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ハワイアン・コアのPerformance製ギターを持つウォーレン

内容

0. はじめに
1. Performance Guitarの歴史・特徴
2. 顧客
3. 日本でのマーケティング
4. ウォーレンとPerformance Guitar
 4.1 仕様
 4.2 コルセア(黒のPerformance)
 4.3 ハワイアン・コア(濃茶の木目のPerformance)
 4.4 ビッグブロック
 4.5 ウォーレンの好み
5. セールス・ポイント
6. 連絡先



0. はじめに

1998年8月、非常に微かなコネクションを頼って、カリフォルニア州ロサンゼルスの、ユニヴァーサル・スタジオの近くにあるPerformance Guitarさんにお邪魔しました。かなり前からウォーレン・デ・マルティーニのギターを作っているカスタム・ショップです。ペイントが派手で華やかなイメージのシャーベル/ジャクソンに比べて、Performanceという名前はあまり浸透していないような気がするし、ステージやレコードでは見えないウォーレンの仕事についても知りたいと、ずっと思っていたのです。ひっきりなしにお客さんが訪れるお忙しい中、とても詳しくお話してくださったPerformance Guitarのジェネラル・マネージャーの須貝邦夫さんとチーフ・エンジニアの横手康弘さんに御礼申し上げます。ギターに関する質問は、ギター雑誌『YOUNG GUITAR』を大いに参考にしました。実は私は何もわかっておりません。そして、NHさんとMKさんがいなかったら、このページは作成できませんでした。本当にありがとうございました。

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1.Performance Guitarの歴史・特徴

―Performance Guitarの歴史を簡単に教えてください。
須貝:
Performance Guitarは1979年にスタートしました。正確には会社設立は1976年です。当時はセールス及びギターの修理、改造を中心にFENDER社の直接の依頼により同社のWarranty(須貝氏は会社設立まではFENDER社R&Dセクションに勤務)や、モーリス楽器を始めとする日本のギター製造各社とのジョイントベンチャーなどをしていました。1979年に当時の顧客の強い要望に答えてカスタムオーダーを開始しました。ちなみに最初の有名なギターを作ったアーティストはアメリカというグループのリーダー、ジェフ・バークレーです。
―場所はずっとこちらですか?
須貝:
ハリウッドのVine Streetというところで16年やって、2年前にユニヴァーサル・スタジオの前に引っ越してきました。
―特徴、他のカスタム・ショップとの違いを教えてください。
須貝:
大きな特徴は、この店は、フロントで注文を受けて裏で大部分の作業ができるということです。カスタム・ショップとしては、そういう店はなかなかありません。ここは裏が全部工場になっていまして、フロントで受けた注文のギターは裏で全部作れるというのが大きな特徴です。約19年間、ずっとその体制でやっています。カスタムメイドの草分けです。
工場内1 工場内2 工場内3 
(工場内部の写真。コンピューター操作でボディのカットが細かいところまでできる、最新の機械もあります。)

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2.顧客

―ウォーレンのことはあとでまとめて質問させていただきます。ウォーレン以外にどういうお得意さんがいますか?
須貝:
まず、フランク・ザッパ。ウォーレンにギターを作るようになったきっかけもフランク・ザッパでした。'80年ぐらいからフランク・ザッパのギターをずっと担当させてもらって、フランク・ザッパの家に遊びに行ったウォーレンが、Performanceのギターを見たのがきっかけだったんです。
―どういう経緯でフランク・ザッパと仕事をするようになったのですか?
須貝:
フランク・ザッパには専属のテクニシャンがいたんですが、ヨーロッパ・ツアーに出る前で、全部自分のところでできない…13本ぐらいあったのかな…すぐにやって下さい、というのが最初の依頼でした。フランク・ザッパというのは非常にクリエイティヴな人で、色々な音を作るので、ツアーに出る前には必ず特殊なギターを注文していただきました。当店にとっては、非常に有り難いお客様であり、また、フランク・ザッパを尊敬しているミュージシャンも大勢いますので、そういう人と仕事ができたというのは、とても名誉なことだったと思っています。
―ザッパの息子、ドゥイージルのギターも作っていらっしゃいますよね?
須貝:
ええ、そうです。
―他には、ビリー・シーン…。
須貝:
ビリー・シーン、スティーヴ・ヴァイ…。スティーヴ・ヴァイも、やはりフランク・ザッパのバンドにいた時にフランクのギターを見て、作ってくれということで…。今もサーヴィスはしています。アイバニーズを使っていますが、難物修理の場合は今でも持って来ています。
―表に出ていないけれど、実は使っているというアーティストは…。
須貝:
ええ、大勢います。スラッシュもそうです。写真を見ていただければわかるように、大勢のスタジオ・ミュージシャン、トップ・ミュージシャンと仕事をしています。
扉内の写真
(扉の内側にはお客さんの写真がびっしり。ウォーレンの写真も沢山あります。)

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3.日本でのマーケティング

―日本でのマーケティングはどのように展開されていますか?
須貝:
日本では、大阪のジークラフトさんがPerformanceのギターを扱っています。(注:ジークラフトは1999年春に閉店しました。名古屋のみどり楽器と大阪のMickey's Musicが取り扱っています。)東京方面にないので、良い楽器屋さんがあったら、と思っています。(Performance Guitar及び取り扱い店の連絡先はこちら。)

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4.ウォーレンとPerformance Guitar

―ウォーレンとの付き合いはいつからですか?
須貝:
1985年の6月頃からです。フランク・ザッパのところへ行って、当店のギターを見て、自分にも作ってくれ、と言われました。フランク・ザッパのギターのネックがとても気に入っている、ということでした。ピックアップの配列は、フランク・ザッパのとは違うということで、まず、コルセア(Corsair)というモデルを作りました。
―それは、全く新しいギターとして作ったんですか?
須貝:
ベーシックなギターはあったんですが、それを彼流にアレンジしました。2作目は蛇皮です。それは12月でした。
―ウォーレンの注文の仕方について教えてください。かなり細かいところまで注文してくるのですか?
須貝:
当時、彼らはすごく忙しかったし、こちらもすごく忙しかったので、彼らの家やスタジオに行くことはできず、無理矢理ウォーレンに来てもらいました。当時はファンが大勢来ていたので店では話せず、奥の方で2時間ぐらいかけてウォーレンの希望を聞いて、その後2カ月半程かけて完成させ、ウォーレンが取りに来ました。レコーディングしたり、ステージで使ったりして、とても良い、ということで…。
―ウォーレンは、出来上がったギターは、すぐにその場で弾いてみるタイプですか?
須貝:
そうですね。その場で弾いて、それからリハーサル、レコーディングで使って、自分が思ったような音が出なければ、ローディーの人がすぐにギターを持ってきて、また改良する。それから、当時はツアーが多かったので、東海岸から1日で届く宅配便でギターを送ってきて、また送り返した、ということもありました。
―お客さんとしては“うるさい”タイプですか?
須貝:
いえ、我々のサイドとウォーレンとは非常に良くコミュニケーションが取れていて、我々のアイディアに耳を傾けてくれて納得してくれる、ナンバー1のプレイヤーだと思います。
―普段のウォーレンは浮き世離れした人というイメージがありますが、どうですか?
須貝:
そうですか? 我々にとっては、とてもシリアスに我々の言うことによく耳を傾けてくれる、素晴らしいプレイヤーですよ。

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4.1 仕様

―シャーベルを使っていた時代、ネックが太くてフロイドローズのロック・ナットがうまくおさまらなかったはずですが、今はどうなっていますか?
須貝:
最初シャーベルのギターはネックの幅が太かったんですが、彼は普通の弦の間隔のものを希望していたので、当時当店でネックを付け替えたことがあります。
―今は普通のサイズのネックを使っているんですね?
須貝:
そういうことです。
―ロック・ナットは何を使っていますか?
須貝:
(最も一般的な)#2を使っています。
―以前はフロント・ピックアップはなく、リアにハムバッカーを付けただけで、LAメタル系はそういう仕様のギターが多かったようですが、PerformanceになってからフロントPUも付いていますね?
須貝:
そうです。でも、しばらくはリアしか使っていませんでした。一時はフロントのピックアップとミドルがあったんですが、フロントは配線を外していました。でも途中から、フロントも鳴った方がいいということで、もう一回つなぎ直しました。
―フロント・ピックアップをつないだのはいつ頃からですか?
須貝:
『DETONATOR』のレコーディングの少し前からです。(*インタビューの後、次のような情報も送っていただきました。「ラット再始動後のウォーレンのギターのアップグレードとして、ロックナットを取り外し、グラファイト製の通常のタイプのナットにしているギターもあります。ウォームなサウンドが得られると言う事で気に入っているようです。ブリッジはフロイドローズ+ビッグブロックのままです。参考までにお知らせしておきます。」)

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4.2 コルセア(黒のPerformance)

―コルセアと呼ばれている黒のPerformanceが最初に作ったギターですね。ウッド、ピックアップ、ネック等の仕様について教えてください。
須貝:
チーフ・エンジニア(横手さん)が説明します。
横手:ボディ材はマホガニー、ピックアップは、ブリッジ・ポジションがセイモア・ダンカンのJB、ネック・ポジションがやはりセイモア・ダンカンのクラシックです。ネックは、彼はメイプルの木が一番好きなので、メイプル・フィンガーボードになっています。
飛行機・コルセア
(コルセアというモデル名の由来である飛行機。須貝さんは飛行機整備のエキスパートでもあります)

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4.3 ハワイアン・コア(濃茶の木目のPerformance)

―今ウォーレンがメインで使っている、濃い茶色のギターがありますね。
須貝:
ハワイアン・コアのギターですね。
―ウッドはウォーレンが注文したものですか、Performanceさんが勧めたものですか?
須貝:
丁度ウォーレンが何か違うもの、新しいサウンドが欲しいと探していた時で、良い木があるよ、と勧めたんです。ハワイアン・コアは、70年代にはすごくポピュラーだったんだけど、80年代はあまり使われていなかった。でも、当店には良いハワイアン・コアがあったので、これで良いギターが作れるよ、と紹介しました。それから、トレモロにビッグブロックを装着して、サステインを良くしました。フロイド・ローズ自体、通常はブロックが小さいので、フロイド・ローズを使うとサステインがあまり効かないという問題があるんです。ビッグブロックを付けると、その問題が軽減/解消されるのです。ビッグブロックは、当店とウォーレンとで開発しました。
―それはいつのことですか?
須貝:
91年から92年ですね。
―フロント/リアの切り換えスイッチがトグルスイッチになっていて、レスポールっぽいのですが、ウォーレンの注文だったのですか?
須貝:
そうです。ステージで速く操作ができるから、ということでした。
―ハワイアン・コアのギターと同じものを注文したら、何ドルぐらいしますか?
須貝:
アメリカでの定価は3,500ドルです。日本での価格については…日本の楽器屋さんに問い合わせてください。

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4.4 ビッグブロック

―ウォーレンと一緒に開発したビッグブロックについて、もう少し詳しく説明してください。
横手:
フロイドローズというブリッジは小さいんです。一般的に、フロイドローズに交換すると、普通のブリッジよりも、音質的に劣化すると言われています。チューニングに関してはフロイドローズは非常に良いのですが、音質的に不満が残る訳です。それで、これはビッグブロックの完成品ですが、ベルメタルという特殊な金属で作られています。
須貝:ベルメタルというのは、教会の鐘の材料に使われているもので、非常に振動が良いんです。
ビッグブロック1 ビッグブロック2
(どちらも左側が普通のフロイドローズで、右側がビッグブロックのフロイドローズ)
横手:こういう風に、大きさとウェイトを倍ぐらいにすることで、音質が劣化することを防いでいます。ウォーレンに最初に作ったものは完全な手作りでした。その後、さらに改良を重ねて、既製品でこういうものが作れるようになりました。
須貝:最初に彼のギターに装着したものは、かなり無理矢理付けています。プロトタイプは本当の手作りです。
横手:ウォーレンの、フロイドローズが装着されているPerformance製のギターには、殆どこれが付いています。
―何十万円も出してウォーレンと同じギターを買うことはできないけれど、少しでも同じ物を使いたいと思う場合、これだけを買うことはできますか?
横手:
ええ、できます。フロイドローズを使っている人は、皆、同じ不満を持っていますから、少しでも良くしたいと思っている人には、当店でもこれを勧めていますし、殆どのお客さんが満足しています。
―定価はいくらですか?
横手:
これは75ドルですが、取り付けには改造が必要なので、楽器屋さんに相談して下さい。
―日本でも付けられますか?
須貝:
もちろんです。技術のあるリペア店に持って行けば、付けてくれます。
横手:日本の代理店のジークラフトに送れば問題なく付けてくれるし、ビッグブロックも買えます。(注:いずれの場合も、技術料は別途必要)

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4.5 ウォーレンの好み

―ウォーレンが今持っているPerformance製のギターは何本ありますか?
須貝:
そうですね…。ミニ・ギターもあるし…。
―ミニ・ギターは息子さん用ですか?
須貝:
本人用にも作りましたよ。(笑)
横手:全部で…10本ぐらいでしょうか。
須貝:10本以上ありますね。
―ネックはメイプルが好きだということでしたが、他にウォーレンらしい好みはありますか?
横手:
例えばライヴにおいては、ハムバッキングとシングルコイルの使い分けをはっきりさせるのが好きなので、ピックアップをミックスしたような音は殆ど使いませんね。それから、信頼性を非常に重視しています。ツアーの時など、調整が毎日のように必要なギターは好きではない、安定性のあるもの、前もってセッティングがきちんとできるギターが好きです。ギブソン・レスポールも使っていますが、細かいところは当店が殆どやり直しました。フレットが気にくわないということで、殆どバラバラの状態で持ってきて、当店で調整して組み直しました。ピックアップを色々と取り替えてみたり、ピックアップのカヴァーを着けてみたり外してみたり、といったことを、我々とも意見交換をして、使いやすいように変えています。彼はそういうことをよくやるんです。

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5. セールス・ポイント

―最後にPerformance Guitarさんのセールス・ポイントをもう一度お聞かせ下さい。
須貝:
当店のギターの特徴は、車に例えると、一般に売られている自動車とは違って、レースに出るために専用に作られたレースカーで、プロがそのままステージで使えるレベルのギターになっています。材料の選定から、作る工程、最後の組立に至るまで、例えば、ブリッジの取り付けの位置、アラインメント、ナットの取り付けなど、細かいノウハウを沢山持っています。公道で走っている車とレースで使用される車が全然違うのと同じことです。プロがそのままステージで使えるレベルで最初から作っているので、値段もそれなりに高いのですが、一般の楽器店で買うギターの値段プラス、プロ用の調整代が含まれている訳ですから、そういう意味では、納得してもらえる価格だと思います。
須貝さん 横手さん
(蛇皮のギターを持つジェネラル・マネージャーの須貝さんとチーフ・エンジニアの横手さん。
須貝さんの蛇皮をギターに貼る技術は世界一。)

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6. 連絡先

Performance Guitar
3621 Cahuenga Blvd.
Hollywood, CA 90068
U. S. A.
Phone: 323-883-0781
Fax: 323-883-0997 Eメール
Mickey's Music
〒542-0085
大阪市中央区心斎橋筋1ー5ー30
ジ、アトリウム1F
電話&フアックス:06-6245-1230
Website: [http://www.mickeysmusic.com]
みどり楽器
名古屋市昭和区川名山町155
電話: 052-832-0011
Fax: 052-832-0667

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