ゆいゆい出産日記


(1)ゆいゆい出産日決まる

いよいよ臨月に入り、出産方法を決めることになった。
前回まいまいの時、帝王切開だったので、やはり今回も帝王切開が無難らしい。

*****ちなみにまいまいの出産は******
破水→妊娠中毒症になる→子宮口が全開するまで病院で一晩過す→分娩室へ→中々生まれずきよママ熱が出てくる→まいまいがお腹に入ったまま救急車で総合病院へ→診察の結果、胎児回旋不能で全身麻酔で帝王切開することに。
********************************
と、まあ波乱含みの出産であった。

きよママとしては、今回は自然分娩で出産したく、総合病院に通っていたのだが、もし自然分娩となれば、子宮破裂も考えられるとのこと。
産婦人科のT先生はたんたんと話をし、
「では、この日に手術しましょう。前日に入院してください」
とペンでカレンダーの日付を指した。その日は予定日の10日前だった。
この一言でゆいゆいの誕生日が決ったのである。


(2)入院の日

入院の日、やはり心配なのはまいまいのこと。
「ママは赤ちゃんを産みに病院にお泊まりに行くからね。まいまいはおじいちゃんとおばあちゃんのお家で待っててね」と1週間前から言い聞かせていたが、まいまいは「まいまいも行くー」とよく分かってなかったようだ。
きよママの場合は帝王切開で出産日が前もって分かっていたので、上の子のことや家のことなど前もって準備ができたが、自然分娩の人は、いつ陣痛がくるかわからないので、不安なんだろうな。
それに出産費用は帝王切開のほうが安く、生命保険の女性疾病などに入っていればいくらかもらえるのである。でも自分の体にメスが入るということは体にも精神的にもダメージを受けるのである。


(3)ゆいゆい出産当日

いよいよ出産当日。きよママの手術は午後の3番目で、夕方頃になるとのこと。
それまで飲食は禁止で、とりあえず4人部屋の病室で順番を待つことになった。
臨月に入ってからまいまいのお風邪をもらい、薬も飲めずに風を引きずって約1ヶ月。家事や育児から離れて病室でゆっくりと過せたせいか、すっかり風邪が治ってしまった。やはり風邪は休養が大切だと実感させられた。
食事抜きで手術を待っている間はとてもひもじかったが、忙しく過していた日常とはまるで無縁の状態で、病室のベッドの上でひとりくつろいでいた。
すると、看護士さんがやってきて「帝王切開の方は手術後は個室に移るのですが、個室が空いていないので、手術後も4人部屋でいいですか?」と聞いてきた。
個室が空いていないのでは仕方がないし、きよママよりも大きい手術をする人もいるらしいから「いいですよ」と軽く答えてしまった。
この決断が悪夢の始まりであった・・・・。


(4)手術室へ

手術の順番を今か今かと待ちわびて、やっときよママの順番になった。ベッドに寝かされて、ガラガラと看護士さん二人がきよママを手術室に運ぶ。
このように寝たままベッドごと移動されるのは2度目だが、今回は一般の見舞い客も通る廊下をガラガラと移動させられたので少し恥ずかしいものである。
手術室に到着すると、たくさんのベッドが並んでいて、看護婦さんが「今日は手術が多いんですよ」と言い、手術が終った人と交替にきよママのベッドが手術室らしき部屋に入ったと思ったら、ベッドの交換。どこかの料理屋の厨房風の冷たい硬いベッドに移らされたが、冷え性のきよママにはこの冷たさは嫌なものだった。
そして、このベッドにて手術室へ運ばれた。


(5)ゆいゆい誕生!!

体を丸めて脊髄に麻酔を注射される。半身麻酔(いわゆる脊髄麻酔)がきいてくると、下半身がシビれてくる。
ちょうど、正座を長時間した後のシビレと同じである。それがなんともいえない気持悪さである。
まいまいの時は全身麻酔だったので、麻酔を吸っただけでそこから記憶がなくなったのだが、今回は上半身は普通なので看護士さんや医者の会話は聞こえる。
それと同時に少し高めだったきよママの血圧が急に下がり始め、激しい吐き気が・・・。
そして、どこかからきこえる「ピー・・・ピー・・・」というゆっくりな音。これはきよママの心音が段々遅くなっていく音・・・・。心臓がとまっちゃう??きよママ、どーなってしまうんだろう??
きよママが苦しんでいる時、(先生&助産婦さん)「おおー!!すごく動いている、元気だねー」と、のんきな会話。どうやらお腹の中のゆいゆいは元気に動いていた様子。
と、思っているうちに段々と落ち着き、麻酔も効いてきて手術開始。
「メス・・・」とか会話が全て聞こえる。テレビで見た手術の場面が今目の前で再現されている。
(T先生)「ハサミ・・・」 (きよママ)ハサミを使うのか・・・。
(T先生)「椅子」 (きよママ)椅子?椅子って何?
(T先生)「今から赤ちゃんを出します」
と言ってT先生は椅子の上にのぼり赤ちゃんをぐいぐいとひっぱる。それと同時にきよママの体もぐいぐいとひっぱられる感じ。
少しして、ひっぱられる感じがなくなり、助産婦さんがピシピシとゆいゆいのおしりをたたいている様子。そして「オギャー、オギャー」
ゆいゆい誕生!!


(6)いい先生

ゆいゆいが新生児室へ運ばれ、きよママのお腹も無事に閉じられ、手術室を出る。
手術室の外では、看護士さんが次の手術の準備などに追われていた。
きよママはここで自分のベッドに移されるらしいが、そんなあわただしい状況だったので、しばらく待たされていた。
と、それを見かねたT先生「さっきは、死ぬかと思っただろう?」と言いながらきよママのベッドメイキングをし始めた。
そこへ看護士さん、「先生、そのシーツ、頭と足が逆です。」
T先生、「あ、そうか」と言いながら、きよママのためにきれいにベッドメイクして、きよママをそのベッドに移してくれました。
先生がベッドメイキングしてくれるなんて、少しうれしく思い、その先生の人柄がとっても好きになったきよママでした。


(7)4人部屋

T先生がベッドメイキングしたベッドでほんの2時間ほど前に通った病院の廊下を逆戻り。
ばあばとパパが待っている4人部屋に運ばれた。
麻酔のせいで、足はまだしびれたまま。少ししてゆいゆいが病室にきて、再度ご対面。
きよママの体調が良ければあさってから母乳をあげられる。
まいまいのときは、ここですぐに初乳をあげたのだが病院によっていろいろ違うものだ。
あさってまでゆっくり傷を癒せると安心していた。
この4人部屋はまだ3人しか入っていないが、1人は妊婦で血糖値が高くて入院、もう1人は婦人系の病気で入院していた。
2人とも先輩ママでゆったりと休養していた。
ばあばとパパが帰宅し、夕食も久しぶりにゆっくりと済ませ、テレビもゆっくりと見て、さあ睡眠!!
こんなにゆったりとした時間は久しぶりだった。
帝王切開の人は個室なのだが、このメンバーなら、4人部屋でもなんとか過せそうだな・・・と思った。
と、思ったら今日最後の帝王切開のママが空いているベッドにあわただしく運ばれてきた。
そのママ(Mさん)は声がたばこで喉がかれたようなハスキーボイスをしており、よく通る声だった。そんな声で消灯後の病室なのに「痛い-、しびれるー」などと大騒ぎ。


(8)悪夢の始まり・・・

ベッドでうとうとしていたら、今日最後の帝王切開のママが空いているベッドにあわただしく運ばれてきた。
そのママ(Mさん)は、たばこで喉がかれたようなハスキーボイスをしており、よく通る声だった。
そんな声で消灯後の病室なのに「痛い-、しびれるー」などと大騒ぎし、ナースコールを何回も鳴らし、「ここが痛いんだけど、先生はちゃんとしてくれたの?」とか「この枕の位置が悪いからこっちにして・・・それにしても麻酔が切れてきて痛いよー」とか「暑い・・・」とか良く通るハスキーボイスで必要以上に看護士さんにしゃべりまくる。
きよママも麻酔が切れてきて傷口が痛くて眠れず、痛み止めを飲んだりしたが、他の患者さんも寝ているのにそんなに騒がなくても・・・と思った。
そして挙句の果てには「ねえ、痛くない?」などとでっかい声できよママにベッド越しに話し掛ける。今何時だと思ってるんだー!!
痛くても皆口に出さずに我慢してるんだよ!!さんざん騒いだ挙句、でっかいいびきをかいてガーガー寝やがった。
そのいびきのせいでも眠れず散々な一夜を過した。いまさら後悔しても仕方がないが、あの時個室にしていれば・・・・。