雛を育てる 


 春と秋、ペットショップには可愛らしい小鳥の雛が並びます。どの雛も理屈無く可愛らしく、思わず連れて帰ってきたものの、ショップでの説明が不充分だったり、忘れてしまったりという方のために、LOVEBIRDの雛を親鳥に代わって育てる方法をご紹介します。

 卵が産まれ、22〜23日で孵化した雛は孵化後3週間前後で親鳥から離されますので、市場に出回るのもこれくらいの週齢です。これより早いと育てるのが難しいし、また、これより遅いと警戒心が生まれ、人を怖がるようになるからと言われています。(写真は3週齢位の雛)

 ショップに来た雛は、スタッフの手でさし餌で育てられます。ご自分でさし餌をして育てるのも楽しいものですが、充分な世話の出来無い場合は、ある程度育った雛を購入したほうが間違いがありません。清潔で、良く慣れたスタッフがいるようなショップならば、安心して購入出来ます。
 さし餌中の雛の場合は、移動や環境の変化によるストレスで一時的に餌を食べなくなることがありますので、そのうが餌で一杯になっているような雛を求めてください。

まず保温
 ショップで購入した雛はふごやますカゴに入れて連れ帰ります。 寒い時期などは、自宅までの保温のことも頭に入れ、使い捨てカイロなどを持参してください。
 卵から孵った雛は、親鳥の羽毛の中で巣立ちまで育ちます。親鳥から離されたショップの雛も、温かい場所で雛同士体を寄せ合っていますので、急激な温度の変化はストレスの原因になります。雛のうちは代謝も不充分で、自分で体温のコントロールが上手に出来ません。
 自宅に連れ帰ったら、雛の適温は28度前後と言われていますので、ペットヒーターやあんかなどを利用して、必要ならば加温してください。温度計があると便利です。
 家に連れてこられた雛は最初のうちは環境の変化でびっくりしていますので、可愛いからとあまり触ったりしてストレスを与えないことも大切です。

雛の餌
 雛用の餌は市販されてもいますが、アワ玉(アワを卵の黄身でコーティングしたもの)は、自宅で作ったもののほうが安心して与えられます。
 アワ玉の他に、成長にはカルシウムやビタミンがかかせません。
 他にパウダー状の、お湯に溶かして与える雛餌もありますので、ショップで説明を受けてから購入してください。

自家製アワ玉のつくり方
 カップ1杯半〜2杯のムキアワを小鉢に入れ、それに卵黄1個を溶いで混ぜ合わせます。よく混ざったら、紙の上に薄く広げてかげ干しにします。乾いてくると、アワ粒が固まってくるので、ひとつひとつほぐして、さらに干して出来上がりです。
 自家製のアワ玉は傷みやすいので、1羽の雛に与えるのなら、この半分くらいの量で作り、こまめに作りなおします。広口ビンに入れ、乾燥した冷暗所に保存してください。

餌の与え方
 アワ玉にお湯を入れて使います。
 深めの容器に1回で食べきれる量よりも少し多めのアワ玉を入れ、多めの熱湯を入れてからお湯を捨て、40度くらいにさまして雛に与えます(穴の開いたスプーンも市販されています)。その際、すりつぶした青菜や、細かく砕いたボレー粉、または、市販のビタミン剤やカルシウム剤を加えます。

 雛は、親鳥から口移しで与えられる餌のように、温かくないと食べませんので、冷めたら温め直してください。
 また、アワ玉などの雛の餌は栄養豊富ですが、それに温度と湿度が加わって、非常に雑菌が繁殖しやすくなっています。お湯を入れて作る時は必ず1回量にし、残った餌は捨ててください。置き餌はしてはいけません。

 3週齢位の雛の場合は、朝8時から夕方7時くらいまでの間に3〜4回さし餌を与えますが、同時に乾いたアワ玉や、殻付きの大人の餌も床にまいておき、雛がいつでも食べられるようにしておきます。徐々にさし餌の回数を減らし、乾いた餌を食べるようにしむけます。
 LOVEBIRDの場合は餌の切り替えは容易だといわれています。さし餌中も、まいておいた乾いた餌を勝手についばむようになり、やがて、雛餌を嫌がるようになります。
 生後5〜6週で大人の餌を食べるようになりますので、そのうに大人の餌がつまっているのが確認出来れば、さし餌をやめ、乾いた大人の餌と水を与えるようにします。
 さし餌中は、餌に水分が含まれていますので、水を与える必要はありません。水を飲み過ぎると下痢を起こし、必要な栄養が吸収されませんのでご注意ください。

雛に多い食滞とそのう炎
 雛が口にした餌は直接胃に降りるわけではありません。
 鳥類にはそのうといって、のどの下のあたりに袋があり、食べた餌を貯めておきます。
 そのうに貯まった餌は徐々に胃に降りていきますが、環境の変化などのストレスで餌がそのうに長時間滞っていたり(食滞)、古い餌が胃に降りていないうちに次の餌を与えると、古い餌がそのうに残ったままになり、炎症を起こします(そのう炎)。
 そのう炎になると、餌を受け付けなくなります。また、食べた餌を吐いてしまうこともあります。
 アワ玉とパウダー状の餌を混ぜて使うと、胃に落ちる速度が違うため、粉がそのう内でかたまってしまい食滞を起こすこともありますので、ご注意ください。

飛べるようになったら要注意!
 大人の餌も食べるようになり、飛ぶのも上手になり、7〜8ヶ月で大人の羽に生え変わり、やっと一人前の成鳥となります。ここまでくれば一安心なのですが、実際はここからが大変な時期かもしれません。
 なぜなら、LOVEBIRDは何ごとにも興味津々で、あちこち移動しては覗き込み、潜り込み、かじったり、落としたりと、いたずら盛りだからです。例えば・・・
・ 戸棚の裏側に落ちて、すきまに挟まって出られなくなった。
・ 洗濯機の水槽の中に飛び込んでしまった。
・ ピアスのキャッチを飲み込んでしまった。
・ 電気のコードをかじってしまった。
・ 薬のシートを破き、中の薬をかじろうとしていた。
・ はこうとしたスリッパの中に隠れていた。
 これらは全部実際にあった話で、ひとつ間違えれば命にかかわります。ある程度経験を積んで危険なことがわかるようになっても、放鳥時は充分な注意が必要です。


 [トップへ]