毎日の観察 
(病気を早く見つけるために)


 病気のひとつひとつについては、ここでは触れません。診察と治療(投薬)は、獣医師の先生におまかせするとして、家で鳥を観察する上で、いち早く鳥の異常を見つけ、早期治療が行えるためのポイントをまとめました。

飼い鳥は病気をかくさない
 『鳥は病気をかくす』(状態がかなり悪くなるまで元気なふりをする)という言葉がありますが、それは野生の鳥たちが天敵から身を守るために弱い姿は見せない、ということです。人によく慣れた鳥ならば、具合の悪い時、何らかの赤信号を出しているはずです。できれば赤信号になる前に、黄色くらいで気づいてあげたいものです。
 早期発見・早期治療で多くの命を救えます。診察は素人では出来ませんが、飼い鳥の観察は飼い主にしか出来ないことです。

羽をふくらませていませんか?
 鳥が羽をふくらませているのは寒いからです。怒っていたり威嚇する時も羽をふくらませて自分を大きく見せようとしますが、それ以外は、具合が悪い時と考えていいと思います。羽をふくらませることによって、温かい空気を逃がさないようにして、体温の低下を防いでいます。

 こんな時は、ペットヒーターなどを利用して温めてあげましょう。鳥の体温は人よりかなり高いため、人が快適だと思う温度でも病気の鳥には寒いと感じられる場合もあります。羽が身体にぴったりとつくようになるまで保温してください。
 保温のし過ぎで暑い時は、翼を身体から浮かせるようにしています。口を開けてあえいでいる様だと、明らかに暑すぎます。

なぜ、保温が必要なのでしょう
 人間ならば『今日は寒気がするから、温かくして早く寝よう』と思います。
 それと同じで、鳥も具合が悪い時、じっとしているのは余計なエネルギーを使わないようにしているからです。
 鳥も具合が悪くなると食欲がなくなります。必要なエネルギーが得られないと体温を維持するのも難しく、身体が冷え、正常な代謝が出来なくなります。すると、ますます食欲が無くなり、本来もっている抵抗力も落ち、他の病気を併発することになります。そこで、体温を逃がさないように、羽をふくらませ、じっとしているわけです。
 この悪循環を断ち切るには、保温しかありません。体温が維持できるようになれば、そのぶんのエネルギーが病気と戦う力におきかえられ、食欲も出て、治りも早くなるというわけです。

いつもと同じふんをしていますか?
 病気を見つける時、ふんは重要な手がかりになります。その為にも、健康な時のふんの状態を覚えておくことが大切です。ふんの色や形状で病気の判断がつくこともありますが、素人判断は一番危険です。
 病院に行く時は、ふんを持って行くと参考になりますし、連れて行けないほど鳥が衰弱している時は、ふんだけでも持って行って見てもらいましょう。
 また、雌は、卵を持っている時に異常に大きなふんをすることがあります。

餌の食べ方、水の減り方は変わりないですか?
 具合が悪くなると、食欲が落ちます。食べているふりをしていても、実際は殻を剥いているだけ、ということもありますので餌の減り具合には注意が必要です。
 また、他の餌に変える時は、今まで食べていた餌も残しておいてください。餌が変わっただけで、神経質な鳥は食べなくなることがあります。新しい餌にする時は少しずつ慣らしていき、ストレスのない状態で与えてください。
 餌が変わると、ふんの色も変わることがあります。合わない餌だと消化不良を起こしますので、当初は、ふんの状態にも気を配ってください。

 野菜をたくさん食べる鳥は、あまり水を飲みません。一方、具合が悪くて下痢をしている場合はたくさんの水を飲みたがります。下痢をしている時は野菜や果物は与えないようにしますが、水は制限すべきものではないと言われています。

体重は変わりないですか?
 おおまかでも、元気な時の体重を知っておくと便利です。若干の変動はありますが、明らかに体重が減った時は要注意です。
 羽毛に被われた鳥は見た目で太っているか痩せているか、判りにくいものですが、胸の正中線が縦にへこんで、溝が出来ているように見えれば太っています。逆に痩せてくると正中線が尖り気味に出っ張ってきます。

いつもと同じ動作をしていますか?
 成鳥の場合、発情期を除いて毎日の行動パターンはほぼ決まっていますので、毎日のお馴染みの動作が見られない時、いつもと違う行動をしている時は注意しましょう。
 例えば、怪我をしたり傷があると、その部分をつついて悪化させてしまうことがあります。
 鼻水が貯まっている時は、外見でわからなくても、しきりに鼻のあたりを掻いたり、止まり木にこすり付けたりしています。
 水浴びが大好きな鳥が急にしなくなったとか、最近鳴かなくなったとか、居眠りの時間が長くなったとか、ささいなことでも、重要な『黄色信号』の時がありますので悪化させないうちに、早めに気づいてあげてください。
 また、良く慣れた鳥ならば、顔を近付けて呼吸音もチェックしてください。聞き慣れない音があるようでしたら、病院で相談してください。

===== 飼い鳥に多い病気と行動 =====

卵秘
 産卵時、卵がつかえてうまく産めない場合があります。さっきまで元気だった雌鳥が、急にうずくまり羽を膨らませてじっとしている時は、卵詰まり(卵秘)を疑ってみてください。(希に別の病気の時もあります)
 雌の場合、発情ポーズ(『LOVEBIRDとは?』参照)を取った後、骨盤が開き、ふんが大きくなり、やがて産卵するのが普通です。
 産卵事態は自然の行為ですので無理にやめさせる必要はありませんが、1年中暖かい場所で暮らしている飼い鳥は、のべつまくなく産卵してしまうことが多く(過剰産卵)、そうなると注意が必要です。

 過剰産卵は体力も消耗しますし、寒い時期にカルシウム不足が重なると卵秘になりやすいので、このような場合は産卵を抑制しなければなりません。といっても、実際は難しい場合が多く、繁殖のためにすべきこと(落ち着いた環境を作り、巣箱・巣材を用意し、栄養のある餌を与える)の反対をすればいいのでしょうが、なかなか簡単にはいかないようです。
 一羽飼いの場合は、飼い主を相手に発情することが多いので、鳥の上に手をかざすなどの発情を促すことは極力やめます。スキンシップの取り過ぎもよくありません。発情ポーズを取ったら、嫌いな音を聞かせてやめさせている方もいます。いろいろと試してみてください。
 産卵にそなえて、日頃からよく運動させ、丈夫な体を作っておくことも大切です。

 また、始めての産卵の場合、固い殻が形成されず柔らか過ぎて産めないこともありますが、この場合は病院で取り出してもらうほかありません。カルシウムが不足しないように気をつけましょう。

毛引き症・自咬症
 自然界では見られない行為ですが飼育下の鳥は神経質なところがあり、特に1羽飼いの場合はストレスから自分の羽を抜いたり(毛引き症)、皮膚を咬んだり(自咬症)することがあります。
 退屈が一番の原因で、可愛がられていた鳥が急に遊んでもらえなくなったとか、大好きなおもちゃを取り上げられてしまったとか、ささいなことが原因になり得ます。
 一度悪癖を覚えると、なかなか治りません。羽が抜けたくらいで命にかかわることはありませんが、自分の皮膚を咬んで出血するような場合は気をつけなければなりません。
 環境を変えたり、他のおもちゃを与えたりして、退屈させないことが大切です。

吐き戻し
 ニワトリやアヒルの雛は産まれてすぐに自力で餌を食べますが、ほとんどの鳥は親鳥から口移しで餌をもらい成長します。LOVEBIRDも同様ですが、求愛の時も雄は雌に餌を与え(雌雄反対のこともあります)、抱卵中も雄が餌を運んで雌に食べさせます。
 このように、鳥のそのうに貯まった餌は簡単に吐き出せるようになっています。
 手乗り鳥の場合、人や気に入ったおもちゃなどに愛情の表現として餌を吐き戻すことがありますが、心配はありません。
 消化器系の病気での嘔吐は、頭を強く振ってパラパラとばらまくように吐き出しますので、このような場合は要注意です。


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