Chapter 8-1〜オラトリオとおたふく風邪


ちょっと間があきすぎてしまったので、予定した所まで出来ていないのですが上げてしまいます。

ジャック、再び旗艦にて報告。スティーブン、アレンと事の顛末を話す。スティーブン、グレアムに貸しができたことを語る

スティーブンが属している海軍諜報部の他にも、英国は陸軍だの政府だの、それぞれの機関がそれぞれに作った諜報組織があり、バラバラに動いているようで、グレアム教授は別の機関のエージェントだったようです。(3章では「従兄弟が…」とか言ってましたが。本人だというのは、その時からばればれでしたが。)スティーブンたちと同じ目的で同じ場所に向っていた組織が、他にも2つあって、鉢合わせして、お互いに味方だとわからぬまま撃ち合いになったようです。グレアムさんは撃たれたのではなく、ピストルを落っことした拍子に自分で足の指を撃ち抜いてしまったようで、かっこ悪。

彼のせいで重要な会見が台無しになってしまった上、スティーブンはその彼を危険を冒して海岸まで連れ帰り、波の高い中をこれまた危険を冒してドクターを迎えにやって来たボートに乗せ、ウースターに連れ帰ったので、グレアムはスティーブンに大きな借りができてしまいました。(彼はトルコ語やアラビア語に堪能なので、これからの任務に役立ってくれることになります。)

ちなみに、アレンというのはソーントン提督の秘書(表向き)、彼の諜報関係アドバイザーです。

マウアット、新任のローアン海尉とライバルになる。士官候補生のウィリアムソン、おたふく風邪にかかる。ウースター号、オラトリオの衣装を準備する。ジャック、帆から衣装を作る方法を考える。ジャック、おたふく風邪が怖くてスティーブンを避けている。

このあたりは手短に説明。

ローアンというのはソマーズの代わりにやってきた海尉ですが、彼も詩人だったので、マウアットとの間にはライバル意識の火花が散っているようです。ローアンの詩はマウアットほど格調高くないのですがそのぶん親しみやすく、水兵たちに人気があるようです。

この部分じゃないのですが、"Will you take A piece of cake"(ケーキを取ってくれますか?)が詩かどうかで二人が論争していたところが面白かった。ローアンは「韻を踏んでいるのだから詩だ」、マウアットはそうじゃないと主張するのですが…日本で言えば「五・七・五なら何でも俳句か?」ってとこかしら。

ところで、前にマウアットかモゥエットかで迷っていると書きましたが…このへんを読んで初めて気づいたのですが、Mowettはpoet(詩人)と韻を踏んでいるのですね。モエット・ザ・ポエット。「マウアット」というのが頭にあったので気づかなかったよ。そもそも、何で「マウアット」になったのだろう?綴りとは違うけどそっちに近い発音なのかなーと思っていたけど、映画を見ると完全に「モーゥェット」だし。「モゥエット」の方が断然いいような気がしてきました。今からでもそっちに統一しようかなあ。

オラトリオの発表会の日が決まり、他の艦の連中をあっと言わせたい水兵たちは「女がいない合唱隊だから、せめて衣装に凝りたい」と、薄手の帆布に物欲しげな視線を送ります。ジャックは「帆を盗んだ奴は板に耳を釘付けにして海に流す」とがっちり釘をさしつつも、予備の帆にハサミを入れずに衣装にする方法(トーガのように巻きつける)を考えてあげるのでした。

このあたりで一番重要な事件は、士官候補生のウィリアムソンくんがmumps(おたふく風邪)にかかったことでしょう。あいにく重症で、比較的高い年齢の男性がこの病気に罹った場合にありがちな症状、睾丸炎症を起こしてしまいまして…危うく「永遠のボーイソプラノ」になるところでした。(そうそう、オフィーリアを演じられる唯一の人材である彼が病気のため、「ハムレット」の上演は延期になりました。)

まあ、結局彼は大丈夫だったのですが、問題は「成人がおたふく風邪にかかるとどうなるか」の噂がウースター号中に広まったこと。艦長をはじめ、おたふく風邪の免疫を持っていない人が結構多かったのです。スティーブンは彼らのパニックを静めようと、「もしそうなっても心配する事はない。宦官になれば性欲の重圧から開放され、知的に心安らかに人生を送ることができるのだから」と説明するのですが…ちょっとドクター、そりゃまるっきり逆効果ですって。わざとやっているんですか?(多分そうだ…そうに違いない。)

以来、艦長もプリングズ副長もドクターを全力で避けるようになり、彼が甲板に出てくるとマストの上などに逃亡するのでした(笑)。

そういえば、以前の会社の同僚に、40歳で子供におたふく風邪をうつされて2週間休んでた男性がいましたが…彼は大丈夫だったのかなあ。まあ、当時と今では医療技術が違うと思いますが。後輩(若い女性)は「もう子供いるんだからいいじゃないですか」と言っていたけど…そういう問題じゃなかったですね、思い切り。