ラッセルが「LAC」でブレイクし、サルマも有名になってきたんで、遅れて公開されることになったらしい。



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