老鳥と暮らす 


 人も鳥も年を取ります。
 年相応の衰えは仕方の無いことですが、若い時から抵抗力のある丈夫な体を作り、年を取ってからの体の変化を見逃さないようにすることで、驚くほど長生きしてくれることもあるようです。
 ここでは、うちで15才と10ヶ月、一緒に暮らしたコザクラインコを参考にしながら、加齢による体の変化と注意点を記したいと思います。

人との比較
 一般に言われている繁殖に適した年齢(性成熟期)やホルモンが変化する年齢(更年期)、23才まで生存している事実などから年齢の比較グラフを作ってみました。


LOVEBIRDLOVEBIRD
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 人も鳥も個体差があります。あくまで目安として、参考程度にご覧ください。
 自然界では体が小さく外敵に狙われやすい種ほど子孫を沢山残せるように、成長が早く、すぐに卵を生む年齢になりますが、あとはゆっくりと年を重ねていくようです。
 一般に言われている平均寿命(7〜10年)というのは、繁殖期が終わり、野生下で生き延びる敏捷さを備えていられる上限だと思います。人のような高度医療を望むことは不可能ですが、適切な処置を施すことで、平均寿命以上の長寿は決して難しいことではありません。

定期的な健康診断を
 人も鳥も加齢による体の変化は変わりません。
 人もある程度の年齢になると定期的な健康診断が必要になるように、どんなに健康な鳥でも10才を過ぎたら、少なくとも年に1回は、鳥に詳しい病院で診てもらいましょう。
 毎日、体重やフン、食べ具合は必ずチェックし、メモを取っておくと、体の微妙な変化を見逃さずに済みますし、いざと言う時大変役立ちます。

 うちのコザクラ(♂)の場合、10才を過ぎた頃から雌雄が逆転したように、紙を上手に腰にさせるようになり、長年続けてきた悪癖の毛引きも全くしなくなりました。「過保護はダメ」と言い続けていた獣医師さんも「これからは1年1年、大切に・・・」と言われるようになりました。

内臓の機能低下
 目には見えなくても、年とともに内臓の機能は低下していきます。そのため代謝が悪くなり、病気にもかかりやすくなります。
 運動量が減るのに伴い、食べる量も減りますが、鳥の好む脂肪分の多い餌を与え続けていると内臓に脂肪がつき、老いを早めてしまいます。もともと若いうちから粗食が一番なのですが、より内臓に負担のかからない、品質の良い餌を選ぶようにしましょう。
 病院からいただく薬も、若い時と同じ飲ませ方では内臓に負担がかかってしまいます。獣医師さんとよく相談し、納得のいく方法で与えてください。

羽色の変化
 年齢と共に羽の色が赤味を帯びてくることがあります。人の白髪と同じくメラニン色素が減退するためなので、心配はありません。
 内臓の機能が悪くなると、羽がまだらに黒くなることがありますが、この場合は注意が必要です。

運動能力の低下
 日中も眠っている時間が増え、以前のような敏捷さは少なくなります。このため事故に遭う危険も多いので、放鳥時は今まで以上の注意が必要です。あやまって踏みつけてしまわないように、扉にはさまないように、くれぐれも気をつけてください。
 また、病気で足や羽など、体の一部の欠落を余儀なくされることもあります。多少の不自由はあっても普通に生活していくことは可能です。止まり木の位置や餌入れを工夫して、怪我のないよう見守ってあげてください。

その他の変化
 その他にも老鳥を飼育された方のお話を伺うと、白内障で視力が落ちたり、手術が必要な場合も高齢のため思うように受けられない、といった例もあります。
 また、うちのコザクラがそうであったように、腫瘤も出来やすくなりますし、その中には悪性の腫瘍も含まれます。
 通院の頻度も増え、老鳥との暮らしは多くの負担を抱えることになりますが、お互いの信頼関係があれば、決して苦にはなりません。
 自然界では外敵に襲われ命を落とす年齢になっても、飼い主の愛情と責任でより長い時間を共有出来るのは、飼い鳥ならではの喜びでもあります。

そして・・・
 いずれ訪れるお別れの日、それはどんな形であっても辛く悲しいものです。
 その時を悔いの残らない形で迎えるのはとても難しいことですが、少しでも前向きに思えるように、時を経てそれまでの生活が楽しい思い出となるように、勇気を持って新しい一歩が踏み出せるように、頑張っていただきたいと心から願っています。


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