【奈良・東大寺二月堂 修二会(お水取り・お松明)】

天平勝宝4年(752)以来、 1250年以上の長きに渡って絶えることなく続く、「修二会」。3月1日からの本行期間中
(準備期間などを加えると、この行事はほぼ3ヶ月に及びます)、毎夜午後七時の鐘の声と同時に始まる「お松明」
は、関西に春を呼ぶ風物詩として、あまりに有名です。


西宮から、車で約1時間。思っていたより
ずっと近かった奈良でした。

練行衆の参籠宿所の外側には、12日に
使われる「お松明」が準備され立てかけ
られていました。長さ7mほどの、根っこ
が付いたままの「青竹」です。先には
直径50cm位の火種が取り付けられて
います。
それぞれの竹には、梵字とともに
奉納者の祈願が、墨黒々と書きつけ
られていました。
これは、篝火をとりつける前の竹の先端
部分です。火がついたままの状態で
本堂まで担ぎ上げ、本堂の廻り回廊
を突っ走る。その間焼けてしまわない様、
何層にも竹を重ねて差し込み、中心に
木の軸を入れているのです。
手前の柵から、回廊下の柵まで。
今は誰もいませんが、このあとすぐに
(午後5時頃)人が集まり、立錐の余地も
無いほどになります。練行衆は、写真の
左手(写ってないですが)から、堂上へと
移動します。
練行衆が炊事を行い、日常の行を行う
建物。
扉のすぐ内側にはかまどがあり、
湯がたぎっていました。
本堂に明かりが灯る頃。まもなく七時の
梵鐘が聞こえ、お松明が始まります。
この日は穏やかで暖かな日でしたが,
宵の明星が伽藍の上に現れる頃には
気温も下がり、吐く息も白くなりました。
本堂正面の左手から坂を上ったお松明は
一度静止したあと、本堂回廊を一気に
駆けてゆきます。
ほぼ同じアングルから撮った写真ですが、
上のモノはデジカメで、この写真はポジで
撮影してみました。やはりラチチュードなど
の能力では、デジタルはフィルムの敵では
ないようです。



(撮影データ)
FUJI PROVIA 400F
OLYMPUS OM-1 + 200mm f8/3sec
本堂正面を「走る」お松明。板張りの
回廊を駆け抜ける足音は、飛び舞い散る
火の粉と同じくらいの迫力がありました。

本堂回廊の角では、松明が大きく振られ、
炎とともに穢れが払われます。そして
この後、堂内では練行衆による祈祷が
深夜までとり行われます。
「静と動」「水と炎」 二月堂内陣を荒々しく
動き回る練行衆の足音と読経。
炎で穢れを払い、若狭井(わかさい)から
水を汲み上げ、本尊への閼伽(あか:古代
インド語で「水」)とし、新しい春の訪れを
祝う。


次に訪れる機会がもしあれば、内陣での
法要を拝観して(申し込み制)、続きを
書きたいと思います。
【2005年3月 追記】
2年ぶりに訪れた「お松明」。前回はやや
離れたところから望遠レンズで狙いました
が、今年は舞台足もとまで寄ってみました。

5時半過ぎに日が落ちると、二月堂の
斜面からは、とても贅沢な風景を眺める
ことができます。
午後七時の鐘の音と同時に境内の照明は
すべて消され、いっときの静寂のあと、登楼
(上堂に通じる石段)下で火を移された
松明が燃えさかりながら上堂へとあがって
ゆきます。
炎の高さはすでに2mを超え、間近にいる
と髪も焦げるような熱さ。
登楼や上堂には、「童子」と呼ばれる
世話役が控えていて、落ちた火種を箒で
掃き出してゆきます。
上堂についた松明は、まず西に向かって
大きく差し出され、炎のカーテンを作り
次に数回廻され、火の粉をさらに迸らせ
ます。
差し出したままの松明を、堂上の欄干と
平行近くまで動かしたあと
発声と共に欄干の上を滑るように、また
激しく、松明は駆けぬけてゆきます。
燃え方が激しい松明は途中で焼け落ち、
無数の火の粉を撒きながら「清め」の
役を果たします。
先の松明が堂上で打ち振られ始める頃、
次の松明が登楼を上がってゆく。
始まるまでの寒さなど、物の数では
ありません。燃えさかる松明の中にある
無限の明るさの階調。ひとときも同じでない
そのグラデーションはしかし、千年以上に
わたってくりかしくりかえし、この場で
演じられ続けてきたものなのです。もちろん
お松明にいたるまでの、そしてそのあとに
続くあらゆる行事も。




[期間]
毎年 3月1日から3月14日 
お松明開始時間は日によってややばらつきがあります。


[会場]
東大寺二月堂

  拝観無料

[アドバイス]
・すごい人出です。12日の「籠松明(最大級のお松明)」登場日などは、3時間前に行っても拝観できないのでは・・?
・参観者が陣取る場所は、普段だと、登ろうだとか思わないような「急傾斜地」です。足下の拵えは念入りに。
・防寒は当然ですが、回廊下まで行かれる方は、是非「火の粉(というか火の玉)」よけの対策もお願いします(^^;)


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