水晶のクリーニング

水晶のクリーニング

1.初めに

晶洞やズリで採集した水晶は、表面が赤錆(褐鉄鉱)などで覆われ、見栄えが
しないケースがあります。
採集に案内した後で、遠くの方から、電話やメールでクリーニング方法の問い合わせが
ありますので、情報を欲しがっている方のために私がやっている方法をお伝えします。
水晶の産地、甲府では金をも溶かす「王水」を使って、煮沸してトッコ水晶を綺麗に
したと伝えられています。
もっと安全で、誰でもできる「蓚酸」を使った水晶のクリーニング方法です。
(平成12年10月)

2.必要なもの

(1)蓚酸 1ビン(袋)
500g 1600円前後で、薬局で売っています。劇物に指定されていますので、
購入する際、印鑑が必要です。

蓚酸【500g 瓶入り】
(2)プラスチック容器 1ケ
お弁当箱サイズのタッパ〜フタ付きバケツまで、クリーニングする水晶の大きさにあわせ、
使い分けます。
クリーニング液は、何回も使えますので、大き目の容器に作っておけば、3〜6ケ月は
使えます。(大は小を兼ねる。)
(3)歯ブラシ
使い古した、毛が固めのものが良い。
(4)竹へら
竹の菜バシの先端をマイナスドライバの先端のように、「ノミ」状にナイフで削って作ります。
(5)竹串
使い終わった焼き鳥竹の串を洗って使えばので十分です。
これらに、金属製のものを使わないで、プラスチックや竹製のものをつかうののは、蓚酸と
言えども、立派な酸で、金属を錆び(腐食)させるからです。
(6)保護具
蓚酸が直接肌に付いたり、蒸気を吸い込んだりするのが心配な方は、ゴム手袋、タオル、
ゴーグルを準備して下さい。
わたしは、素手で触りますが、多少ヒリヒリする程度で、何ともありません。

3.クリーニング方法

(1)容器に水晶を入れ、完全に水没するまで水をそそぐ。
(2)蓚酸を入れながら、過飽和溶液を作る。
容器の底に、うっすら白い蓚酸が積もる程度。

クリーニング中の松茸水晶【溶けた鉄錆で茶色に変色】
(3)一週間そのまま放置
(4)必要に応じて、ゴム手袋、タオルでほっかぶり、ゴーグルなどの保護具を着け
溶けきれていない錆を歯ブラシで落とす。
広い面は、竹へら、狭い隙間は、竹串で擦る。
(5)除去しきれなければ、(3)〜(4)を繰り返す。
(6)綺麗になったら、水道の蛇口で水を出しっぱなしにして、1分くらい洗う。
(7)適当な容器に水を張り、その中に浸す。
(8)頻繁に(できれば1日1回)水を交換し、蓚酸に浸けておいたと同じ日数
水に浸しておく。
(9)最後に水道の蛇口で水を出しっぱなしにして、1分くらい洗い、新聞紙の上で
乾燥させて完了です。

4.おわりに

クリーニングが終わった松茸水晶は、見違えるような標本に生まれ変わりました。

クリーニング後の松茸水晶
この方法でクリーニングできるのは、水晶など珪酸鉱物だけです。CaやMgなどを
含む鉱物は間違っても入れないで下さい。
また、ピカピカの水晶より渇鉄鉱がついた水晶の方が味があり良いという人もあり、
このクリーニング法は、ケース・バイ・ケースで使い分けて下さい。