ハマーアウト Hammers Over The Anvil

出演:ラッセル・クロウ=イースト・ドリスコル(馬にまたがる青年) シャーロット・ランプリング=グレース(絶世の美女、ということになっているらしい人妻) アレキザンダー・オウスレッド=アラン(脚の不自由な少年)

91年のオーストラリア映画であるこの作品は、昨年末までPAL方式でしかビデオが発売されていなかったので、北米及び日本のラッセルファンの間では長らく「幻の名作」扱いされてきました。アメリカのラッセルファンサイトでの「"Hammers Over The Anvil"のビデオを手に入れるためなら、あなたは何を差し出しますか?」という質問に「うちの長男」という答えがあったほど。しかし、2000年秋にはアメリカでビデオとDVD、12月には日本でもビデオ発売され、この映画はめでたく「幻の名作」の地位を"Love In Limbo"(ラッセルの出演映画中唯一アメリカでもビデオ未発売)に譲ることになりました。("Love In Limbo"が名作かどうかは、保証の限りではありませんが。)
※ 2001年1月現在

この映画がなにゆえこれほど伝説的だったかというと、やはり「ラッセルが全裸で馬にまたがっている」というそのファーストシーンのせいでしょう。このわたくしも、それを最大の見所として期待していたのは言うまでもありません。しかし、意外にも…

はい、噂のファーストシーンは期待通りでした。意外だったのは、それを見て最初に私の心に浮かんだのが「美しい!」という言葉だったことです。今迄ラッセルのことを、セクシーだとかカッコいいとか渋いとか、むっちりしているとか女たらしだとか熊みたいだとか、さまざまな言葉で褒め称えてきたわたくしですが、まさか「美しい」なんて言葉を使うことになるとは。いや、でもね、美しいのですよ、イースト君は。野生動物の美しさ。ちょっと頭悪そうなのも、文盲なのも、遥か年上の人妻に血迷うのも、かえって彼には似つかわしい。そして、その美しさは伝説の全裸シーンよりもかえって少し服を着た時の方がさらに際立って見えたのも意外でした。同年制作の映画「Proof」では可愛らしいフツーの青年、「スポッツウッド・クラブ」ではただの小賢しい田舎青年で、「美しい」なんて言葉はどこを押しても出てこないのに…この映画では、なんだかオーラまで漂ってます。この違いは何なんでしょ。

ストーリーは彼、イースト・ドリスコル(野生馬を乗りこなす純粋青年)とグレース(イギリスからきた上流の人妻)の悲恋物語。それにイーストに憧れる脚の不自由な少年、アランの成長物語がからみます。この映画はもう、イーストを眺めているだけで大満足なのは言うまでもないのですが、全般的にも充分質の高い作品です。私は個人的に思春期少年の成長物語ってのは苦手なので、その部分だけは退屈でしたが、これは好みの問題。

蛇足:どうでもいいけど、「ハマーアウト」って邦題、一体何なんでしょうね?原題(金床の上の金槌)は映画の中に「鉄は熱いうちに打て」みたいなセリフがあるのでそのことだとわかるのですが…「アウト」って??

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