Interchapter 〜 幕間


20巻は、9章と10章の間に「Intercapter(間章)」という6ページの短い章があるのです。どうして9章か10章にくっつけてしまわなかったかは謎ですが…

(p227〜p228)ヴェルディヴィアでの勝利の後、サプライズ号はヴァルパライソ沖に戻る。スティーブン、クリスティーンに手紙を書いている。ヴァルディヴィアでの大勝利のお祝いとして、スティーブンはジェイコブからエメラルドを買って、手紙に同封してクリスティーンに贈る。

しかし、勝利はいろいろ好ましくない副産物を生み出していた。オイギンスの部隊が英国軍の手を借りて勝利したことは、他の独立派グループの間に嫉妬心を引き起こしている。オイギンスは最近、国内の人気を失っているらしい。


スティーブンの旧友で今はサプライズ号の「軍医助手」のエイモス・ジェイコブさんは、お医者のかたわら諜報員をやっているというスティーブンのお仲間ですが、ユダヤ人で家族は代々宝石商。トラディッショ〜ン♪(<@「屋根の上のバイオリン弾き」)彼自身も第三(第二?)の職業として家業を継いでいるので、宝石の産地である南米にも買いつけを通じていろいろ広い人脈を持っているのでした。だから、この巻なんかは特に、スティーブンは情報収集はほぼジェイコブさんに任せている感じ。

ヴァルディヴィアでの勝利にもかかわらず、オイギンズさんの評判は落ちているようです。結局のところはスペイン系としてのアイデンティティが強いチリでは、英国に対しては根強い悪いイメージがあるらしい。

ベルナルド・オイギンスさんはチリの「解放者」、「独立の父」と言われながら、後に失脚してペルーに亡命、そこで亡くなったそうです。ウィキペディアには「彼のリベラルな政治姿勢が保守派の地主の反発を受けた」と書いてありますが…ひょっとしたら、彼がアイルランド系で、若い頃は英国に留学していたりして、「英国色」が強かったという点も、全国的人気を得られなかった原因のひとつなのかなあ、とか思いました。

(p228〜p231)リンゼイ卿、部下と争って決闘を申し込まれ、撃たれて即死する。ジャックは、彼を元の英国海軍の艦長らしく、正式な海軍式に葬ってやりたいと重い、港の長官の許可を得ず、検死もしないうちに遺体をサプライズ号で運び出し、沖で海葬にする。

ジャック、カヤオからペルー海軍のエスメラルダ号(50門)を切り離し作戦で拿捕する計画をスティーブンに話す。28門のサプライズ号で50門の重量級フリゲートを攻撃する作戦にリンゼイは反対していたが、ジャックは十分勝機はあると思っている。

ジェイコブがアイザック・ニュートン号で艦に戻ってきて、ヴァルパライソの状況を伝える。リンゼイ卿の遺体の件で港の長官が怒ってしまい、サプライズ号を没収しようとしていると言う。ジャックはすぐにサプライズ号を出港させ、カヤオのエスメラルダ号攻撃作戦を実行に移すことにする。


ああ、リンゼイ卿…海軍を追い出された原因も決闘、文字通り命取りになったのも決闘。男のケンカっ早い性格というのは、一生祟るもんですね。スティーブンにも気をつけてほしいものです。まあ、スティーブンはそれほどケンカっ早いとか、軽率ってわけじゃないけど…決闘癖(?)はあるからなあ。

そして、死後にいたるまで迷惑をかけられてしまうジャック。まあ、「海軍の伝統にのっとって葬ってやりたい」というジャックの気持ちが原因なのだけど。

(p231〜p233)ジャック、アイザック・ニュートン号に行き、ドブソンに頼みごとをする。ひとつは、ニュートン号の学者の何人かがパナマ地峡を越える近道で英国に帰ることになっているので、カヤオでの戦闘の結果を見届けて、報告書を持って海軍省にいち早く届けてほしい。二つめは、地元の当局を怒らせてしまったので、自分たちはヴァルパライソ港に戻れない。サプライズ号は港に戻らずにこのまま出港するので、宿に行ってスティーブンの大事なコレクションを回収し、リングル号に乗って届けて欲しい。

重要な作戦を前にして、スティーブンのコレクションのこともしっかり忘れないジャックが素敵♪スティーブンのこと、「our brother」と呼んでるし。