Chapter 1-1〜新婚生活


7巻のあらすじ感想を終了してから早4ヶ月余り。7巻はロンドンへ映画を観に行く前に終わらせる目標だったので、あんなに飛ばしたのですが…実は、年末あたりから日本公開までに、8巻と9巻をやってしまう気はちょっとあったのです。しかし、ご存知の事情で全然違う事をせっせと書くはめになり、こっちにはとんと手が回らなくなってしまったのでした。むむぅ…(<不満の声)

まあそれもあるのですけど、もうひとつには、8巻がおっそろしくまとめにくかったということもあります。何しろ、11章中8章ぐらいまで、あらすじが「ない」。いや、ないわけではないのですが、おなじみの人たちが、いつものことをやっているだけ、という状態がけっこう長く続くのです。登場人物になじんで愛情を持っている人じゃないと、ちーとも面白くないだろうな、と思いました。私はめちゃめちゃ楽しかったけど。(まあ、8巻をいきなり読む人はいないだろうし、登場人物が気に入ってなければここまで読んでいるはずもないし、それでいいのですけどね。)

今回再開しようかという気になったのは、実は原作掲示板で11〜12巻の話をしていて、11〜12巻について書きたい気持ちが起ってきたせいなのです。で、11巻を書くなら8・9巻を飛ばすわけにもいかないかなあ、と。(邦訳の出ている10巻は飛ばす予定ですが)そこまで行けるかどうかまた不安ですが。

というわけで、私は手抜きの方法を考えました。私はこのシリーズを再読する際、細かい事どころかストーリーラインすらほとんど覚えていない己の鶏頭に愕然とし、ペーパーバックの欄外にメモをとるようにしました。で、8巻に関しては、基本的にそのメモをそのまま載せてしまおうかと。それはそれで結構笑えるのではないかと…もちろん、それだけではあまりに訳の分からんところは補足しますが。多分補足のほうが長くなると思いますが。というか絶対長くなるでしょうが。

長々と前置きをしてしまってすみません。というわけで始めます。

スティーブンとダイアナの新婚夫婦はロンドンはメイフェアのHalf Moon Streetに住んでいる。

前に掲示板に書きましたが、私はこのシリーズの原書を一気買いはしませんでした。全部読むかどうか最初は自信がなかったので、まず1巻と3巻(2巻は図書館に邦訳があったので)、次に2巻と4巻、5〜7巻、8〜10巻…ときてあとは一気だったかな。そして、7巻は「あらすじ感想」に書いたような理由で自分でも信じられないほど早く読み終わってしまったので(今考えても奇跡としか思えない)、読み終わった時点でまだAmazonから8巻が届いていませんでした。数日後、仕事から帰ってきてポストに「不在時配達通知」を発見した私は、1kmぐらい離れた郵便局まで走って取りに行き、受け取ったその場で梱包を空け、帰り道歩きながら読み始めました(<馬鹿…というか不審人物。)

7巻のラストは一応ストーリーの区切りがついているし、これほど先が気になったのはおかしいのですが、これはひとえに、ある1つの点が心配でならなかったからです。…つまり、7巻ラストで長い長い苦労の末ダイアナと結婚したスティーブンが、8巻冒頭で既にいきなり逃げられた後だったらどうしよう、と。いやその、オブライアンさんって、そのぐらいやるような気がしません?3巻ラストで「ジャックとソフィーはちゃんと結婚できるのかなあ」と思っていたら、4巻冒頭でいきなり子供が2人いた、というのもありましたし…まあ、逆ですが。

二人は別居結婚をしている。

まあとにかく、二人はちゃんと仲良くやっているみたいで、歩きながらほっと一安心のわたくし。しかし、スティーブンは新婚早々ハーフムーン・ストリートの豪邸から、おなじみ「グレープス亭」の一室に戻ってしまっています。と言っても、ケンカしたわけじゃなくて、むしろケンカを防ぐために別居しているようです。

というのは、スティーブンが「生活態度を改めるには年をとりすぎているから」。その生活態度とは、ベッドで煙草を吸う、必要を感じた時しかフロに入らない(どのぐらいの頻度で必要を感じてくれるのか、考えただけで恐ろしい)、夜中にチェロを弾く、フランス製高級絨毯にママレードのシミをつける、応接間でいろんなものを解剖する、ベッドサイドテーブルの引き出しから膵臓(何?)が出てくる、など…そりゃダイアナじゃなくても怒るわな。2巻で同居した時にジャックもぶつぶつ言っていたけど。でもジャックはぶつぶつ言いながらも付き合っていたけど。

そういう訳で、長年のつきあいによりその手の事では動揺しなくなったミセス・ブロードの元に戻ったスティーブン(しょうのないやつ…)。その方が彼の「お仕事」にも都合がいいようです。(彼の第三の「お仕事」のことはダイアナにも秘密のようです。)しかし、毎朝グリーン・パークを横切ってハーフムーン・ストリートに戻り一緒に遅い朝食を食べ、ダイアナが毎日のように開くパーティーにもちゃんと顔を出してホスト役を勤めているようだから、まあスティーブンにしては上出来なのかな。

ちなみに私は馬鹿なので、去年ロンドンに行った時、このHalf Moon Streetもなんとなく見に行ってしまいました。当時の建物は残ってないし、別に何にもないのですけど。

ダイアナ、ローマ教会での式をいやがる。

というわけで、つまらないケンカの種もなくなり仲良くやっている二人ですが、ひとつだけ影を落としているのがこの件のようです。二人はドーバー海峡の軍艦の上でバビントン艦長によって結婚したので、カトリック教徒であるスティーブンは教会的にはまだ独身なのです。ローマ教会で式を挙げたいと思い、低姿勢で説得を試みるも、拒否されて落ち込むスティーブン。ダイアナは理由を言わないのですが、彼女がカトリック教徒じゃないこと、当時の英国全体に反カトリック感情が強かったということの他に、彼女のどこかに、この結婚を完全なものにしてしまいたくないというか、腰が引けているところがあるのかな…

いやこの二人、なんか見ててハラハラするのですよ。今は順調でも、いつダイアナが気を変えてまたスティーブンが傷つくのではないかと…しかし実は私の場合、このハラハラが原書を読みつづける大きな原動力にもなったのですけど。

ミセス・ブロード、ダイアナを認める。

新婚早々のドクターが戻ってきてしまってびっくりのミセス・ブロードですが、これも「戸棚からいきなり解剖用の孤児の死体が出てきたりするのと同じ、ドクターのちょっとした癖」のひとつとして納得してくれたようです。さすが肝っ玉母さん。好きだなあ、ミセス・ブロード。

ところで、スティーブンはパリから帰ってすぐダイアナを連れてグレープス亭に行ったようですね。女性を見る眼は厳しそうなミセスですが、ダイアナの「美しさと気さくさ、ドクターに対する明らかな愛情」を気に入ってくれたようで、なぜか私もほっと安心。(姑に認められた嫁って感じ?)

ダイアナ、スティーブンの荷造りに口を出す。

なぜスティーブンが荷造りをしているかというと、ジャックの新しい指揮艦「ウースター号」の軍医として地中海に赴任するからです。ツーロン港の封鎖任務。しかし、スティーブンにはバルセロナとフランスで諜報関係の任務もあるようです。それはダイアナには言っていないのですが。

さて彼の荷造りは、今まではそのへんにあるものを思いつきで適当に放り込むというスタイルで、彼自身はそれで不自由を感じたことはなかったようですが、はたから(特に女性が)見ると我慢ならないいい加減さ。ダイアナとミセス・ブロードがタッグを組んで口を出しまくり。こういう時ジャックなら、鷹揚に任せて女性たちの気のすむまで面倒を見させてくれそうですが(でも本当は彼自身の方が家事も荷造りも上手かったりする)、スティーブンはあんまりいじると嫌がって逃げてしまいそう。

あかん、やっぱり語りだすときりがない。今回手抜きついでに、章ごとにまとめるのではなく、適当に書けたところまででアップしてしまうことにします。今日はここまで。